Bar 醸造所、蒸留所、焙煎所が一つの場所に集結!海風とクラフトビールを楽しめるとっておきの場所

2020/07/14


大型クルーズ船が立ち寄る港で、海風を感じながら楽しむクラフトビール。おいしい料理と飲み物を味わいながら、ゆったりと過ごすひとときは至福の時間となりますよね。

今回は、そんな幸せな時間と場を提供してくれる、様々なこだわりが詰まったレストラン「QUAYS pacific grill(以下、キーズ パシフィック グリル)」をご紹介します。

キーズパシフィックグリルは、クラフトビール醸造所クラフトジンの蒸留所コーヒーの焙煎所の施設を店内に併設する、日本では他にないレストランなんですよ!

「客船の港」として都市と港をつなぐ横浜ハンマーヘッド


キーズ パシフィック グリルが入る横浜ハンマーヘッドは、横浜・みなとみらいの新港ふ頭に2019年10月31日にオープンしました。客船ターミナル、ホテル、「食」をテーマにした25店舗の商業施設からなる複合ビルです。

黒っぽくシックな雰囲気を持つビルのすぐそばに、大型クルーズ船が寄港します。船好きでなくとも、大きな船を目の前にすると、遠方からはるばる旅をしてきたんだなと感動してしまいますね。

入り口からワクワクがあふれるレストラン


キーズ パシフィック グリルは、30店舗を超えるレストランを展開する株式会社HUGEの”ニューアメリカン”の3号店としてオープン。横浜ハンマーヘッドの1階と2階部分に位置します。


1階入り口の右側にはピカピカに輝く発酵タンクがガラス越しに見えます。思わず近づいてのぞいちゃいます。


入り口に入ると、スタッフの元気な声とタップタワーを有す大きなバーカウンターがお出迎え。その奥にはクラフトビールの醸造所(ブルワリー)の醸造設備が見え、さらに胸が高鳴ります。

コンセプトは“大人達の集合場所”


1階のテラス席はワンちゃん連れでも利用でき、休日は散歩がてら立ち寄る人も多いそう。天気のいい日は屋根が開けられ開放的な気持ちに。


2階へは、仕込み室(醸造設備がある部屋)と発酵室(発酵タンクがある部屋)の間にある螺旋階段で。


階段の途中では、仕込み室を上からのぞくことができテンションはMaxに!


2階のメインバーは、昼でも雰囲気のある明るさに保たれ、大人の隠れ家のような落ち着いた感じ。このカウンターでは、おしゃれなカクテルを飲んでみたいです。


メインバーを抜けると、一気に明るくなり、目の前に海が広がる開放的な雰囲気に。メインダイニングはオープンキッチンを中心に空間が広がります。


人気のあるテラス席は予約がおすすめ!客船が停泊しているのを眺めると、まるで自分も船旅を楽しんでいるような優雅な気分になれます。

キーズ パシフィック グリルのコンセプトは“大人達の集合場所”で、エリアごとに異なる雰囲気に設計されています。ご紹介した座席以外に個室やソファ席の用意もあり、シーンに応じて使い分けることができそう。

発想は自由に。でも、きっちりビールを造る。


クラフトビール好きにおすすめの席は、1階のガラス越しに醸造設備を眺められるテーブル席。運が良ければ仕込みの作業を見ることができる特等席!


タップ(ビールの注ぎ口)は8タップあり、店内併設のクラフトビール醸造所「NUMBER NINE BREWERY(ナンバーナイン ブリュワリー)」のビールが提供されています。ラインナップはその時々で変わります。

レギュラービールは、アルコール度数3.8%でグビグビ飲める『ハンマーヘッド・エール』、苦みが控えめですっきりとした味わいの『キーズ・ピルスナー』、ホップの華やかな香りが堪能できる『Hazy IPA(※名称変更の予定あり)』の3種類。

準レギュラーは、アルコール度数が1.2%でありながらも飲みごたえのある『オールデイズ・ペールエール』、ビールのために店内で焙煎したコーヒー豆を使用した『コーヒー・スタウト』の2種類。その他にシーズナルビールも造り、いろいろな味わいを楽しむことができます。

