数ある中でも、気軽に試すことができるビアカクテルといえば「シャンディガフ」。ビールとジンジャーエールを割るだけという気軽さで、ビールのホップの苦みをやわらげてくれるビアカクテルです。
そんななか、「これまでイメージしていた「シャンディガフ」って、ピルスナースタイルで割るのを想像していたけれど、他のビアスタイルで試してみたらどうなるだろう?」という素朴な疑問が湧いてきた編集部。
ということで、今回8種類のビールでシャンディガフを試してみました!
一番の目的は「おいしいシャンディガフを見つけること」。ではさっそく、作っていきましょう!
【関連記事】
■老舗バーテンダーに聞く!おうちで試したい、簡単ビアカクテルの作り方<4種類>
■老舗バーテンダーに聞く!クリスマスとお正月におうちで試したいビアカクテル4種
もくじ
・割ったビール8種・材料・作り方
【シャンディガフ検証!】
・スーパードライシャンディガフ
・プレモルシャンディガフ
・ヒューガルデンシャンディガフ
・銀河高原ビールシャンディガフ
・COEDO 鞠花-Marihana-シャンディガフ
・よなよなエールシャンディガフ
・琥珀ヱビス プレミアムアンバーシャンディガフ
・キリン 一番搾り〈黒生〉シャンディガフ
・“おいしいシャンディガフ”の意外な結果!
割ったビール8種
左から『アサヒ スーパードライ』『サントリー ザ・プレミアム・モルツ』『ヒューガルデン』『銀河高原ビール』『よなよなエール』『COEDO 鞠花-Marihana-』『琥珀ヱビス プレミアムアンバー』『キリン一番搾り〈黒生〉』の全8種。
一般的にシャンディガフを作る際に使用するピルスナー2種をはじめ、ベルジャンホワイト、ヴァイツェン、SESSION IPA、ペールエール、アンバーエール、黒ビールを選出。それぞれジンジャーエールで割ってみると、どんな味わいの違いがあるのかを調査してみました。
使用したジンジャーエールは「カナダドライ」。蓋を開けた瞬間、プシュッと弾け飲んだ瞬間に喉を刺激する爽やかな炭酸に、甘さ控えめですっきりとした味わいが多くの人に愛されているジンジャーエール。手に入りやすい点もおすすめポイントです。
材料・作り方
「おいしいシャンディガフを見つける!」が一番の目的ですが、味わいの違いをわかりやすくするため、作りはじめはビールとジンジャーエールの割合を1対1を基本として試してみました。
【材料・使用するもの】
・ビール・ジンジャーエール
・お好みのグラス
【作り方】
①ビールをグラスに半分量入れる。
②ジンジャーエールをグラスの半分量入れる。
味見をしてみた結果、「ビール多めの方が良いかも」と判断した場合は、その旨も記載しました。果たして、おいしいシャンディガフは見つかるのか…!
“スーパードライ”シャンディガフ
ピルスナースタイルの「アサヒ スーパードライ」の特長といえば、なんといっても“辛口”。一口飲むごとに感じられる飲みごたえとキレの良さが、ジンジャーエールと合わせるとどう変わるのかが一番のポイントかもしれません。
結果は…
相性:◎
一口飲むと、スーパードライらしいドライな飲みごたえのなかに、ジンジャー要素が付与されています。やはり、ジンジャーエールとの相性抜群で親しみやすい!一般的なシャンディガフで使用されている理由がわかります。スーパードライ感もしっかり強く、ごくごくと飲みたくなる!
“プレモル”シャンディガフ
磨きダイヤモンド麦芽を使用し、華やかな香りと深いコクが特長の“プレモル”。アサヒスーパードライと同じピルスナースタイルではありますが、特長とする味わいが違う両者でどのような違いが生まれるのかも飲み比べの楽しみのひとつです。
結果は…
相性:◎
りんごのような酸味が強くなって、同じピルスナーでもスーパードライとまったく違って面白い。爽やかなジンジャーの中に、プレモルのコクと奥深しさが顔を出します。スーパードライで作るより、プレモルで作るシャンディガフの方が、“記憶の中にあるシャンディガフ”という感想でした。王道のシャンディガフを飲みたかったらこれ!
“ヒューガルデン”シャンディガフ
ベルジャンホワイトスタイルの「ヒューガルデンホワイト」の特長といえば、オレンジピールとコリアンダーシードが生み出す爽やかな香りとすっきりとした味わい。ジンジャーエールの生姜との相性も良さそうなスパイスが、どのような相乗効果をもたらすのでしょうか。
結果は…
相性:◎
一口飲んだ瞬間の感想は、甘い!その前ふたつがいわゆる“シャンディガフ”で割とさっぱりとしていたこともありますが、ベタベタした甘さはなく、ヒューガルデンの特長がそのまま出ている印象でした。ジンジャーが付与されることでドライになり、ヒューガルデンのスパイスがうまく交じり合っています。おいしい!
