Bar 世界初!ブルワリーにDJブースがある“ビールと音楽を楽しむ場所”「Tokyo Beer Lab」に行ってきた

2024/08/31

ブルワリーにDJブース!?

初めてリリースを見たとき、このことばの並びに驚いたのを覚えています。


今回は、音楽やアート、カルチャーの発信地として知られ、トレンドが誕生する一方で住宅街も広がるエリア・渋谷区神宮前に誕生した、新しいトレンドとなり得る“ビールと音楽を楽しむ研究所”「Tokyo Beer Lab」を訪れました。


裏原に新しくできたカルチャーの発信地にて


表参道駅を降り、おしゃれな通りを抜けた小道の先。

明治神宮前駅から徒歩7分、原宿駅竹下口から徒歩9分、表参道駅から徒歩10分の場所にあるのが今回の目的地である「Tokyo Beer Lab」です。

施設の手前には気軽に座れるようなエントランスが設置されていて、入りやすい雰囲気。

ここ「URAHARA CENTRAL APARTMENT」は、一棟全体で空き家となっていた築42年の2階建アパートが複合型施設として再生し、2024年5月30日(木)にオープンしました。「Tokyo Beer Lab」はこの施設の101号室、タコス屋さんの隣に位置します。


赤い「Tokyo Beer Lab」の看板を目印に、おしゃれな暖簾をくぐってさっそく店内へ。


入り口を入るとすぐ目に飛び込んでくるのが、「Tokyo Beer Lab」の顔ともいうべきDJブース!スタッフさんいわく、ブルワリーにDJブースがあるのは世界初だとか。

後ろにはタンクが置かれていて、まるで近未来のよう。初めて見る光景に驚きながらも、とてもマッチしています。お店に一歩踏み入れるだけでテンションが上がる!

「Tokyo Beer Lab」の個性


今回お話を伺ったのは、代表の武田龍二さん。元々は金融関係の仕事をしていたそうですが、5年ほど前に事故で大怪我を負ってしまったことが、武田さんのビール人生のはじまりでもあったそうです。

武田さん「奇跡的に後遺症とかもなく、走ったりもできるようになったんです。そうすると、今までの生き方を変えたいなって思ってきて。自分に何ができるだろうかと考えたとき、もともと音楽が好きで海外のフェスにも行ったりしていて。それとビールが好きだったので、音楽とビールを提供する場をつくりたいと思うようになったんです。それから、ガハハビールで修業させてもらったあと独立して、『Tokyo Beer Lab』をオープンしました」


そのとき「一緒にやらないか」と声をかけたのが、FARAGASSO ANGELAさんとXan Varcoeさんでした。

ロボティクスの博士号を取得していて、“ロボティクスの知識を取り入れながら、クラフトビールの醸造に新しい風を吹かせます”と意気込むANGELAさんと、長年のテクノDJという経歴を持つXanさん。お二人とは以前からの友人で、武田さんのいわば“頭脳”という方たちだそう。

「Tokyo Beer Lab」では、そんなお二人の特技や個性が活かされています。


武田さん「具体的なことはまだ決まっていないんですが、ANGELAは、人間がやらなくても良いようなこと、たとえばカンニングマシンを完全に自動化させてマネタイズしたりなどの構想を今たてているところです。あとは、エンジニアなので、空間全体の音の面など、技術的なことでもサポートしてくれています」
Tokyo Beer Lab HPより
また、HPを見ていると見つけた「The Brewcast」という文字。こちらをクリックして見てみると、YouTubeにて「Tokyo Beer Lab」の入り口に設置されているDJブースで実際にDJをされている方の映像が配信されています。

武田さん「Xanは15年以上ものDJ経験があって、店の音楽全般を担当しています。『The Brewcast』っていうYouTubeチャンネルを発信の場として提供していて、そのブッキングも担当しています。フォームで募集もしていますが基本的に門は狭めていないです。人伝で出演していただくこともあって。NYから有名なDJの方なども実際に来てここに立ってもらったりもしましたね」


毎日DJに立ってもらうことを目標にしているそうで、現在も定期的にお客さんも実際に足を運んでDJが楽しめるライブレコーディングなども開催しています。DJライブのスケジュールなどはInstagramでチェックしてください。

武田さん「YouTubeチャンネル「The Brewcast」で配信されている映像は、長尺のものがほとんどなので、家にいるときのBGM代わりにでも聴いてほしいですね」


どこを切り取っても絵になるこだわりのデザイン

どこを切り取っても絵になる美しく統一されたデザインも「Tokyo Beer Lab」の特徴のひとつ。


コンクリート張りのおしゃれな空間を活かしたブランドデザインとディレクションは、「Teenage Brewing」のデザインも手がけた草桶 開 (OKE STUDIO)さん。じつは、武田さんがTeenage Brewingのビール缶のパッケージに惚れ込み、直接ご連絡して今回のディレクションが実現したそうです。


パッと目を引くビールのアートワークを手がけたのはグラフィックデザイナーの蔭山 大輔さん。マーブルカラーはビールが流れたあとの軌跡のようでもあり、宇宙空間のようにも感じます。


ロゴにもこだわりが。泡のように見える三本線は、DJブースでも見られるボルテージが上がっていく様子を現しているそう。さりげなく音楽とDJとビールとが複合的に混ざり合った秀逸なデザイン!


