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お酒は二十歳になってから。

Bar 【東京・東長崎】アメリカの輸入雑貨や90年代前後のサブカルチャーに囲まれながらビールを楽しめる「Livin'Large Beer & Gallery」

2025/09/06


池袋に程近いものの、都会の喧騒は一切感じない穏やかな住宅街、東京都豊島区長崎。

色褪せない老舗や古民家も数多く残っている中で、令和らしい個性的なカフェや飲食店も続々と誕生し、新旧のカルチャーが集う街として発展を続けています。

かつては、手塚治虫や藤子不二雄など、日本の漫画界を代表する巨匠たちが若手時代に暮らした街としても有名で、彼らが若き青春の日々を過ごした伝説のアパート「トキワ荘」の跡地には、その文化を後世にも伝えるための「トキワ荘マンガミュージアム」が建っています。


そんな豊かな街をさらに彩るお店が、2024年9月27日にオープンしました。

その名も「Livin'Large Beer & Gallery(リビンラージ・ビア アンド ギャラリー)」(以下、リビンラージ)。

アメリカの輸入雑貨や、90年代前後のサブカルチャーに関するグッズを販売していて、さらに雑貨を見ながらクラフトビールが飲める という、「雑貨屋」と「ビール屋」の2つの顔を持つユニークなお店です。

ビールもサブカルも大好きな筆者はリビンラージに心を奪われた1人で、オープンして間もない頃から足繁く通い、ビールも雑貨も買い(飲み)漁っています。

そんなリビンラージの魅力を紹介すべく、今回現地取材をしてきました!どんなビールが飲めるの?どんな雑貨が置いてあるの?などなど、徹底的にご紹介します。


東長崎駅から徒歩2分。ビールが飲める雑貨屋


リビンラージの場所は、西武池袋線「東長崎駅」から徒歩2分、そして大江戸線「落合南長崎駅」から徒歩15分

東長崎駅北口から降りて歩いて向かうと遠目からでもすぐにわかる、店名が書かれた紺色のテントが目印です。


お店の入り口には、スケボーの板をリメイクしたベンチが2つ、簡易的なテーブルが3つあり、外飲みも楽しめます。


店内に入ると、おもちゃ箱をひっくり返したように雑貨がいっぱい!360度、どこを見てもトキメキが止まりません。

カウンターには背の高い椅子が2脚ありますが、基本は立ち飲みです。


お店のコンセプトは、アメリカの輸入雑貨と90年代前後のサブカルチャーを発信する“雑貨屋、そして店内に溢れるサブカルを楽しみながら飲食できる“立ち飲みビアバー

アメリカや日本の「音楽」「映画」「ドラマ」「アート」「横乗りカルチャー(※)」など、オーナーである今井宣一郎さんが最も影響を受け、愛してきた要素がそこかしこに散らばっています。

※「横乗りカルチャー」とは……サーフィン、スノーボード、スケートボードのように、板の上に両足を乗せて滑走する身体運動の特性とその文化の総称。


店名の「Livin'Large」は、「贅沢な生活を送る」「ビッグになる」といった意味を持つ英語のスラングで、アメリカのブランドの広告や、曲名・映画のタイトルなど、90年代のアメリカンカルチャーでよく使われていた言葉なのだとか。

お店の根幹ともなっている90年代カルチャーに由来するという意味でも、「“生活を豊かにする”ものを届けたい」という想いとしても、お店を表現する言葉としてしっくりきて名付けたのだそう。


そんなリビンラージは元々、2016年に輸入代理店として設立され、2024年の夏まで東長崎駅の南口側に店を構えていました。そこでは雑貨の販売のみ行っていて、缶ビールの販売も行っていましたが、店内で飲むことはできませんでした。

しかし「店内でクラフトビールを楽しみながら雑貨を見れる環境を作りたい」と考え、2024年9月27日に同じ東長崎内でお引っ越し。飲食店の免許を取得してクラフトビールを樽生で提供できる施設を導入し、缶ビールも抜栓料なしで角打ちできるようになり、“ビールも飲める雑貨屋”としてアップデートされました。


雑貨屋の眼でセレクトされたビール


ビールは、樽生が2種缶ビールは約20〜30種類ほど揃っています。ラインナップは大体週に1回のペースで変わります。

そして、提供ビールをセレクトする基準には、リビンラージらしい面白いポイントが。

【1】「アメリカ」と「ローカル」の2軸

リビンラージで提供されているビールは、大きく分類すると2つ。1つはお店に近い豊島区・板橋区のブルワリーで醸造された「ローカルビール」、もう1つは「アメリカの輸入ビール」です。

