Column ちょっと変わった名前のビール vol.2~名前とラベルにまつわる素敵なストーリー~

2019/09/11


ビールの名前やラベルには造り手のさまざまな想いが込められています。あなたが手に取ったビールには、どんなストーリーが隠されているのでしょうか。隠されたストーリーを知れば、もっとビールが楽しくなるかも。ということで、前回に引き続き、今回は4種類のちょっと変わった名前やラベルのビールについて紐解いてみました。


■前回の記事はこちら
ちょっと変わった名前のビール~名前とラベルにまつわる素敵なストーリー~
https://beergirl.net/storyofbeername_2_c/


コビルビール ベアレン醸造所 ばかやろーエール ベアードビール おさるIPA ボスざるIPA 箕面ビール

ビールで一息つきませんか?


『コビルビール』

ベアレン醸造所 ベアレンビール コビルビール
浮かない表情のピンク色のクマが描かれた「コビルビール」は岩手県盛岡市のベアレン醸造所のビールです。社名の「ベアレン」は、ドイツ語で「熊(複数形)」を表し、熊が生息する岩手県の自然と力持ちの職人をイメージしたもの。

ベアレン醸造所 ベアレンビール 仕込み室
ベアレン醸造所の北山本社ブルワリーには、ドイツ南部の街から日本へ船で運んだ100年以上前の醸造設備があり、今もマイスターが仕込みを行っています。また、麦汁を冷却槽で時間をかけて放冷させるという、ヨーロッパの伝統的製法でクラシックビールを造っているのも特徴の一つ。


「コビルビール」は夏の限定ビールとして醸造され、ベルギー発祥の「セゾン」というスタイルのビールです。セゾンはベルギーの農家が夏の農作業の合間に飲んだビールが由来と言われており、岩手の内陸部の方言で「農作業の合間の小休憩のこと」を表す「小昼(こびる)」という言葉をビール名に採用したそうです。原材料には岩手県産の「南部小麦」を使用。


ラベルにはかわいらしい熊のイラストで、なにやら頭上にモヤモヤが。このモヤモヤは煮詰まった状態を表し、さわやかな飲み口の「コビルビール」を飲んで気分転換をしましょう!という意味が込められています。


ベアレン醸造所 ベアレンビール コビルビール
酵母を入れて飲むと風味が立っておいしいとのことなので、酵母も入れて注いでみると、少し濁りがある黄金色。グラスに鼻を近付けると、バナナのような甘くフルーティーな香りがします。一口飲んでみると、やわらかい炭酸の刺激、フルーティーな味わいと少しの酸味ですっきりさわやかな飲み口。苦みはほとんどなく、ゴクゴク飲んでしまいそうな一杯。


農作業の合間に飲まれていたというビアスタイル「セゾン」と、農作業の合間の小休憩という意味を持つ「こびる」。これ以上にないくらいピッタリな組み合わせですね。農作業はしなくても、行き詰まった時には「コビルビール」を飲んでほっと一息つきましょう。

コビルビール

〇醸造所:株式会社ベアレン醸造所
〇ビアスタイル:セゾン
〇原材料: 麦芽、小麦、ホップ
〇アルコール度数:5%
〇容量:330ml
〇商品紹介ページ:https://baeren.jp/shopdetail/000000000232/ct47/page1/order/
*季節限定商品のため、現在は終売しています。(2019年9月時点)


複雑な気持ちをグッとこらえてビールを飲もう!


『ばかやろー!エール』

ベアードブルーイング バカヤローエール
力強いタッチで描かれたラベルの「ばかやろー!エール」は合資会社ベアードブルーイング(以下、ベアードブルーイング)が醸造する「ベアードビール」の商品です。ベアードブルーイングは、ベアード・ブライアンさんとさゆりさんの夫婦によって2000年に静岡県沼津市に設立されました。


ベアードビールのラベルは印象的なものが多く、2004年から作り始めたというラベルアートは、アーティスト・西田栄子さんと共に製作しているとのこと。また、海外に向け発信する際に「日本産」であることをイメージしやすいように、ラベルにはアルファベットの商品名と漢字が書かれています。


ベアードブルーイング バカヤローエール

※画像提供:ベアードブルーイング
「ばかやろー!エール」のラベルの背景は、お祭りや祝福ムードで盛り上がるホリディシーズンのタップルームの店内の様子を表し、前面にはひとり寂しくビールを飲む輩がいます。この彼は、全くもってひねくれて、横柄で、意地っ張りなモード全開!きっと周りの皆に向かって「ばかやろー!」と言いたいのだ。そんな様子を表現するため、漢字は「偏屈」を選んだそうです。


大胆なフレーバーのアメリカ産ホップやその他の外国産ホップ数種類を惜しみなく使い、そして主発酵後に再度組み合わせ、更に贅沢に3度もドライホップしたとのこと。ラベルには「痛いほどホッピーで、危険なほど強い。」と書かれており、どんなに力強いビールなのだろうと気になります。


ベアードブルーイング バカヤローエール
グラスに注ぐと、ベージュ色の泡が立ち、少し濁った濃い焦げ茶色の液色。注いでいる時から漂う華やかなホップの香りと甘いフルーティーな香り。飲んでみると、しっかりした苦みがあり、黒蜜のような甘さとアルコールの温かさが追いかけてきます。飲み込んだ後に、鼻に抜けるフルーティーな香りが印象的。温度が上がってきた方がより華やかに感じるので、ゆっくりと味わって変化を楽しんでほしい一杯。

ラベルの彼のように気持ちが渦巻く時もあるものです。そんな時に「ばかやろー!」と心の中で叫びながら、このビールを一口、二口と飲み進めていくと、きっとその味わいに癒されていくはずです。

ばかやろー!エール

〇製造元:合資会社ベアードブルーイング
〇ビアスタイル:ストロングアメリカンエール
〇原材料: 麦芽(大麦(イギリス産)、小麦)、小麦、糖類、ホップ、酵母
〇アルコール度数:9%
〇IBU:90
〇容量:330ml
〇商品紹介ページ:https://bairdbeer.com/ja/beer/bakayaro-ale/


売り場で会えたらラッキー!おさるのビールで乾杯!


