ビール女子のみなさま、こんにちは!ポートランド在住の東リカです。
ポートランドの女子ブルワーをリレー形式で紹介するこの企画。今回は、前回のリサさんが紹介してくれた「ペリカン・ブリューイング(Pelican Brewing)」のR&Dブルワー、キャット(Cat Wiest)さんです。
早速、ポートランドから2時間ほどドライブし、パシフィックシティの海岸にあるペリカン・ブリューイングにキャットさんを訪ねました。
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当日は、奇しくもハロウィン当日。夏場以外は雨空の続くオレゴンコーストとは思えない青空のもと、2016年版「ゴーストバスターズ」の衣装に身を包んだキャットさんが出迎えてくれました。
多次元で体験できるビール造りを
ーキャットさん、こんにちは!ビーチ沿いのブルワリーって、気持ちがいいですね!ここに来てどれくらい経つんですか?キャットさん
そうでしょ!今週はずっと天気が良くて最高よ。今朝はクジラの姿も見えたの。
「ペリカン・ブリューイング」は2年目。最初は、ティラムック店にいて、8ヶ月前にD&Rブルワー(Development & Research Brewer)としてこのパシフィックシティ店に移ったの。
ーD&Rブルワーは新しいレシピの開発をしたりするんですよね?どんなビールを造っているんですか?
キャットさん
ーキャットさんはどんなビールが好きですか?
キャットさん
ーこれがキャットさんのシグニチャービールというものはありますか?
キャットさん
「ハフポスト」に一番奇妙なビールの1つとして取り上げられたけど、褒め言葉として受け止めてる(笑)
ー女性ブルワーとして、いかにも女子!というステレオタイプ的なビールを造ることに抵抗や批判はありませんでしたか?
キャットさん
ーこれから造りたいビールも楽しさが大切な要素ですか?
キャットさん
無数のビールがある中でも見た目が強烈だと「それ何?」って興味が湧くし、グリッターだとキラキラ舞う様子をビデオに撮ったりするお客さんもたくさんいたしね。単にいつものビールを飲むより話も盛り上がるじゃない?
毎月75ドルで知ったビールのおもしろさ
ービール造りをはじめてどれくらい経つんですか?きっかけも教えて下さい。
キャットさん
ーブルワーの道を進み始めたのは、ある意味偶然なんですね。
キャットさん
でも、その頃はまだビールがそれほど好きじゃなかったの。飲むなら正直、ビールよりもマルガリータだって思ってた。だから、もっと勉強しようと思って2人の女性が著した「Naked Pint」という本を参考に、毎月75ドルって予算を決めてできるだけたくさん世界中のクラフトビールを買って飲むようにしたの。1年ほど続けたかな。それでビールの奥深さを知って、美味しさにも目覚めたってわけ。
私が働いていたピラミッドの支店が閉鎖してからは、いくつかの冒険的なクラフトブルワリーで経験を積んで、今に至る感じよ。
ーご自身が女子ブルワーとしての道を進んでいるんですね。女性であることで苦労したことはありますか?
キャットさん
ビールに限らず女性にもできるのに、女性だからって歓迎されない「男の世界」的文化が根強く残ってる業界はまだまだ多い。どの業界においても、性別と関係なく仕事で評価されるべきだと思うけどね。
ー自身が女性だってことにとらわれず、色々な仕事をされているんですね!中でもビール造りをキャリアとして選んだ理由は何ですか?
キャットさん
実は、漁業にも通じるところがあると思うの。どっちも自然が相手だから環境をコントロールするんじゃなくて、自分たちが適応しなきゃいけないところ。
後は、生の食材をビールに変化させるってところもマジックのようで面白いと思う。
大好きな海とビールはずっとそばに
ーキャットさんの将来の夢は何ですか?
キャットさん
ーすごいですね!実際にプロブルワーとして働いていても、学位を取ることは必要だと感じますか?
キャットさん
ーなるほど。
キャットさん
ー海が好きなんですね。サーフィンとかされるんですか?
キャットさん
ー本当にいろんなことをしてますねー。最後に日本のビール女子に一言お願いします。
キャットさん
性別や業種にとらわれず、自分のやってみたいことに邁進するキャットさんは、とても素敵だと思いました。彼女が働く海沿いのペリカンブリューイングも気持ちの良い場所でした。ポートランドに来た際には、こちらにも出かけてみてくださいね。
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