2TAPある樽生ビールは、1番にローカルビール、2番にアメリカの輸入ビールが繋がっています。


ローカルビールは、「Cycad Brewing(サイカドブリューイング)」(豊島区西池袋)と、「Tokyo Aleworks(トーキョーエールワークス)」(板橋区板橋)を必須で提供。

Cycad Brewingは、リビンラージから自転車で6分ほどのご近所さん。Tokyo Aleworksは自転車で20分ほど離れていますが、ヘッドブルワーがリビンラージの常連さんで、さらにブルワリーの最寄駅が今井さんのご実家と同じというご縁から、マストで提供しているのだそう。

今井さん「移転後はクラフトビールを前面に押し出すと決めたとき、鎌倉のビアバー「VANAVASA BEER+GALLERY(バナバサ ビール+ギャラリー)」の店主である井伊くんが色々応援してくれたんですけど、『地域に根ざしたビールは必ず提供した方がいい』とアドバイスをくれたんです。地域を盛り上げたいという想いはもちろんあったので、その教えを参考にいろいろ調べて、最初はこの2つのブルワリーに行き着きました

提供するローカルブルワリーの幅は、今後も広げていきたいと考えているとのこと。


そしてアメリカの輸入ビールは、オレゴン州・ポートランドやカリフォルニア州など、アメリカ西海岸のブルワリーを中心としたラインナップ


ポートランドはビールの聖地として知られていますが、実は「ものづくり文化」が深く根付いている都市で、ビールに限らず 家具・ファッション・レザーグッズなど、DIYが盛んに行われています。

リビンラージで輸入販売しているアイテムの中にもポートランド産のものがあったり、家族旅行で大変良い思い出があったりと、元々ポートランドとは深いご縁がある今井さん。雑貨という入り口からポートランドのDIY精神を広く知っていく過程で、必然的にポートランドのビールにも出会ったそう。

また、前職で携わっていたアメリカのアウトドアシューズブランド「MERRELL」の本社がミシガン州グランドラピッズにあり、出張で現地に訪れた際は、本社のすぐ近くにあるFounders Brewingのタップルームに本社の方々と度々訪れていたのだそう。そうして、度々アメリカのビール文化に触れ合ってきました。


今井さん「数人から始めた小さなブルワリーでも、醸造はもちろん、施設やグッズなどもDIYの要素があって、自分たちで全て作ってしまう。そういったアメリカのクラフトビールのカルチャーと、僕が好きで店内にも置いている90年代頃のポップカルチャーは、すごい親和性があると感じていて。それは、店内でクラフトビールを提供したいと思った理由の1つでもあります。なので、半分は雑貨屋さん、半分はクラフトビールの立ち飲み屋として複合的に展開することにしました。

元々ビールに興味がない人でも、僕みたいに別の入り口から入った結果ビール自体にも興味が湧く、という仕組みが作れたら、と話してくれました。

▶︎ポートランド詳細記事:コラム「今こそポートランド」


【2】ジャケ買いが楽しいビール
Left Hand Brewing『Mango Hibiscus White Nitro』
さらに、提供するブルワリーや銘柄のセレクト方法には、ロゴやラベルが魅力的なブルワリーかどうか、つまり“ジャケ買い”して楽しいビールかどうか、という雑貨屋ならではの着眼点も。

今井さん「ラベルデザインやロゴのインパクトは重視しています。例えばアメリカの Left Hand Brewing とか Stone Brewing って『このブルワリーといえばこのアイコン!』とビール好きなら誰もがわかるようなロゴですよね。僕がTシャツとかグッズを売る際も、それがどれだけ長年親しまれるかという観点でロゴの重要性は感じているけど、小規模なブルワリーでそれができてるのって凄いなと感心する。


ちなみに、当メディア「ビール女子」としても、ジャケ買いはおすすめしているビールの楽しみ方の1つ。

ビールを好きになるきっかけが「ジャケットが可愛かったから」でも良い。そのきっかけがなければ、その人はそのビールを口にすることはなかったかもしれません。そもそもビールのジャケットは、そのビールがどんな味わいなのかを表現しているものなので、ブルワリーの想いをジャケットから汲み取って選ぶというのは素敵なことだと思います。


そして、ビール屋さんはビールの味わいについては語れても、ラベルの裏話や背景まで語れる人は多くない。

そう思うと、デザインに知見のある雑貨屋さんが“ジャケ買い”を推しながらクラフトビールを販売するというのは、斬新で素晴らしいアイデアなのではないかとさえ感じます。

今井さんも、「ビールを目当てに来た人には雑貨の楽しさを知ってもらい、雑貨目当てに来た人は「ビールちょっと飲んでみようかな」という気持ちで飲んでおいしさを知ってもらいたい。どちらかの世界しか知らなかった人が、その場でもう片方の世界に出会いファンになるという相乗効果が生まれたらいいな」と話してくれました。
Tokyo Aleworks『新宿ヴァイス』
私自身が、過去リビンラージで飲んだビールの中で特に印象に残っているのは、Tokyo Aleworksの『新宿ヴァイス』。
※引用:amazon.co.jp
1984〜1989年の間アメリカで放映され大ヒットした刑事ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』(原題:Miami Vice)のオマージュとして、「バイス」をビアスタイル名の「ヴァイス」にもじった1杯。元ネタは刑事ですが、「新宿ヴァイス」のパッケージには新宿歌舞伎町のホストが描かれています。

まさにリビンラージのコンセプトに紐づいたビールで、らしさ大爆発!


