Bar 【東京】こだわりの「タコス」とクラフトビールを提供する、おすすめビアバー3選

ビールを楽しむ時、大事になってくるのが一緒に楽しむ食事。ピザ、中華料理、洋食…といろんなコンセプトのビアバーがありますが、そんな中でも最近編集部で人気なのが「タコス」を提供するビアバー！

ただおいしいだけでなく、これまで「ビール女子」で取材をしてきた「タコス×ビール」のお店は、どこもタコスやビールへの愛情や、提供に至った背景・こだわりがしっかりしていて、タコスとビールに限らず、お店丸ごと愛したくなっちゃうようなお店ばかりでした。

そこで、これまで取材してきた「タコス×ビール」のお店3カ所を、まとめてご紹介します！どこも個性的な味わいなので、各店舗をはしごしてみるのもいいかも。参考にどうぞ！

【東京・尾山台】Chelas（チェラス）

東急大井町線の尾山台駅より徒歩2分ほどの場所にある「Chelas」。駅近でありながら落ち着いた雰囲気が魅力の商店街で、平日はバータイム、休日はランチタイムから営業しています。

もともとはサンディエゴで会社員として働いていたバエズ・レネさんが、2017年頃に旅行で日本を訪れた際に井上響子さんと出会い、2022年にご夫婦でお店をオープンしました。


メキシコやカリフォルニアで「カンティーナ」と呼ばれるモダンスタイルの大衆レストランをイメージした店内は、ツートーンの配色と大きな窓が特徴的。窓から見えるストライプのファサードや、華やかなカウンターなど、どこを見渡しても明るくポップで心がおどります。

座席はテーブル席、カウンター席を合わせて14席ほどのゆったり座れる配置。スタンディングもOKなので、ふらっと立ち寄って飲めるのも嬉しい。


「Chelas」で提供しているタコスは、クラシックなメキシカンレシピをレネさんの故郷・南カリフォルニアスタイルにアレンジしたモダンスタイル。「タコス」は、レネさんが子供の頃から食べていたお馴染みの料理なのだそう。

トルティーヤの生地から挟む具材、ソースにいたるまでひとつひとつすべてお店で手作りされています。トルティーヤの生地に使用しているのは、メキシコから取り寄せた「ブルーコーン」といわれる青色のとうもろこし粉で、グレーがかった珍しい色味が特徴的。丁寧に練って作られたトルティーヤ生地は、風味豊かでもっちりとした食感です。


タコスのメニューは「ティンガ・デ・ポヨ」「カルニタス」「マッシュルーム」「レングア」の4種類。4種類盛り合わせのプレートもあるので、友人や家族と一緒に頼んでシェアするのもおすすめです。

手作りのサルサソースは、フレッシュトマトを使用したハウスサルサと、ピリッとした辛さが特徴のキャロット・ハバネロサルサの2種類。お好みの量をタコスにのせて、ビールとのマリアージュを楽しんでみてください。


タコスと一緒に楽しめるビールは、日本各地とカリフォルニアから取り寄せたものたち。

常時8タップのビールを提供しているうち、6タップは日本のクラフトビール、そして2タップはレネさんがカリフォルニア出身ということもあり、自分たちのルーツを取り入れるためにと、カリフォルニアのクラフトビールを選んでいます。


ビールの選定基準は厳しく決めず、ビアギーク（※）だというレネさんと、響子さんが実際に飲んでおいしい・好きだと思ったビールを取り寄せています。そのため、その時々で提供するビールが変わり、来るたびに新しい発見があるのが「Chelas」の魅力。
※「ビール愛好家」「ビールオタク」を指す名称。

また、West Coast Brewingとコラボ醸造し、お店の2周年を記念したオリジナルビールを提供するなど、魅力的な取り組みも。

「Chelas」について詳しく読む

【東京・阿佐ヶ谷】olla（オジャ）

阿佐ヶ谷駅から4分ほど歩いた松山通り沿いにある「olla（オジャ）」。高円寺にあるブルワリー兼タップルーム「アンドビール」の2号店として、高円寺のお隣の駅・阿佐ヶ谷に2023年にオープンしました。

アンドビールはスパイスカレーが名物のお店で、ollaはタコスをメインとするメキシコ料理を楽しめるお店と、それぞれ違った楽しみ方ができます。2店舗を徒歩でハシゴしてみましたが13分ほどの距離で、丁度酔い覚ましできちゃう良い距離感。


明るい光が差し込む店内は、入り口付近に4人がけのテーブル席が2つと、カウンター席が8席奥に続く縦に長い形。お客さんと正面で向かい合って会話しやすいようにと、カウンター席が多い店内になっています。外にはテラス席も。


