Bar ボタンひとつでビールが買える！クラフトビールの自動販売機＜9選＞

実は、2〜30年前まで自動販売機でお酒が買える時代がありました。いまやほとんどその姿を見かけません。
しかし、実は近年、クラフトビールの自動販売機を設置するお店が少しずつ増えているんです！今回は、そんなクラフトビールの自動販売機を構えるお店9つをご紹介！

いったいどうして自動販売機を設置することになったのか？北は青森県から、南は熊本県までそれぞれのお店にお話を伺いました。ボタンひとつでネットショッピングができちゃう今だからこそ、リアルなボタンを押してクラフトビールを購入する楽しみを味わってみませんか？

1.【青森・弘前】加藤酒店

全国的にも有名な「桜まつり」が開催される弘前公園から徒歩10分。曹洞宗三十三のお寺が連なる「禅林街」と呼ばれる場所の入り口には「加藤酒店」というお店があります。昭和30年後半からタバコ屋として始まり、令和の今でも地域の人に愛される存在です。

「これまでお酒に馴染みのなかった方にも、お酒の美味しさや楽しさの体験を通じて、お酒のファンになってもらいたい」。そんな店主の想いが軸となり、特定のジャンルにこだわらずさまざまなタイプのお酒を提供しています。つくり手のこだわりやストーリー性のあるもの、独創的な香りのものや、思わずジャケット買いしてしまうようなデザインのものなど、店主が良いと思ったものを厳選して販売しています。


お酒の販売だけにとどまらず、お酒をより楽しむためのグッズ販売や、お酒を通じたコミュニケーションの場づくりにも力を入れています。

販売エリアの奥にはなんと「角打ち」エリア（15坪）が！気に入ったクラフトビールをそのまま店内で楽しめちゃいます。旅の思い出に、きれいな津軽びーどろのタンブラーで一杯いただくのも乙。

そんな加藤酒店が構えている、ビールの自動販売機がこちら！


これまでお酒に馴染みのなかった人にも、クラフトビールの楽しみをより多くのお客様にお伝えしたいという想いから設置したそうです。「クラフトビール」の文字が良い味を出していますね。

その時々の旬なものや、話題性のあるものを中心に、IPA、ペールエール、アンバーエール、フルーツビール、ヴァイツェン、セゾン、ケルシュ、スタウトなど幅広い種類が勢揃い！目をひくパッケージも多いので、ついつい立ち止まってしまう方がきっと多いはず。


現在は北海道から奈良県まで国内20社に加え、カナダ、ニュージーランド産などの外国産のクラフトビールも提供していて、その数は夏場で70〜80種、冬場でも60種は揃っているのだとか。

また、地元青森県産HOP100％のビールや、津軽弁の銘柄名を冠したビールなど、青森ならではのビールにも出会えます。入荷情報はSNSで随時発信しているとのことなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

2.【茨城・大洗町】Beach Culture Brewing

大洗駅から、きらめき通りを直進すること15分。潮風を感じながらショッピングや食事を楽しめる海辺のスポット「大洗シーサイドステーション」内に、自動販売機があるタップルームが。その名も「Beach Culture Brewing」。2021年8月にオープンし、海街の歴史・文化・ファッションを融合させた地ビールを醸しています。

醸造所とタップルームが併設されているので、店内ではフレッシュな状態のビールを楽しめちゃいます。海岸線をイメージしたというすっきり飲みやすいビール、地元の食材を使ったビール、季節限定品の他、思いつきビールなど面白いラインナップが迎えてくれます。


製造からお店の営業まで、全ての対応をワンオペで行っているなか、「商品の売り子が欲しい！」と思い考えた結果、即戦力になる自動販売機を導入することに！非対面販売は感染リスクの軽減にも繋がるので、一石二鳥。


自動販売機のラインナップは、定番ビール5〜6種類と限定品の中から、ビアスタイルやラベルの色の全体的なバランスを見て決めているそう。基本的にはフルーティーなビールが多いそうですが、ラインナップにあまり偏りが出ないように工夫もされているようです。自販機にはそれぞれのビールの説明も貼ってあるので、何を買おうか迷ってしまう方にも安心です。


現在は、12種類のビールが販売されていますが、よく見るといくつかのビールに人のイラストが！なんと大洗町に住む個性的な人々をキャラクター化し、クラフトビールのスタイルとして表現しているそうなんです。自分に似ていて共感できるキャラクターを自分用に買ってもよし、はたまた友達や家族にプレゼントするとなどしても、会話が盛り上がって楽しそうです。

