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Column 改めて知っておきたい「クラフトビール」ってなに? 定義や種類、地ビールとの違いなど

2023/01/18


近年、日常的にもよく耳にするようになったクラフトビール

普段飲むビールよりも味わい深いものが多い」「ちょっと高級で特別なビール」……など、人によってクラフトビールへのイメージは様々あると思いますが、実際はどんなビールのことを指しているのでしょうか?

今回は、「クラフトビールの“いろは”」についてまとめました!



記事のPOINT

■クラフトビールとは、小規模な醸造所(ブルワリー)で、ブルワーがこだわりをもって造る多種多様なビールを指します。

■日本では、1994年の酒税法改正(地ビール解禁)により、そのムーブメントが起きました。

ビールの種類は100種類以上!代表的なビアスタイルに「ピルスナー」「ペールエール」「IPA」などがあります。



それでは、詳しく見ていきましょう!


クラフトビールの定義とは?


「クラフトビール」とは、以下3つの条件を満たしたブルワリーで造られたビールを指します。

1.醸造所が小規模であること
2.独立していること
3.醸造免許を取得してビールを造っていること


これらは、アメリカのBrewers Association(BA)という協会が、“クラフトブルワリー”の定義としてまとめたものです。実は、クラフトビール(craft beer)という言葉自体も、アメリカで誕生しました。



また、クラフトビールの「craft」は、英語で「工芸」や「技術」を意味します。

大手ビールメーカーのビールは、桁違いな出荷量・莫大な販路で全国民に知られ飲まれることが多く、どこでいつ飲んでも味わいが同じように、驚くほど緻密に研究・醸造されています。

一方、小規模なブルワリーでは、ブルワー(醸造家)が自分自身の技術を磨き、特技とこだわりを活かし、時には遊び心も大切に、ブルワリーの個性を生み出す。それによってブルワリーの色・唯一無二な特徴が醸し出され、こだわり抜かれた多種多様でカラフルなビールが誕生します。

実際に、クラフトビールの定義と一致する日本のブルワリーでも、伝統的なビアスタイルを踏襲することにこだわるブルワリーや、これまでにない新しいビールを生み出す前衛的なブルワリーなど、個性豊かなキャラクターがありますよね。このように「個性的・多種多様」といった部分でも、「クラフトビール」という意味をなしていると言えるでしょう。


以上をもって、クラフトビールとは
小規模な醸造所(ブルワリー)で、ブルワーがこだわりをもって造る多種多様なビール

と説明されることが多いです。

一方、上記の他に「クラフトビール」についてキッパリとした定義がないのです。

一見、上記の定義に当てはまる日本の小規模なブルワリーでも、「私たちは小規模な設備でビールを造っていますが、クラフトビールとは呼んでいません」と信念を持っているブルワリーも存在します。

何をもって“クラフトビール”と呼ぶのか、ビールの飲み手も造り手も様々な意見や持論をもっていて、それぞれの解釈でそれぞれの中に「クラフトビール」が存在しているのです。皆さんも難しく考え過ぎずに、多種多様なその味わいを楽しんでください!

クラフトビールの歴史


小規模な醸造所でビール造りが始まったのは、1994年の酒税法改正がきっかけでした。

では、酒税法の改正により何が変わったのか?それは次の通りです。


■改正前
ビールの製造免許取得に必要な最低製造量は、年間2,000キロリットル
■改正後
ビールの製造免許取得に必要な最低製造量は、年間60キロリットル

改正前は、製造免許を取得するためには、年間2,000キロリットルという高いハードルがありました。それは、500mlの缶ビールで換算すると400万本。大手のビールメーカーでないと難しいほどの生産量を課せられていました。


しかし、酒税法改正後、年間での最低製造量を「60キロリットル」と大幅に引き下げられ、これによって小さな醸造所も製造免許の取得が叶うようになり、一気に「クラフトビール(地ビール)」を製造する醸造所が増えていったのです。その後の動向は下記の通りです。


