昔から、音楽、演劇などのサブカルチャーの盛り上がる地として親しまれてきた下北沢。多くのライブハウスが立ち並び、今や知らない人はいないあの有名バンドもシモキタ生まれ!ということも多々あります。
中でもビール好きとして注目したいライブハウスが1つあります。その名も「ERA」。なんと、人気バンド「ゲスの極み乙女」が誕生したライブハウスで、連日ロックバンドからアイドルまで多くのアーティストのライブで盛り上がっていますが、そこはクラフトビールと音楽を一緒に楽しめるライブハウスなのです!
ライブの用事がなくても、ビールだけの利用も可能。しかも、オープンしてからしばらくはお店の宣伝を大々的にしていないため、他の店舗ではすでに売り切れてしまったお宝ビールが眠っているなど、かなり穴場なんだとか……
そんなクラフトビールと音楽の文化が融合するボトルショップ「Ceder mountain shop」に赴き、魅力を深掘りしてきました!
1階がボトルショップ、4階がライブハウス。
「Ceder mountain shop」は、下北沢駅から徒歩3分ほどの場所にあります。丸い大きなドラム缶みたいな外観が特徴。都内各地でライブハウスやスタジオを運営している株式会社リンキィディンクが運営するビール専門のボトルショップで、2023年6月にオープンしました。
5階建てのビルは、1階がボトルショップ、2.3階がリハーサルスタジオ、そして4階がライブハウス「ERA」という構造になっています。
店内は天井が高く開放的で、冷蔵庫とカウンター席でグルっと囲まれています。真ん中には大きなドラム缶のテーブルも!ボトルショップなので、店内で飲む時はサクッとスタンディングになります。
レジ横にある大きな柱は黒板になっているので、ライブハウスの出演アーティストのサインやメッセージでこれから埋め尽くされていく予定なのだそう。ワクワクしますね…!
窓際のカウンター席には電源もあるので、充電しながら飲めます。これ、地味に嬉しいポイントですよね。充電できるビール屋さんってなかなかない気がする……!
ライブハウスに持ち込みもできる!200種のビールたち
利用されるお客さんは、ライブハウスの出演者やお客さんはもちろん、自宅用ビールの購入をする酒屋として利用されている人も多くいます。
国内外200種類以上のビールを取り揃えていて、割合としては国内のブルワリーのビールがやや多め。中にはなかなか手に入りにくい人気ブルワリーのビールもあります!冷蔵庫から選んだビールを店内で飲む時は開栓料200円プラスで、すぐにその場で飲めます。
ビールには1本ずつ分かりやすく味わいの説明が書いてあるので、1人でもあまり悩むことなく、お好みのビールにたどり着けそうです。
ライブハウスに来たついでに寄られるお客さまは、まだクラフトビールになじみがない方も多いので、ジャケットのかわいさだったり、飲みやすさだったりも重視しているのだそう。
そしてなんと、店内で購入したお気に入りのクラフトビールを、そのまま4階のライブハウスに持ち込んで飲むこともできます!凄まじい熱気に包まれたライブ中の為にビールを購入する人は、やはりスッキリゴクゴク飲めるビールの需要が高いようで、爽やかに飲めるピルスナーやサワーエールなどのビアスタイルを積極的に取り揃えているのだとか。
耳も舌もおいしくて幸せで、ライブが何割増しにも楽しめちゃいそう。お家で好きな音楽とビールを合わせるだけでも最高なのに、ライブの臨場感の中でそれができるなんて、たまりませんよね。ライブ中にビールが足りなくなって、4階のライブハウスとお店を階段で往復する人もいるとか。幸せ酔いしそう!
全部で4種類!音楽を聴きながら飲みたいタップビール
Cedar mountain shopは“ボトルショップ”ではありますが、タップも4種類提供しています。なかでも、日本橋のブルワリー「CRAFTROCK BREWING」のビールが高確率で繋がっています。それには、深いワケ(ご縁)が。
実は、2名いるCeder mountain shopのバイヤーの1人であり、ライブハウス事業部 統括部長でもある小牟田 玲央奈さんは、CRAFTROCK BREWINGやクラフトビアマーケットなどでお馴染みの「株式会社ステディワークス」が主催する音楽フェス【CRAFTROCK FESTIVAL】の制作責任者を7年前から務めているのだそう!CRAFTROCK BREWINGも音楽をテーマにしているブルワリーであるため、Ceder mountain shopとの親和性もバッチリ。
他にも、CRAFTROCK BREWINGに限らず、バイヤーさんおすすめのビールがラインナップされています。伺った日に繋がっていたビールを2種類ご紹介します!
■『MORE RED FOR BEAT』Razors Edge×CRAFTROCK(ハーフ税込650円/パイント税込1,100円)
浪花のファストコアバンド「RAZORS EDGE」とCRAFTROCK BREWINGのコラボレーションビール!小牟田さん自身も繋がりがあり、ERAへの出演経験のあるバンドなんだとか。そんなご縁もあり、オンタップ。真っ赤な液色はRAZORS EDGEのイメージカラーです!
