Release クラフトビールに大手が参入?!そもそもクラフトビールって?

2014/07/19

7月16日(水)、テレビやネットメディアで一斉に流れた、キリンビール株式会社が「ビールにワクワクする未来を」をテーマに、クラフトビールブランド『SPRING VALLEY BREWERY』を立ち上げる、というニュース。そもそも最近良く聞く、クラフトビールって普通のビールとどうちがうの??キリンてビール会社でしょ?それがそんなに衝撃的な話し??というところからひも解いてみようと思います。

キリン クラフトビール


そもそもクラフトビール(地ビール)って??
"大手メーカーで大量生産されるビールに対し、地域密着型の小規模な醸造所で生産されているビール。ビール職人がこだわりを持ち、丹精込めて造ったビール。"*


※こちらの記述は公開時は独自の見解でしたが、日本地ビール協会様による定義の引用に変更させて頂きました。(詳細は記事下部に記載)。

 

日本では、長い間誰もが知るような大手メーカーのビールが主流であった中、昨今のクラフトビールブームを受け、それらのビールと区別すべく“クラフトビール”という言葉をここ数年でよく耳にするようになりました。ブームや実際の流通量、クラフトビールを扱う飲食店も年々拡大しつつありますが、それでも日本のクラフトビール市場は1%未満。今後もまだまだ伸びが期待できそうです。とは言え、クラフトビールは伸びているものの、ビール全体の消費量は年々落ち込んでいる**のも確か。

そんな中、大手ビールメーカーのうちの一社、キリンビール株式会社が独自のクラフトビールブランドを立ち上げることを発表したからこそ、話題となっているわけですね。

 

 

キリンが始める、『SPRING VALLEY BREWERY』プロジェクトとは?


キリンビール株式会社が「ビールにワクワクする未来を」をテーマに、始める取り組みの象徴的なブランドとして立ち上げる「SPRING VALLEY BREWERY」プロジェクト。自然と共存したイノベーティブなものづくりを行うクラフトビールブランドとし、ブルワリー併設店舗およびキリン社で運営するオンラインショップで、今までにないビール体験を提供するとのこと。

同社はその背景に昨今の自然や農業・食などにおける価値観の変化を受け、素材やつくり手、ものづくりへのこだわりの高まりを感じ、ビールにおいても同様のニーズの高まりを考え、今回の立ち上げに至ったといいます。これからの時代に向けた食のあり方やライフスタイルを提案し、お客様に「知る楽しさ」と「選ぶ楽しさ」を提供することで、ビール離れが進むと言われている若年層にとっても、ビールをもっと魅力的なカテゴリーにしていきたいと発表。

その具体的な取り組みとしての「SPRING VALLEY BREWERY」ブランド。「ビール通を唸らせ、ビールが苦手な人もはじめての出会いに感動するビール」をコンセプトに、上質な苦味と、甘味、酸味、香り、コクの究極のバランスを実現した、新次元のクラフトビールを多彩なラインアップで提案予定。

まずはオンラインストア『DRINX(ドリンクス)』でも9月下旬より同ブランドのプロトタイプ品第一弾を4000セット(330ml6本入り3000円)をテスト販売しお客様からの声を商品に反映させていくとのこと。

来春には代官山東横線跡地に開発中の「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO(仮称)」と神奈川県横浜市のキリンビール横浜工場内に「SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA(仮称)」をオープン予定というからそちらも楽しみですね!!

 

“たくさん飲むから、より好きなものを飲む”へ


クラフトビールが日本よりも先にブームとなり、年々そのシェアを伸ばし州によっては30%ものシェアを誇るアメリカ。ここ最近ではその波が全米に広がりつつありますが、その背景にあるのは「一度にたくさんではなく、少なくても今の自分にとってより良いもの、好きなものをいただく」という“健康志向の高まり”からではないかという声も***。

“クラフトビール”の小規模な醸造所とはどのくらいの規模までのことを言うのか、また、大手とは何をもって大手なのか、という議論はありますが、消費者にとって食べるものや飲むものの品質とバリエーションが増えることほど嬉しいことはありません。まさに日本のビールにおいても、「知る楽しさ」「選ぶ楽しさ」により多くの人が触れられる文化が築けると毎日がさらに楽しくなるのではないでしょうか。
*「地ビールを極める本」(p.10-23日本地ビール協会山本祐輔氏監修 ) (ぴあmook)
**国税庁25年3月発行「酒のしおり」
***Emi et al.(2012)Drinking less, drinking better – 2012年アメリカのクラフトビール市場-Beer Study Groop

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yucco/ 瀬尾 裕樹子 アドバイザー

某ブルワリーでの勤務経験をきっかけにビール女子を創刊。ビールの多様性を楽しむビール文化を日本に根付かせるため日々奮闘中。

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