ナンバーナイン ブリュワリーのビールは、キーズ パシフィック グリル以外、系列の14店舗でも提供されています。提供銘柄は1~3種類、お店により異なります。


ナンバーナイン ブリュワリーのブリューマスターは齋藤健吾さん。

もともとはビールが苦手だったという齋藤さん。ビールの出荷作業などの責任者として務めた湘南ビールで、心が震えるようなビールと出会い、自らビール造りに携わりたいと決意。ハーヴェスト・ムーンでブルワーとしてのキャリアを積み、ニュージーランドやオーストラリアのブルワリーでも働いた経験を持ちます。


心が震えるようなビールを造りたい」、「世界で通用するようなビールを造りたい」との思いから、常にビール造りのことを考えているといいます。また、「情熱は必ずプロダクトに乗り移っていく」と考えているので、一切、手を抜くことができないのだとか。

しかし、ビールの発想は型にはまらず、自由に持ちたいと考え、店内のバーテンダーやシェフ、パティシエなどのスタッフからアイディアをもらったり、提供する料理に合うようなビールを考案したりしているそう。

キーズパシフィックグリル ナンバーナインブリュワリー 横浜ハンマーヘッド
ナンバーナイン ブリュワリーでは、横浜の水、主にドイツ産の麦芽、アメリカやオーストラリアなどのホップ、アメリカより直接輸入した酵母を使い、ビールを造っています。

コンセプトは、キーズ パシフィック グリルの最高のスタータードリンクになるビールを造ること。ビールだけでなく、クラフトジンやカクテルなど、たくさんのドリンクメニューが揃うレストランだからこそ、ビールをきっかけに、いろいろと楽しんでもらいたいと考えています。

スターターとなるよう、“低アルコール”で、“フルーティー”で、“軽くてドリンカブル”なビールを、意識して造っているそう。

バーテンダーが手掛けるクラフトジン


2階のメインバーのガラスの奥には、ジンの蒸留所「NUMBER EIGHT DISTILLERY(ナンバーエイト ディスティラリー)」があります。


蒸留責任者はバーテンダーでもある深水稔大さん。普段は他の店舗でバーテンダーとして勤務し、ジンの作業があるときにディスティラリーに出勤するそう。

オリジナルクラフトジンは、名前にちなんだ8種類のボタニカルを使用し、ベーススピリッツは粕取り焼酎を使用。ドイツのアーノルド・ホルスタイン社製の蒸留機で蒸留します。


ディスティラリーの中はとてもいい香り。甘く濃厚なアルコールの香りの中に、ジン特有のジュニパーベリーの香りやヒノキのようなウッディな香りなどが複雑に混ざり合い、そこにいるだけで幸せな気分に。ほんのり暗い中、蒸留機がライトに照らされた姿はとてもかっこいいですね。

ちなみに、ブルワリーはNo.8、ディスティラリーはNo.9と名付けられている理由は、それぞれが8番ふ頭9番ふ頭側にあるから。レストラン名の「QUAYS(キーズ)」は「岸壁」という意味があり、いずれも港やふ頭にちなんだ名前が付けられています。

おいしく、進化し続けるニューアメリカンの料理を堪能

キーズ パシフィック グリルは、ニューアメリカンのレストランです。素材の旨みを引き出す、スペイン料理の原点を表現したメニューが揃います。オリーブ、ピクルスなどの簡単なものから、カプレーゼ、アヒージョなどのタパス、サーモンスライス、肉料理、ピザ、パスタ、ハンバーガーなどなど、種類はかなり豊富!


人気メニューのひとつ『サーモンサンプラー(税抜1,200円)』をいただきました。世界中のサーモンからシェフが厳選し、それぞれに合わせた調理方法で提供されます。

取材時は、柚子と紫蘇でマリネした青森県産サーモン、ウイスキー「デュワーズ12年」でマリネした後、スモークしたスコットランド産サーモン、オリジナルクラフトジン「No.8ジン」でマリネしたノルウェー産サーモン(写真左から)でした。自家製サワークリーム、ケッパーなど4種類の調味料と自家製ベーグルと一緒に楽しむことができます。

スタッフさんが、サーモンの味わいの違いや調理方法、調味料の説明をしてくれるので、初めて食べる料理でも安心です。


一緒に楽しんでいただきたいのが、サーモンに合わせるビールとして開発された『レモン香るIPA(パイント、税抜1,300円)』(写真右)です。
きれいなレモン色のビールで、レモンの果汁を絞ったような爽やかな香りが印象的です。飲んでみると、皮ごとかじったような苦みがあり、フレッシュさを感じます。サーモンを食べてからビールを飲むと、鼻にサーモンの香りが抜け、より旨味を感じられます。

