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Bar 【森下・清澄白川】地域の方に愛される「町のビール屋さん」になりたい。日常に溶け込むビールづくりにこだわるブリューパブ『BEER VISTA BREWERY』

2025/06/27

東京の下町エリアである、清澄白河駅と森下駅のちょうど中間あたり。

おしゃれでどこか落ち着く、地域に馴染んだ醸造所併設のビアパブがあります。名前は「BEER VISTA BREWERY」。


今回はそんな「BEER VISTA BREWERY」にお伺いし、地域の人に愛されるビールや居場所づくりのこだわりを深掘りしていきます!

醸造所併設の洗練された落ち着く雰囲気の店内


都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線の清澄白河駅、都営大江戸線・都営新宿線の森下駅のちょうど真ん中に位置し、どちらの駅からも徒歩5分ほどの場所にお店はあります。

白い外壁に木枠の大きな窓が特徴的。入り口付近には最近、テラス席も設置されたそうです!外で風を感じながらビールが飲めるのは最高です。


一歩足を踏み入れると、奥まで広く開放的な店内が広がります。照明も明るすぎなくておしゃれで落ち着きのある空間です。


壁沿いにはずらっと2人がけのテーブルが並んでいます。ところどころビール瓶に生けられたお花がかわいい!


3人以上で過ごせる広々とした丸テーブルの席もあります。子ども連れの方も使いやすそう。


様々なタイプのお席があるので1人でもグループで来ても様々な過ごし方ができます。


カウンターにはサクッと1人飲みのお客さんが集まります。スタッフさんや常連さんと自然と会話が生まれてビールトークが盛り上がりそう。


なんとこのカウンターは和紙を使用しているそうで、モルタルとは違った温かみを感じながらビールが飲める特別な場所です。


店内の1番奥には醸造スペースがあり、大きなタンクでまさに今ビールがつくられている風景を眺めながらビールを飲むことができます。


現在タンク内ではどのビールを仕込み中なのか、工程のどこまで進行しているかなどが書かれたボードが掛けてありました!次これが飲めるのか…!と心躍るお知らせですね。


照明の雰囲気、家具のデザインなどからどことなく和のテイストも感じ、洗練されたおしゃれさがありながら、心地よい落ち着く雰囲気も兼ね備えている空間です。明るいうちから1人でサクッと飲みにくる方、友達とゆっくり食事とビールを楽しむ方、外国人のファミリーなど様々な人で賑わっていました。

「町のビール屋さん」をつくりたい


BEER VISTA BREWERYは、Backpackers′Japanという主に宿泊事業をメインに展開している会社の1事業として、2022年にオープンしました。


事業責任者兼ヘッドブルワーの古里大輔さんは同社で15年ほど前から働く中で、都内に展開している宿泊施設3店舗の立ち上げから携わってきました。

宿泊施設に併設されているラウンジでバーテンダーとして働かれていましたが、元々大のビール好きだったこともあり、「醸造に携わりたい」という思いを経て、BEER VISTA BREWERYの責任者兼ヘッドブルワーに抜擢されました。

古里さんにBEER VISTA BREWERYのコンセプトについて伺いました。


古里さん「コンセプトは一言でいうと『町のビール屋さん』です。この地域に根ざしたブルワリーになることが1番重要だと考えています」


古里さん「クラフトビールは今では飲める場所も増えたし、楽しくて刺激的で個性的なキャラクターのビールもたくさんあって、その面白さもとても好きです。一方で、ビールは非常にカジュアルで日常的なものだと思っていて。冷蔵庫を開けたらビールがあって、日常の中であたり前にみんなが飲んでいるという、昔からの“特別じゃないビール文化”も大切にしていきたいんです。その思いから、BEER VISTA BREWERYは江東区常盤という地域で、町のビール屋さんとして日常に溶け込めるようなブルワリーを目指しています」


清澄白河・森下の地域はカフェの街として有名になり、おしゃれな飲食店も数多くあります。、一方で、東京の古くからの下町情緒は今も健在で、洗練された雰囲気と下町の雰囲気の2面性を持ち合わせた地域。そんな町の特性と目指すべきお店の姿も似ている部分があるといいます。


BEER VISTA BREWERYの名前の由来も、「VISTA」=景観の美しい広場や街という意味から、「ビールを中心に人が集まる場所」という意味が込められています。

