News 100タップの前でビールのおいしさに酔いしれる。「クラフトビールの聖地」麦酒倶楽部ポパイに行ってきた

2019/11/04

両国といえば「相撲」。両国国技館があり、国内外から相撲ファンが訪れる土地です。しかし、両国には、ビールファンの間で「クラフトビールの聖地」と呼ばれるお店があります。そのお店の名は『麦酒倶楽部POPEYE(以下、ポパイ)』。両国国技館とはJRの線路を挟んで反対側にあり、JR両国駅から徒歩約3分の場所にあります。


相撲に負けず劣らず、国内外からファンが訪れる「クラフトビールの聖地」の魅力を探るべく、ポパイに行ってきました!清潔感をモットーに坊主頭を貫く気さくな店長・城戸さんに、ビールや料理へのこだわりやお得に楽しめる方法など、いろいろとお話を伺ってきました。


「クラフトビールの聖地」と呼ばれるワケ

麦酒倶楽部POPEYE ポパイ 両国 クラフトビールの聖地 城戸店長

ポパイに勤務して16年目という店長の城戸さん


ポパイは1985年に洋風居酒屋として開業。1995年に日本地ビール第1号「エチゴビール」の提供を始めました。最初は3タップだったそうです(タップとは、ビールの注ぎ口のこと)。翌年にタップ数を8個に増やし「全国の地ビールを飲めるお店」にシフトチェンジ。その後、ハンドポンプやセラー(冷蔵室)を設置しながら、タップの増設を重ね、2012年にはとうとう100タップに。


その間、創業者の青木さんはおいしいビールを提供するため、研究を重ね、ビールをコントロールするノウハウを取得しました。銘柄によって提供温度やガス圧を調整するなど、そのビールにとってベストなコンディションで提供されるからこそ、とてもおいしいのです。


1995年以降、ビールをおいしく提供することにこだわり続けてきたからこそ、ポパイは「クラフトビールの聖地」と呼ばれています。


麦酒倶楽部POPEYE ポパイ 両国 クラフトビールの聖地


ところで、どうしてお店の名前は「ポパイ」なんでしょうか?

ポパイを開店した時、別にもう1軒洋食屋を運営していたそうです。その時、そのお店で料理のメニューにほうれん草をよく使っていたこともあり、「ほうれん草といえばアニメのポパイ。キャラクターは親しみやすく、名前も分かりやすいし、それでいいか!」と決めたのだとか。


100タップの前でビールのおいしさに酔いしれる


100個のタップが並んでいる光景は圧巻の一言。提供されるビールは日によって変わりますが、少なくとも70種類以上はつながっています。



人気店なのでいつも店内は混雑気味です。ご家族や友人同士で来る方も多いそうですが、案外、一人で来る方も多いそう。カウンター席は一人で来たときの特等席。おいしいビールを飲みながら、次々に注がれていくビールを眺めているだけで幸せな気分に浸れます。初めましての方と隣同士に座るのは気まずいと思うかもしれませんが、そこはビール好き同志。ビールの話をしていると、いつの間にか仲良くなってしまうかも。


店内には、おすすめビールの案内、ブルワリーのオリジナル看板やイラストが飾ってあります。タモリさんをはじめ有名人のサイン、ビール好きなら知っているあの「マイケル・ジャクソン(歌手のマイケルジャクソンではありません)」の写真まで。天井からはホップや空き瓶、いろいろなものが飾ってあり、店内をながめるのも楽しいです。



料理も自慢のポパイでお得に楽しむ方法

クラフトビールを存分に楽しんでもらおうと始めたのが「オーサマセット」。ビールメニューに「王冠マーク」が付いているビールを頼むと、無料でハーフサイズの料理がついてきます。しかも、料理は選ぶことができ、「男爵ポテトフライ」「チキン唐揚」「ソーセージとザワークラウト」「焼きそば風スパゲッティ」「切りピザ」「豆腐とトマトのカプレーゼ」「生ハムのサラダ仕立て」「大根サラダ」の8種類もあるんです。


平日は開店の17時から20時まで、土曜日は15時から20時まで開催しており、ほとんどの方がこのオーサマセットをオーダーします。時間内であれば、何セットでも頼むことができるので、他の料理を追加しなくても大丈夫!ちなみに、お酒が飲めない方にも楽しんでもらえるように、ソフトドリンクにも付いてきます。


