編集長yuccoのビール女子旅inドイツ Column 【編集長yuccoのビール女子旅inドイツ】ビールを通して見えてくる東西ドイツの歴史と文化。

2013/12/25

こちらに来てから、永遠とクリスマスムードに浸っている私ですが、いよいよクリスマスがやってきましたね~!!

こちらはまだイブなのですが、イブの今日は午後からお店というお店が閉まってしまうので、午前中はクリスマス休暇中の食材を買出しに街を走り回るのに大忙し!!私は年越しは日本なので、もうすぐ帰国日が迫りますが、それでもBerlinerに混ざって後数日分の食料品を買出しに行ってきました♪

 

さてさて、先日、Facebookにて簡単にご紹介した、こちらのビールについてのレポートです。

 

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ライン川流域にあるケルンというドイツ西部の街のビール、ケルシュです。ケルンは大聖堂が有名な街で、ブリュッセルからドイツに入るときに通り、乗り換え時間を利用して大聖堂を観て、ライン川のほとりでこのケルシュを味わう予定でした。しかし、予定していたブリュッセルからケルン行きの電車がキャンセルとなり、ケルンでケルシュを味わうという一つの目的が達成できなくなってしまったのでした。


ですが先週、ベルリンでもケルシュが飲めるお店があると聞き行ってきたのです。


写真にある、Gaffel(ガッフェル)のケルシュ。グラスの裏にはベルリンでこのケルシュが飲めるお店、STÄNDIGE VSRTRETUNG(以下StäV)のロゴ。


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実はこのStäV、訳すと常設代表館という意味。ドイツが東ドイツと西ドイツに分かれていたころ、東ドイツの首都はここベルリンに、西ドイツの首都はケルンと同じ地方のボン(BON)という街にありました。そして、東ベルリンに西ドイツの大使館の代わりとしてあったのが常設代表館。1989年、ベルリンの壁が崩壊し、さまざまな論争を経て首都はベルリンへと統一されます。それと同時にボンから5万人もの人々がベルリンに移り住んだのです。その彼らの癒しとなったのが常設代表館という名前を持つこのStäVだったのでした。


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日本の地酒同様、その地方の文化や歴史を色濃く反映しているドイツのビール。きっとこのケルシュが飲めないベルリンへ移り住むことは彼らにとってとてもとてもさびしいことだったのでしょうね。ベルリンにもぜひ、故郷の味を!!と思ったのも頷けます。


私がそう感じたのも実はこのケルシュの特徴にあります。


写真を見ても解るとおり、ケルシュはこのストンと細長い小ぶりのグラスで出されるのが一般的。ドイツでは様々なビールを飲んできましたが、中々この小ぶりなサイズのビールはありません。飲んだときの印象はそれまで飲んだ他のドイツビールよりもよく冷えていて(ドイツでは日本ほどビールを冷やしていない)、また、炭酸がきいていてきりっとしたのど越しが最初の印象。淡い色ながらも麦芽の風味もしっかりとしていますがごくごくと飲めてしまいそう。


実はそこに技あり!!


このビール、この小さなグラスが空になりほおっておくと、次から次へと新しいグラスが出てくるのです!!(頼んでもいないのに!!笑)


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まさに、日本のわんこそばのよう。実はこれ、わざと小さいグラスで提供することで冷たさや炭酸をキープしているのです。こうしてライン川の地方(ボンやケルンの)人々は夏の渇いたのどを潤しているのでしょう。


そしてこのお店、ビールが出てくるのも早い!!ドイツでは日本の居酒屋の生中のようなスピードでビールを出すお店はあまり見かけません。その分炭酸が弱く、そして味わい深い、お料理と一緒にいただくのも美味しいビールがたくさんあります。でも、このケルシュは頼まなくても運ばれてくる勢いで、“とりあえず、ビールでいい??”という、どこか日本のとりあえずビール文化に似たものを感じました。


でも、飲み干す度に出てくるところには要注意。小さいからと何杯もいっている間に出来上がってしまうかもしれません(笑)。


そんなときは・・・


コースターでグラスに蓋をしましょう!!


気づけば最初からちゃーんとコースターは二枚置いてありました。


ケルシュ一つとってみてもそこには飲むための一連の所作、流儀のようなものが存在します。このお店に入ったら、当たり前のこの流儀。きっとベルリンに住むボン出身者は「これがないとやっぱりね」という感じなのでしょうか?


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もうごちそうさまの合図           グラスを置く用と蓋をする用のコースター

 

 

こうした東西ドイツを挟んだビール事情は様々なところから注目を浴び、各国のメディアが取り上げたり、数え切れない時の人が訪れたことからも歴史を感じるStäV

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 店内にはボンの駅舎の看板まで!!


 

もちろん、本家本元、ケルンで味わうケルシュもまた格別だと思いますが、こうしてビールを通して見えてくるドイツの歴史や文化はさらにまた、ビールを美味しくしてくれるのではないでしょうか??

 

壁が崩壊し、もうすぐ四半世紀を迎えようとしているベルリン。東西ドイツだけでなく様々な文化が濃密に混ざり合い、ただの観光スポットだけでは飽き足らない、不思議な魅力を持っていてます。StäVベルリンに訪れる機会があれば、ぜひ一度行ってみてもらいたいところの一つです。

 

以上、この上なく閑散としたクリスマスのベルリンからでした!!

皆様、Frohe Weinachten!!

 

 

Facebookにて、「編集長yuccoのドイツビア旅アルバム」更新中!!
ビール女子 

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yucco/ 瀬尾 裕樹子 アドバイザー

某ブルワリーでの勤務経験をきっかけにビール女子を創刊。ビールの多様性を楽しむビール文化を日本に根付かせるため日々奮闘中。

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