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Column ラベルデザインに惹かれ、ベルギーと日本で活動するブルワリー『RIO BREWING』の3液種を飲んでみた

2024/05/17


酒屋やスーパーで、冷蔵ケース一面に並ぶクラフトビール。その光景を眺めながら、好きなブルワリーの新作や、今夜の食事に合いそうな1本を選ぶ時間が好きだという方は少なくないのではないでしょうか。

レコードやCDの「ジャケ買い」※のように、ビールを選ぶのも楽しいですよね。
※商品の内容を全く知らない状態で、店頭などで見かけたパッケージデザインから好印象を受けたということを動機として購入すること。ジャケット買い。

ラベルやパッケージデザインでセレクトしたビールがおいしかった時は、自分のインスピレーションが当たった気分になって嬉しいものです。選んだあとで、ブルワリーを詳しく知りたくなることもしばしば。

本日は、そんなラベルきっかけで飲んでおいしかった「RIO BREWING」のビールをご紹介します。


思わず手にとりたくなる缶デザイン


国内のビール醸造所は800社を超えたと言われ、味わいだけでなく、ネーミングやデザインにも趣向を凝らした商品を展開しています。その中で、ボトルショップに並んでいる缶デザインに見惚れてしまったのがRIO BREWINGでした。

RIO BREWINGは、ベルギーで醸造を学び、現在日本とベルギーから世界へ向けてビールを発信する醸造所です。

醸造所名の「RIO」は、代表・菅原亮平さんの「リョウ」という発音が海外で「リオ RIO」と呼ばれることから、名付けられたと言います。


印象的なラベルデザインについて醸造所の公式サイトで調べてみると、一部のビールには、海外での個展開催や受賞実績もある写真家・小関一成さんの作品も使われていることがわかりました!

WEBサイトのデザインも洗練されていて、ビールの情報がとても分かりやすいです。


RIO BREWINGの3液種をテイスティング


そんなRIO BREWINGの豊富なラインナップから、次の3種類を飲み比べてみました。

『RISON/ライゾン』


液色は薄いオレンジイエロー。鼻を近づけるとほのかなバナナ香とパイナップル香を感じました。ベルギー産の大麦モルトに加え、小麦・オーツ麦・ライ麦を使ったセゾンビールです。

モルトだけでなく、酵母もベルギー産。苦みは控えめ、スパイシーさも感じますが、全体的にはまろやかな味わいで、暑い日にゴクゴク飲みたくなります。アルコール度数は5.5%。


UTOPIA/ユートピア


3液種でもっとも泡立ちがよいベルジャンホワイト。アルコール度数は5.0%で、液色は少しにごりのあるstraw colorです。

ベルジャン酵母のアロマが甘く華やかに香り、のどごしは優しく、苦みや炭酸感は強く感じません。オレンジピールとコリアンダーが爽やかなアクセントとして味わいを特徴づけています。飲み進めて時間がたつほどスパイス感が強くなる印象を受けました。

ベルギービール入門編としてもおすすめしたい、飲みやすくバランスのとれた一杯です。


TOKYO BAYCOAST IPA/トーキョーベイコーストアイピーエー


柑橘系アロマのホップが爽やかに香るIPA。液色は3液種中もっともクリアです。

リオブルーイングが国内醸造を開始して以来、なんども試行錯誤を繰り返してきたフラグシップのIPAで、アルコール度数は5.5%。食中酒としても飲みやすく、シルキーな口当たりと心地よい苦みがクセになります。


一緒に食べたいおつまみは?


鮭とわかめのもち麦サラダ

お皿の中でいくつもの食材が混ざり合う、食感が楽しいサラダ。プチプチ食感のもち麦に、茹でた鮭とシャキシャキ生わかめを合わせて栄養たっぷり。ボウルで混ぜて、めんつゆの味付けでまとめたら出来上がり!

今回、セゾンベルジャンホワイトIPAというスタイルの異なる3種のビールを飲んでいるので、合いそうな料理は他にも。「RISON」には野菜、「UTOPIA」にはクリーム系の料理をペアリングして、「TOKYO BAYCOAST IPA」でメインの肉料理や揚げ物を…と、合わせて楽しみたい献立を連想してしまいます。

つくり方を見る!

一緒に聴きたい音楽は?



“BLUE SOULS” A_o

缶のデザインは、時に味わい以上の印象を残すもの。今回セレクトした3本は共通してブルーが強く心に残ります。

緑がかった青や、かすれた青、水色からさらに淡く白へとにじむグラデーション。そんな繊細ではかなさのある青色を眺めながら聴きたい曲をセレクトしました。

ROTH BART BARONとアイナ・ジ・エンドによる2人組アーティスト、「A_o(エーオー)」が紡ぐ躍動感のある曲で、聴いていると青く広がる世界を感じます。

日本語なのに、時に洋楽のように聞こえる節回しのボーカルが、ビビッドな青ではだけでなく混ざり合い変化する複雑なブルーを小気味よく表現しています。


飲み終わった後に、飾りたくなるビール


今回パッケージデザインがきっかけで、そのビールをつくる醸造所のストーリーを知ることが出来た筆者。

「日本人が世界に打ち出していくビール文化を創造したい」と進むRIO BREWINGですが、浮世絵を思わせるフラッグシップビールのデザインや、異国を旅するような幻想的なデザインにもブルワリーの意思が込められているように感じました。

飲み終わった空き缶が、どこか愛おしくなってしまい、まだ部屋に飾ってしまっています。一度、手に取ってみてください。

 RIO BREWING

  • 『UTOPIA/ユートピア』
    〇ビアスタイル:BELGIAN WHITE
    〇アルコール度数:5.0%
    〇原材料:麦芽、小麦、ホップ、オレンジピール、コリアンダー

    『RISON/ライゾン』
    〇ビアスタイル:BELGIAN TRADITIONAL SAISON
    〇アルコール度数:5.5%
    〇原材料:麦芽、小麦、糖類、オーツ麦、ホップ

    『TOKYO BAYCOAST IPA/トーキョーベイコーストアイピーエー』
    〇ビアスタイル:EAST COAST IPA
    〇アルコール度数:5.5%
    〇原材料:麦芽、オーツ麦、ホップ

    〇URL:https://www.riobrewing.jp/
    〇醸造所:RIO BREWING

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ライターの紹介

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静岡県在住、広末・松坂世代の髭眼鏡ビアライター。 海外を旅して飲んだビールは数知れず。 アウトドアやフェスで飲む太陽の下でのビールが何よりの好物。 舌は大雑把だが、味以外の魅力を伝える記事と写真で 美味しくビールを傾ける。 好きなビール映画は「ショーシャンクの空に」 、好きなビールソングは「夜の盗賊団/ブルーハーツ」。

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