また、今井さんが過去飲んだ中でも特にお気に入りジャケットのビールは、ポートランドの醸造所・LEVEL BEERが手がけた『Licensed To Yill。これは、今井さんが相当影響を受けたというビースティ・ボーイズのファーストアルバム『Licensed To Ill』をオマージュしたジャケット。『Licensed To Yill』の“Yill”は“エール”の意味もあり、ビアスタイルはスコッチエールだったそう。

ちょうどリビンラージにビースティ・ボーイズのアルバムもあったので、缶と並べて置いてくれました。

飲んだ後も缶をとっておきたくて、飲み終わった缶の上部を缶切りでくり抜いて、アップサイクルして花瓶にしたとのこと。ジャケ買いをすれば、こんな楽しみ方もできちゃいます。

皆さんもぜひ、リビンラージでは「私におすすめのジャケットのビールを教えてください!」と尋ねてみて、違うビールの楽しみ方をしてみてください。



また、ビールが苦手な方に向けてシードルやレモンサワー、飲めない人に向けてクラフトコーラやラムネ、さらにお子さんも楽しめる「こどもびぃる」も提供しています。

もちろん雑貨を見るだけでの入店もOK!気軽に入店してくださいね。

ビールと共に味わえる、老舗の焼き鳥


食事は、角打ちで飲みながらサクッと食べられるような、雑貨屋らしくちょっぴり変わったおつまみをセレクトして販売しています。缶詰は湯煎してお皿に出すことも可能。


そして何よりぜひ食べてもらいたいのが、東長崎で約50年続く隣の老舗焼き鳥屋「やきとりキング」のお惣菜

リビンラージは、キングで購入したおつまみの持ち込みが可能です。


驚くのは、圧倒的な品数の多さ。肉で巻いた「野菜ロール」や「唐揚げ」、チキン1枚を焼いた「てりやき」「ガーリック焼き」、手羽先に餃子のタネを詰めた「手羽ぎょうざ」など、通常の焼き鳥屋さんではなかなか無いラインナップです。


ご家族で営まれている「やきとりキング」ですが、皆さんとっても温かいお人柄。美味しいご飯と温かい人柄が街の人たちにも大人気で、いつもお客さんが絶えません。

ご家族の仲が良くて、作業をしながら談笑している姿も見られたり、横浜ベイスターズの大ファンで、試合がある日は歓声や応援の声が隣のリビンラージにまで聞こえてきたり(笑)お茶目な一面も垣間見える、美味しい楽しいお惣菜屋さんです。

言わずもがな、ビールと鶏肉料理のペアリングは最高!ぜひ一緒に味わってみてください。


またリビンラージでは不定期で、ゲスト料理人が料理を振る舞うイベントも行っています。

今井さん「『現在はお店やキッチンカーを持ってないけれど、将来的に料理を提供するビジネスに興味がある』というような人たちに、使ってもらえたらなと思ってやっています。

出店者は常に募集中。ビールに合うおつまみを提供したい!と興味がある方は、ぜひ立候補してみてください!

ビンテージ品から輸入雑貨まで。宝の山のように積み重なる雑貨


雑貨が好きな方に向けて、雑貨についても詳しくご紹介します!

まずはリビンラージの要となる、アメリカから正規で契約・輸入してお店に卸している3つのブランドから。

OXFORD PENNANT(オックスフォード ペナント)
古き良きアメリカのスポーツマインドを忠実に具現化するため、2013年ニューヨーク州バッファローにて立ち上がったブランド。化繊素材は一切使わず、ウールとコットンで丁寧にハンドメイドで生産していることが特徴。

野外フェス、ビアバー、カフェなど、多岐に渡るコラボレーションを展開していて、最近ではリビンラージを介してBEAMSに卸したことも。オリジナルペナントの注文も可能で、自分の理想のペナントを少量にて製造できます。

WELD MFG(ウェルド)
2006年、カリフォルニア州にて創業したキャップブランド。ノスタルジックなビンテージワークキャップを彷彿とさせる、クラウンに芯を入れないデザインが特徴。リサイクルナイロンやヘンプファブリック、オーガニックコットン等のマテリアルを積極的に取り入れ、真摯にモノづくりを展開しています。

