Column 花が描かれたパッケージのビール7選。お花を贈るようにビールを

「母の日にはカーネーションを贈ろう」と最初に言ったのは誰なのだろう。

「迷ったらコレ！」ができるのはありがたいけれど、贈る人を想い、好みのものを考えることができる時間も特別なイベントならではじゃないでしょうか。

そこで今回は、花がデザインされたビールを7本ご紹介。母の日に限らず様々なプレゼントシーンで、ビール1本と花を1輪を揃えたら粋な贈り物に。

大切な人へ、花を贈るようにビールを贈ってみませんか。

『TSUTSUJI』BLACK TIDE BREWING

宮城県気仙沼に醸造所を構えるBLACK TIDE BREWINGから発売されている『Tsutsuji』は、その名のとおりツツジを全面にあしらったパッケージのビールです。

春の終わりに満開になる、日本一のツツジの名所ともいわれる気仙沼の徳仙丈山（とくせんじょうさん）に咲き誇るツツジをモチーフにしたものだとか。

ビアスタイルはセゾン。セゾン酵母由来のフルーティーさに加え、ライ麦のほのかなスパイシーさも感じられる、苦みは控えめでドライ。

赤いカーネーションならぬ赤いツツジに想いを乗せて、「いつもありがとう」の言葉を添えて贈りたい一本です。

『ADOLESCENCE（アドレセンス）』RIO BREWING&CO.

千葉県柏市のRIO BREWING & CO.から発売されているのは、写真家の小関一成氏が手がけた一輪のコスモスが印象的なパッケージの『ADOLESCENCE（アドレセンス）』。

ビール飲みに最適とはいえない、寒い季節に「どんなビールなら飲みたいだろうかと思案したとき、ふと浮かんだ青春時代の冬の記憶をビールの味わいで表現したらどうなるだろうか」と考えてつくられたビール。

青春の甘美な思い出と胸を締め付けるような苦い思い出を香りと味わいで表現したそうで、甘い香りにはマンゴーと桃の香りを、キリッとした苦みにはホップ由来の優しくも確かな苦みを表現しています。

凛としたコスモスの清らかさにハッとする1本。ビールがつくられた背景も伝えることで、当時の思い出話に花を咲かせることができるかもしれません。

『あなたが花束』KUNITACHI BREWERY

名前もイラストも想像を掻き立てる、東京都国立市に醸造所を構えるKUNITACHI BREWERYの『あなたが花束 / take.4』。国分寺の名店・BEER CAFEガンブリヌスの学生アルバイトさんの卒業を祝うビールとして生まれました。

副原料にエルダーフラワーやローズヒップ、カモミール、コリアンダーシード、カルダモン、ジャスミンの花、オレンジフラワーなど、実際にさまざまな花も使用してつくられています。

Saison Yeast由来のスパイシーな香りに、バナナや洋梨、エルダーフラワー、若干カモミールの優しく甘い香り。Saphirホップ由来のレモンのような味わい。温度が上がると香りもフローラルさが増し、味わいにはメロン感も感じられる優しい口当たりの1杯。

パッケージはもちろん、香りや味わいからも花束を感じられ、母の日に感謝を伝えるにはぴったりです。

『華休』籠屋ブルワリー

東京都狛江市・籠屋ブルワリーからは、狛江の老舗花屋であるマナベフラワーとコラボした「母の日ギフトセット」が登場。プリザーブドフラワーとビール2本がセットになっています。

『華休（はなやすめ）』は、地元の狛江に住む方たちと一から開発。「週に1回、大切な時間を彩るビール」をコンセプトに、仕事や育児で忙しい方にもふうっとひと息つくタイミングのご褒美になるようなフルーティーなエールビールです。

ビアスタイルはHazy IPA。ふわっと広がるマンゴーやグレープフルーツのようなジューシーでフルーティーな味わいに、コリアンダーの清涼感がプラスされた飲みやすい1杯。ポップでやらしいパッケージのイラストにも癒されます。

何かと忙しく過ごすお母さんへ、「ちゃんと息抜きもしてね」ということばも一緒に贈りたいギフトです。

『SAKU』大森山王ブルワリー

大森山王ブルワリーが手がける『SAKU』は、詩人・萩原朔太郎がモチーフのビール。ほろ苦く刺激的で大人なセゾンです。

朔太郎が表した感情や、色々な不遇を乗り越えて才能が開花した様子から「SAKU」と名付けられたこのビールは、「感情よ、花開け！」という想いが込められているそう。花がクネクネともがきながら咲き誇り、そして最後は散り暗闇になっていく様子が１コマづつ表現されている芸術的なラベルです。

エキゾチックな香りに誘われるがまま一口飲むと、清々しく澄んでいる液体が口のなかを潤します。その直後、グレープフルーツのような柑橘の味とレモンのほのかな酸味が。レモンピールをふんだんに使って醸造しているので、それに由来する心地よいほろ苦さが口の中を席巻し出すと、徐々に渋みとなり複雑さが増していきます。

詩が好きな母へ、プレゼントしたい1品。

■詳細記事：詩人・萩原朔太郎がモチーフのビール。ほろ苦く刺激的で大人なセゾン「SAKU」を味わってみた

『Novoru』Novoru Brewery

2022年、宮崎県宮崎市で立ち上がったNovoru Breweryのフラッフシップビール『Novoru』。

英語で「革新的な」というニュアンスを持つ“novo”と、宮崎の明るくダイナミックな太陽が昇る様子を組み合わせた造語であり、ブルワリー名とビール名どちらにも冠した「Novoru」。

ビアスタイルはセッションIPA。最初にふんわりやってくる香りは桃のよう。濃厚な香りの印象に反して、口に含んだ瞬間、やさしい苦みがフワッと広がり、味は爽やか。普段飲むピルスナーのように喉越しを楽しみたい時にも、香りをゆっくりと堪能したい時にもぴったりな、万能な1杯で、食事とも合わせやすいです。

ラベルに描かれた落ち着いた雰囲気の花束が愛らしく、ちょっとしたプレゼントにもぴったりです。

『MALT REVOLUTION #2 オートミールスタウト』TWO RABBITS BREWING COMPANY

滋賀県近江八幡市・TWO RABBITS BREWING COMPANYが手がける『MALT REVOLUTION #2 オートミールスタウト』は、英国生まれのビアスタイルであるオートミールスタウト。オーストラリアではどのパブでも繋がっているほど、人気と市民権を得ているビールだとか。「モルティビールのおいしさをもっと知ってもらいたい」とつくられた限定シリーズの第二弾で、パッケージには満開の桜が描かれています。

グラスに注ぐと、クリーミーで絹のような滑らかな泡。オートミール由来の滑らかな口当たり。マイルドにローストされた麦芽とコーヒー、酵母由来のフルーティーで豊潤な香り。副原料のアニスも隠し味になり、焙煎麦芽が麦汁の甘みとバランスをとることでウインナーコーヒーを思わせる味わいです。

コーヒー好きなお母さんなどに、「こんなビールもあるんだよ」と勧めてみると、新しい出会いにハマる可能性あり。おいしいバニラアイスと一緒にプレゼントするのもよいかも。