2025年の万博開催へ向けて、ますます盛り上がりを見せている大阪。そんな大阪の中心部に、醸造所、ビアパブ、ボトルショップが揃ったクラフトビールのワンストップショップがあります。
その名も「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」。2019年10月、大阪の中心部にありながら、地域のまちづくりや住む人たちにもあたたかい大淀エリアに誕生しました。
もくじ
・広々80坪に集結されたビール基地
・オープンのきっかけ「ビールを正しく伝えたい」
・集大成「TREE」の誕生
・大阪が繋がるビアマップを発行
・おすすめビールを飲んでみた
・プレゼントに嬉しいボトルビールも
・ビールに合わせたいおすすめフード
・目指すのは「メイドイン大淀」
・広々80坪に集結されたビール基地
・オープンのきっかけ「ビールを正しく伝えたい」
・集大成「TREE」の誕生
・大阪が繋がるビアマップを発行
・おすすめビールを飲んでみた
・プレゼントに嬉しいボトルビールも
・ビールに合わせたいおすすめフード
・目指すのは「メイドイン大淀」
広々80坪に集結されたビール基地
JR「大阪駅」から徒歩14分。大阪のランドマークである梅田スカイビルを通り、北へ進むと現れてくるのが、ビールの琥珀色をイメージしたような鮮やかな外観の「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」です。
店に足を踏み入れると、ずらりと並ぶ6台の冷蔵庫が迎えてくれます。国内、国外から厳選した品質の高いビールを約500種類取り揃えています。
ビールは毎週新しいものが次々と入れ替わり置かれており、種類によって保存する温度を変えながら、フレッシュな状態で保存されています。
圧巻の熟成用の冷蔵庫!直接中に入って選ぶこともできます。
ボトルショップのすぐ隣には、15種類の樽生クラフトビールを楽しめるパブが。入口すぐにあるスタンディング席の他に、カウンター席、テーブル席があり、様々なシーンに応じて利用できます。
パブの窓から見えるのはなんとオリジナルビールをつくる醸造所「CRAFT BEER BASE」。醸造設備を眺めながら出来たてのビールを頂くことができるのはとっても魅力的!
そして今回、特別に醸造所スペース内を見せていただきました!
この醸造所には、2022年7月に大きなタンクが8基導入されたのだとか。
「小さいタンクだと自社の醸造だけで終わってしまうので、街のビールを造ると決めたからにはこの規模が必要でした」と、販路の拡大も視野に入れて醸造所を一新したとのこと。
新しいタンクを新設する際、撤去される予定だった既存の小タンク。しかし「以前のタンクも残してほしい」と醸造長からの熱い希望があったそう。
その結果、定番のビールは大タンクで醸造し、それにプラスしてスタッフが挑戦してみたいビールは小タンクで醸造するなど、ビールの作り分けができるようになりました。ますます今後が楽しみです。
それでは早速ビールを!とその前に。歴史を知り、よりビールをおいしくいただくために、「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」について、代表の谷和(たに あい)さんにお話を伺ってみました。
オープンのきっかけは「ビールを正しく伝えたい」
2012年に開店した本店「CRAFT BEER BASE」から始まり、6番目に出来た醸造所併設のお店が、今回訪ねた「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」。
「醸造所はあとから始めたこともあり、ボトルショップと両方を運営するのは大変ですが、一番伝えたいのは多様なビールの魅力と素晴らしさ。それがやりたかったことなんです。」と話してくれたのは、代表の谷さん。
谷さんは26歳でビールの業界に入りました。ベルギービールのお店で働きながらビールの魅力にどっぷりとハマり、さらには審査員の資格も取り日本代表として海外でビアジャッジをするまでに。
2007年にはお子さんをご出産。その当時は、育児をしながらビールとは関係のない事務の仕事をされていましたが、大好きだったビールに関わらない仕事は合わず辛かったそう。
「自分の好きな仕事をしたい。笑顔で子供の未来を押していきたい」
少しでもいいからビールの魅力を広めたかった谷さんは、ご家族の応援もあり、近所の酒屋さんで受発注の事務をすることに。
しかし、当時は“ビールのプロ”として展開するお店が少ない状況だったため、「おいしいビールを飲んでもらうにはよりしっかりした管理が必要で、さらなる知識も必要だ」と、今以上においしいビールを飲んでもらえる環境をつくりたいという熱い想いが募っていったのだそう。
それならば、自分たちでやってみよう!と決意。
アツい想いを持つ自分たちがやれば、人々がその熱意を直に体感してくれるし、行動を見てくれたらもっとビールに対しての感覚は変わるんじゃないか?
