Bar 醸造タンクが見える東京のブリューパブ11選。ビール造りを横目にクラフトビールを嗜もう！

店内にビール醸造所を併設したバー・レストラン「ブリューパブ」。

隣で出来立てほやほやのビールをその場で楽しむ幸福感がたまりませんが、なんと、出来立てのビールを飲めるだけでなく、醸造しているところが丸見えな、エンターテインメント性抜群のブリューパブが増えているんです。


「ビール造りをリアルタイムで横目で見ながら、たくさん使い込まれたタンクを眺めながら、ビールを嗜みたい…！」

そんな皆さんの心を満たす、《醸造設備が見えるブリューパブ in東京》をご紹介します！今回は、WEBメディア「ビール女子」が過去に取材したことのあるお店を11ヶ所ピックアップ。参考にどうぞ！

【品川区】Far Yeast Tokyo Brewery & Grill

JR五反田駅から徒歩約3分の、東急池上線の高架下にある「Far Yeast Tokyo Brewery & Grill」。ガラス張りの外観とオレンジの看板が目印です。

座席数はなんと105席！天井が高く、ガラス張りで開放的な空間が広がる店内なので、ひとりでも、グループでも、いろいろなシーンで使えます。また、お店は表通りから1本入った場所にあるため、車の往来はあまり多くなく、テラス席でゆったりと過ごすひとときは気持ちよさそう。テラス席ではワンちゃん連れの利用もOKです。


店内にある醸造設備で仕込める量は1回で300L。Far Yeast Brewingの東京醸造所として活用していて、山梨県小菅村にある自社工場・Far Yeast源流醸造所で仕込むには生産量が少なすぎるビールや、実験的なビールの醸造をしているのだとか。


タップ（ビールの注ぎ口）は20個あり、「馨和 KAGUA」「Far Yeast」「Off Trail」などのFar Yeast Brewingのビールはもちろん、ゲストタップとして厳選した国内外のクラフトビールが提供されます。Far Yeast Brewingのビールは銘柄に合わせた形のグラスで提供。


ボリュームある食事も充実！グリル中心のメニューを提供しています。ランチから営業しているので、仕事の合間のパワーランチとしてもおすすめ！■詳細記事：【五反田駅から徒歩3分】Far Yeast Brewingの新しい旗艦店は醸造所併設店！さっそく行ってきた
※2020年11月時点での情報です

【目黒区】FIVE TREES

学芸大学駅から徒歩約5分の場所にある「FIVE TREES」。店内は、モルタル感のある床や天井と木や緑のバランスが絶妙で、小洒落たジャングルに迷い込んだかのよう。入店してすぐに、マイナスイオンで心が癒されます。

それもそのはず、運営元は緑化事業やエクステリア事業を行なっている会社「株式会社トーシンコーポレーション」なのです！新事業として、2022年にこのクラフトビールの醸造をスタートしました。


タップの裏から、ちょこんと頭を出すタンクが可愛い。


FIVE TREES が造るオリジナルビールは、3種類。基本は常に全部繋がっているので、ぜひ飲み比べてみてください！日によっては仕入れのビールも飲むことができます。将来的にはオリジナルビール3種に加え、仕入れのビール3〜4種を含め、全部で7タップほど繋げて楽しめるようになるとのこと。どんどん進化するFIVE TREESに乞うご期待です。


ボトルビールのイラストは、FIVE TREES 発起人の小渕さんが描いたものなのだそう。お土産にお持ち帰りしたい！■詳細記事：【東京・学芸大学駅】マイナスイオンが広がる、醸造所併設のビアバー『FIVE TREES』

【荒川区】OKEI BREWERY

日暮里駅から進んで徒歩6分の場所にある住宅街の一角に佇む「OKEI BREWERY」。

2021年10月に、荒川区初のブルワリー兼レストランとしてオープン。母体は、主にワインを主体とするお店を展開する株式会社Okei。ビジネス街である新橋を中心に展開していましたが、コロナ禍での新たな挑戦として住宅街の広がる日暮里にお店を開いたそう。


開放的な店内には、テーブルが6卓とカウンターが8席ありますが、奥の方のテーブルにはビールタンクを眺めながら飲める席が！ここで造ったビールを飲んでいるんだなあ…と実感できる環境が、ビールを倍おいしくしてくれるので、おすすめの席です。ラッキーな場合、実際に醸造しているところも見ることができちゃいます。