日常に溶け込むようなビール造りにはどのようなこだわりがあるのか、BEER VISTA BREWERYのビールの特徴を伺います。

どんなときに飲みたいか、想像から生まれるビール造り


BEER VISTA BREWERYのビールのコンセプトは「A Pint of Imagination」=想像から生まれる1杯です。「誰と」「どんなシーンで」「どんな風に乾杯するのか」などの、シーンを想像するところからビール造りが始まることが多いそう。

古里さん「バーテンダーとして働いていたときによく感じていたのが、好みのクラフトビールを選ぶのが難しいと思っている方が多いことでした。『飲んでみたい気持ちはあるけど、ビールそんなに得意じゃないし…種類も多くてよくわからなくて』って、悩まれる方が本当にたくさんいらっしゃったんです」


そういった壁を少しずつ会話の中で取りのぞいていきながら、その人に合うビールを一緒に探していく、そんな時間を大切にしてきた古里さん。

その会話の中で気づいたのが、「どんなときに飲みたいか」というシーンをイメージしてもらうと、自分でビールを選ぶハードルがぐっと下がることだったそうです。

古里さん「たとえばキャンプだったら、『テントを張る前の駆けつけで飲みたい一杯』とか、『バーベキューで一通り食べ終わったあと暗くなったタイミングで飲みたいビール』とか。同じキャンプというシチュエーションでも飲みたいビールのキャラって変わりますよね。そんなシーンをイメージして、『こんな時に飲んだら最高だな』っていう目線でレシピを考えていますね」

日常に溶け込む「いつもの」定番ビール

※取材時のメニュー画面
BEER VISTA BREWERYのメニューはQRコードを読み取るスタイルなのですが、タップリストの情報を見ると、それぞれのビールの説明やストーリーがかなり詳しく書いてあります。ここまで詳しい情報が載ったタップリストはなかなか見かけません…!

自分でメニューを眺めているうちに「このビール面白そう」と興味が湧いて、自然とオーダーしたいビールが見つかるはず。

目の前のビールがつくられた背景を知りながら飲むと、よりその1杯が美味しく感じた経験ってあるのではないでしょうか。


ビールタップは全部で12個あり、基本10種のビールが飲めるようになっています。平均的に7〜8種は自社ビール。残りはゲストビールが繋がっています。


ビールのボトル販売も行っています。店内入り口付近の冷蔵庫にずらっとお持ち帰り用のビールが並んでいるので、帰り際にその日お店で飲んでお気に入りだったビールをお持ち帰りも可能です!その日感じた美味しいを持ち帰れるシステム、めちゃくちゃ嬉しいです。

さっそく、古里さんおすすめのビールを飲んでみました!

Itsumono』BEER VISTA BREWERY/ハーフ850円、パイント1,400円、テイクアウト(瓶)1,050円(全て税込)

BEER VISTA BREWERYに来たらぜひ飲んでほしいのが定番ビール「Itsumono」。ビアスタイルは「ビター」です。

ビターと聞いてピンとこない方も多いのではないかと思います。イギリスのビアパブで昔から大定番だったスタイルで、ビターという名前にはそぐわず苦みはほとんど感じない、ホップ感もほんのりとしか感じない、かなりドリンカブルなスタイル。アルコール度数も基本5%前後で炭酸もほぼない、別名「大人の麦茶」とも呼ばれているほどぐびぐび飲めてしまうビールです。

日本ではまだマイナーなスタイルではありますが、ブルワーの古里さんは昔から大のビター好きだったこともあり、ブルワリーとして目指したい「カジュアルで日常的なビール」像にもぴったりなので、ビターを定番ビールとして磨き続けているそう。「いつもの」という名前も、そんな古里さんの想いが感じられます。


BEER VISTA的「とりあえず生!」はこちらのビールをオーダーすれば間違いありません。モルト感、ホップ感ともにちょうど良く、アルコール度数4.5%であるところや炭酸がきつくないところも含めて、ずっと飲んでいたいと感じる味です。ほんのり香ばしく、少し爽やかで、すっと体に浸透するような、パイントでいつまでも飲み続けていたいビール。

さらにもうひとつの定番ビールとして愛されているビールもいただきました。

トキワヘイズ』BEER VISTA BREWERY/ハーフ950円、パイント1,500円、テイクアウト(瓶)1,150円(全て税込)

