Column 開発者が明かす、透明なクラフトビールをつくった理由。

2018/07/05


透明なドリンクがじわじわと増えている中、先日 "透明なクラフトビール" が登場し世間をざわつかせました。

その名も『クリアクラフト』。アサヒビール株式会社(以下、アサヒビール)から、2018年6月25日(月)〜8月末までの期間限定かつ数量限定でアサヒグループの直営店舗にて販売されています。



販売から約1週間経ち、全店舗で完売してしまうほどの人気っぷり! 編集部メンバーも発売初日にお店へ走ったほどです。一体なぜ透明なビール類をつくったのか、今後はどのような展開を考えているのか、開発者から話を聞きました。


「8年前から開発を進めていた」

実はこの商品、ここ最近の透明ブームに乗っかって急遽開発されたものではありません。

「少し重い」「満腹感がある」「何杯も飲み続けるのはきつい」などのビールへのイメージに対し、

" 究極にすっきりとしたおいしいビール類が作りたい。" 

という強い思いをきっかけに、8年前商品開発に着手したそうです。



「三度の飯よりビールが好き!という思いで入社して、ビールをたくさん飲んでいたら、あれ、ちょっと重いな…と思うようになって、この商品をつくろうと決めたんです」

と笑顔で話すのは、研究開発本部・開発プロジェクト部の西山雅子さん。この『クリアクラフト』の開発を担当した張本人です。


試作を繰り返すもお蔵入り

西山さんによると、開発段階の調査で「無色透明」=「すっきり」のイメージを連想させることが判明。これをきっかけに透明なビール類の開発が本格的にスタートしました。

100回以上の試作を繰り返し、液色を透明にするところまでは成功しましたが、不快な香りが残ってしまい、泣く泣くお蔵入りになってしまったとのこと。

その後も何度か開発アイテムとして浮上しましたが、商品化するレベルには至らなかったそうです。


ビールのネガティブなイメージを克服

そして2017年11月、小規模な設備を使って革新的なビールをつくるためのプロジェクトが立ち上がり、再び開発がスタート。



「少し重い」「満腹感」のネガティブなイメージを克服するために、試行錯誤を繰り返しながら『クリアクラフト』の開発に至ったのです。


ブラッシュアップも計画中

6月から7月にかけて、期間限定・数量限定でアサヒグループの直営店舗にて販売される『クリアクラフト』。皆さんもう味わいましたか? 



飲んでみると苦味が控えめで全体的に甘い印象。爽快感はありますが、甘みの存在感が強く「ビール」と思って飲むと戸惑うかもしれません。

実際に飲んだ方からは「クリアで飲みやすい!」「新鮮で良い」「味がさっぱりすぎ」「もっとビール感が欲しい」など、様々な声が上がっているようです。

アサヒビールは、今回の『クリアクラフト』をテストマーケティングの一環と捉え、発売後のアンケートなどを通して、飲み手の声を生かした商品へブラッシュアップする予定とのこと。

「甘みはもう少し控えめにしようと考えています。みなさんの声をもとに、ブラッシュアップしていきます!」と意気込む西山さん。今後、どのように味が変わっていくのか引き続き注目が集まります!


クリアクラフト

〇販売期間:2018年6月25日(月)〜8月末

〇品目:発泡酒

〇販売価格:500円(税込)/1杯

※テスト販売する直営店舗での価格

〇アルコール度数:5%

〇販売数量

1回目:6月25日 約3,000杯

2回目:7月下旬  約3,000杯

3回目:8月下旬  約3,000杯

約9,000杯

※なくなり次第終了

〇販売店舗:直営4店舗

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ライターの紹介

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93年三重県生まれのビアソムリエ。大学ではビールの嗜好とマッチョカルチャー(男性的概念)の因果関係について研究。「ビール女子」を運営する株式会社マイシェの代表として、ビールの多様性を世の中に伝えるべく日々活動しています。酸っぱいビールに目がありません。

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