週末のオトナの楽しみのひとつといえばやはりビールですよね。休日の開放感の中、程良い苦味と香りに包まれるほろ酔い気分の幸福感…。うーんたまりません!ということで、ビール女子サイト内でも以前ご案内していましたが、7月6日、月島の倉庫系レンタルスペース「TEMPORARY CONTEMPORARY」で開催された“ビール×映画”のイベント『SLOW BEER Cinema』におじゃましてきました。
主催は新しい価値観を世の中に伝えるクリエイティブチーム 「301」とクラフトビアバー「sansa」とのコラボレーション・プロジェクト「SLOW BEER CLUB」。彼らの提案する“SLOW BEER”とは、職人造りのクラフトビールを、じっくり味わって飲むスタイルのことで、ビールそのものをじっくり味わうことの魅力を探究するプロジェクト。味わいあるクラフトビールをスクリーンで上映される映画と一緒に、休日の余韻にひたりながらゆったりと楽しもうという粋なイベントなのです。
今回セレクトされた映画はフィンランド人のアキ・カウリスマキ監督の『レニングラード・カウボーイズ ゴー・アメリカ』。極寒のツンドラ地帯で活動する、売れないバンド「レニングラード・カウボーイズ」が悪徳プロモーターと一路NY&メキシコを目指すというロードムービーです。
しかし、とにかくシュール!長いリーゼントをトレードマークに、黒いサングラスと、魔女並につま先の尖ったブーツでキメて、何故か屋外で凍死したメンバーを棺桶ごと引き連れて旅をします。
上映後の主催者の話によると、実在のバンド「スリーピー・スリーパーズ」は、この映画をきっかけに「レニングラード・カウボーイズ」と改名したそう。楽曲の面白さ、散りばめられた笑いも見どころですが、クスリと笑いつつちょっぴり物悲しい余韻を残すおしゃれ映画でした。
そんなSlow Beer cinemaに合わせてセレクトされたのは、どこかノスタルジックな雰囲気のクラフトビール。“日曜日の夜に飲むビール”をテーマとした3種類で、「sansa」店長の橋本一彦氏は、「少し特別な気分で次の週を迎えられるツールとして、ビールを味わって欲しい」と説明します。
上映前にふるまわれた1杯目の「Baladin Isaac」は物語のはじまりへの期待と高揚を思わせる独創的なホワイトビールで、フルーティーな香りが華やかに鼻腔をくすぐります。
2杯目は「Liefmans Fruitesse」と「Ballast Point Sculpin IPA」からチョイス。チェリーの風味が甘酸っぱいフルーツビールと、刺激的な苦みのIPAで、映画と個性的に共鳴します。
そして上映後の3杯目は、残り少ない週末の時間に、ちょっとだけアクセントをつけるような「Straffe Hendrik Brugs Quadrupel」。甘味のある麦芽の風味が印象的で、コクのあるフルボディがカカオの香りの強いチョコレートにぴったりです。
長編映画を大きなスクリーンで作品として“味わう”ように見るウォーターフロントでのクラフトビールと長編映画のマリアージュ体験。五感を使って味わうビールは、1週間を締めくくるにふさわしい余韻を残してくれました。