3.【東京・八重洲】ヌードルハウスランドリー

東京駅 八重洲北口改札から地下1階へ。大人が集う落ち着いてシックな雰囲気の“黒塀横丁”に佇む「ヌードルハウスランドリー」。

店名には、洗濯機のようにいろんな人、文化がごちゃ混ぜになって新たな文化を創る、というような想いが込められています。


日本人の口に合うようにアレンジされた「フォー」や「パッタイ」をはじめとするアジア料理が楽しめるほか、常時15種類のクラフトビールが繋がれており、フードとのペアリングも楽しめちゃいます。ビールの種類は毎日変わるそうですが、国内外のIPA、セゾン、サワー、黒ビールなど幅広いラインナップが魅力的。

そして、一見アジアン屋台のような佇まいのこのお店にも、クラフトビールの自動販売機が！


自動販売機には、約20種類ものクラフトビールが並びます。スタッフの方が「ぜひ飲んでほしい！」と思ったビールをピックアップしたラインナップ。

店の外に設置されており、自動販売機だけの利用ももちろん大歓迎とのことなので、お土産や新幹線での楽しみに買っていくのもいいですね。ちなみに、開栓料300円で店内でも飲むことができるそう。


東京の玄関口でクラフトビールのおいしさを伝え続けるヌードルハウスランドリー。ここの自動販売機でビールを調達しないまま、東京駅から新幹線にはもう乗れないかも？！旅行や出張、帰省の際にぜひ寄ってみたいスポット。


■詳細記事：東京駅直結！クラフトビール15タップとアジアンテイストの料理を堪能できるストリート酒場『ヌードルハウスランドリー』

4.【東京・高円寺】DRiNKUP!! Craft Beer Shop

高円寺駅から早稲田通り沿いに10分歩いて行くと、ビタミンカラーの看板が目印の「DRiNKUP!! Craft Beer Shop」（以下、ドリンクアップ）があります。赤い格子に全面ガラス張りなので、内観の雰囲気も伺うことができます。

2020年12月にグランドオープンして以来、自動販売機でのクラフトビール販売のほか、ギフト用セット、クラフトビールグッズ、ビールに合うスナックなども販売するビールの専門店です。


実はもともとこの場所はお店ではなく、クラフトビールを輸入販売する会社「Drink uppers」の倉庫だったんです。倉庫の空きスペースを使って何か面白いことをしよう！と考えた結果、「クラフトビールを自動販売機で売る」という新しい売り方を思いついたそう。

また、輸入しているクラフトビールやブルワリーのことを「自分たちでお客さんたちに説明する場をつくりたい」という思いがきっかけで、ドリンクアップの開店も決意。オープンから2年ほど経ったいまでは、多くの人に愛され続けるお店に。


気になる自動販売機には、カラフルなパッケージをまとった全30種類ほどのクラフトビールがずらり。カナダ・バンクーバー、ニュージーランド、アメリカなどのクラフトビールで彩られるラインナップは、日本にいながら海外気分を味わうことのできちゃう光景です。


見本缶の上には一つひとつ説明が貼ってあるほか、自動販売機の側にはブルワリーの説明も！ジャケ買いしちゃうのもいいですが、味の特徴や醸造秘話、ブルワーさんの顔を知った上で飲むビールは、また一味違いますよね。

■詳細記事：自動販売機でクラフトビールが買える時代！高円寺にビール専門店オープン

5.【静岡・伊東】宇佐美麦酒ブルワリー

心地よい海の音や山の間を吹く風を感じられ、素朴で人情味溢れる人々が住む町「宇佐美」。熱海と伊豆高原の中間に位置するこの町には、日本の原風景を感じさせるパワーが。

そこで、「魅力あふれる宇佐美と共に成長しながら、その繊細な価値をビールに乗せて伝えたい」という思いから誕生したのが「宇佐美麦酒ブルワリー」。1998年に設立されて以来、自分たちの手でビールを詰めて工場から直送するというスタイルを一貫いて営んできました。


現在は5種類のビールと季節限定の商品を製造、販売。ヨーロッパのビール職人から得たハンガリーの伝統的な醸造方法を用いてつくるフルーティーで味わい深い伊豆の地ビールのほか、伊豆の海洋深層水を使用した新ブランド「Usami」を開発。

ラインナップはゴールデンエールとセゾンで、「ジャパン・グレートビアー・アワード」でも入賞を果たしています。町のの魅力がぎっしり詰まったビールで、宇佐美を感じたいですね。

