こんにちは! ビール女子リポーターのなな瀬です! 先日、ジャパンビアソムリエ協会主催の『アメリカンクラフトビールセミナー』にお邪魔してきたのですが、インポーターの AQ Bevolution(エーキュー・ベボリューション)代表 桑野 アルバートさんによるアメリカンクラフトビールの歴史のお話はとても貴重なものでした。
ジャパンビアソムリエ協会とは?
ドイツ大使館、オーストリア大使館後援を取得した日本ではじめてのビアソムリエ認定講座を行う。フードペアリングを学び、ビールの楽しみや新しい魅力を提案できる人材の育成を目的とする。(ジャパンビアソムリエ協会 ホームページ: http://www.beersom.com/ )
ビアソムリエの方々が募って勉強
こちらのセミナーには、ビアソムリエの資格をもった人たちやクラフトビールについて学びたいと集まった方々が参加していました。みなさんそれぞれにメモを取り、真剣な様子。意識が高いです。今回講師を務めてくれたのが、ちょっとロビン・ウィリアム風の優しげなお顔のこの方。栃木県宇都宮市に拠点を持つ、クラフトビールインポーター AQ Bevolution 代表の桑野 アルバートさんです。
桑野さんによると、アメリカにおけるクラフトビールの歴史には宗教など様々な社会的背景があり、一時期はその存続が危ぶまれる時代もあったのだとか。それを打開したのは、自分たちが美味しいものをただ楽しみたいと、ビールに情熱を注いだホームブルワーたちでした。それを話す桑野さんご自身も、相当ビールに対して熱い方でした(笑)。今となっては約 3,000 ものマイクロブルワリーがアメリカに存在し、クラフトビールが文化の一つとなっています。
セミナーの内容はあまり詳しくご紹介きませんが、気になる方は今後も開催されるそうなので、次の機会に参加してみてください。
桑野さん推しのクラフトビール 4 種類
こちらはパッケージデザインがアメリカらしい「 Cardinal Pale Ale (カーディナルペールエール)」です。スズランやユリを思わせるような爽やかなフローラルな香りでした。オレンジのような甘い香りも少し感じました。 4 つのなかでは一番ライトなビールです。
「 Lucky Bucket IPA (ラッキーバケット アイピーエー)」は、もう名前の通りバケツ一杯のホップが入ったような IPA (インディア・ペールエール)! 最初は黒コショウのような少しスパイシーなアロマと、少し時間が経つとパパイヤやマンゴーなどのトロピカルフルーツのようなフレッシュなアロマに変化しました。
IPA 好きのアメリカ人がネーミングに沸いたという「 HOP DEVIL IPA (ホップデビル アイピーエー)」。やはりアメリカ人はホップが好きなんですね(笑)。ところが、実は味わいはネーミングからは想像が付かないくらい落ち着いた味でした。香はしっとりとしていて、大地を感じる土っぽい発酵臭が少しします。モルトの印象も強めです。これは、このビールが造られている東海岸では、ドイツの影響を強く受けているからだそうです。
そして最後は、熱狂的なファンが多い「 Milk Stout Nitro (ミルクスタウト・ナイトロ)」。こちらのビールは名前の通り、炭酸ガスの代わりに窒素ガスが使用されています。そのため普通のビールと違って注ぎ方に特徴があり、桑野さんが実演してくれました。
ビールといえば勢いよく注ぐと泡が立ち溢れてしまうものですが、こちらのビールは窒素ガスを使用しているためどんなに勢いよく注いでも(容量にあったグラスであれば)絶対に溢れたりしません。ちょっとドキドキしますが、グラスに向かって一気にボトルを逆さまにし、すべてのビールを注ぎこみます。
すると徐々に泡が上昇し、液と泡にきれいに分かれるんです。嬉しそうにビールを見つめる桑野さん(笑)。ビールへの愛情が伝わってきます。何名かの参加者も恐る恐る体験していましたが、泡が上がっていく様子は何度やっても面白くて見とれてしまいました。
味わいはというと、本当にミルクのようにクリーミーで優しい口当たりです。アロマはほうじ茶に似た落ち着いた印象。しっかり甘味も感じられる黒ビールです。
桑野さんが語る日本におけるクラフトビール文化の可能性
アメリカにおけるクラフトビールの変遷を語ってくれた桑野さんでしたが、日本にはアメリカを上回るスピードでクラフトビール文化が浸透する可能性を感じていると話してくれました。例えば、先月開催された「 CRAFTROCK FESTIVAL'15 (クラフトロックフェス)」では、まだたったの 2 回目なのに 1,000 人程の来場者があったことや、 “イベント×クラフトビール” の成功事例はアメリカにもあったこと、また、やきひろばで行われた「春のビールまつり」にも約 10,000 人の人たちが訪れたことからも、日本人がビールにとても関心が深いと感じているそうです。さらに、日本では女性がビールイベントに積極的に参加していることが驚きだとも仰ってました。アメリカでは、ほとんどのビール好きが男性で、日本のビールイベントの写真をアメリカで見せると、女性の多さに驚かれるのだそうです。この言葉には “ビール女子” のアンテナが反応しました。アメリカのクラフトビールの繁栄を体験した方に、そんな風に可能性を感じてもらえてるということに驚きでした。近い将来、日本でも当たり前に人それぞれがお気に入りのビールを楽しむ日が来そうですね! そんな日を楽しみに、私は今日も飲みたいと思います(笑)。
ジャパンビアソムリエ協会では、今後もこのような貴重なお話が聞けるセミナーを開催していくそうなので、気になった方は参加してみてはいかがですか?