■1999年:ブルワリー数が300ヶ所に増加
→町おこしなどを目的として全国各地で小規模ブルワリーが設立され、日本中で地ビールブームが広がる。

2013年:200ヶ所ほどに減少
→大手のビールに比べて高価格で、品質が安定していないものが散見されたことから、一度地ビールブームは終焉を迎える。

■2023年:約500ヶ所に急増
→近年再び盛り上がりを見せ、地ビールブームの時の数を超え、現在500ヶ所以上ブルワリーが全国に点在。

価格帯や不安定な品質により、一度はブームが終わってしまったものの、近年その人気とブルワリー数が再燃しているクラフトビール。磨きのかかったビールを醸造するブルワリーが増えたり、大手ビールメーカーもクラフトビールブランドを立ち上げたことで露出が増えたりしたことが、原因かもしれません。


「地ビール」と「クラフトビール」の違い


ちなみに、この1994年の酒税法改正のことは「地ビール解禁」とも呼ばれています。当時は、特定の地域でつくられる日本酒のことを「地酒」と呼ぶように、その土地で造られるビールのことを「地ビール」と呼んでいました。一方、時を経て多種多様なビールが生まれてくるなか、「地ビール」を「クラフトビール」と呼称することも増えてきました。つまり、「地ビール」と「クラフトビール」はニアリーイコールと捉えられます。

ですが、この点はブルワリー・ブルワーの中でも意見が分かれます。「地ビール」「クラフトビール」を呼び分ける場合も、どちらか一方の言葉しか使わない場合もあります。ブルワリーは、各々のアイデンティティや信念・個性によって、自分たちで造るのビールについてそれぞれ自称しているので、「この定義に当てはまるから、このブルワリーは“クラフトビール”だね」などと位置付けられることはありません。


自分たちのビールを「クラフトビール」ではなく「地ビール」と呼び続けるブルワリーもいます。感覚としては、先ほど例に挙げた日本酒の「地酒」のように、「その土地で醸造していること」に重きを置いていて、その土地に根付いた原料を使ってビールを醸造するなど、地域の特色を全面的に活かしたビールを製造しているブルワリーは、自分たちのビールを「地ビール」と呼んでいるところが多いように感じられます。が、それもブルワリーの信念によって異なります。

『このビールはこういう特徴だからこれに当てはまるね』等とあまり難しく考えすぎず、全てが唯一無二のビールとして、ブルワリーのコンセプトや信念こそがそのブルワリーが醸すビールの概念なのだと広く考えて、ビールを楽しんでみてくださいね!


代表的なビールの種類


最後に、「大手ビール以外のビールを飲んでみたいけど、何から始めたらいいかわからない…」という方に向けて、最初に押さえておきたいビールの種類(ビアスタイル)をご紹介します!

ピルスナー

ピルスナー

1842年に現在のチェコのピルゼンで誕生した、黄金色のビール(ボヘミアンピルスナ-)。淡色麦芽・ノーブルホップ・軟水を用いる。それを真似てもう少し色が薄く、ボディが軽くてドライなジャーマンピルスナ-が誕生し、日本の大手メーカーもお手本としたので日本人にとっても馴染み深い。

COEDO 瑠璃-Ruri-(コエドビール/埼玉県)
黄金色。ホップの苦み香味のバランス、麦の旨味スッキリ。クリアな黄金色と白く柔らかな泡のコントラストが美しい繊細な日本スタイルのピルスナー。さわやかですっきりとした飲み口ながらも、ホップの香味と苦みのバランスがとれた、飽きのこない深みのある上品な味わい。その透明感あふれる特徴にちなんで「瑠璃-Ruri-」と名付けられた。