メキシコ料理とビールのお店をはじめようと思ったきっかけは、アンドビールとollaを運営する合同会社カンパイ日和代表・安藤耕史さんが、文化人類学系の専攻で食文化の研究をしていた大学生の頃、メキシコの田舎のおうちにホームステイした時、毎日のようにタコスを食べていたこと。

他にも、バックパッカーとして30カ国ほどの国を巡り、様々な料理を食べてきた中で、特にスリランカのカレーと、メキシコのタコスに魅了され、いつか自分のお店を構えて現地で感じた食の美味しさを届けたいと思っていたそうです。

そんな「olla」のメインメニューであるタコスは、生地のトルティーヤをとうもろこし粉をこねる所から作っています。この生地がなかなか今まで食べたことのない本場の味で、おいしさの要になっています。


中に包む具材は、定番メニューが5種類、限定メニューが5〜6種類と、常時10種類以上のタコスが楽しめます。

限定メニューはその日ごとにどんどん更新されていくので何が食べられるのかはお楽しみ。編集部が取材にお伺いした日は「中華タコスフェア」の最中で、『ラムの麻婆茄子』などタコスの具材としては珍しいラインナップがありました。

種類も豊富で、500円以下のワンコインで食べられるものも多いので、色々試してみたくなっちゃいます。シェアする時は追加トルティーヤを1枚100円でつけられるのでおすすめです。


ビールタップは全部で4タップ。ワインはグラスで4種類以上提供していて、ボトルでも20〜30種類の山梨のワインが揃っています。

その内容として、ビールは、高円寺、そして山梨県勝沼市の2つに拠点を置く自分たちの醸造所で造った自家製ビール。そしてワインは、醸造所のある場所として縁のある山梨県産のワインを提供しています。


ビールで使われている素材は、ほとんどが安藤さんたちが直接関わっている生産者さんから仕入れたもの。実際に素材を作る場所に出向いて、時には農家さんの仕事を一緒に手伝わせてもらうこともあるとか。そうして繋がりを大切にしながら、仕入れる素材そのもののおいしさやその土地に行ってみて感じたこと、出会う人のストーリーをビール造りのアイデアに変えているそう。

たくさんの温かい想いが詰まったタコスとビールを堪能しに、阿佐ヶ谷へ足を運んでみてください。

「olla」について詳しく読む

【東京・日本橋】B（ビー）

「B」は、アメリカにある「ブルックリン・ブルワリー」のビールとタコスが楽しめるビアバー。

お店は、東京メトロ・茅場町駅 10番出口から徒歩4分程、日本橋駅 D2出口からは徒歩12分程、三越前駅 B6出口から徒歩9分程の大通りから少し入った場所にある複合施設「K5（ケー・ファイブ）」の地下1階です。周囲には歴史を感じさせる大きな建物が並び、街全体が落ち着いた雰囲気。


K5は大正時代に建てられた建物で、「兜町第5平和ビル」という名前だったことから「K5」となったのだそうで、元は第一銀行の別館として使われていたと言われています。奇跡的に当時のままビルが残り、内部もほぼ原型のまま残っており、「B」では大きな柱や床などは当時のまま利用。

そのため、店内はちょっと無骨で重厚な感じがします。とてもおしゃれ！店内では、ビールと音楽、ビールとアート、ビールとコメディなど、ビールと何かを掛け合わせたイベントを度々開催しています。

ブルックリン・ブルワリーは多様性をとても大事にしており、自らが“culture conector”になることを目指しています。それに倣い「B」でも、多様性のあるブルックリン・ブルワリーのビールを軸に、音楽やアートなどを掛け合わせることで、新しい体験やビールを飲むシーンを生み出す場を作り出しています。


フードのメインは、生地から手作りの『タコス』。定番のメニューが9種類、シーズナルとして1種類が用意されています。その他に『豚皮のフライ』『ワカモレ＆チップス』『フライドポテトとライムチリマヨネーズ』など、ビールがすすみそうなメニューが揃います。


移民の街・ブルックリンでも人気だということから、メインフードをタコスに選んだといいます。また、タコスはあらゆる多様性を包むことができるフードであり、「B」のコンセプトを体現するのにぴったりだと考えたのだそう。タコスをはじめとしたフードメニューは、神田金物通りにある名店「北出食堂」北出シェフの監修です。


タコスと一緒に楽しめるビールは、もちろんブルックリン・ブルワリーのビール。

日本では「B」でしか飲めない限定ビールも含めて数十種類、アメリカから直輸入しています。樽生ビールは定番の『ブルックリンラガー』『ソラチエース』『ディフェンダーIPA』をはじめとする10種類を提供。樽生ビールだけでなく、缶ビール、ボトルビール、750mlのビッグボトルもあります。