記事

コンテンツ

コミュニティー

ビール女子SNS

ビール女子について

お酒は二十歳になってから。

Bar 横浜で見つけた台湾・夜市!台湾にどっぷり浸かれるビアバー「Tie ONE Beer House」に行ってきた

2024/08/10

最近よく聞く台湾ビール。

編集部内でも、台湾へ旅行に行った人やビールを飲みに行ったことがある人もいるなど、ときおり台湾の話題でもちきりになります。

そんな台湾好きの編集部。「日本で、本格的な台湾料理を食べながら台湾のクラフトビールを飲める店に行きたいよね」と調べてみると、じつは意外と多くはないかもということに気づくのです。


そんななか見つけたのが、2023年11月にオープンしたという「Tie ONE Beer House」。

Instagramの紹介文には「クラフトビールとお酒で日本と台湾を繋ぐTie ONE Beer Houseです。希少な台湾ビールと夜市料理専門店!」という言葉が。これは行かなければと思い立ち、今回日本の夜市へ向かうべく、横浜へ向かいました!

■インタビュー:うめのみやこ
■ライティング・撮影:山吹彩野
■編集:sakko


横浜にあった台湾・夜市へ


馬車道駅から徒歩4分関内駅・桜木町駅から徒歩8分の場所にあるのが「Tie ONE Beer House」です。


階段を昇り2階へ向かうと、昔懐かしいレトロな雰囲気のお店が並びます。


道の突き当たり左側にあるかわいいくまのロゴが目印。


いざ扉を開けると、そこはもう台湾!いつか訪れた台湾の夜市(よいち)のネオンや提灯を思わせます。

ちなみに夜市とは、屋台が軒を連ねるスポットのことで、ローカルフードや雑貨店、ゲームコーナーなど、さまざまな屋台が並ぶ場所。台湾へ行ったらぜひ訪れてほしいスポットです。


他にも暖簾や龍の絵、茶器、双喜紋(そうきもん/囍)の看板など、店内中が台湾色で溢れていて、台湾の思い出がふつふつと蘇ってきます。

店内は13席とこぢんまりとしていながらも、カウンター席やスタンディング席、またカウンターを背にした壁を向いた席など、一人で来ても、もしくは何人かで来ても楽しめるバラエティに富んだ席が配置されています。


今回お話を伺ったのが、「Tie ONE Beer House」を運営する盛華通商株式会社 取締役の宮下洵さん。

宮下さんがお店をはじめたきっかけは、台湾をルーツに持つお母様が、台湾と日本の繋がりを深めるべく貿易を仲介する会社を1990年から営んでいたこと。当時はまだ台湾との貿易が盛んではなくハードルも高かった時代でしたが、お母様はその仲介をされていたそうです。


宮下さんご自身はもともと、日本の会社に勤めるサラリーマンだったそうですが、お母様のルーツが台湾だったことや、もともとビールが好きだったこともあり、ビールに関わる仕事がしたいと思い立ったそう。そこで、お母様の会社の事業の一環で台湾クラフトビールのEC販売をはじめ、その後、2023年11月に「Tie ONE Beer House」をオープンしました。


宮下さん「お店の名前の由来ですが、『Tie ONE』は“台湾”という意味と、タイがネクタイのタイ=結びつけるワンが1つという意味で、“日本と台湾を1つに結ぶ”という意味があります」


宮下さん「横浜の馬車道や桜木町は開港の地で、日本で初めてガス灯が灯った場所でもあるんです。この店を通して台湾を新たに開港していきたい、日本で初めての日本と台湾を繋ぐ基地にしたいという想いがあります。

また、立地的にも桜木町、みなとみらい、元町中華街、関内など大きな都市の真ん中にあたる場所なんです。オフィスで働いている人や近くに住んでいる人、観光客など、さまざまな人が行き来しやすい場所をと考えてこの場所にしたのも理由のひとつですね」
総統府のイラスト
店内の壁は一面赤レンガ。すぐ近くにも「横浜赤レンガ倉庫」という観光スポットがありますが、じつは台湾にも日本から持ち込まれた赤レンガづくりの総統府(日本における国会)が建てられているそう。そのため、日本と台湾を繋ぐ象徴するもののひとつとして赤レンガづくりの内装にしているのだとか。

こんなところにも台湾と日本と繋ぐものがあったとは。

台湾No.1ビール台灣啤酒(タイワンピーチュウ)も日本が関係していた!


