高視聴率の朝ドラ「マッサン」では、日本で初めてウィスキーを造った竹鶴政孝さんの若かりし日の奮闘が描かれ、様々なメディアでウィスキーが特集されていますね。実際、品薄にもなっているのだとか。そんな中、今日はウィスキーと同じ“麦芽”を使って造るビール、「今更聞けない、ウィスキーとビールの違い」についてあらためて学んでみたいと思います!
アルコール度数
この後触れる造り方にもよるところですが、単純に、アルコール度数が桁違いに異なります。ビールでも高アルコールのものはあるものの、一般的にビールのアルコール度数は5%前後。高アルコール度数のものでも、主に10%前後くらいです。一方ウィスキーは37、38%〜50%前後。そのため、飲むスピードや楽しみ方は人それぞれではありますが、自ずと変わってきます。
ビールになるかウイスキーになるか、キーポイントは蒸溜。
簡単に紹介すると、ビールとウイスキーの製造過程は… ビール:麦芽の製造→仕込み→発酵→貯酒・熟成 ウイスキー:麦芽の製造→仕込み→発酵→蒸溜→貯酒・熟成 となります。 ビールもウイスキーもほぼ同じ行程で製造を行いますが、ウイスキーには「蒸溜」という過程があります。 発酵の時点では、ビールもウイスキーもアルコール度数の違いはありません。ここで、蒸溜を行うことでアルコールをこしとり、アルコール度数を65~70%に高めます。 アルコール度数が高いものがウイスキーで、低いものがビールとなります。 そして、この後の熟成の過程がそれぞれのクオリティを決めると過言ではありませんが…熟成の詳しいメカニズムはまだ分かっていないそうです。 ▼以前ビール女子ではビールの醸造方法が解りやすく解説されたオシャレムービーのご紹介もしています。 >オシャレわくわくなビール醸造紹介ムービー「How to make beer」。
香りの材料、ホップとピート。
ウィスキーもビールも麦芽(モルト)を使ったアルコール。麦芽は麦から作るので麦の香ばしい香りや甘い香りはそれぞれに持っている香りの一つ。ただ、ビールもウィスキーも香りの要素は一つではありません。 ビールの重要な材料の一つに“ホップ”という緑色のつる性の植物があります。これは生で食べればとっても苦いのですが、ビールに入れると(通常乾燥させて入れることの方が多い)苦みだけではなく果物やスパイスのような香りがして香りにも大きく貢献しています。 これが、ウィスキーの原料にはありません。ウィスキーでは香りの要素として大きく寄与するのが、麦芽を乾燥させるために使うピート(泥炭)です。このピートが燃えて出てくるスモーキーフレーバーがウィスキーの個性の一つとも言えるのです。マッサンでもそのいぶし臭い香りを初めて嗅ぐ日本人が奇妙な反応を見せるシーンが印象的です。いかがでしたか? ビールとウイスキーは全く違う飲み物のようで、麦芽という主原料は同じ、そして製造工程も似通っていて不思議ですね♪ 今回紹介した「アルコール度数」「蒸溜過程があるかどうか」「香りの材料」といったことの他にも、酵母に関してなど、様々な違いのあるウィスキーとビール。普段何気なくお酒を飲むシーンではどちらも目にしますが、改めて知ってみると朝ドラもさらに楽しめるのではないでしょうか。同じ、麦から造るお酒として、両者の良さや違いを学びつつ、ビールも盛り上げて行きたいですね。
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