「松江ビアへるん」「大山Gビール」などで知られる山陰地方で、ユニークなビールが誕生しました。その名も『そばいつぇん』。出雲そばに合うビールとして発売されました。名前もさることながら、面白いのはその飲み方。「そば茶パウダー」をビールに加えて、好みのそば風味を自分でつくるユニークなビールです。
そば茶を使ったユニークな味わい
『そばいつぇん』は、地元でもっとも一般的な食べ方「割子そば」のだしと同じ香り成分を持つドイツの伝統的なビアスタイル「ヴァイツェン」をベースに、そばの香りを際立たせるためにそば茶を使用したビールです。
ヴァイツェン とは
ヴァイツェンは、小麦麦芽を50%以上使ったドイツの伝統的なビール。バナナのようなフルーティーな香り(エステル香)と、苦みをほとんど感じない柔らかな味わいが特徴。ヴァイスビアと呼ばれる事もあるが、ヴァイスは「白」という意味。酵母をろ過していないものは『ヘーフェヴァイツェン』。(ビールを擬人化して紹介する『ビール女子キャラクターズ』より)
手がけるのは、クラフトビール「松江ビアへるん」を製造販売する島根ビール。島根の食材を引き立てるビールをつくろうと、食の専門家らとプロジェクトチームを結成。度重なる試作を重ね、約1年かけてこの『そばいつぇん』開発したといいます。
グラスに注ぐと、ふんわりとそばの風味が鼻に届きます。香ばしさを感じながらも、フルーティーでやさしい味わいが特徴。苦みも弱く、すっきりと飲みやすい一杯です。
追いそばパウダーで風味の変化を楽しむべし
『そばいつぇん』の面白いところは、自分好みに風味の変化を楽しめるところ。『そばいつぇん』を購入すると付いてくる袋入りの「そば茶パウダー」をビールに加えて、好みのそば風味を自分でつくります。
少しずつパウダーを加えていくと、グラスの中でふんわりとやさしい香りが開きます。
パウダーを1/4くらいを入れると「ちょい増し」。
パウダーを半分くらいを入れると「増し増し」。
全部入れると「メガ増し」です。
追いそばパウダーを加えていくにつれ、かつおだしのような風味がどんどん広がっていき、後味にふんわりと余韻が残ります。繊細でやさしい味わいは、心をほっと癒してくれます。
量を少しずつ調整して、自分の好みに合わせてそば風味をつくれるのは面白いですよね。ぜひ自分の好きな“増し”具合を見つけてみてください。
『そばいつぇん』は、主に松江市のそば店や東京都内の島根料理店で販売されているとのこと。ビール好きのお土産にも喜ばれそうです。
ユニークなラベルは「へるん先生」と親しまれた松江ゆかりの文豪、小泉八雲の4代目と5代目がコラボして描いたもの。ラベルに描かれたへるん先生のように、ぜひ出雲そばと一緒に味わってみてください。
そばいつぇん
- 〇アルコール度数: 6%
- 〇原材料: 小麦麦芽(ドイツ製造)、大麦麦芽、そば茶、ホップ
- 〇醸造所: 島根ビール株式会社