ハイアルコールでおもしろいビールを


発酵タンクは4つ。現在はまだこの場所で醸造はしていないそうで、自社醸造は秋ごろを予定しているそう。

武田さん「今考えているのは、ハイアルコールのビールを造りたいということですね。6%くらいのビールを造っても他のブルワリーが造るビールに埋もれてしまいますし、値段でも勝てないですし。9%とかのハイアルコールでとにかくおもしろいビールが造りたいですね」

また、今後造っていくビールはレギュラーは作らず、一度造ったらそれっきりとなる一期一会のビール造りをしていく予定だとか。


ビールタップのデザインもすてきすぎる!打ちっぱなしのコンクリートの内装に映えます。

最大15タップありますが、現在はコラボビールや他社のビールなど8種類を提供中。自家醸造が稼働したら、15タップすべてにビールを繋ぐ予定とのこと。また、缶ビールも提供しています。
タンクそれぞれにイラストが描かれている。こちらにはDJブースのイラストが
そして、ビール造りを行う中で、1つ悩み事があるそうで。

武田さん「ビールを造りはじめると麦芽カスが出てしまうんですがなるべく廃棄をしたくなくて。もし麦芽カスを利用したいという方や企業さんがいたらご連絡ください!」

とのこと。興味のある方は、武田さんまでご連絡をお待ちしています。


さっそくこの日提供されていた2種のビールを飲んでみました!


CLOUDY CROPTokyo Beer Lab×BREWMIN'(PINT:税込1,700円)
(ABV:9%、IBU:65、Wheat-OAT TIPA)


富山県氷見市のBrewmin'とコラボした「CLOUDY CROP」。白や青、水色、オレンジの波動のようなデザインのパッケージ。小麦やオーツ麦、ハイブリッド酵母を使用して造られています。

トロピカルな香りに癒されながら一口飲むと、なめらかな口当たりにうっとり。そのままごくごくと飲み進めたくなるドリンカブルさもあり、9%もあるなんて信じられない危険なうまさ!武田さんが「ハイアルコールでおもしろいビールが造りたい」と考案されたビールのひとつです。


PRIMAL BABY』PRIMAL CRAFT(PINT:税込1,400円)
(ABV:1.2%・LOW ALCOHOL ALE)


ラインナップもハイアルコールのものが多いなかで、ひとつだけ1.2%というローアルコールの表記を発見!自社で輸入したクラフトビールなどのお酒を販売したり、国内の生産者とコラボしたオリジナルビールを造るPRIMAL CRAFTの「PRIMAL BABY」です。

満足度の高いローアルコールビールで、ホップ感や飲みごたえもしっかりと感じます。ローアルコールビールの「何か足りない」「ちょっと違うんだよな」がなく、おいしく飲めてしまう満足度が高い!アルコールに弱い方でも気兼ねなく、そしておいしいビールが楽しめます。実際、DJに来られた方が「PRIMAL BABY」を何杯もおかわりしたほどだとか。


飲んで、酔って、揺れて


最後に、この場所から展開する今後の展望を武田さんにお伺いしました。

武田さんこの場所が出会いのハブになってくれたらと思いますね。ビール片手に音楽を聴きながらみんなが酔って、話して。来てもらった人たちが楽しいと思える場所になってもらえたらっていうのが一番です。あとは、プレオープニングパーティーに来てくれた大阪のDJの女性が『私もやりたい』って声かけてくれて。ここでレコーディングしたものをその後いろんな人に見せたら、東京のクラブでDJのブッキングが入るようになったと聞いて、この場所を通してエンパワーできるんだなって。DJの人にも力をつけたり次に繋がるような場所になれればと思いますね」


DJブースやタンクを眺め、お話を聞きながら、いつか行ったDJイベントを思い出していました。

ビールを片手に、音に呼応するかのようにたくさんの人がゆらゆらと揺れながら音を楽しむ光景は、日常から離れ、心身のこわばりを少しずつほどいていっているようでした。

「Tokyo Beer Lab」も、忙しない日常からちょっと離れて、ただビールを飲んだり、音楽を聴いたり、人と出会ったりする唯一無二の場所。

40人も入るとパンパンになってしまうという、クラブでもなく、単なるビアバーでもない、新しいビールの楽しみ方ができる“世界中の人々を繋げる、ビールと音楽を楽しむ研究所”は、新しいビールと音楽と、そして人との楽しみ方に出会えるかもしれません。

 Tokyo Beer Lab

〇住所:東京都渋谷区神宮前3丁目26-5 URAHARA CENTRAL APARTMENT(Googleマップ
〇アクセス:
東京メトロ千代田線、副都心線「明治神宮前駅」徒歩7分
東京メトロ銀座線、千代田線、半蔵門線「表参道駅」徒歩10分
JR山手線「原宿駅」竹下口 徒歩9分
〇営業時間:
[平日]13:00-22:00
[土日祝]12:00-22:00
[定休日]なし (臨時休業についてはホームページ内のNEWSで告知予定)
〇HP:http://tokyobeerlab.com
〇Instagram:https://www.instagram.com/tokyobeerlab

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山吹彩野 編集・ライター

星の準ソムリエの資格を持つ星空エディターで、星や宇宙を編集して伝えるWEB SPACE「星とくらす」を運営。最近では星を眺めながら、ビールと宇宙をつなげたいと日々考えている。好きなビアスタイルはIPA。音楽、カメラが好き。

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