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今こそ、ポートランド Column 【後編】なぜ日本とポートランドがコラボ? 注目のビールイベント「Fuji to Hood」の裏側を発起人に聞いてみた

2024/02/29

sponsored by TRAVEL PORTLAND
/ TRAVEL OREGON
“クラフトビールの聖地” ポートランドを知っていますか?

ビールはもちろん、広大な自然、コーヒー、自転車、そしてユニークな人々……ポートランドの魅力は一言では語り尽くせない!「ポートランドってどこ?」って人も、一度足を運べばその虜になるはず。いつ行こう? きっと今がそのときです。



ポートランドの魅力を伝える特別連載『今こそポートランド』。今回は、2024年7月にポートランドで開催される、注目のビールフェス「Fuji to Hood」について、その魅力を前編・後編に分けてご紹介します。後編は、主催者とブルワリーへのインタビューです。

【前編】「Fuji to Hood 2024」開催決定!今年の見どころや気になるラインナップは?

この夏、ポートランドへ旅に出よう!


ポートランド ビールフェス参加ツアーの参加者募集中!ポートランドで2024年7月に開催されるクラフトビールのフェスティバル「Fuji to Hood」に合わせ、とっておきのツアーが用意されました。イベントの参加はもちろん、ポートランドのビールを楽しめるオプショナルツアーも!

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「Fuji to Hood」の魅力を、イベント主催者に聞いてみた


Fuji to Hood」は、日本とポートランドがコラボレーションして開催するビールフェスです。日本の富士山(Mt. Fuji)ポートランドのフッド山(Mt. Hood)がシンボルとなっており、ポートランドで開催されるときは「Fuji to Hood」、日本で開催されるときは「Hood to Fuji」という名で開催されます。

今回、イベント主催者であり、ポートランドでビールツアーを提供するクラフトビール案内人のレッドさんに、「Fuji to Hood」が誕生したきっかけやエピソード、レッドさんの考える「Fuji to Hood」の魅力について伺いました。

Red Gillen(レッド・ギレン)さん

オレゴン州ポートランド在住。オレゴン、ポートランドのビールカルチャーを紹介する「オ州酒ブログ」のファウンダー。8年間日本に滞在した経験があり、今でもよく日本を訪れる。「オ州酒ブログ」はオレゴンのビール、ワイン、スピリッツやハードサイダーをフィーチャーし、今注目のお酒や業界関係者をブログ・SNS中で紹介している。また、オレゴン州・ポートランドのビールツアー、ワインツアー、その他の飲食ツアーを提供している。
■Instagram:https://www.instagram.com/oshuushu


ー「Fuji to Hood」は、どうやって生まれたイベントですか?

レッドさん

最初は、私と「Culmination Brewing(カルミネーション・ブルーイング)」で立ち上げました。今は非営利団体としてイベントを運営しています。

ー どうして日本とのコラボイベントにしたのでしょうか。

レッドさん

きっかけは、2016年に開催された「オレゴンブルワーズフェス」というイベント。オレゴン州のビールを提供するイベントでしたが、ゲストとして6つの日本のブルワリーのビールを提供したところ、驚くほどすぐに売り切れたのです!

ビールがおいしいのはもちろん、ポートランドには “ジャパンギーク” も多く、人気があったのだと思います。私自身も日本に住んでいたことがあり、日本と縁があったので、『ポートランドと日本のブルワリーをつなぐコミュニティを創りたい!』と思い、「Fuji to Hood」をスタートさせました。
©Ezra Johnson-Greenough

ー “ジャパンギーク”!嬉しいですね。

レッドさん

2018年の「Fuji to Hood」では、太鼓演奏がすごく人気で! 観客は大歓声をあげていました(笑)2024年の「Fuji to Hood」でも太鼓の演奏で会場を盛り上げる予定です!

その他にも、書道パフォーマンスをしたこともあり、毎回会場を沸かせています。また、ラーメンやお寿司を提供するなど、日本の食文化も楽しむことができます。

ー 2018年に始まった時は、苦労もあったのでしょうか?