醸造長の松山さんは元々新橋でシェフをしていて、このOKEI BREWERYがオープンするにあたって初めてビール醸造を1から勉強。日々ブラッシュアップの繰り返しで、一度作ったレシピをもう一度造るということはほぼなく、少しずつ地道な変更を繰り返してビールをアップグレードさせているのだそう。

『荒川HAZYアンダーザブリッジ』など、楽しいネーミングのビールが揃うので、名前で選んで楽しんでみるのもおすすめ！


ビールに限らず料理も絶品なOKEI BREWERY。料理担当は、10年以上レストランでフレンチのシェフをしていた経験を持っている田中さん。得意なフレンチらしいちょっと小洒落たメニューから、居酒屋の定番メニューまで幅広い料理が楽しめます。■詳細記事：【日暮里】陽気なサングラスが目印のブリューレストラン「OKEI BREWERY」に行ってきた

【葛飾区】きちブルーイング

下町風情の残る東京葛飾区の京成本線・堀切菖蒲園駅から徒歩約5分の場所にある「きちブルーイング」。2023年1月に醸造をスタートしたばかりのブルワリーです。

コンセプトは“下町の生活に根ざした町のビール屋”。一人100円のチャージでフードの持ち込みが可能なブルワリーで、周辺の飲食店やお惣菜屋さんから気に入ったものを持参できるのも魅力の一つ。


店内に入るとすぐ、しっかり目に入る場所に醸造設備はあります。エールビールを中心にIPAやアンバー、ポーターやベルジャンウィットなど、あえて定番は設けずに、多種多様に醸造しているのだそう。

新しい醸造所なので、ピッカピカなタンク。これからどんなビールを造っていくのだろうと、ワクワクしちゃいます。


おすすめビールは、カモミールのフラワリーなフレーバーにレモンやリンゴの様な爽やかな柑橘感、ハチミツを思わせる柔らかな甘みの余韻が特徴の「加密列」。スッキリとした後味で夏にピッタリなクリーンな味わいの白ビールです。

日常的に普段使いの出来る町のビール屋を目指しているとのことなので、肩肘張らずにリラックスしながら、様々なシチュエーションで行ってみてください！■関連記事：【保存版】2023年上半期にオープンした、日本全国のクラフトビールのブルワリー 39ヶ所を一挙紹介

【江東区】Folkways Brewing

清澄白河駅から徒歩8分の場所にある「Folkways Brewing」。2019年に誕生した、木の温もりがほっとするようなブリューパブです。


洗練されたシンプルな店内で楽しめるのは、ここで醸造されたビールたち。カウンター8席、テーブル6席と用意されている席から、ビールづくりで用いるタンクなどを眺めながらビールを嗜むことができます。


店内で提供するビールは8タップ。オリジナルビールが中心ですが、ゲストビールも迎えています。

ビアスタイルとしては「ペールエール」「IPA」「ポーター」などのスタンダードなものから、塩や乳酸菌で醸造するビアスタイル「ゴーゼ」や、フルーツを使った「サワーエール」などを醸造。ゲストビールは、アメリカのブルワリーのものを中心に揃えています。


店内のビールは、全てテイクアウトもok！お店で用意されているプラカップで提供されるので、木場の街を散策する相棒としてもピッタリ。

■関連記事：青空の下でビールを楽しもう！ビールスポットが近くにある都内の公園14選

【北区】Let's Beer Works

東十条駅 南口から徒歩4分の場所にある「Let's Beer Works」は、週末の土日限定で現れるタップルーム。2020年にオープンしました。

元は全く知らない者同志だった6人が「ビールが大好き」という想いの元で出会い、意気投合してできたブルワリーで、6人1チームで運営。営業日には、メンバーの皆さんがビールを注いでくれたり、案内してくれたりと、直接お話しすることができます。


こぢんまりとしたアットホームな店内で、一歩足を踏み入れた瞬間に醸造施設が目の前にドーンと出現！天井が高い建物なので、大きな設備が上の方までしっかり見えてテンション上がります。

なんでも自分たちの手でやってしまう、器用な6人。何もない状態からのブルワリー造りでしたが、出来る限り自分たちの手で造るという信念を持って前に進み、友人たちの協力も得ながら、タンクの導入や醸造スペースのセッティングなども全て自分たちで行ったのだとか。


