ビールに香りや苦みを与えるホップ。通常は長期保存ができるように乾燥処理されたホップを使うことが多いのですが、秋にさしかかるこの時期には、夏に収穫したフレッシュホップを使ったビールが登場します!
今回ご紹介するのは、元祖地ビール・サンクトガーレン(神奈川県厚木市)の『FRESH HOP IPA』。2012年の初登場以降、毎年飲むのを楽しみにしているファンが多いビールで、今年は9月10日(木)に発売されます。
山梨県産“かいこがね”ホップを使用
使用するフレッシュホップは、山梨県北杜市のホップ畑で大切に育てられた“かいこがね”ホップ。昭和初期は北杜市内でも800軒の農家がかいこがねホップを栽培していたそうですが、現在は数軒しか栽培していません。
じつは“かいこがね”は、農林水産省に品種登録された国産ホップの第1号。漢字では「甲斐黄金」と書きます。山梨県北杜市生まれのホップで、生育段階の一時期に葉が黄金色になることから、この名前がついたと言われており、フローラルで金柑のような柑橘の香りが特徴。
収穫してすぐにビール工場へ
ホップは収穫すると劣化が始まってしまいます。そのため、収穫したホップは長期保存できるように乾燥処理が行われます。そうすることにより、一年中安定した品質でビール造りに使うことができます。しかし、熱を加えることで、香りの成分が揮発してしまうのは避けられません。フレッシュホップを使ったビールは、「ホップ畑と醸造所が近いこと」、そもそも「ホップの収穫時期であること」という条件が揃わないと造ることができない、とても特別なビールです。
「FRESH HOP IPA」は、8月8日にホップを収穫し、すぐにビール工場へ持ち帰り醸造しています。初回のホップ投入は24時間以内とかなりスピーディー!
ホップ畑をそのまま詰め込んだような香り
「FRESH HOP IPA」は、7回に分けてホップが投入されています。その回数は通常のビールの約2倍!ホップ投入のタイミングは、マッシュホップを1回、醸造工程中では4回、さらに2回のドライホップです。
そうして完成したビールは、グラスに注ぐと、まるでホップ畑の中にいるような青々としたグラッシーな風味が広がるのだそう!
※マッシュホップとは、通常は麦汁の煮沸段階で入れるホップを、その前の麦汁をつくる糖化段階でも入れてしまう工程。2019年の「FRESH HOP IPA」を造る際に導入し、ホップの風味がより華やかに仕上がったそう。
※ドライホップとは、主発酵が終わったビールに、さらにホップを加える工程。熱や発酵による影響を受けないため、苦みを出さずに、ホップのフレーバーをビールに加えることができます。
ホップの風味を引き出すための工夫
「FRESH HOP IPA」は、繊細な国産ホップのフレーバーを引き立てるために、ビールの糖度を極限までドライに仕上げたBrut IPA(ブリュットIPA)スタイルを採用。その糖度は、ほぼ0。
タンパク質の多い小麦麦芽やオーツ麦を使用しているため、ドライでもクリーミーで柔らかな飲み口に仕上がっています。苦みは控えめにし、青々とした柑橘を思わせるホップフレーバーだけがぎゅっと凝縮。
口に含むとホップのフレーバーから甘さを感じられ、ドライな飲み口に圧倒的ホップ感。まるで“ホップのシャンパン”のようなビールです。
一緒に食べたいおつまみは?
『フレーーッシュ!マッシュルームのサラダ』
きのこといえば火を通して食べるのが一般的ですが、その中でも『マッシュルーム』は生で食べてもOKなきのこ!スライスしてそのままいただきましょう。単体では淡泊な印象ですが食感が面白く、『オリーブ』と『アンチョビ』を使ったソースや『パルミジャーノ』を合わせれば、見た目も味もお洒落なおもてなしサラダになります。(作り方はこちら)
フレッシュホップを使った特別なビールを味わって
2012年の発売以降、醸造方法を工夫し、おいしさが年々向上している「FRESH HOP IPA」。毎年待ち遠しく思っているファンが多いのも納得の味わいです。ぜひグラスに注いで、ホップ畑の中にいるような感覚を体験してみてください!
『FRESH HOP IPA(フレッシュ ホップ アイピーエー)』
- 〇発売日:2020年9月10日(木)
- 〇ビアスタイル:Brut IPA
- 〇アルコール度数:6.5%
- 〇IBU:37
- 〇原材料:麦芽、ホップ
- 〇ボトル内容量:330ml ※他に業務用の樽の用意あり
〇希望小売価格:460円(税別)
〇販売場所:オンラインショップ、サンクトガーレン取扱い各店。公式サイトに随時掲載。 - 〇URL:https://www.sanktgallenbrewery.com/freshhopIPA/
- 〇醸造所:サンクトガーレン