ビール好きの間では「クラフトビールの天国」として知られる街、ポートランド。そんなポートランドで活躍する、クラフトビールの案内人、レッド・ギレン(Red Gillen)さんに、ポートランドのクラフトビールシーンについてお話をお聞きました。
【前編】クラフトビール案内人に聞く! ビール女子が行くべき3つの厳選ブルワリー
レッドさんは、ポートランドを中心に、オレゴン州のビールカルチャーを日本語で(!)紹介する「オ州酒ブログ」や現地飲食ツアー「フーディー・ドリンキー(Foodie Drinkie)」のファウンダーを務める、日本のビール好きにとって、ものすごく頼りになるクラフトビールの案内人です。
前編では、ポートランドの3つのおすすめブルワリーを教えてもらいました。後編では、ポートランドと日本のクラフトビール業界の違いについて、お話を伺います。
レッドさんの現地ツアー
レッドさん
2008年からだからもう10年!
こっちに引っ越して来て、ポートランドのクラフトビールのことをもっと知りたかったのと、日本語を忘れないようにって目的で始めたんだけど、おかげでいろんな人と知り合ったね。
レッドさん
今は、お客さんの9割くらいが日本人。で、そのうち7割くらいが飲食業界の人。
最近はみんな自分でネットとかで情報を得て、携帯の地図を見て、行きたいお店にたどり着けるでしょ。だから、美味しいお店へ行きたいってだけじゃなくて、もっと作り手の話を聞きたい人とか、プラスアルファの体験を求めている人が問い合わせてくれる。
僕が伝えたいことも、作り手の哲学とか方針とか、ストーリーの部分。ビールの味は、飲めばお客さんがそれぞれ自分で判断できるからね。
ポートランドと日本のクラフトビールの作り手たち
レッドさん
うん。でも、まずはポートランドと日本の同じところから話そう。同じなのは、作り手の学ぶ姿勢。コラボなんかするときは、どちらもきちんとお互いの話を聞いてくれる。
レッドさん
日本のブルーワーは、モノ作り自体にすごくこだわるよね。だから、ポートランドのブルワリーの見学に来たら「どうすればこの味を日本で再現できるか?」という視点から、「どうやって作ったんだ?」と、製造過程を細かく学ぼうとするところがあるね。チェックリストを一つ一つチェックしていく感じ。
ポートランドは、ビールは飲んだら酔うし、美味しいのは当たり前って感じで、理詰めで味を再現しようってところはあまりないかな。それよりソフトの部分をもっと大事にしてる。ビールを通じて人間同士を繋ぎたいとか、コミュニティづくりに貢献したいとか、ね。
日本のクラフトビール業界のいいところは?
レッドさん
うーん、いい質問!そうだなあ…。日本のブルーワーとお客さんとの距離の近さは、結構すごいと思う。日本だとビールフェスティバルなんかがあると、ブルーワーが実際その場にいて、ビールを注いでくれたりするよね。
作り手が実際にお客さんと会うってことは、ポートランドだと実はなかなかないんだよね。美味しいビールが完成したら、「後は任せた」って帰っちゃう。
こっちのブルーワーもフェスとかに出て、お客さんと実際に顔を合わせるってことを取り入れたら面白いかも。
レッドさん
あとね、日本のホップの名産地、岩手県・遠野なんかは、ホップ農園を観光に活用していたりするでしょ。ポートランド近郊のホップ農家もそういうことやりたいと思ってる。
レッドさん
道や建物の整備とか、飲食を出すならそのライセンスとか、いろいろ準備は必要なんだけどね。でも、ビールそのものだけじゃなくって、もっと広げてビールの裏のストーリーも伝えていけたら面白いよね。
ということで、2回にわたり、ポートランドのビール事情を丁寧にお話してくれたレッドさん。レッドさん、これからも日本とポートランドのビール業界をつなぐ架け橋でいてください!
日本でもポートランドでも、もっともっと美味しいクラフトビールができますように。
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