レッドさん

もちろんです。私自身イベント運営の経験がなかったので、いろんな苦労をしました。第一回目の「Fuji to Hood」には11社(うち1社はサイダー)が参画してくれましたが、提供するビールの準備やセットアップの方法がわからず、皆に助けてもらいながら実施しました。

あと、これはアメリカだけの話だと思いますが、ビールを注いでくれるボランティアスタッフの手配が日本より難しくて、とっても大変でした。


©Ezra Johnson-Greenough

ー ビールはブルワリーの皆さんが注ぐのではないのですか?

レッドさん

はい。ブルワリーの皆さんはビールを注がず、横に立って一緒に呼び込みや宣伝をしてもらいます。どうしてかというと、アメリカでは、ビールの提供(サービング)に免許が必要なんです。

免許を持つ人の多くは、金曜の夜はバーで働いてビールを提供している。だから「その翌日に開催されるイベントでビールを注いでもらえませんか?」と頼んだところで、「疲れているから休みたい」となるじゃないですか。なので、注ぎ手を見つけるのに大変苦労しましたね。

ー アメリカにそんな高いハードルがあるとは…

レッドさん

そうなんです。それを改善するために、非営利団体として運営する方針にしたんです。非営利団体であれば、ビールを提供するのに免許が必要ないので。

ー 課題を解決していきながら、今年は第5回目の開催!素晴らしいです。ポートランドに住む者として、日本のビールをどのように見ていますか?

レッドさん

ここ4,5年でさらにクオリティが上がり、どんどんおいしくなっていると感じています!「クラフトビールの文化を醸成し、様々なビールを醸造する」ということは、ポートランドでは20年ほどかかりましたが、日本はこの5年で一気に成し遂げているような気がしています。

また、ポートランドで起こったムーブが、その後日本でもムーブメントとなっている印象なので、日本のビール文化の未来は、ポートランドを見ていればわかるのではないかと感じています。



ー そんな日本のブルワリーとコラボをするにあたって、どうして「イベントのためのオリジナルレシピを考案する」ことを条件としたのでしょうか?

レッドさん

ポートランドと日本のブルワリーでコミュニティを創りたい・人を結びたい、という目的があるので、醸造家同士でコミュニケーションをとってもらうこと。

そして、それぞれの国(地域)には素晴らしい原材料があることが理由でした。それぞれをフュージョンさせることで、お互いから学びを得ることができて、有意義なイベントになります。


ー「Fuji to Hood」でなければ飲めないビールがあるという、参加者にとっても行き甲斐のある嬉しい魅力ですよね。

レッドさん

はい。それに関連して、対話を大切にするという点をとっても大切にしているので、イベント当日は、開催地に必ずブルワーが来ることもイベント参加の必須条件にしています。ブルワーの人たちにも、せっかくお越しいただけるなら、アメリカ流で楽しんでもらおう!と思っています。

過去に行った前夜祭では、主催者の一人であるマイケルさんのご自宅に多くのオレゴン州・日本のブルワーを招いて、アメリカらしくBBQパーティをしました!

ー BBQ、羨ましい…!それでは最後に、参加者の皆さんにはどのように楽しんでもらいたいですか?

レッドさん

「Fuji to Hood」の楽しみ方というより、現地でのリアルな楽しみ方・準備の仕方になりますが、まずは、「Fuji to Hood」にいらっしゃるだけでなく、ポートランドに来たなら必ずお祭りの前後にブルワリーをはしごしてください!イベントに出店しているブルワリーも、前後に営業をしているはずです。ブルワリーが街にどう馴染んでいるのか、ぜひポートランドを肌で感じてみてください。

それと、「Uber」や「Lyft」のアプリをダウンロードして活用しましょう。アメリカでは、ライドシェアが発達しているので、ぜひうまく活用して移動してください。

あとは皆さん、ポートランド滞在中は、ダウンタウンから出てみましょう!ブルワリーもそうですが、住宅地や自然など、人工的でないポートランドの良さを堪能することができますよ。


ー レッドさん、ありがとうございました!

