Interview “社員食堂”でクラフトビール?三田にあるNEC「ロケットビル」に潜入してきた!

2023/08/30

会社勤めをしている人には密接に関わる社食。

以前は、「美味しくて、お腹がたまれば良い…!」というような場所をイメージしていましたが、最近では社員の人の嗜好を調査したり、まるでレストランやおしゃれなカフェのような食事を提供したりする社食もあるそうで…。

調べてみると、なんとビールを扱う会社でないにも関わらず、社食でクラフトビールが飲める会社があると聞きつけ、編集部一行は東京都・三田に向かいました。


向かったのは都営地下鉄 三田駅。A10出口を出てすぐが今回目当ての社食があるというビルです。

地上43階、地下4階、高さ180メートルにもなり、その見た目から「ロケットビル」とも呼ばれるのは、日本電気株式会社(以下、NEC)の本社ビル!「NECスーパータワー」という愛称でも呼ばれているのだそう。

今回はその“新しい社食のあり方”を実際に体験し、ビール好きの皆さんにも紹介したい!という思いから、ロケットビルの内部に足を踏み入れました。


2022年3月にリニューアル!食を通じた共創空間が誕生


吹き抜けのロビーを抜け、11階へ。フロアに足を踏み入れると「おしゃれなコワーキングスペース?」と見間違えてしまうような、清潔感があり開放的な空間が広がっていました。


コロナ禍もあり、様々な働き方が求められ拍車がかかるようになってきた時代。NECの中でもデジタル化への推進の中でワークスタイルが考案され、新しい働き方「Smart Work 2.0」における共創空間の改革がはじまりました。この改革を進める中で、社員の利用率も下がっていた社員食堂も一新することになり、2022年3月にリニューアルをしたのだとか。


社員食堂の新しい名前は「FIELD」。社内の人はもちろん社外の人たちなど、さまざまな人が敷居のない空間でコミュニケーションをとることができ、新しいアイデアが生まれる場、「食を通じた共創空間」として生まれ変わりました。

社食だけどオフィス?


「社食」と聞くと、決まったお昼の時間にだけ食堂がオープンして、お昼時間だけしか利用されないというイメージがありますが、ここ「FIELD」は朝から夜まで飲食ができる場所であり、仕事やミーティングをできる場所としても機能しています。


ビル真ん中の吹き抜けスペースを隔てて、「Parkサイド(Pサイド)」と「Seaサイド(Sサイド)」の2つのエリアに分かれていますが、食堂の種類やテーブルの配置などに違いが。


Pサイドでは、本格コーヒーや焼きたてパンの「Café&Bakery」素材を厳選したプレートボウル「DELI&BOWL」、そしてSサイドでは本格出汁のスープで自家製麺の「“MEN-YA”」の食事を注文できます。

更に、Sサイドには「Plaza」(=コンビニ)が24時間営業中。食事のレパートリーが多くて楽しく、毎日利用しても飽きない工夫がされていました。


7:30〜17:00と、朝から営業しているのも嬉しい。朝はモーニングセットがあり、目の前で焼かれるほかほかのパンをいただけるそうで、朝時間の利用も人気だとか。

朝から夕方までと食事の提供時間にゆとりを作ることで、決まったお昼時間に人が集中して殺到することがなくなり、社員の方も自由な時間にゆったりと食事が摂れるようになったそうです。食事を摂りたいタイミングも人それぞれ。素敵な改革です。


オシャレな空間も場所によって雰囲気が異なるので、お気に入りの場所を見つけたら仕事も食事も捗りそう。


一人で集中して作業している方や、個室のような空間でミーティングをしている方、数名で談笑しながらパソコンで作業している方などなど。使う人数やシチュエーションによって思い思いの場所で仕事ができ、さまざまなコミュニケーションやアイデアが生まれる場所として開かれていました。

仕事後に1杯!社食でクラフトビール


そんな社食の入り口に、「“アペロ”しない?」という看板を発見。アペロとはフランス生まれのサク飲み文化を意味する言葉。社食でお酒を飲める時間は17:00以降と決まっていて、19:00まで販売しています。


お酒が購入できるのは、「FIELD」内のコンビニ「Plaza」。

「Plaza」は基本的には社内のコンビニという位置付けで、軽食やお菓子、飲み物の販売や、仕事で使う筆記用具などを販売していますが、日替わりや週替わり、月替わりなどテーマを決めて特価品を販売する「Event」スペースもあります。


ご当地ものなどを販売することも多く、地方出身の社員の方がいると会話のきっかけになるとのことで好評なんだとか。

また、特定のブルワリーを呼んで期間限定のポップアップコーナーを設けたり、安くお酒が飲めるキャンペーンを行うこともしばしば。また、社員限定のお酒のワークショップを「FIELD」で開催することもあるそうで、毎回すぐ定員に達してしまうほどの人気だとか。

「食べる」「飲む」に限らず、様々な楽しみを提供しているNEC。感動の連続です。


お酒コーナーに向かうとビールがずらり!


