2019年9月20日(金)に日本で開幕した『ラグビーワールドカップ2019(以下、RWC2019)』。「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」のキャッチコピーでも知られ、過去大会でのビール消費量はサッカーのイングランドプレミアリーグの6倍以上で、開幕前から「日本中のビールがなくなるのではないか?」と心配されるほどの盛り上がりをみせる、ラグビーの祭典です。
そしてこの度、RWC2019開催を記念した『横浜ビール』とイギリスの『TRUMAN’S』のコラボレーションビールが造られました。それぞれのブルワー(醸造家)がそれぞれのブルワリー(醸造所)へ出向き、一緒にビールを仕込みました。
今回私は、先日行われた横浜ビールでの仕込みの様子を取材。温度の高い部屋で行われた仕込みの様子とともに、コンセプトや味わい、どんなビールを目指したのか。そして解禁日までをたっぷりお届けします!
一本の連絡から始まったコラボ企画
今年20周年を迎える横浜ビールはラグビーワールドカップの日本開催に合わせ、何か記念になるようなイベントをしようと計画していました。また、ラグビー発祥の地であるイギリスのブルワリー・TRUMAN’Sは、RWC2019が開催される日本のブルワリーとコラボレーションしたいと考え、決勝戦が開催される横浜にあるブルワリーを探していたそうです。そんな思いを呼応するように、4月のある日、TRUMAN’Sから横浜ビールに「一緒にビールを造りませんか?」と連絡があり、コラボ企画が始まりました。
TRUMAN’Sとは?
TRUMAN’Sには、なんと350年の歴史があるそうです!ロンドンにて1666年に醸造を開始し、19世紀には世界で最も大きなブルワリーに。1989年に一度閉鎖しましたが、2010年に復活を遂げました。
イギリスの伝統的なビール文化をとても大切にし、ドリンカビリティが高く、もう一杯飲みたくなるようなビール造りを目指しているTRUMAN’S。その中でも、伝統的な製法であるCaskコンディションのビールを最も大切にし、一番自信を持ってビールを造っているそうです。
コラボレーションビールはどんなビール?
日本で仕込んだビールの名前は『ENGLISH PALE ALE -HOP GODDESS-』です。イギリスの伝統的なビアスタイル「ペールエール」をベースとし、イギリスの伝統的な麦芽「マリソンタン」をメインに使用。さらに日本生まれのホップ「ソラチエース」とイギリスの伝統的なホップ「East Kent Goldings」を合わせて使い、日本とイギリスの味わいをミックスしました。ソラチエースは香りが強いため、East Kent Goldingsの香りを消さないようにバランスを取るのが課題だったそう。深田さんとJamesさんは仕込み当日の朝ギリギリまで、ホップの配分や投入タイミングを相談していたそうです。
「飲みやすさを第一に考え、苦みはそこそこに。」と設計したビールが、どのようになったかは飲んでからのお楽しみ。
ちなみに、イギリスのTRUMAN’Sで仕込んだビールは残念ながら日本で飲むことはできませんが、使用したホップはソラチエースのみで造ったのだそう。飲んでみたい!
コラボレーション開始!
仕込みが始まったのは10時過ぎ。
まずは約200kgの麦芽を丁寧に粉砕していきます。粉が舞うのでマスク必須です。
お湯を入れた仕込み釜に粉砕した麦芽を投入します。ブルワーの2人は温度が高い仕込み室で黙々と作業を進めます。
糖化工程が終わったら、麦汁ろ過を始めます。
麦汁を仕込み釜に戻し、いよいよソラチエースを投入!投入した途端、ヒノキやレモングラスのような香りが一気に広がります。その香りは仕込み室の外にまで出るほど強く、完成したビールはどのような香りになるのかと期待が高まります。この後もホップを分けて投入し、麦汁を煮沸していきます。
完成した麦汁を冷却し、酵母を加え発酵させ、貯蔵工程を経て、やっとビールが完成します。
深田さんによると麦芽粉砕から酵母投入まで8時間を超えてしまうこともあるのだとか!仕込みは時間通りにいかないこともあるようで、とても大変な作業なんだと改めて感じました。
「ENGLISH PALE ALE -HOP GODDESS-」いつから、どこで飲めるの?
2019年10月5、6日で開催される横浜ビール20周年記念イベント『YOKOHAMABEER 20th ANNIVERSARYFEST』にて、先行開栓されます。YOKOHAMABEER 20th ANNIVERSARYFEST
〇日時:2019年10月5日(土)12時~21時、10月6日(日)11時~20時
〇場所:横浜ビール本店 驛の食卓1,2階
〇住所:横浜市中区住吉町6-68-1横浜関内地所ビル1,2階
〇入場料:500円(参加者特典、横浜ビール1杯付き)
〇イベント情報:https://www.facebook.com/events/416436739231337/
仕込み日の翌朝にはイギリスへ戻るというJamesさんは「横浜ビールとコラボしてよかった」と話していました。ロンドンで知る日本の情報と、日本で実際に見聞きする情報に違いがあることに気付き、日本のクラフトビールの質が高く、また情熱がすごく高いことに感銘を受けたそう。
横浜とイギリスの情熱あふれるブルワーが協力して造ったビールが飲めるのは今回だけ!
最近、注目されている日本生まれのホップ「ソラチエース」とイギリスの伝統的なホップ「East Kent Goldings」とが一緒に使われることで、どんな香りや味わいを生み出すのでしょうか。
今回仕込んだのは1,000Lのみ。数量限定で樽生のみでの提供です。気になった方はお早めに横浜へGo!
ブルワリー情報
【日本】横浜ビール
公式HP:http://www.yokohamabeer.com/
【イギリス】TRUMAN’S
公式HP:https://www.trumansbeer.co.uk/