店内では、常時約8種類ほどのビールをタップで楽しめます。定番は設けておらず、次から次へと新作が登場するので、毎週通っても新しいビールに出会えるのが嬉しい！

また、6人のメンバーのうちブルワーは3人いますが、各々でレシピを作成し、基本的に1人が1つのビールを造っているので、ブルワーそれぞれの醸すビールには個性が反映されています。

ヘッドブルワーの小野さんは、持ち前の感性をビールに映し出す天才肌で、特にサワーエールが大好き。物作りが得意な阿川裕之さんは、目の奥に静かに情熱を宿すブルワーで、スタウトが大好き。そして青柳さんは、アメリカンブルワーズギルドで学び、実際にアメリカでの醸造経験もあるという、圧倒的な知識を活かした超理論派ブルワー。

このような性格が味わいに出ているため、「推しブルワー」がいるお客さんもいるそう。


ビールと一緒に楽しめる、ちょっとしたおつまみのメニューもあります。

持ち込みもOK なので、ビールとお食事のペアリングも楽しみたいという方は、近くの東十条商店街でおつまみを調達してビールと合わせるのもいいかも（持ち込んだ物のゴミは各自持ち帰り）。

週末限定のタップルームには行けない…という方は、公式通販サイトで缶の購入もできます。■詳細記事：【東京・東十条】6人のチームで醸す“美味しい時間”を味わえる、Let's Beer Worksに行ってきた

【八王子市】シェアードブルワリー

京王線 平山城址公園駅から徒歩7分の場所にある「シェアードブルワリー」。“ホームブルーイングを体験できる醸造所”として2017年に設立されました。クラフトビールの入り口になりたいという想いで醸造体験を提供していますが、日本で初めての小規模の醸造機材を設置した醸造所でもあります。

他のブリューパブにはなかなかない、小規模の醸造機材を横目にビールを楽しめるのはとっても嬉しい…！


コロナ禍になってからは一般の方のビール造りを支援する事業をスタート。本格的に自分でビールを造りたい人へ向けて、醸造から販路までを用意。ブランディングやデザインも全て自分たちで行ってもらい、ビールが世に出るまでの手助けをしています。

ビール造りのコンセプトは“シェアリング”。一方的ではなく、お客さんのアイディアをシェアして楽しんでもらいたいという想いなのだとか。

醸造所横のスペースでシェアードブルワリーのビールを飲みながら、自分だったらどんなビールを造ろうか想像を膨らませてみてください。■詳細記事：川崎・多摩川エリアのクラフトビールが熱い！ビール女子編集部が15ブルワリー30種類のビールを飲んでみた

【狛江市】発酵ビストロSAKE-YA KITAMI

小田急線・喜多見駅から徒歩3分の場所にある「発酵ビストロSAKE-YA（サカヤ）KITAMI」。「ビール工房」や「SAKE-YA」などのビアレストランなどを多数手掛ける、株式会社SAKE-YA JAPANが運営。

ビールの醸造所・レストラン・酒屋の三つの要素を併せ持ち、さらにはコワーキングスペースが一体となったマルチなビールスポットです。なんと、コワーキングスペース「サテライトオフィス狛江City」では、SAKE-YAのビールをおともに作業することもできちゃいます。


醸造所は、つま先から天井までガラス張りなので、店内からも丸見え。少し奥まったテーブル席にあるので、醸造所側のテーブルに座ることができれば、直近で作業を眺めながらビールを楽しめます。


店内では、タップ10種類を常設。店内で醸造したオリジナルビールに加え、他のブルワリーのビールをゲストに迎えていることも。


「発酵」をテーマにしているSAKE-YAでは、お料理にも自家製の麹を使用。写真のおつまみは、なんと「トマト麹」を使ったガリトマト！優しい甘みのガリと、酸味のあるトマトが驚くほどマッチする組み合わせでした。はしご酒をするからには、いろんなお店でちょっとずつおつまみも味わいたいので、少量サイズのおつまみがちょうど良い。

■詳細記事：作業の合間にクラフトビールを楽しめる！レストランのあるコワーキングスペースを使ってみた
※2022年3月時点での情報です

【狛江市】Beer Cellar Tokyo（和泉ブルワリー）

喜多見駅と狛江駅とのちょうど中間あたり、住宅街の一角に現れるのが、「Beer Cellar Tokyo（和泉ブルワリー）」。喜多見・狛江の各駅から歩けば、徒歩10分ほど。店内は、ビールを片手に談笑するお客さんたちでいつも賑やかです。