『おさるIPA』『ボスざるIPA』


「おさるIPA」「ボスざるIPA」は、滝、もみじと少しやんちゃなおさるが名所の緑豊かな土地、大阪・箕面で生まれた箕面ブルワリーの商品です。箕面ブルワリーが目指すのは「毎日飲みたいビール」。定番ラインナップにはピルスナーやスタウトなどの5種類があり、季節を感じさせる柚子や桃を使った季節限定ビールも人気。


箕面ビールのキャラクターといえば「おさる」です。「ゆずホ和イト」から始まったおさるシリーズのラベルイラストは、イラストレーター/グラフィックデザイナーの木富慎介さんが手掛けたもの。


「おさるIPA」

箕面ビール おさるIPA
「おさるIPA」は、国内トップレベルのクラフトブルワリーと豪華なアーティスト多数が参加して開催される、ビールと音楽のイベント「スノーモンキービアライブ」用として造ったオリジナルビールです。「スノーモンキービアライブと言えば志賀高原ビール。志賀高原ビールと言えばIPA。」とのことから、敬意を表してIPAを仕込んだそう。スノーモンキーのモンキーと箕面のお猿、さる繋がりで「おさるIPA」と名付けたとのこと。


その味わいは、5種類のアメリカンホップを贅沢に使用した、ホップ由来の芳醇かつフルーティーな香り(アロマ)と爽やかな苦みが特徴。麦芽のコク、後味のキレの良さがクセになる淡い色のIPAです。


箕面ビール おさるIPA
グラスに注いでいる時からオレンジなどの柑橘系の香りを強く感じます。飲んでみると、グレープフルーツやオレンジをかじった時のような酸味を少し感じ、柑橘系の皮の白い部分のようなフレッシュな苦みも。苦みはスっと消えるので、爽快な飲み口です。飲み込んだら、すぐにもう一口飲みたくなる、やめられない一杯。


当初は限定ビールという位置付けだったという「おさるIPA」。好評のため、今は準限定ビールという位置付けに。他の季節限定ビールがあるときは違いますが、月に1回の仕込みを行っているとのことで、発売時期が不定期ながらも購入しやすくなりました。

おさるIPA

〇製造元:エイ.ジェイ.アイ.ビア株式会社 箕面ブリュワリー
〇ビアスタイル:IPA
〇原材料: 麦芽、ホップ
〇アルコール度数:6%
〇容量:330ml
〇商品ページ:https://www.minoh-beer.jp/products


「ボスざるIPA」

箕面ビール ボスざるIPA
サングラスをかけたおさるがラベルに描かれた「ボスざるIPA」は、ヘッドブルワー勝見健二さんが初めてレシピを造ったビールです。勝見さんのイメージが「ボス」だったことから「ボスざるIPA」と名付け、ラベルのおさるが手にするグラスは、ボス=石原裕次郎をイメージして聖杯型のグラスにしたとのこと。

定番で使用するホップに加え、新しいホップを導入し6種類使用し、ロースト麦芽の香ばしさの裏にホップの個性が織り成す香り(アロマ)。少し遅れてガツンとくる苦みとドライな後味が特徴のIPAです。


箕面ビール ボスざるIPA
グラスに注ぐと、なめらかな泡が立ち、液色は濃い焦げ茶色。鼻を近付けるとコーヒーのような香ばしいロースト香を感じ、飲んでみるとコーヒーのような味わいとフルーティーな香りが口中に広がります。後からしっかりした苦みを感じますが、麦芽の甘みが余韻にあり、苦さを和らげてくれます。見た目ほどの重さを感じない面白い一杯。


限定ビールという位置付けで、基本的には秋から冬(10月から2月)頃までの期間に製造販売されています。人気のある商品なので、ウェブサイトで販売状況を確認してください。

ボスざるIPA

〇製造元:エイ.ジェイ.アイ.ビア株式会社 箕面ブリュワリー
〇ビアスタイル:ブラックIPA
〇原材料: 麦芽、ホップ
〇アルコール度数:6%
〇容量:330ml
〇商品ページ:https://www.minoh-beer.jp/products


今回は「コビルビール」「ばかやろー!エール」「おさるIPA」「ボスざるIPA」の4種類について、名前やラベルが持つ背景をご紹介しました。

いかがでしたか?ビールに込められた造り手の想いや背景を知ると、よりビールがおいしく、楽しく飲めるような気がしませんか。ビールの楽しみ方の一つとして、隠されたストーリーを想像しながら飲むことをおすすめします。


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通勤中はビールに関する本を読み、休日はイベントや勉強会参加し、日々ビール愛を深めています。最近の楽しみは、ビールを飲みながら国内の工場や醸造所巡り旅行を計画することです。ビール保管庫の購入を真剣に検討中。

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