そんな経緯から、ビールを正しく届け、ビールに忠実な活動をする会社「株式会社CRAFT BEER BASE」が誕生しました。
集大成「TREE」の誕生
「大きな木があるところは、豊かな水が流れて太陽がしっかり当たる場所。そうして文化が生まれる。昔から、文明が発達するところはそういうところが多かった。恵があるところに文化ができるんです」
株式会社CRAFT BEER BASEが運営する店舗には全て、BASE(土壌)、seed(種)、BUD(芽がでる)、BRANCH(枝)など、木にまつわる名前が入っており、「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」の壁にも店名にあるTREEの絵が。人が集まる場所を意味しています。
実は、「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」の構想は10年前からあったのだとか。
「途中に思いがけないコロナの影響もあり、チームが精神的に弱くなった時期もありましたが、スタッフたちが試行錯誤をしながら毎日できることを考え、色んなアイデアを出し合い、動くことを止めませんでした。その時のスタッフの動きを見て、こんなに思いのあるメンバーはひとつにまとめたほうが絶対良い。と気付き、既存店のうちの2店舗を閉めてチームをここに集結させました。」
と笑顔で話す谷さん。なんと、既存店を2つ閉めてオープンさせたのが「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」なんですね。あるものを壊して一から作る勇気は相当なものだったはず。
「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」は谷さんがずっと根を生やす場所。大淀という場所からクラフトビールを文化として、多種多様なビールを楽しめるお店にしていきたい。そんな何事にも負けず前に進んでいく谷さんのもとに、同じ志のメンバーが集まり、今に繋がっているのです。
そんな場所を象徴するかのように、最近では、広く色んな人に伝えることが出来るように最大20名まで入れるセミナールームも新設されました。「人を育てていく」というのも裏テーマ。ここではビールに特化しながら、いろんな業界の方を呼んでセミナーやワークショップを企画予定とのことです。
大阪が繋がるビアマップも発行
「CRAFT BEER BASE」は、大阪のクラフトビールマップも発行しています。今回で7冊目のマップは、大阪のほとんどのブルワリーとビアバーが掲載されています。これさえ持っていれば、大阪のビアバーは網羅できてしまうかも。
「日本のいたるところでおいしいビールを飲める環境をつくりたいのが目標です。自分のところだけじゃなくてみんなが楽しまないと。大阪のビアバーやブルワリーは仲が良いですし、このマップを作ることによって年に一回の情報交換や連絡網にもなる。旅行先の宿の近くのお店で飲むと消費が増える、そのきっかけになれば嬉しいし、このマップで是非大阪を楽しんでほしいです」と谷さん。
マップは自店も他店もフェアに紹介されていて、共存そしてシェアできる考え方もこの業界ならでは。「作り手の想いをお客様の笑顔へ」「ビールを正しく日本に広めたい」。そんな想いがこの一冊からも溢れています。
さあ、そろそろビールが飲みたくなってきたので、おすすめビールをいただくことにしました!