ペールエール

ペールエール

イギリス発祥の金色〜銅色のビール。ホップやモルトの豊かな香りが特徴。イギリスの伝統的なスタイルだが、アメリカに渡ってホップの華やかな香りがするアメリカンペールエールが誕生し、世界的に人気となった。



ベルジャンホワイト

ベルジャンホワイト

ベルギーのヒューガルデン村で14Cから醸造されていたビールが発祥。一度消滅したが、1965年より復活。コリアンダーとオレンジピールを使用し、その風味が特徴的なこのスタイルは現在、ベルギーだけでなく、日本やアメリカでも造られている人気のビアスタイル。


グラスに注ぐと、白い泡がよく泡立ち、白く濁った麦わら色。オレンジの香りとほのかにスパイシーな香りがあります。炭酸の口当たりはまろやかで、少し酸味があるので飲み口は爽やか。ほんのりとオレンジピールの苦味とドライな味わいで軽やかな味わいです。
■関連記事:今さら聞けない、ビールのはなし。実はいろいろある!「白ビール」のあれこれ



IPA

IPA

IPA と書いてアイピーエーと読む。インディアペールエールの略称で、18C末、インドがイギリスの植民地だったころに、インドに滞在するイギリス人にペールエールを送るために造られた。海上輸送中に傷まないよう、防腐剤の役割を持つホップを大量に投入したため、香りと苦みが非常に強い。


強烈な苦みが特徴の「インドの青鬼」。味の特徴はまさにホップの苦みと深いコク。口に含んでみると「ニガッ!」と思わず声に出てしまうほどの衝撃が心と体に走るが、それと同時にふんわりと華やかなアロマの香り、思わず口元が笑ってしまう…。 この驚愕の苦みと深いコクが、飲む者を虜にします。



スタウト

スタウト

スタウトは、ロンドンのパブで考案されたポーターというビールの改良版。考案者はアイルランドのギネスビール創業者、アーサー・ギネス氏。香ばしいナッツやチョコレート、コーヒーのような香りが特徴の黒系のビール。


箕面ビールは大阪府の北部、箕面市で造られており、世界的な世界的なビールのコンペティションでも数々の賞を受賞している豊かな味わいが特徴。真っ黒な色の『スタウト』はコーヒーやビターチョコレートを思わせるフレーバー、滑らかなやわらかさとドライな後味にこだわった、飲み飽きないビール。何杯でも飲みたい黒を追求した、箕面ビールの自信作。


フルーツビール

フルーツビール

フルーツビールは、醸造の途中でフルーツやフルーツシロップを投入して造られる、フルーツ香が特徴のビール。ベルギーでは伝統的に造られてきたスタイルで、日本の地ビールでも各地の特産物などを使用したものが多い。


先ほど紹介した「ヒューガルデン・ホワイト」に、フランボワーズ果汁などを加えて造られたフルーツビール。かわいらしいピンク色のビールで、フレッシュでフルーティーな香りが心地良いです。甘みと酸味のバランスがよく、りんごジュースのような味わいもあります。キリッと冷やして、細いグラスで飲んでみて!



サワーエール

サワーエール

サワーエールは、主に乳酸菌などのアルコール発酵により酸をつくる菌を用いて併用して造られる酸っぱいビール。フルーツを同時に用いて発酵・熟成するものや、フルーツフレーバーのシロップを入れて飲むものもある。野生酵母を使うもの(ベルギー/ランビック等)がこのスタイルに含まれることも大きな特徴の一つ。


サワーエールの中でさらに「レッドビール」と分類されるビールで、ワインの熟成にも使用されるオーク樽で18ヶ月熟成したビールと、8カ月間熟成した若いビールをブレンド。酸味の中にも甘みを感じるバランスの取れた味わいが特徴。色は深い赤茶色で、グラスに注いだ瞬間にバルサミコ酢のような香りが強く広がります。一口飲んでみると鼻にツンとくるような酸味を一瞬感じ、その後に旨みがたっぷり詰まった深い味に包まれます。



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