BEER VISTA がある「常盤2丁目」の場所に根ざした「町のビール工場」になりたいという思いを込めてつくられた定番ビール。大麦、小麦、オーツ麦をブレンドし、そこに大量のホップを加えたトロピカルフレーバーのヘイジーIPA。飲んでみると、華やかでフルーティーな風味を感じつつも、不思議とずっと飲み続けられそうな優しさも兼ね備えています。ドリンカブルであることを大切にビールを生み出しているブルワー古里さんのこだわりが光るヘイジーIPAです。


真逆と言ってもいいほどキャラクターが違うスタイルの2種の定番ビールですが、どちらも共通しているのは「ずっと飲んでいられるような飲みやすさ」があるところ。BEER VISTA BREWERYの目指す「日常に溶け込む町のビール屋さん」でありたいという思いが感じ取れる心地のいい味わいのビールたちです。

まさに“ビールの友達”なフード


料理は「BEER FRIENDS」をテーマに、とにかくビールと合うメニューをジャンルにとらわれずに提供しています。和、中華、アジア料理、インド料理、様々なジャンルのメニューをオリジナルにアレンジしていて、お馴染みの料理もあれば、まだ出会ったことのない新しい美味しさにも出会える、驚きと楽しさもあるラインナップです。


『ベーコンとクリームチーズのポテトサラダと半熟卵のアチャール』830円(税込)は、香ばしいベーコンと甘い玉ねぎとクリームチーズのポテトサラダに、半熟卵のアチャール(インドのピクルス)が添えてある一品。最初はポテトサラダのみで食べて、ほど良いタイミングで卵をくずして食べると味変にもなって2度美味しい。


『山椒フライドチキン』1,100円(税込)は、衣にホワジャオやブラックペッパーなどのスパイスをオリジナルで配合して揚げたフライドチキン。ジューシーなもも肉と骨付きの手羽チューリップの2種類があります。スパイスがピリッと爽やかで、溢れるジューシーな肉汁をビールと一緒に流し込む瞬間が幸せな満足感ある一品です。

町のビールライフをさらに盛り上げたい


古里さん「町の皆さんに少しずつ知ってもらい自家醸造したビールを楽しんでもらうことができているので、今後はさらに町のビールQOLを上げられるようなボトルショップなども展開してみたいです。自分たちでセレクトしたビールを置いて、そちらではもっとビール好きが肩を寄せてビールの話にどっぷりハマれるような空間もつくってみたいです」

古里さん「また、この空間に収まらず、さらに地域の方たちとの交流の場を増やしたいなという思いもあります。毎週近くの商店街で歩行者天国が行われていたり、地域の繋がりを大切にしている地域にいるからこそ、そういったイベントにも積極的に参加できるようにさらに町の方と関係を深めていきたいです」


洗練されたおしゃれさがありながら、ほっと落ち着く居心地の良さも兼ね揃えた店内では、町の人たちがそれぞれの過ごし方でビールを楽しんでいる姿があります。その傍にあるすっと体に馴染むような、ずっと飲み続けていたいビールが、間違いなくこの居心地の良さをつくる要ともいえます。

「町のビール屋さん」でありながら、枠にとらわれずさらに進化し続けていくBEER VISTA BREWERYのこれからも楽しみです!

ぜひ皆さんもBEER VISTA BREWERYに足を運んでみてください!

 BEER VISTA BREWERY

〇住所:〒135-0006 東京都江東区常盤2丁目13−17 トキワハイツ 1F(Googleマップ
◯アクセス:半蔵門線・清澄白河駅徒歩5分、都営新宿線・森下駅徒歩5分
◯営業時間:

[月〜金]16:00〜22:00
[土・日・祝]14:00〜22:00
◯定休日:不定休
◯決済方法:現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード
◯Instagram:https://www.instagram.com/beervista_brewery/


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田代奈都江 ライター

ドラマでガッキーがビアバーにてカッコよく「タップ1で!」と言っていたシーンに憧れて、私もビアバーに通うようになりました。愛情込めてつくられ注がれたビールの世界を知れば知るほど、ビール沼にハマり続けている真っ最中です。特に好きなのは茶色いビールたちで、スタイルでいうとビターが好きです。ビール愛を活かしながら行ってみたい、飲んでみたいと思っていただける記事を発信していきます!

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