ビール好きの間では「クラフトビールの天国」として知られる街、ポートランド。そんなポートランドで活躍する、クラフトビールの案内人をご存知でしょうか? 彼の名はレッド・ギレン(Red Gillen)さん。
ポートランドを中心に、オレゴン州のビールカルチャーを日本語で(!)紹介する「オ州酒ブログ」や現地飲食ツアー「フーディー・ドリンキー(Foodie Drinkie)」のファウンダーを務める、日本のビール好きにとって、ものすごく頼りになるクラフトビールの案内人です。
今回は、そんなレッドさんが日本のビール女子に向けて、ポートランドのビールについてお話を聞かせてくれました。前編では、ビール女子なら一度は訪れてみたい、ポートランドの3つのおすすめブルワリーをご紹介します。
それでは、いってみましょう!
ここに行かなきゃ始まらない!
1. Great Notion Brewing
待ち合わせ場所としてレッドさんが選んでくれたのは、ポートランドのアルベルタ通りにある「Great Notion Brewing(グレート・ノーション・ブルーイング)」です。
レッドさん
でしょう!このお店、日本のビール女子に超オススメ!
えーっと、注文は任せてね。面白いの飲めるからね〜。
いそいそと注文してくれるレッドさん。早速、フライト($15)が到着しました。
うわあ、これはカラフル!
レッドさん
左上から順番に、
『ブルーベリー・マフィン』
『マンゴー・ココナッツ・モチ』、下の左から『ライプIPA』、『チョコレートカバード・ストロベリー』、それにブランチにぴったりの定番『ダブル・スタック』。
ここ「グレート・ノーション」は、美味しいヘイジーIPAを作って人気が出たブルワリーだけど、色々とおもしろいビールがあるよ。
レッドさん
遊び心とか冒険心を感じるでしょ?ここは、普通と違うビールがあって、クラフトビール入門者にもおすすめ。
特にヘイジーIPAって、普通のIPAに比べて苦味が少なくて、ホップの香りをしっかりと楽しめるでしょ。だから「ホッピーなビール=苦い」って思っている人は驚くと思う。
自家醸造からスタートしたブルワリー
レッドさん
このブルワリー「グレート・ノーション」はビジネスの経験もない自家醸造家が3人集まって2015年に始めた新しいブルワリーなんだ。
あっという間に人気が出て、この前来た時なんて、スーツケース引いてるお客さんもいたくらい! 空港から直行して来たのかも(笑)。それくらい、「ポートランドに来たら、このブルワリーは絶対に外せない」って思ってる人がいっぱいいるんだよ。 それに、自家醸造からスタートってのが、ポートランドっぽくていいでしょ?
あとね、このアルベルタ通りってロケーションもいいよね。いろんなお店があって、街歩きも楽しい場所だから、観光としても楽しめる。
おもしろいビールにきっと出会える!
レッドさん
それに、ここのビールは、スーパーなんかでも売ってないの。だから買って帰れば、ビールが好きなお友達にすごく喜ばれると思うよ!
グローラー(量り売りビールを買うためのビール瓶)の缶バージョンがあって、専用の缶に好きな樽生を入れて封をしてくれるんだ。 あ…、でも今日はもう売り切れてるね。人気だから(苦笑)
レッドさん
それは絶対!日本でもポートランドのビールが手に入るようにはなってきているけど、どうしても出荷してから消費者の手元に届くまでに2ヶ月ほどかかっちゃう。ビールは鮮度が命だから…。
それに、小売へ出荷されない、スモールバッチで少しだけ作る季節の限定品や試験的な面白いビールもたくさんある。こっちでどんどんフライトを頼んで、いろんな種類をテイスティングして、ビールには、こんなにも違う味や香りがあるってことを知ってほしいよー。
あと、日本でもIPAを作っているところあると思うけど、こっちはホップが安いから、入れるホップの量がもうぜーんぜん違うの!できたてのホップがいっぱい入ったビールは本当に美味しいんだ!
“酸っぱいビール” のパイオニア!
2. Cascade Brewing Barrel House
レッドさん
他におすすめなのは、「Cascade Brewing Barrel House(カスケード・ブリューイング・バレル・ハウス)」かな。
ここはアメリカン・サワービールのパイオニアとして世界的に有名なお店で、お客さんの6割くらいが女性だと思う。男性には酸っぱいビールの苦手な人が多くて、女性の方がファンになるみたい。
今は、あちこちのブルワリーでサワービールを作っているけど、乳酸菌とか入れて、サクッと作ることも多いんだ。そうじゃないとすごくお金もかかるしね。その点、カスケード・ブリューイングは今も時間をかけて伝統的な作り方で上質なサワービールを作っているんだよ。
ハードサイダーにもトライすべし!
レッドさん
でね、その向かいに「Schilling Cider House」っていうハードサイダーのお店があるんだけど、ここもビール女子におすすめなんだよねー。
レッドさん
いやいやいや、でもね、ポートランドじゃ、サイダーはビールと同じ扱い! 樽生ビールのある店なら、必ずと言っていいほど一緒に樽生サイダーも並んでるでしょ? パイントサイズで売ってるし、アルコール度数も同じくらいだし。
日本人は、サイダーって聞くと「三ツ矢サイダー」とか「シードル」とかの甘い味を思い浮かべちゃうみたいだけど、こっちのサイダーは甘くないし、食事にも合わせられる!
この店は、なんと全米最多の50種類も樽生のハードサイダーがあるんだよ!
醸造所の中でビールが飲める!
3. Upright Brewing
レッドさん
じゃあ、ベルギーとかフランス系のビールはどう? 優しい味のおいしいビール!
「Upright Brewing(アップライト・ブリューイング)」は、なんと醸造所の中で飲める! 面白いでしょ?看板が出てなくって、いっつも迷うんだけど、匂いで分かる(笑)。
レッドさん
でも、ポートランドは、本当にたくさんの醸造所があって、どれもレベルが高い!今じゃ全米のそこそこのサイズの都市だと、どこでもクラフトビールが飲めるけど、ポートランドの「普通」は、全米のトップクラス!
それに、例えば、サンディエゴやデンバーも美味しいクラフトビールで知られているけど、それぞれの規模が大きいから、作り手がちょっと遠く感じちゃうかも。それに街自体も大きいから、車がないとブルワリー巡りは難しい。
その点ポートランドは、小さいブルワリーが市内に75軒もあるから、徒歩や自転車で巡れる!それに値段も安い!
レッドさん
その通り!どんどん来てください(笑)。
今回はオススメのブルワリーを3つ教えてくれたレッドさん。ありがとうございました!
ポートランドにますます興味が湧いてきたところで、日本とポートランドのクラフトビール文化の違いについてレッドさんに伺います! ポートランドのビールシーンは、日本とどう違うの? たっぷり聞いてみました。
お店情報
Great Notion Brewing and Barrel House
101, 5885, 2204 NE Alberta St, Portland, OR 97211
(503) 548-4491
939 SE Belmont St, Portland, OR 97214
(503) 265-8603
Schilling Cider House Portland
930 SE 10th Ave, Portland, OR 97214
(971) 352-6109
240 N Broadway, Portland, OR 97227
テイスティングルーム営業時間: 木・金曜 4:30 - 9 pm / 土日 1 - 8 pm