真っ赤な見た目から、ベリー系の甘いビールを想像していましたが、想像と真逆!全く甘くなく、キレのある味わいの中にキリッとした苦み、そしてほのかな柑橘感。セッションIPAという度数低めのスタイルなので、スルスル飲める爽快さも持ち合わせています。
「RAZORS EDGE」の曲を聴きながら飲みたい!スラッシュハードコアの軽くて速くてハイテンションな曲が終わるうちに、グビグビっと飲み干せそう。
■『横浜家系IPA Nelson盛』REVO BREWING(ハーフ税込730円/パイント税込1,250円)
横浜のブルワリー「REVO BREWING」が手がけたHazy IPA。横浜らしいなんともインパクトのあるネーミング!名前の印象から、かなりこってりした濃厚な味を想像していましたが、しつこくなく、ほどよいホップ感と香りでまったり飲めて、後味はほんのり苦みも感じます。ピアノが目立つムーディな曲を聴きながら、ゆったり飲みたい。
番外編ですが、Ceder mountain shopを運営する株式会社リンキィディンクのオリジナルエナジードリンクもおもしろかったのでご紹介。
■「POWER GINGER」(税込600円)
緑の見た目がインパクト大!味はキリッとした味のジンジャーエールと、エナジードリンクのいいとこ取りな印象。割ものとしても使えるようなすっきり感で、実際にこちらを使った緑色の「シャンディガフ(ビールとジンジャーエールのビアカクテル)」は、クラフトビアマーケット アトレ吉祥寺店で実際に販売もされているのだそう。リンキィディンクが運営しているスタジオとライブハウスでもゲットできます!
なお、おつまみは持ち込み自由で楽しめます!レジ前にバイヤーイチオシの「伍魚福」の乾き物のおつまみがあるので、ぜひビールと一緒にどうぞ。
広がるクラフトビール×音楽の可能性
(左から)バイヤー 倉野さん・小牟田さん、店長 永江さん
「CRAFTROCK BREWING」と小牟田さんの関係について前述した通り、小牟田さんは昔からCRAFTROCK BREWINGの代表である田中さんと親交があり、日本橋にあるCRAFTROCK BREWINGとライブスペースが併設されたビアバー「CRAFTROCK BREW&LIVE」を作るときもディレクションを担当していたとのこと。クラフトビールのことはその頃に田中さんから色々と教わり、よりクラフトビールの世界にハマるきっかけになったとか。
小牟田さん自身はその頃からクラフトビールと音楽とを一緒に楽しむということをずっと身近に感じてきましたが、音楽の世界ではまだまだクラフトビールに対する距離感を感じるそう。これまでずっと関わってきた音楽を通じて、音楽に関わる人にさらにクラフトビールの魅力を伝え、それらを一緒に楽しむ喜びを伝えたいと言います。
「クラフトビールと音楽って、ご飯と一緒でペアリングがあると思うんです。アコースティックのバンドだったら、そんなに苦くない、まったり飲める柔らかい感じで飲めるビールが合うと思うし、ハードなロックバンドだったら、ガツンとくる激しめのIPAを飲みたい。お客さんは好きな音楽を選んで、ライブハウスに来て音楽を楽しんでくれているけど、それがビールも選べるようになったら、より自分自身が好きなものを選べる楽しみが増えるんじゃないかと思うんです」と、小牟田さん。
また、Ceder mountain shopのビールは「音楽に合う」だけでなく、もう1人のバイヤーであり大のビール好きの倉野 一恵さんの“好き!”が溢れたラインナップになっているのも特徴です。Cedar mountain shopがオープンする前から、株式会社リンキィディンクでは管理部に所属し、総務や経理担当をしていた倉野さん。ずっとクラフトビールが大好きだったそうで、その噂が小牟田さんの耳に入ったことでお店のバイヤーに大抜擢されました。今も総務や経理のお仕事と並行してバイヤーを担当されています。振り幅がすごい!!!
△これ全部「ひみつビール」!
ボトル(缶)ビールもタップビールも、倉野さんが飲みたい!おすすめしたい!と感じたビールが数多く提供されていますが、なかでも倉野さんは三重県のブルワリー「ひみつビール」を推しているそうで、他では見ないほどのひみつビールの品揃え…!大好きすぎて、仕入れの際に愛情たっぷりのレポートをひみつビールさんに送ったそうです。
商業的な理由でなく、個人の好きを思い切り追求して世に出すって素晴らしい。音楽も同じだと思いますが、「このメロディが流行ってるから、流行りを模して演奏しよう」よりも、「私(俺)が好きだったらそれでいい。それでこそ湧き出す感情があるから、オリジナルの音を奏でるんだ!」とバンドのこだわりが出ている曲の方がアツくて、ファンとしては響きますよね。買い手として、それと同じシンパシーを感じます。ファンになっちゃう。
今後は、ライブハウスの出演アーティストとビールを掛け合わせたイベントなどを増やしながら、クラフトビールと音楽を一緒にエンジョイする文化を広けるアイデアを続々実現していくとのこと!
音楽というクリエイティブな舞台で活躍してきた会社が運営するCeder mountain shopだからこそ表現できる「クラフトビール×音楽」の広がる可能性に大注目です。あなたの大好きな音楽にマッチするビールを探しに、ぜひ足を運んでみてくださいね。
Cedar mountain shop
〇住所:東京都世田谷区北沢2丁目34−5 プリマヴェール下北沢 1階〇TEL:050ー3728ー5396
〇交通:小田急線・井の頭線 下北沢駅から徒歩3分
〇営業時間:16時〜22時半(日のみ 15時〜22時)
〇喫煙・禁煙:全席禁煙
〇Instagram:https://instagram.com/cedarmountainshop