この日は、大手ビールメーカーのものに加え、軽井沢ブルワリーのビールや海外輸入品が並んでいました。


ビールは社員の方の需要をみながら、定期的に変わっているそう。

ビールだけではなく、ワインや日本酒なども揃います。一人では飲めないので、シェアが基本。会議終わりに軽く飲みますかという気軽なコミュニケーションが始められているのだとか。

三田という街は飲み屋も多いですが、わざわざ外に出るまででもない、けどちょっとお酒を酌み交わしたいというサク飲みに適した場が常にあるというのが魅力です。



実際に、社食でビールを選んでいる社員さんを発見!どんな楽しみ方をしているのか、お話を聞いてみました。

高木さん(左)、二宮さん(右)

高木さん「私たちは別の部署なんですが、たまたまここで会って、仕事が終わったあと一緒にビールを飲むこともありますよ


二宮さん「みんなが『ファミレス席』と呼んでいる場所でミーティングをしたあと、軽く打ち上げをしようっていう流れになることも多くて、その時にここでお酒を飲んだりもしますね


飲み会というと、週の終わりに仕事の労をねぎらうために行くという人も少なくないと思いますが、仕事は毎日頑張るもの

月曜日や火曜日などの週のはじまりでも、「外へ飲みに行くまででもないけど、仕事終わりにビール1本だけ飲んで帰りたい、というときには利用しやすい」のだとか。


また、リニューアル後に初めて「FIELD」に訪れたときも、そのおしゃれさにはびっくりしたようで、「おしゃれなカフェみたい」と思ったそう。

従来の社食のイメージとは良い意味でまったく違う社食。使いたい放題でビールまで飲めるなんて、なんとも羨ましい限りです!


二宮さんはラガー系のビールがあまり得意じゃなかったそうですが、この日初めて飲んでみたというベルギービール『ティママン・フランボワーズ』は「すごく好みです!」とおっしゃっていました。

人とシェアして飲むことで、今まで飲んだことのないビールに出会い、乾杯の輪が広がっていくのもビールの魅力のひとつ。

気になるビールがあるから、ちょっと帰りに1本飲んで行かない?」そんな気軽な誘い方ができコミュニケーションがとれるのも、社食にビールがあり、サク飲みできるという環境が、とてもマッチしているように感じました。


何人かで飲むのも良いですが、“アペロ”のように仕事後にひとりでサクッと飲む。そして、また明日頑張ろうという活力になる。お酒を飲む場所がすぐ近くにあることで、良い循環が生まれているのかもしれません。

よりお酒が楽しめる場をつくりたい


最後に、「Plaza」の店長である野村美紀さんにもお話を伺いました。

このお店の意匠に合うようなラインナップを心がけています。そして、綺麗に保ち、来てくださる方が楽しめるよう、これからも心がけていきたいです

また、現在はビールは缶や瓶のみでの販売ですが、今後の展望としては「タップから飲めるようにしたい」「夜時間に、ビールやお酒に合うような温かいおつまみや料理を提供できるようにしたい」とのこと。

仕事後、疲れた〜と思いながらふらっと社食に向かって、タップからビールが飲めるようになる?……これを聞いた瞬間、心底NECの社員になりたいと思ったのは言うまでもありません。


会社に勤めていると仕事の時間でしか会話をせず、大勢の飲み会でしかビールで乾杯することがない人ってたくさんいるのではないでしょうか。

仕事から一歩離れ、ビールなどのお酒を同じ場所で酌み交わすことで、新しい人柄を知ることって少なくありません。また、そこから新しいコミュニケーションが生まれて、より親密になることもしばしば。


飲み会へ誘ったり外に飲みに行くというちょっと高い垣根も、社食でビールやお酒が飲めるというのは気軽にコミュニケーションがはかれるということ。もちろん、お酒が飲めなくてもソフトドリンクなど好きなものを持ち寄れば、お酒が飲めるor飲めない人の垣根もひょいっと超えてくれることになります。

食べるだけ、お腹を満たすだけだった場所が、仕事を円滑にする場へ。より使いやすく身近になった社食からは、新しい可能性を感じました。

密かに大きく変わってきている、日本のこれからの“新しい社食のあり方”。皆さんの会社も、何か進化があるかも?


■取材協力:株式会社NECライベックス

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山吹彩野 編集・ライター

好きなビアスタイルはサワー。犬が好き。

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