『よなよなエール』『水曜日のネコ』『インドの青鬼』『僕ビール、君ビール。』…これがビールの名前?と思わず呟くような独自の世界観を次々と生み出しているヤッホーブルーイング。ビールファンでなくともその名を知っている人も多く、一度ハマるといつの間にかその魅力にドはまりしている熱狂ファンも毎年増え続けています。そんな会社の広報を担当する、マリリンこと飯野真梨子さん。みんなの憧れの会社でどんな仕事をしているのか、迫りました!
ヤッホーブルーイングとは?
“ビールに味を!人生に幸せを!”を掲げ、長野県軽井沢町に本社を構えるヤッホーブルーイング。1997年の創業当時はビール醸造の経験は全くなかった7人でのスタート。およそ20年が経った現在は、136名(2017年2月現在)規模となり、全国のローソンやスーパーなどでビールを購入可能。
2017年版「働きがいのある会社」ランキング(Great Place to WorkR Institute Japan実施)で、初エントリーにして、従業員100〜999人の部門の43位にランクインするベストカンパニー。社長の井手さんは “ てんちょ ”、飯野さんは “ マリリン ” など、スタッフは社長以下、すべてニックネームが基本。社外のお客様などとも友達のように呼びあう。ちなみに正社員の約半数は女性で、たくさんのビール女子が活躍中。
てんちょの言葉に共感
宮原:本日は宜しくお願いします。早速なんですが、飯野さん、もとい、マリリンは、ヤッホーブルーイングにいつ入社されたのですか?
飯野さん(以下、マリリン):3年前の2014年1月に入社しました。それ以前は、店舗企画の会社に勤めていて、小売店などで活用いただける『販促カレンダー』という本の出版を担当していたんです。実際の店舗の市場調査やインターネット分析などをベースに、年間の季節歳時に適した販促イベントやトレンド予測をまとめ、発行していました。
宮原:すごいですね!私も以前小売業の仕事に携わっていたことがあるので、そのデータはその時ぜひ活用したかったです。
マリリン:ありがたいことに、結構大手メーカーさんなどにお取扱い頂いていました。が、一人で地道に作業することが多く、勤めていた3年半の間に使った名刺は30枚ほど(笑)。誰とも話さずに仕事をすることがちょっと辛くなってきたことと、ビールが好き、ということで、“ビール_求人”で検索をかけたり、知り合いが教えてくれたFacebook情報などで、結果、この会社に入社することができました。
宮原:入社が決まった時、周りの人に羨ましがられたんじゃないですか?
マリリン:そうですね。でも入社当時の私は、ビール好きだったとはいえ、ビールの知識はほとんどなく、入社してから勉強したり、周りの人にいろいろ教えてもらいながら、なんとかついていったというのが正直なところです。でも、入社説明会の時に、てんちょ(社長の井手直行氏)の「ビール文化を造ろう」と語った言葉がとても胸に響いたんです。「例えば、普通の居酒屋で「とりあえずビール」じゃなくて、私はペールエール、僕はピルスナー、と注文することが当たり前な世の中をつくろうということなんですが、それを聞いて、私もやりたい!と、ワクワクしたんです。なので、入社できて本当に良かったと思っています」
よなよなエール広め隊の任務
宮原:ちなみに、部署名が「よなよなエール広め隊」なのですよね。
マリリン:製品名もそうなんですが、基本的にすべて「楽しさを伝えたい」という会社の姿勢から、部署名も他にはないアイデンティティのある名前が付いています。例えば、一番最新の部署は「ファンファン団」です。
宮原:「ファンファン団」(笑)?!
マリリン:今年新設したんですが、「Fan(=ファン)Fun(=楽しむ)団」ということで、ヤッホーブルーイングのファンの皆様を楽しませるためにできた部署なんです。こんな感じで個性的な名前の部署が様々あるんですが、その中の一つが、私が所属する「よなよなエール広め隊」です。読んで字のごとく、よなよなエールを広めることを目的にできた広報チームなんです。
宮原:今、何名で活動されているのですか?
マリリン:今は4名です。ハラケン、いかちゃん、私、あと、今年入社1年目のぴんきゅーです。この部署はハラケンの提案で2年前に出来たばかりで、先輩もいないので、地道な電話営業など、本当にいろんな手探りをしながら今に至っています。
宮原:4名で全国を網羅されているんですか?
マリリン:主には首都圏ですね。でも今年は長野県内ももっと力を入れていこうということになっています。
宮原:役割分担はあるのですか?