台湾ビールといったら『台灣啤酒(タイワンピーチュウ)』。台湾最大のビールブランドで、日本でもビール好きなら一度は目にしたことがあるのではというビールです。

じつはこのビールも日本が関係しているのだとか。

宮下さん「日本統治時代に台湾を統治していた日本人が、日本のビールが飲みたくなってビール会社をつくり、『高砂麦酒』として販売されていたもので、その後名前が『台灣啤酒』になったんです。今は台湾の煙草と酒類を製造・販売する国営企業から販売されています」

台湾のクラフトビール事情はというと、2002年に台湾がWTOに加盟。そのとき、台湾のビールの民間醸造がはじまったため、台湾のクラフトビールの歴史はまだ二十数年ほどなんだとか。


宮下さん「まだまだクラフトビールの歴史が浅い台湾ですが、台湾ビールならではの魅力は、良い意味で伝統や暗黙の了解がないことだと思います。そのため、はじめからチャレンジングなビールをつくるブルワリーは多いと思いますね。

日本でも副原料を使ってクラフトビールをつくると思いますが、台湾は副原料の割合が多いと思います。パッションフルーツやドラゴンフルーツ、文旦などのフルーツや、マーガオっていうスパイスを使うことが多いと思います。お茶を使ったビールも多いです。台湾は九州より少し小さいくらいの面積ですが、お茶の種類は日本より多いんです」

ちなみに、台湾でのビール需要No.1はやはり「台灣啤酒」だそうですが、次に飲まれているのは日本のキリンビール、次にアサヒビール。その後6位くらいにTAIHU BREWINGがランクインするそうです。


台湾色!バラエティ豊かな台湾ビールをいただく


「Tie ONE Beer House」でクラフトビールを提供するタップは4つ。今後はさらに増やしていく予定だそう。他、缶やボトルでも提供しており、この日は全16種類が提供されていました。ラインナップにもフルーツやお茶を使ったビールが多めです。

さっそく、宮下さんがこの日おすすめという台湾ビールを飲んでみました!


『グァバゴーゼ』UGLY HALF BEER(酉鬼啤酒)(Rサイズ:税込1,500円)

2019年創業のUGLY HALF BEER(酉鬼啤酒)。台湾ではタップルームも多く展開されており、世界に進出に向け発信している勢いのあるブルワリーです。日本では、新宿のビアバー「XIXI TOKYO 嘻嘻東京(シーシートーキョー)」にて初めて提供されました。
乳酸菌発酵の爽やかな酸味が感じられるゴーゼ。ABV5.2%、IBU14。鼻を近づけると、香りからグアバ満載!一口飲むとフルーティーでグアバの爽やかな風味と酸味をしっかりと味わえてあと一口、もう一口とクセになります。

『立秋・東方美人茶ビール』Taiwan Head Brewers(Rサイズ:税込1,000円)

2015年に設立されたTaiwan Head Brewers。地元の原料を使用したユニークなビールをつくるブルワリーです。そのなかでも、中国の戦国時代につくられた、四季や気候の視点で一年を24の区分にわける二十四節気をモチーフにした「二十四節気ビール」は、Taiwan Head Brewersを代表するビールです。

台湾はお茶も文化の中心にあり、お茶を使ったビールも多くつくられています。お茶は発酵度によって味わいが変わり、緑茶は浅い発酵、より発酵が進むと紅茶のような風味になっていきます。
立秋・東方美人茶は、英国ヴィクトリア女王をも驚かせたというお茶を使用したイングリッシュペールエール。ABV6.0%、IBU40。比較的発酵度の高い紅茶に近いお茶で、女王のいたイギリスから見て東方の台湾のお茶ということで「東方」とついている。香りは烏龍茶のようで、和風の風味なのかと思いきや味わいは紅茶のような華やかさがありました。発酵度の浅いお茶ビールとの飲み比べもおすすめ。


店内で提供しているドリンクは他にも、ウイスキーやスピリッツ、台湾の紹興酒や清酒などさまざま。

さらに、台湾コーラやグァバジュースなど台湾を感じるソフトドリンク、台湾茶もさまざま。これだけのドリンクが揃うのは中華街でもなかなかないそうで、“台湾の魅力を伝えたい”という想いからこれだけの種類が揃ったのだとか。


お酒全般が好きという宮下さんは「ここだけでしか飲めないかも」という貴重なお酒も不定期で取り寄せているそう。ビール以外のお酒も好きという方はチェックしてほしいお店です。


絶品!夜市フード


台湾フードといえば、魚介類が多く使用されていて、あっさりと淡白で比較的日本人の口に合うと言われています。そのなかでも、八角などの香辛料が使われていることも多くあります。

宮下さん「日本人の口に合うようなアレンジなどは特にしていませんね。一部の料理は母(お店では阿嬤(アマー)と呼ばれているそう)が作っていて、ときどきお店にも立ちます。ファンも多くいるんですよ」
Instagramより引用
かくいう筆者も以前台湾に一週間ほど訪れた際、「台湾だったらフードシックにならないわ」と思ったほど、台湾フードにハマったひとり。さっそく、宮下さんおすすめの夜市フードをいただきました!