そして、2022年の夏に、最初は宇佐美麦酒ブルワリーに隣接するキャンプ施設に訪れた方に向けて設置されたという自動販売機がこちら。


今までは、醸造所まで来てもらわないとビールを販売できなかったようですが、無人で販売できるようになったおかげで、より多くの人にビールを楽しんでいただけるようになったんだとか。また気軽にその場で飲むことができるので、お土産で購入される方も増えたそうです！


現在自販機に並ぶのは定番商品のケルシュ、アンバー、スタウトですが、今後はラインナップを増やしていかれるそうです。伊豆の自然を味わいに訪れる方は、山と海に囲まれた宇佐美の地で、町への思いがたくさん詰まったクラフトビールでぜひ乾杯を。海から聞こえるさざなみの音や、山から吹く風と一緒に気持ちよく酔えそうです。

6.【静岡・三島】スライダーハウス 24Tap リパブリュー 三島店

JR三島駅から徒歩約5分の場所にある「スライダーハウス 24Tap リパブリュー 三島店」。隣接する沼津市で2016年に設立されたブリューパブ「Repubrew（リパブリュー）」の2号店として誕生したお店です。

「RePuBrew」とは、「Republic + Pub + Brew」の造語。『Republic：共和』が入っているように、個人の想いだけでなく様々な人の関わりから成り立つブルワリーを目指されているそうです。


富士山麓の清らかな湧水でつくられるビールは、年間60種類以上。店内ではシェフ特製の料理とペアリングして楽しめます。

そして、「ないものをつくる」がポリシーのRePuBrew。コロナ禍に入り、クラフトビールが「缶」で流通することが多くなりましたが、それまではあまり見かけることがありませんでした。そんな「缶でのクラフトビールの販売」に、コロナの流行前から先駆けて着目し、IPAの缶ビールを発売しました。

それをきっかけに、「スライダーハウス 24Tap リパブリュー三島店」に誕生したのが缶ビールの自動販売機。


自社でつくったビールと、OEM（受託醸造）のビールを中心に販売しています。

左上には、どんなビールが出てくるかわからない「？」マークがついたビールがありますが、SNSで話題になり、すぐに売り切れてしまったんだとか。自動販売機だからこそできるおもしろい仕掛け。素敵な遊び心に童心がくすぐられちゃいます。


新商品はもちろん原料へのこだわり、環境への配慮など多方面で新しいことにチャレンジし続けるRePuBrew。これからの取り組みにも目が離せません！


■詳細記事：【醸すビールは年間60種以上】先駆けたチャレンジを続ける、静岡のブルワリー“Repubrew”
※記事内“Repubrew”表記について
・RePuBrew：会社名
・Repubrew：ビール工場の名称
・リパブリュー：店舗の登録名称　としております。

7.【兵庫・姫路】イーグレブルワリー

世界遺産「姫路城」で有名な、姫路市初のクラフトビール醸造所「イーグレブルワリー」。JR英賀保駅から県道415号沿いに歩くこと6分、住宅街の中に「CRAFT BEER」の文字が輝きます。

創業者は、バーテンダーとブルワーという、ありそうでないタッグのお二人。

お酒を介してたくさんの人生を観てきた彼ら自身の経験を生かして、さまざまな幸せのシーンにあうような多様なビール作りを目指し、2022年7月にタップルームを併設した醸造所をオープン。屋外にはフレッシュなビールを楽しみながらBBQができるスペース（要予約）もあるので、仲間と一緒に楽しむこともできちゃいます。


IPAやサワービールなどのアメリカンスタイルのビールのほか、限定醸造ビールなど計6タップをつなぐタップルームでは、ビール以外にも厳選した300種類以上の世界の銘酒、ワイン、こだわりのおつまみ・食事を楽しむことができます。さらに、バーテンダー直伝のお酒に関する知識や楽しみ方を提案いただけます。

店内には、絵画や彫刻、陶芸などのコレクションギャラリーの展示も。きっと忘れられない楽しい時間になることでしょう。

そんなイーグレブルワリーの自動販売機はこちら！


「自宅でお酒を楽しみたい方にもビールを楽しんでもらいたい！」「年中無休で販売したい！」そんな思いを実現すべく、オープン当初から自動販売機を設置していました。定番ビールだけでなく、限定品ビールも取り揃えています。今後はおつまみグッズや他社のお酒の販売も検討しているそう。