マリリン:基本的には受けた人が担当する、って感じですね。電話出た人とか、ちょっと時間に余裕がある人とか…。
宮原:具体的にはどんな業務を?
マリリン:記者やライターの方々に新製品のお披露目会を開いたり、イベントにいらしていただいたり。それが難しい時は、個別に新製品のビールを持参したりしています。あと、最近はビジネス系の取材をてんちょが受けることが多くなってきたので、その取材中、さりげなく「よなよなエール」の缶やポスターなどを背後に差し込んで、画面に映りこむようにしたり…と、地味に(?)活動しています。
宮原:大手メーカーの広報の方は、例えば社長が囲み取材を受けるときなど、その時の発言をメモして、発言の整合性をとったりなどしていますが、そういうことはされるのですか?
マリリン:いやー、してないですね(笑)。でも、うちのてんちょはサービス精神が旺盛なので、まだ公開しない新製品などの情報を言っちゃいそうになる時は、止めることはあります(笑)でも、基本的にヤッホーは、オープンな情報が多いので、そこまでシビアではないですね。
宮原:長野と都内との往復も多いようですが、大変ですね。
マリリン:確かに多いです。今は東京常駐のメンバーもいますが、それでも月に2〜3回くらい往復しています。ただ、長野の現場にいないとわからない情報もあったり、また、東京だから知ることができる情報もあるので、それをメンバーと共有しています。
いろんな人と出会い、ビールの体験を日々積み重ねられる
宮原:今の仕事のやりがいはなんでしょうか?
マリリン:新製品が発表になる前に飲めることですかね(笑)あとは、やっぱりいろんな方にお会い出来ることですね!性別はもちろん、いろんな年齢層の方にお会いして、いろんな話をうかがえるのがすごく楽しいし勉強になります。あと、品質管理部門に紛れて、同じビールのロット違いを飲み比べたりする機会もあり、テイスティングの方法やボキャブラリーなど、ビールについての知識を深めながら、それをセールストークとして外部に伝えていくことができるなど、面白い経験をどんどん詰んでいけることが本当に楽しいです。
宮原:そういえば、オリジナルビールを作ったとか?
マリリン:社内では試験醸造制度があり、希望者が自分のオリジナルレシピのビールを作る体験ができます。それで、私はWC-IPAを作りました。
宮原:WC-IPA?
マリリン:“ ダブル(W)・コリアンダー(Coriander) - IPA ” の略称で、パクチーとコリアンダーシードを使ったビールです!おいしいと結構評判だったのですが、でも「パクチー、いないね」と…。先日スリランカに旅行に行き、ただいまスパイスにはまっているので、次回は何かスパイスを使ったビールを造りたいと目論んでいます。
目指すは “ さかなクン ” !
宮原:イベントもいろいろ開催されていますよね。
マリリン:イベントは、「宴」、「大人の醸造所見学ツアー」、「超宴」、「よなよNIGHT」(オンライン飲み会)、「マジ仕込み」(現在休止中)など様々あります。今年からは「ファンファン団」の役目になりますが、昨年までは、私たち「よなよなエール広め隊(広報YPP)」が全て担当していました。
宮原:YPPとは?
マリリン:“ よなよなピースプロジェクト ” の略です。ヤッホーブルーイングは、 “ ビール製造業 ” ですが、自称 “ ビール製造サービス業 ” と言っています。“ サービス業 ” の意味は、ビールのおいしさだけでなくビールの楽しさを総合的に伝えていく、です。実際行うエンターテインメントは、イベントや製品のクリエイティブなどです。イベントに来てビールのおいしさを体感していただき、それをきっかけに、当社のでも他社のでも良いので、また、クラフトビールを飲んでもらえれるようにと、活動してきました。ちなみに、次の野望は、2020年にはドームでのイベントを開催したい、です。
宮原:ドームですか?!