まずいただいたのは、目にも鮮やかな「点心盛り合わせ」(税込950円)。一個売り(税込200円)もしていますが、セットで注文した方がお得です。

盛り合わせの内容は、「青菜しいたけ饅」「一口肉饅」「大根饅頭」「一口あん饅(桃)」「かぼちゃ饅」。定番の肉饅は、中からじゅわっと肉汁を感じ、青菜しいたけ饅は、青菜の食感も楽しいヘルシーな一品。桃とかぼちゃは甘い餡がはいっており、なかでもかぼちゃまんは宮下さんイチオシ!試作段階で何度もつまんでしまったという饅頭で、かぼちゃの味をしっかりと感じられながらも上品な甘さで、思わず「おいしい!」とつぶやいてしまうほど。

ひとりでもぺろりといただけますが、半分にしてシェアしても楽しい盛り合わせです。


「パリパリ春巻き」(税込300円/一本)は、皮のパリパリサクサク感が楽しい!中身の具は、白菜、豚肉、椎茸、たけのこの4種類で、食べ応えもばっちり。黒酢がついてくるのでさっぱりといただけて、ビールとの相性も抜群。


お話をお聞きするなかでぜひ食べたいと追加注文したのが、「台湾スパイスフライドポテト」(税込600円)。スパイスの配合を研究し完成するまでに3か月かかったという味わいで、常連さんにも何度も試作品を味見してもらったという定番メニューです。

香りから「わ、台湾だ」と感じて台湾の世界に一気に引き込まれます。塩味と香りのバランスにこだわっていて、スパイスは五香粉、八角などを使用。台湾の夜市でも販売されていそうと思うほどの本格的な味わいで、つい手が伸びてしまうほどの中毒性があります。台湾の味に恋しくなったら食べに来たい。


台湾と日本を繋げる架け橋のような店に


お客さんの中には台湾から日本に来て仕事をしている方や台湾からやってきた学生なども来店するそうですが、ほとんどは台湾が好きな日本人だそう。その次にビール好きがいらっしゃるようです。

そのため「Tie ONE Beer House」では、台湾の魅力を伝える場としてさまざまなことを発信すべく、通常営業に加え、さまざまなイベントも開催しています。


宮下さん「花文字を描くイベントを開催したことがあります。中国由来の伝統芸術で、吉や大吉っていう字のまわりに花や太陽など縁起の良いものを描きます。これは私たちのロゴのくま・美月(メイエイ)も描いていただきました。他には、台湾風アフタヌーンティーイベントや台湾について学ぶ会など、さまざま開催しています。どれもとても好評でしたね」

このようなイベントを定期的に開催する背景にはやはり、台湾を知ってほしい、魅力を伝えたいという思いがあるのだそう。


宮下さん「お店には台湾に興味を持っていただいた方、台湾のビールに興味を持って応援してくれる人にはぜひ来ていただきですね。また、台湾の本格的な料理も食べられる場所ということも知ってほしいです。牛肉麺や水餃子などの夜市料理も提供していて、ごはんもしっかり食べられるところなので、仕事帰りなどの早い時間からでもぜひ足を運んでいただきたいです」


宮下さん「今後の展望としては、以前、タップを増設する際にもクラウドファンディングを立ち上げて、たくさんの方にご支援いただきましたが、さらにタップを増設すべく店舗内の募金箱での応援も呼びかけています」


宮下さん「さらなる展望としてはオリジナルビールをつくりたいです。コラボビールのお誘いをいただくこともあるんですが、店を立ち上げてまだ半年のなか、ビールをつくったとしてもちゃんと消費できるかなどの心配がまだありまして。ただ、どんな形であれオリジナルビールはつくりたいと思っていますね。

その先はまだ構想段階ではありますが、ブルワリー併設のお店にしたいと思っているんです。日本人と台湾人のブルワーにお願いしてダブルヘッドブルワーの体制でつくりたいなとは思っていますね」

ブルワリーをつくったとしても、あくまでも宮下さんご自身はビールは“飲む担当”。店やブルワリーをしっかりと回す役目を果たしたいという思いがあるそうです。


インタビューをするなかで終始一貫して感じたのは、台湾のことを知ってほしい、魅力を伝えたいということ。その説得力をより強く感じたのは、一つひとつのお話の中に出てくる、台湾の歴史やそこに付随する日本の歴史をお聞きできたことでした。

海外の方から自国のことを教えられた経験がある人も少なくないと思いますが、宮下さんのお話の節々にそれを感じ、“台湾のことをもっと知りたい、そして自分の国のことももっと知りたい”と思わされたのです。


Tie ONE Beer Houseからの帰り道、いつか旅で訪れた台湾の空気や食文化、人、街並みなど、大好きになって帰ってきた台湾をまた思い出して、さらに台湾のことが好きになっていたことは否めません。

横浜にあるレトロな扉を開ければ、宮下さんとアマーとが出迎えてくれる日本の夜市。台湾をもっと知りたい方、そしてビール好きな方は、ぜひ台湾を体験しに訪れてみてください。

 Tie ONE Beer House

〇住所:〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町5-61-1 住五ビル2階(Googleマップ
〇営業時間:
[火〜金]16:00〜23:00(L.O.22:30)
[土日祝]15:00〜23:00(L.O.22:30)
※月曜定休
〇決済方法:カード・電子マネー・QRコード可
〇席数:13席
〇Instagram:https://www.instagram.com/moogie_woogie_88/
〇HP:https://moogie-woogie.com

\楽しいビール情報が届く/

LINE@

ライターの紹介

アイコン

ビール女子の編集部アカウント。イベントやリリース情報をご紹介していきます。

人気ランキング

こちらの記事もおすすめ


いいね!