■イベント公式HP:https://fujitohood.com/


2024年に参画する日本ブルワリーに聞いてみた

そして今回、2024年の「Fuji to Hood」に参画する中から7つの日本のブルワリーに、イベントに期待するコメントをいただきました!


1. ISEKADO Brewery(三重県)
コラボ先:Gigantic Brewing
アメリカンスタイルにこだわる僕らにとって、コラボ相手となるGigantic Brewingが造る『Gigantic IPA』は、American IPAの1つのモデルの1つでした。コラボレーションできて、大変光栄です。現在レシピについてディスカッション中ですが、和の原材料をアメリカ的発想で解釈した新しい味が作れると面白いなと思っています。

また、「Fuji to Hood」は、アメリカのリアルなクラフトビールシーンを直接学ぶことのできる貴重な機会だと思っています。2年前の「Fuji to Hood」でも、現地ブルワーとの交流をきっかけに、僕らのブルワリーの中に技術向上が数多く生まれました。今年もたくさん吸収して、モノづくりに活かしていきたいと思っています。


2. 平和クラフト(和歌山県)
コラボ先:Steeplejack Brewing
コラボ相手の「Steeplejack Brewing」には、2022年の前回のイベント時に訪問したのですが、建屋は1909年から建つ教会を改装して作られたブルワリーということで、大きなステンドグラスの下に仕込み装置や発酵タンクといった醸造設備が据えられているのが印象的でした。コラボで醸造するAnnaさんという女性の醸造責任者の方は、醸造経験も長くとても素敵な方と聞いています。いまレシピやどのような日本の原料を使うかの打ち合わせの最中なのですが、どのようなコラボビールが生まれるか私自身もわくわくしながらやり取りを行っています。

「Fuji to Hood」への参加は、初開催の2018年から今回で3回目の参加となります。ポートランドはクラフトビールの街ですが、私(醸造責任者・高木)も2016年から視察やイベントでブルワーとして街を訪れることで大きな刺激や学び、そして多くのブルワーの友人ができました。クラフトビールを取り巻く情勢はアメリカでも日本でも年々変化していますが、また2024年もポートランドを訪れ、イベントでは友人たちとともに醸造するコラボレーションビールで乾杯できることを楽しみにしております。


3. RISE & WIN Brewing Co.(徳島県)
コラボ先:Foreland Beer
コラボ相手の「Foreland Beer」は、ビールのクオリティーの高さが魅力だと思います。 そして彼らはクラシックなビアスタイルに新しいテクニックを加えて作るそうですが、僕たちもクラシックなスタイルのビールが好きでよく作ります。その共通項がシナジーを生み出すだろうと期待しています。

「Fuji to Hood」へは、第一回から参加させていただいていますが、毎回刺激的でたくさんの学びがあります。たくさんの友人もできました。今回は経験豊かなForeland Beerの皆さんと共にクラシックかつ刺激的なビールを作ります!


4. Far Yeast Brewing(山梨県)
コラボ先:Von Ebert Brewing
コラボ相手の「Von Ebert Brewing」は、最新のビアスタイルだけでなく、伝統的なビアスタイルの造りを大事にしているところが魅力だと思います。また、バレルエイジングやミックスカルチャーといったチャレンジングな造りもされているので、コラボによる化学変化が起こる事が楽しみです

「Fuji to Hood」は、とてもブルワーフレンドリーなイベントだと思います。楽しいのはもちろん、コラボ醸造による技術交換も行われるのでとても勉強になります。今回のコラボ醸造では今までに試したことのない技術を取り入れているので、是非多くの方に飲んでいただきたいです。


5. Beer Brain(千葉県)
コラボ先:Ruse Brewing
コラボ相手の「Ruse Brewing」は、ラガーやIPAなどクリアなものが多い中にもHazyやSmoothieもあり、各スタイルにブルワーの工夫が詰まっていると感じます。弊社でもスタイル・原材料問わず様々なビールを造っており、お互いのレシピ設計や原材料の使い方の相互作用によってより素晴らしいビールができると思います。

「Fuji to Hood」は、毎回ポートランドと日本の名だたるブルワリーがコラボする熱いイベントで、弊社が参加できること自体恐れ多いですが、気後れせずにコラボを楽しみたいです!