マリリン:ヤッホーでは、まず目標を定めて、それを実行するにはどんな段取りにすべきか、ゴールから引き算しながら実現していく、というが仕事の基本姿勢です。なので、まずは “ 2020年ドームでイベントをやる! ” という目標を掲げ、それに向けて色々模索中です。まだ何も決まってないんですけどね。
宮原:まさに “ 有言実行 ” な会社なんですね!いろんなことを奔放にやってこられたイメージがありますが、実は、着地点を決めて業務を遂行していくという、意外に (?) 堅実な社風にも驚きました。
マリリン:お客様とのコミュニケーションをとにかく大事にしていて、その究極の顧客志向を実現するために「知的な変わり者であれ」と社内教育を受けています。自ら考えて行動し、切磋琢磨を続けながら、仕事を楽しむ。その目指す理想像は「さかなクン」です。
宮原:なるほど!分かりやすい(笑)。その他にも、 “ UD立候補制度 ” という、自らやりたい仕事をプレゼンして、認められれば誰もがユニットディレクター(管理職)になれると聞きました。とにかく、やる気のある人がどんどん力を発揮できるフラットな会社の環境と社風は本当に羨ましいですね。
プライベートの楽しみ♪
宮原:先日スリランカへ旅行したとおっしゃっていましたが、スリランカはどれくらい行かれていたのですか?
マリリン:一週間ほどです。他のメンバーも仕事の閑散期には長期で海外旅行に行ったりしています。最近スパイスカレーにハマっていて、現地のものを食べてみたい!と思って行ってきました。
宮原:現地でおいしかったカレーは?
マリリン:マンゴーをくし切りにしたものがドカンと入っているカレーがおいしかったですね。現地のビールはあまりおいしくなかったですが、カレーにはやはりIPAやペールエールを合わせて楽しみたいです。
宮原:普段の家飲みはどんな風に楽しんでいますか?
マリリン:長野だといろんなビアスタイルのビールを入手するのは通販でないとちょっと難しいですね。ホップが足りないな〜と思ったら、コンビニに行って「インドの青鬼」やオラホビールを買ったりしています。最近は、長野県内で販売している『軽井沢高原ビール』のベルジャンゴールデンエールがお気に入りです。私、『軽井沢高原ビール』を結構愛してるんですよ。あとは地元のおいしいワインを飲んだり、かな。仕事柄、東京に来る機会も多いので、その時は機会を見てあちこち行ってみるようにしています。
さらにすごい !? これからのヤッホー!
宮原:先日の「ネオ三本締め」の動画はいろんなメディアでも注目を集めましたね!
マリリン:今後も動画のプロジェクトは力を入れていきます!現在、ネオ三本締めのコンテストもスタートしています(詳細は下記参照)。ぜひ、たくさんの方々にネオ三本締めを踊っていただき、コンテストに参加して欲しいですね。その他にも、新しいムービーを春に登場させる予定もあり、年内にあと2〜3本は作る予定です。
宮原:そうなんですか!それは楽しみだなぁ〜。また、昨年は、アメリカ限定発売の『UMAMI IPA』の発売(日本でも一時限定販売)など、市場も世界に広がっていますね。
マリリン:アメリカやアジアを中心に輸出も行っています。ですが、まずは国内でクラフトビールの認知を広げて、少しでも多くの方に『よなよなエール』を飲んでいただけるように頑張っていきたいと思っています!直近では、5月に開催する「よなよなエールの超宴」ですね。もっともっと盛り上がるヤッホーブルーイング、ますます面白くなりますので、ぜひ楽しみにしていてください!
【募集期間】2017年2月17日(金)~2017年3月17日(金)正午
【応募資格】20歳以上のよなよなエール好きの方なら誰でもOK!プロ・アマ問いません。
★最優秀賞(1組)
ヤッホースタッフがよなよなエールを担いで、あなたの宴会に伺います!
日本全国どこまでも、受賞者様が主催・出席されるご宴会に、ヤッホーブルーイングスタッフがよなよなエール10ケース(240本)を担いでお祝いに伺います。ご希望あらば、スタッフによるネオ三本締めの実演もさせて頂きます!
※このほか優秀賞(3組様)、入選(5組様)もございます。<応募方法>バード別の動画と、譜面を参考に練習→あとはYoutubeにアップしてエントリーしよう!
▼パート別のお手本動画:http://bit.ly/2klyrUP
▼譜面:http://yonasato.com/ec/sanbonjime_fumen/
▼撮影した動画をYoutubeにアップし、下記URLからエントリーするだけ!
http://jp.surveymonkey.com/r/XH5FRWD
▼こちらもぜひごらんください
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ヤッホーブルーイングのスタッフの皆さんがいる場所は笑顔があふれています。おいしいだけじゃない楽しさを作り上げているスタッフの皆さんに改めて感動!そして、私自身もとても勉強になりました。今回のインタビューで、ますますファンになっちゃったなぁ〜♪(編集員:宮原佐研子)