スイーツと一緒に楽しんでいただきたいビールが『コーヒー・スタウト(1/2パイント、税抜650円)』(写真左)です。
グラスの向こう側が見えないくらい濃い色で、泡まで茶色のビールです。しっかりしたコーヒーの香り。飲んでみると、コーヒーやビターチョコレートのような香ばしさがあり、後口にふわりと甘みが残ります。苦みは控えめ。アルコール度数が7%ありますが、するすると飲めてしまいます。油断すると危険な一杯。

キーズパシフィックグリル ナンバーナインブリュワリー 横浜ハンマーヘッド
この「コーヒー・スタウト」には、1階奥にあるコーヒーの焙煎所「HAMMERHEAD ROASTERY(ハンマーヘッド・ロースタリー)」でビール専用に焙煎したコーヒー豆が使われています。齋藤さんが造りたいビールのイメージを伝え、焙煎士が豆を選定し、焙煎方法を検討したそう。

ロースタリーでは、単一豆にこだわり、生豆を5大陸から集め、オランダ製の機械で焙煎。店内では一杯ずつサイフォンで淹れて提供されます。提供されるまでの待ち時間に広がるコーヒーの香りにも癒やされますね。

お土産にクラフトビールやクラフトジンはいかが

キーズパシフィックグリル ナンバーナインブリュワリー 横浜ハンマーヘッド
クラフトビールやナンバーエイトジンは持ち帰ることができます。クラフトビールは、その場で缶に詰める「クラウラー」、炭酸専用の水筒「グラウラー」での量り売り、期間限定でボトルビールの用意があります。価格など詳細は店頭でご確認ください。

キーズパシフィックグリル ナンバーナインブリュワリー 横浜ハンマーヘッド
ナンバーエイトジンもボトル(税抜3,500円)で販売されています。

あなたも“大人達の集合場所”で至福のひとときを

キーズパシフィックグリル ナンバーナインブリュワリー 横浜ハンマーヘッド
クラフトビール醸造所、クラフトジンの蒸留所、コーヒーの焙煎所の施設を店内に併設するキーズ パシフィック グリル。ニューアメリカンの食事はメニューが豊富で、ドリンクも数多く揃います。どれを飲んだらいいのか迷ったときは、まずはぜひクラフトビールを飲んでみてください。自由な発想で造られたクラフトビールは、次のドリンクへのきっかけになってくれるはず。

座席数197を誇る広い店内は、エリアにより雰囲気が異なります。2階のテラス席で海を眺めながら爽やかなビールを飲む、2階のメインバーでしっとりとお酒をたしなむ、ワンちゃんの散歩のついでに1階のテラス席で楽しむなど、シーンに合わせて使い分けてはいかがでしょうか。


夕方になると、入口前のピットでは炎が焚かれ、店内の照明は落とされ、ブルワリーはライトアップされるなど、昼間とは表情が一変します。どの時間帯でも楽しめるキーズ パシフィック グリルで、至福の時間を過ごしてみてください。

今日飲めるビールをチェックする!

QUAYS pacific grill(キーズ パシフィック グリル)

〇住所:神奈川県横浜市中区新港2-14-1 横浜ハンマーヘッド1・2F
〇TEL:045-900-0310
〇営業時間
【月ー木】11:00-22:00
【金】11:00-23:00
【土】8:00-23:00
【日】 8:00-22:00
〇定休日:無休
〇座席数:197席(店内123席、テラス74席、2個室)
◯ペット連れ:1階テラスエリア利用可
〇公式ホームページ:quayspacificgrill.jp
〇Facebook:@QUAYSpacificgrill
〇Instagram:quayspacificgrill

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ライターの紹介

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数年前に突然ビールの奥深さに目覚めて以来、寝ても覚めてもビールのことばかり考えています。全国の大手ビール工場や醸造所に通い、ビール関連の本を読み漁り、さまざまな勉強会やイベントに参加。日本地ビール協会公認「シニア・ビアジャッジ」として、IBC(インターナショナル・ビアカップ)の審査員を経験(2018年、2019年、2020年)。日本ビール検定2級。日本ビアジャーナリストアカデミー10期生。紙面協力:ライフスタイル情報『CHANTO』。

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