6. 横須賀ビール(神奈川県)
コラボ先:Threshold Brewing
コラボ相手の「Threshold Brewing」は、とても多様なスタイルのビールを仕込んでいるという印象です。うちのタップルームでも取り扱いさせていただいていますが、とても勉強になるビールばかりです。ブルワーの故郷でもある“ポーランド”スタイルのビールも魅力的なので、横須賀の素材を使って、新しいスタイルのビールが生まれたら楽しいですね。

また、横須賀ビールは開業時にポートランドを訪れ、私たちの目指す【食・農・クラフトビール】に触れ、ブルワリーのモデルとしている街です。「Fuji to Hood」のコラボレーションビールでは、毎回沢山の刺激と学びを頂いております。早くポートランドに行きたいです(笑)今年はどんなビールになるか楽しみです!


7. Totopia Brewery(愛知県)
コラボ先:Breakside Brewery
コラボ相手の「Breakside Brewery」は、レジェンド的ブルワリーの一つであり、時代を築いてきた彼らと共に作品を作れるという事は駆け出したばかりの私達にとっては変え難い貴重な時間になると思います。多くの経験をもつ彼らと私達のビールへの理解がよりよい作品に繋がると感じています

また、ブルワリー同士のコラボレーションでは常に新しい発見やアイデアを得る事ができます。世界中のビールファンに多くの影響を与えているブルワリーが連なるこのイベントに参加できる事をとても光栄に思います。

みなさん、素敵なコメントをありがとうございました!

日本とポートランドの架け橋になりたいというレッドさんと、周囲の人々の熱い想いから始まった「Fuji to Hood」。イベントでしか飲めないコラボビールがあるという魅力はもちろん、“ジャパンギーク” なアメリカ人たちとの交流も楽しめます。日本にいると気づけない、日本の魅力にも気づくことができるかも。

醸造家たちの魂と、日本・ポートランドの魅力を思い切り堪能しに行きませんか?


この夏、ポートランドへ旅に出よう!ビールフェス参加ツアー


クラフトビール好きの皆さんに朗報!

オレゴン州ポートランドで2024年7月に開催されるクラフトビールのフェスティバル「Fuji to Hood」に合わせ、とっておきのツアーが用意されました。イベントの参加はもちろん、イベント以外にもポートランドのビールを楽しめるオプショナルツアーも!今回、インタビューにご協力いただいたレッドさんと巡るブリュワリーツアーが用意されています。

\ ツアーの見どころ /
・クラフトビールフェス「Fuji to Hood」入場チケット込み
・「Fuji to Hood」でしか飲めないコラボビールを存分に楽しめる!
・イベント以外にもポートランドのビールを堪能できるオプショナルツアーをご用意!
・ベストシーズン!夏のポートランドを訪問!
・フリータイムで魅力的なポートランドの町を自由散策!



詳細はこちら
“クラフトビールの聖地”であるポートランドをとことん感じられるビール旅に、あなたも参加しませんか?

■協賛:デルタ航空
■協力:Red Gillen さん
■イベント公式HP:https://fujitohood.com/

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sakko 編集長

「ビール女子」編集長。記事の企画・編集やイベントの運営を担当。小さい頃から、両親が毎日ひたすらビールを楽しそうに飲む姿を見てきたため、「私もきっとビール好きなのだろう」という根拠のない自信と、「大人になったらおいしく楽しくビールを飲みたい」という夢を抱いて育つ。そして、20歳の誕生日を迎えてすぐベルギービールの店で働きはじめたところ、案の定魅了されてビールの世界にどっぷり浸かり、今に至る。

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