“銀河高原ビール”シャンディガフ
小麦麦芽を50%以上使用し、酵母由来のフルーティーな香りが特長のヘーフェヴァイツェン「銀河高原ビール」。缶をくるくるとまわしながら酵母も注ぐようにするとまろやかな口当たり。一見、キリッとしたジンジャーエールと相反する特徴のような気がしますが、合わせるとどのように変化するのでしょう。
結果は…
相性:△
ジンジャーエールも銀河高原ビールも、そのまま飲むより優しい印象になりました。ただ言い換えるとどちらも個性が薄くなってしまい、良さが半減してしまっている印象。まろやかな酵母とすっきりジンジャーの相性は相反してしまうのでしょうか。今回1:1でしたが、分量によってはしっくりくる味わいが見つかるかもしれません。
“COEDO 毬花-Marihana-”シャンディガフ
ホップ由来のシトラス香が香るSESSION IPA「COEDO 毬花-Marihana-」。華やかな香りと心地良い苦みが特長です。SESSION IPAらしい香りと苦みが、ジンジャーエールと合わせるとどのように変化するのかが気になるところ。
結果は…
相性:△
一口飲んでみましたが、ジンジャーエールと鞠花それぞれの味わいが分離しているように感じて、シャンディガフとしてはあまり成立していない印象でした。そこでジンジャーエールの比率を多くしてみると鞠花のハーバル感を残しつつジンジャーが際立ち新感覚なシャンディガフが完成!どちらもしっかりと冷やした状態で合わせてほしいですが、編集部としては「鞠花」単体で飲むのがおすすめです!
“よなよなエール”シャンディガフ
アメリカンペールエールスタイルの「よなよなエール」。ホップ由来の柑橘香に加え、キャラメルモルト由来の琥珀色な液色とモルトのコク深い味わいが特長です。コク深さとフレッシュな香りが、ジンジャーエールと合わせるとどのように変わるのでしょう。
結果は…
相性:○
香りも味わいもジンジャー感を強く感じます。「よなよなエール」の香りやコクを感じながらも、ジンジャー感が際立った新しいシャンディガフという印象で面白い!
“琥珀ヱビス プレミアムアンバー”シャンディガフ
アンバーエールスタイルの「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」は、クリスタル麦芽を一部使用し、深いコクとまろやかさが特長です。液色も美しい琥珀色。ジンジャーエールとアンバーの組み合わせは想像できませんが、果たして…!
結果は…
相性:△
「琥珀ヱビス」単体ではコクと心地よい苦みのバランスが良いのですが、ジンジャーエールと合わせるとなぜか酸味が際立ち、まるでサワーのようです。ですが、どちらの良さも半減してしまっているような気がしました。「琥珀ヱビス」は香りから味わいのバランスが考え抜かれたビールなので、そのままで飲むのがおすすめということがわかります。
“キリン一番搾り〈黒生〉”シャンディガフ
最後は、濃色麦芽を使用した黒ビール「キリン 一番搾り〈黒生〉」。一番搾り麦汁を使用し、芳醇なコクと雑味のない味わいが特長です。濃厚な黒と爽やかなジンジャーエールがどのように交わるのかが気になります…!
結果は…
相性:◎
黒の印象が強いですが、かすかに感じるジンジャー感で飲みやすくなっている印象。濃色麦芽の香ばしさが残りつつ、ジンジャー感もあるので、「ザ・ビアカクテル」っていう印象。比率を変えて味わってみるのも楽しいかも!
“おいしいシャンディガフ”の意外な結果!
“新しいシャンディガフ”を見つけるべく、さまざまなビールで試してみたシャンディガフの数々。編集部のおすすめ3選は、「キリン一番搾り〈黒生〉シャンディガフ」「ヒューガルデンシャンディガフ」「プレモルシャンディガフ」でした。
検証してみた結果から、ジンジャーエールと特長の近いピルスナーが合うのはもちろんでしたが、特長が反対の印象だった濃色麦芽を使ったコク深い黒ビール「キリン一番搾り〈黒生〉」との相性も良かったり、小麦を使った「ヒューガルデン」も特長を際立たせながら飲みやすい味わいになっていたりするのが印象的でした。
たくさんの人が集まる場面で、「ビールが苦手」「お酒に弱い」という方もビールとジンジャーエールがあれば気軽に試すことができるシャンディガフ。試してみたいという方は、ぜひ今回の検証結果を参考にして、ビールの新しい楽しさを見つけてみてください!