ポートランドのクラフトビール事情 Column 世界中から参加できる新しい形のビールイベント。オレゴンのオンラインビアフェスティバルに参加してみた

2020/05/08

タップルームに行きたい!ブルワーに会いたい!ビールについて語りたい!地元自慢のクラフトブルワリーを応援したい!

そんなビール好きの気持ちを自宅にいながら満たしてくれるオンラインのビールフェスティバル「ステイホーム・ドリンクビア("Stay Home Drink Beer" Virtual Beerfest)」が、2020年5月2日に開催されました。


ポートランド クラフトビール オンラインイベント
主催したのは、オレゴンのクラフトブルワリーを支援するNPO「オレゴン・ブルワーズ・ギルド」。参加費用は5ドルで、その収益は全て厳しい現状に直面しているオレゴンのクラフトビール業界を守るために使われます。

土曜日の午後1時から5時まで、オンラインでたっぷり4時間続いたこのイベントの模様をレポートします!

有名ブルワーが飲みつつ語るZoom部屋

フリーム オレゴン クラフトビール
このイベントのプラットフォームになったのは、オンライン通話ツール「Zoom」とSNS「Facebook」。

「Meet-the-Brewer」と題されたZoomページでは、約30分ごとに新たなブルワーが登場し、ビールや業界の現状・将来について語りました。また、視聴者は、コメントや質問のテキストで参加しました。

「Meet-the-Brewer」プログラムのトップを飾ったのは、「オレゴンのブルーイング・レジェンド」と呼ばれる「エクリプティック・ブルーイング(Ecliptic Brewing)」のJohn Harrisさんです。

エクリプティック ルーズ コラボビール
エクリプティックは、現在、オンラインで注文&支払い・スタッフが駐車場へとビールを持ってくると言う形式のテイクアウト販売を行なっています。「ルーズ・ブルーイング(Ruse Brewing)」とのコラボ『Italian-style Pilsner』や様々なホップを味わえるスモールバッチのエクスペリメンタルIPAシリーズ『Vega』の最新バッチなど、ブルワリーで手に入る新作ビールのバーチャル・リリースにワクワクしました。

フリーム オレゴン クラフトビール
私は、1本目として「フリーム・ファミリー・ブルワーズ(pFriem Family Brewers)」の『Helles』を準備したのですが、こちらのブルワリーの新しいバレル・エイジング施設のバーチャルツアーもありました。自宅にいながら、ポートランドから車で1時間ほどの距離にあるカスケードロックスの大きな施設を覗くのもなかなかいいものです。

ブレークサイド 女子ブルワー ナタリー
他にも、以前インタビューさせていただいた「ブレークサイド・ブルワリー(Breakside Brewery)」のガールギャング・ナタリーさんを始め、「Migration Brewing」、「Von Ebert」、「Great Notion」など11のブルワリーのメンバーがZoomルームに登場。

かなりマニアックなビール造りの話あり、この先のブルワリーの在り方についての議論あり、と相当な充実ぶりでした。

趣向を凝らしたフェイスブックページ

レイカム 女子ブルワー ソニアマリー
また、もう1つのプラットフォーム、フェイスブックページにもたくさんのブルワーやビール好きが集いました。

以前、女子ブルワーインタビューにも登場していただいた「レイカム・ブルーイング(Leikam Brewing)」のソニア・マリーさんは、なんとビールの絵の書き方をレクチャー。いくつものブルワリーが、ライブビデオでブルワリーツアーやテイスティングを提供。さらには、ホームブリューイングのお店の案内や音楽のライブまで盛りだくさんでした。

フェスティバルの最後には、1,155枚のチケットが売れたと言うビールが当たるくじ引きがあり、ハッピーアワーへと流れました。

通常のビールフェスに比べてかなりマニアックなところもありましたが、「ビール天国」を維持したいと言うビールコミュニティの気合が伝わるさすがの充実ぶり。

レベル クラフトビール メキシカンラガー
事前に宅配やテイクアウトでビールを注文できるオレゴンのクラフトブルワリーのリストも提供されたので、多くの人がお気に入りのビールと共にイベントを楽しんだようです。

私も2本目は、近所のブルワリー「レベルビール(Level Beer)」でテイクアウトしてきたメキシカンラガー『Bad Hombre』を開けてみました。

Stay Home Drink Beer Virtual Beerfest写真提供:Mike Gordillo

主催者の1人、クリスティーナ(Christina LaRue)さんによると、今回の参加者数は、450名。みんなが積極的に質問をしたり、自らの写真をアップして、クラフトビールをサポートする姿勢を表明したことを嬉しく思っているそうです。そして、既に次回の開催についても議題に上っているんだとか!

世界中から参加できる新しい形のビールフェスティバルが生まれたと言えるのではないでしょうか。


■"Stay Home Drink Beer" Virtual Beerfest
https://www.eventbrite.com/e/stay-home-drink-beer-virtual-beer-festival-tickets-103157948200?fbclid=IwAR1pA04bsTY7N-l2ZCYnV3o9WX1Kq-1CFSVvjg7ieCDxsY5eFHNpGK1_B6w


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東リカ ライター

「ビール天国」と呼ばれるポートランド在住のフリーライター。美味しいクラフトビールが大好きです。

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