その中から「豆腐とトマトのカプレーゼ(880円、税抜き)」をご紹介します。


麦酒倶楽部POPEYE ポパイ 両国 クラフトビールの聖地 カプレーゼ

※写真はレギュラーサイズ。オーサマセットの時はハーフサイズになります。


モッツアレラチーズの代わりに豆腐を使い、自家製ドレッシングとカッテージチーズをかけた料理。とてもヘルシーで、女性にも人気が高い一品とのこと。これに合わせるビールは自社工場「Strange Brewing」の『ゴールデンスランバー・ペールエール(1,020円、14oz、税抜き)』です。


ビールを飲もうとグラスに口を近づけると、華やかなホップ由来の柑橘系の香りが強く香ります。わりと苦みがあるビールですが、カプレーゼを食べるとトマトの酸味と豆腐のまろやかさがその苦みを和らげてくれます。チーズではないので、いくらでも食べられそうですね。


オーサマセットだけでなく、レギュラーの料理も豊富に揃います。店長一押しのメニューがあるそうなので、もう一品ご紹介します。


麦酒倶楽部POPEYE ポパイ 両国 クラフトビールの聖地
「シェイクスピア・インペリアル」を使った『スペアリブのスタウト仕込み(1,380円、税抜き)』。黒いビール・スタウトを調味料として使い、時間をかけて柔らかく煮込まれています。おすすめのビールは『シェイクスピア・スタウト(1,178円、14oz、税抜き)』。

シェイクスピアスタウトは、ローストした麦芽のビターコーヒーのような香ばしさと程よい苦みが特徴のビールです。ビールを飲んでスペアリブを食べてみると、その相性の良さにびっくりです!調味料として使っているので合うだろうなと想像していましたが、これほどまでとは。皆さんもぜひお試しください。


ノンアルコールのポーター?麦芽からつくった飲料


ビールのお店ならではのノンアルコール飲料「BAKU(500円、税抜き)」。城戸店長が麦芽から手作りしているそうです。店長によると、その味わいは「アルコールの入っていないポーターかスタウトのよう」。飲んでみると麦茶とは違う味わい、香りはコーヒーのようですが、コーヒーに比べて飲み口は軽いです。バータイムでは1杯500円で提供されていますが、ランチタイムにはセルフサービスで好きなだけ飲むことができるそうです。


日本の地ビールの始まりの頃から提供し続けているポパイ。おいしいビールと料理を提供することにこだわり続ける創業者の青木さんや城戸店長はいつでも真剣です。そして、30年以上の歴史を持つお店には、連日ビール好きが訪れます。そう聞くと、なんだか怖いお店のように聞こえるかもしれません。でも「ビールを飲むときに、難しく考えなくていいですよ」と城戸店長は言います。そんな店長がいるお店だと、ビールに詳しくない方でも安心して過ごせるのではないでしょうか。


お得な会員制度もあります。ビールやペアリングセットと引き換えられるハガキが毎月届いたり、誕生日のお祝いをしてくれたり、会員割引(通常は3%引き、女性だけのグループはなんと10%引き)があったりと、内容は盛りだくさん。詳しいことはお店で尋ねてみてくださいね。

おいしいビールを飲みたい!」と思ったら、ひとまず両国のポパイに行ってみることをおすすめします。



◯文:きのこ(Kanako Kinoshita)
◯写真:山吹彩野
◯編集:酒井由実


麦酒倶楽部POPEYE

〇住所:東京都墨田区両国2-18-7 ハイツ両国駅前102号
〇TEL: 03-3633-2120

〇営業時間
【月~木】17:00~23:30(L.O. 23:00)

【金】15:30~23:30(L.O. 23:00)
【土・祝】15:00~23:30(L.O. 23:00)
〇定休日:日曜日
〇座席数:80席
〇喫煙・禁煙:分煙(店内は禁煙、テラス席は喫煙可、入口前に灰皿あり)
〇お子様連れ:子供可、ベビーカー入店可
〇公式ホームページ:http://www.lares.dti.ne.jp/~ppy/
〇Facebook:https://www.facebook.com/70beersontap/


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数年前に突然ビールの奥深さに目覚めて以来、寝ても覚めてもビールのことばかり考えています。全国の大手ビール工場や醸造所に通い、ビール関連の本を読み漁り、さまざまな勉強会やイベントに参加。日本地ビール協会公認「シニア・ビアジャッジ」として、IBC(インターナショナル・ビアカップ)の審査員を経験(2018年、2019年、2020年)。日本ビール検定2級。日本ビアジャーナリストアカデミー10期生。紙面協力:ライフスタイル情報『CHANTO』。

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