おすすめビールを飲んでみた
「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」には、最大15種類のタップが用意されていて、オリジナルビール含め樽替わりで様々なビールが提供されています。
オリジナルビールである、『Mistral DH Pale Ale』をいただきました。
フランス産ホップ「Mistral (ミストラル)」を使用。ミストラルは代替品がないと言われるくらい特色のあるホップで花のような香りが特徴。見た目は明るく、なんとも爽やかでフルーティな香り!アロマ感も感じながら、味わいもエレガントで上品な印象です。
こちらは、CRAFT BEER BASE Brewing Labが、技術面を突き詰める研究的な取組みとして生まれた2つのビール。ホップの加工形態のみが異なる「T90編」と「CRYO編」です。
醸造条件こそ同じですが、発酵中に投入(ドライホッピング)するホップの加工形態だけを変化させたという、クラフトビール好きにはとても興味深いビールです。こんなユニークな飲み比べが出来るのも、タンクの使い分けによるチャレンジングなビールの醸造ができるからこそですね!
プレゼントに嬉しいボトルビールも
店内には、テイクアウトやお土産にぴったりな「CRAFT BEER BASE」オリジナルビールのボトルも。
今回は、女性ならではのビアシーンを演出したいと、女性オーナーだからこその視点から生まれた「CRAFT BEER BASE」の代表作『ラベンダー&カモミール』を頂きました。
ハーブティーに使うラベンダーとカモミールをそのまま麦汁に加えて発酵させた、お花がふんわりと香る優しく軽やかな金色のビールです。
「リラックスや落ち着いたり鎮静効果もあるラベンダーとカモミール。頑張る女性に花束を渡すような感じで味わってほしい。そして、ビールは苦いというイメージで一歩踏み出せない人に是非飲んでほしい。その一歩になれたらと思って造ったビールです」と谷さん。
花を使うビールは世界的にも少ない上、仕込みにもひと手間かかる。けれど、花は女性にはやはり嬉しいもの。癒しの効果抜群の花のビールは、おうちでのんびりとゆっくりいただきたい一品です。
ビールに合わせたいおすすめフード
「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」がおすすめする料理は、「様々なビアスタイルに合わせたオリジナルソーセージ」。クラフトビールをよりおいしく楽しむために生まれた、4種類のオリジナルソーセージです。
ビールとの相性を考えられているだけあって、ほどよい甘さと辛さに仕上がっています。個人的にはグリーンカレーのような風味の「THAIグリーン」のソーセージがお気に入り。ハーブの香りとともにビールが進む一品でした。
目指すのは「メイドイン大淀」
「コロナで一番厳しかった時期に、大淀の人たちが買いにきてくれたことがとにかく優しかった。周りの飲食店同士が協力し合い、がんばろうねと励まし合ったり」と、谷さん。
ビールを造ることは、その町の自慢になること。自慢にしてもらうならお世話になった大淀がいい。郵便局長や町会長をはじめ、周りの人たちの協力のおかげでようやくこの場所でオープンすることが実現できました。
さらに、ゆくゆくは「クラフトビール」と呼ばれる文化ではなく「地ビール」と呼ばれる文化に戻していきたいのだそう。
「輸送すれば鮮度も落ちるし価格も上がる。地元で飲めれば価格も下げられる。ブームであることも大事ですが、それだけで終わらせない。続けていくことが大事だと思うんです。ビールは気軽に飲めるものであってほしい。ここで飲みたいと思えるようにしたい。最終的には地ビールと呼べるのが一番幸せな形かなと私たちは思っています」と谷さんは言います。
取材を通じて、TREE(木)は、このままFOREST(森)に発展していくのではないだろうか?という未来を想像してしまうくらい、ビールへの強い思いが溢れていることを感じました。きちんと「おいしい」を届けてくれる「CRAFT BEER BASE MOTHER TREE」へ、是非足を運んでみてください。
CRAFT BEER BASE MOTHER TREE
〇住所:大阪府大阪市北区大淀中1-13-13
〇交通:JR大阪駅から徒歩14分
〇TEL:06-7503-9795
〇営業時間:
[平日]15:00-22:00(L.O. フード21:00 ドリンク21:30)
[土日祝]12:00-22:00(L.O. フード21:00 ドリンク21:30)
〇定休日:火曜
〇HP:https://craftbeerbase.com/
〇Instagram: https://www.instagram.com/craftbeerbase/
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