カウンター奥には、ガラス越しにビールタンクがしっかり鎮座。こぢんまりした店内なので、醸造所から離れた場所からもしっかりタンクを眺めることができます。



店主兼ブルワーの和泉さんは、学生時代からのビール好きが高じて、30代半ばで造り手になろうと決心。ポートランドでの修行先「コモンズブルワリー」への深いリスペクトを持ち、その味わいを踏襲したビールを造っています。

さらに、ビールの名前にもこだわりが。コモンズブルワリーでお世話になった外国の方々にも、自分たちが造ったビールがどんなものなのかすぐに伝わるよう英語表記にしたり、店主が野球好きであることから野球にちなんだ用語が使われたり…細かなところまでブルワーさんの“らしさ”が感じられます。


ファンの多い1杯は、コモンズのフラッグシップ「URBAN FARM HOUSE ALE」と同じレシピで作り上げたセゾン。「3A」はアメリカのマイナーリーグのことを指し、「俺らまだコモンズのようにメジャークラスではないけど、これからメジャーを目指していこうぜ」という意味が込められているそう。はじめに酸味を感じますが、飲み進めると馴染んできます。アルコールの甘みもあり、すっきりながらも飲みごたえある味わい。

立ち飲みスタイルのカジュアルなバーなので、お散歩がてら気になるビールを"サクッと一杯"やりに立ち寄ってみてください。■詳細記事：ポートランドのブルワリーから受け継ぎ進化するビール造り 〜 Izumi Brewery 〜

【立川市】立飛麦酒醸造所

多摩都市モノレール線・立飛駅から徒歩8分の場所にあるのは「立飛麦酒醸造所」。2021年12月にオープンしたばかりの、立飛ホールディングスが運営するタップルーム併設の醸造所です。


廃業になったカミカゼブルワリーがあった広大な敷地を、立飛ホールディングスが買い取ったことがきっかけでスタート。立飛ホールディングスの前身は「立川飛行機株式会社」。「飛行機」「ビール」と物は違えど、物づくりへの熱い思いを持ったクラフトマンシップに共感したことから立飛麦酒醸造所と名付けられました。

タップルームは、スタンディングスタイル。奥の窓からしっかり醸造所が見えます。窓の前にちょうど良いテーブルが置いてあるので、ビールを置いて撮影したらとても綺麗に写真を撮ることができます◎


ビールは、オリジナルのみタップで6種を常設。長年ビール醸造に携わる経験豊富なブルワーさんたちが、原料や製造方法に拘った本物のビールを目指し、磨きをかけたビールを造っています。

立飛という街ならではの、可愛くおしゃれな雲のロゴや美しいラベルも印象的。


立飛麦酒醸造所は昭和記念公園も近く、徒歩24分の場所にあるので、公園でピクニックする前に散歩がてら立ち寄って、ビールを調達するのもおすすめ！冷えた状態で購入できるので、栓抜きを持って、いろんな種類を集め、おつまみと一緒に飲み比べを楽しんでみてください。

■詳細記事：立川の空の下、本物のビールづくりに命を込める「立飛麦酒醸造所」に行ってきた

【昭島市】ISANA Brewing Brewery & Roastery（イサナブルーイング）

JR青梅線 昭島駅南口より徒歩3分の場所にある「ISANA Brewing Brewery & Roastery」。ブルワーの千田恭弘さんがロンドンを訪れた際、地元のビール文化に触れたことが創業のきっかけとなり、2018年に水がおいしい昭島でブルワリーを立ち上げました。

木材を基調としたぬくもりのあるブリューパブの店内では、ピカピカの醸造タンクを目の前に、できたてのクラフトビールをはじめ、自家焙煎コーヒーも楽しむことができます。

クラフトビールはコミュニケーションツールの一つだと考えている千田さん。ビールが造られる”背景”を大切にして醸造を行っています。また名前も特徴あるものが多く、「ホップテッドマンション」「M.I.B（Malt In Black）」など、飲む前から楽しいビールがラインナップ。


ナイトロ（窒素を注入するビール）にも力を入れていて、一般的なナイトロは二酸化炭素と窒素を合わせて注入しますが、イサナブルーイングは窒素だけを注入する日本初の“純窒素”で提供。なめらかな泡と濃厚な味わいを楽しむことができます。

千田さんたちのおもしろいアイデアがたっぷり反映されたビールを、タンクの横で楽しんで！

■詳細記事：川崎・多摩川エリアのクラフトビールが熱い！ビール女子編集部が15ブルワリー30種類のビールを飲んでみた