温度管理がきっちりできることや、時間を問わず購入できることから、売り切れになるほど人気を博しているようです。下段にはソフトドリンクもあるので、水を買うつもりだった人もついついビールを買っちゃいそう！

より多くの人たちにクラフトビールのおいしさや楽しさを伝えるために、素材・人・場所全てにこだわるイーグレブルワリー。なんと、ミニタンクで自身のオリジナルビールの醸造もできるそう！ビールを飲むだけでなく、造ってみたいという思いがある方必見です。

8.【愛媛・松山】DD4D BREWING

もともと、松山市の中心部に位置する洋服屋さんだった「DD4D」。「自分らしさと新鮮な感覚」をコンセプトに掲げ、ジャンルやカテゴリーなどの既成概念にとらわれず、遊び心のあるスタイルやファッションを提供してきました。

そんななか、「常識に捉われずに好きなことをしたい」という代表の想いから、開店から約20年後の2019年5月に、なんと洋服屋さんの中にブルワリーを構えるように！

買い物中、ちょっと疲れたらビールで一息。そうすることでお洋服選びもより一層楽しくなりそう。


「開発力こそが私たちの最大の武器」というDD4D BREWINGでは、新作ビールを毎週のように創り続け、3年間で100種類以上の高品質かつユニークなビールを製造、3年連続国際大会で金賞を受賞した実績が。もともとアパレルショップだったとは信じられないほどのスピードと熱量に惚れ惚れします。

そして、2021年には醸造所とビアバーを兼ね備える「DD4D FACTORY & CURIOSITIES」がオープン。導入した機材のおかげで、これまで以上に品質の高いビールが製造されるようになり、缶ビールの製造もスタート。

そんな勢いのあるDD4Dが、2023年1月に稼働を始めたばかりの自動販売機がこちら。


店舗の営業が週末のみだったり、不定期だったりと、販売できる時間が限られていたことから、いつでも購入してもらえるようにと設置に踏み切ったそうです。近場の方達だけではなく、わざわざ車で自動販売機を目掛けて訪れる人もいらっしゃるんだとか。

定番ビールだけでなく、限定品、新作ビールがずらりと並び、カラフルなラインナップが目を惹きます。今後はビール以外のアイテムも揃えていくようなので、定期的なチェックが欠かせませんね。


おいしいビールを楽しめるのはもちろん、デザインの細部までこだわる自動販売機やアパレルショップなど、ユニークな仕掛けを通して私たちを楽しませてくれるDD4D。次はどんな面白いことに取り組まれるのか、ワクワクが止まりません。

9.【熊本・肥後大津】WITCH CRAFT MARKET

JR肥後大津駅から徒歩5分、阿蘇の麓に位置する「WITCH CRAFT MARKET」。日本をはじめ、世界の厳選したブルワリーのクラフトビールを常時400種類以上取り扱うクラフトビール専門酒屋です。

人それぞれ異なる味わいや自分の好みを見つける楽しみを届けられるよう、熊本県の特産物を使用したオリジナルビールから九州ではあまり流通していないマイクロブルワリーのビールまで幅広く提供しています。


店内に入ると、オシャレな空間の中にたくさんのカラフルなビールの姿が。圧倒的な種類の多さに、写真を見ているだけでもワクワクさせられます。

店内販売だけではなく、オンライン販売、ビールサーバーの貸し出し・イベント出店の補助、さらには飲食店がクラフトビールを導入する際の料理とのペアリングや設備導入などのコンサルティングまで行う、まさに全方位型クラフトビール販売店！すごい……


お店は、阿蘇の麓という立地の特性上、キャンプや登山、温泉旅行に向かわれる方が多くお店の前を通るのだそう。そんな方達に、店舗の営業時間外の早朝や深夜にもクラフトビールを買っていただけるようにと、自動販売機を設置されました。

仕事終わりの1杯を求めて訪れる方もいて、クラフトビールのコンビニのような役割も果たしてるそうです。特に残業が続いた日なんかは、自販機に寄ってクラフトビールを買って、家まで散歩というプチ贅沢をしてみたい。


自販機には、WITCH CRAFT MARKETのオリジナルビールを始め、現在は入手困難な「AMAKUSA SONAR BEER」のスムージーサワーなどを中心に、国内外のビールが揃います。

“映え”を狙ったラベルのビールや優しい価格帯のもの、さらには缶ワインなど、ビールツウから飲み慣れていない方まで楽しめるような幅広いラインナップ。熊本空港からも近いようなので、熊本に予定があれば、ぜひ立ち寄ってみたいクラフトビールスポットです！