帽子の頭にある刺繍は、リビンラージが刺繍作家さんに依頼して後付けしたもの。複数の作家さんに依頼しているため、いろんなテイストの帽子が揃っています。

North St. Bags(ノースストリートバッグス)
2009年、オレゴン州ポートランドで設立されたハンドメイドバッグのブランド。精鋭8人のオフィス兼マイクロファクトリーが、アメリカ製のコーデュラ生地を使うことに拘り、フィッティングの良さ、高品質、モダンデザインを追求し、丁寧に製作。ブランド設立10周年を迎えた2019年には、日本でもアパレルブランドとのコラボや日本限定モデルを発売して話題になりました。

次は、懐かしいアイテムを使用して、今井さんの手で作成しているアップサイクル系です。

キーホルダー
アメリカや日本のフィギュアやガチャガチャの景品、ゲームソフト、カードゲームなど、懐かしくて可愛い小物をキーホルダーにしたもの。金具の部分が少し大きめな太めリングで、しっかり存在感があるのが超かわいい。

パイプ椅子
着なくなってしまったけど、あげたり捨てたりするのはもったいないと思って保管しておいた自前のTシャツや、可愛いと思って仕入れたTシャツを、パイプ椅子に張り替えた今井さんお手製の1点もの。音楽や映画、アニメ、バスケや野球などがモチーフとなったTシャツが使われています。大小共に、5〜6脚は店内にストックがあります。

次は、レトロな中古品。

ウォークマン
写真左から、1990年代にアメリカで販売されていた、アメリカ規格のSONY製CDウォークマン、カセットウォークマン、そしてヘッドホン。アメリカから輸入し、日本で修理して販売しています。

最近は渋谷パルコに専門店もあるくらい流行しているヘッドホンやラジカセ。Bluetoothのワイヤレスイヤホンではなく、あえて有線のヘッドホンやイヤホンを使っている令和の若者も見かけます。オンラインショップで人気が高い商品とのこと。

アジアの方で作られた、アメリカのヒップホップアーティストをモチーフにしたフィギュア。今井さんは、音楽だと80〜90年代のHIPHOPとロックに最も影響を受けているそうで、それに関連したHIPHOP寄りのグッズも多めに取り揃えているとのこと。

さらに、80年代頃のシティポップや、『ストップ‼︎ひばりくん!』でお馴染みの漫画家・江口寿史氏のイラストなど、シティポップの人気が再燃している昨今。当時のグッズや、それらに影響を受けて令和のクリエイターが作った“ネオシティポップ”なグッズなども販売しています。

シティポップなレトログッズ
1986年の「ミスタードーナツ」オリジナルグッズ。江口寿史先生の幻の名作『パパリンコ物語』のイラストで、今ではマニアが喜ぶコレクターズアイテムとなっています。状態も良くて、最高に可愛い。もったいなくて使えない!

▶︎参考:ミスタードーナツ公式HP「グッズヒストリー〈1986年〉」

シティポップに影響を受けた香港の若い人たちが立ち上げたレーベル「Neoncity Records」のカセットテープとラジカセ。店内では90年代のラジカセも販売しているので、新旧並べるために香港から輸入したとのこと。今井さん曰く、「Neoncity Records」のグッズを日本で揃えて置いてる店はあまり多く無いとのこと。

リビンラージがオリジナルで作った、ベビー・キッズ向けブランドの商品も。

DRIBBLE(ドリブル)
※画像:リビンラージ公式HPより
「DRIBBLE」は、英語のスラングで「よだれをたらす」という意味。⼀⾒汚いよだれも、わが⼦のよだれは何故か汚く感じない。むしろ特別な愛情が⽣まれる。そんな愛に溢れたリビンラージのオリジナルスタイブランド。「スタイ」や「ロンパース」「Tシャツ」「ストラップカバー」「キャップ」など、MADE IN JAPANで手がけています。


その他にも懐かしい中古品や、


ユーモア溢れるデザインのTシャツなど、紹介しきれないほどひしめき合っています。掘り出し物を漁りにいきましょう!
2024年12月開催「MOCHIFUKU ALLSTARS」
また、店名に「Livin'Large Beer & Gallery」と入っている通り、個展をできるスペースとしても機能しているリビンラージ。

2025年1月開催「GOOD DAY MATE POP UP SHOP」
お店のテイストに合うブランドやグッズ、これまで雑貨を仕入れることで繋がった作家さんなど、リビンラージにぴったりなクリエイターの雑貨を展示販売するPOPUPを、月に1,2回開催しています。いろんな作家やコレクターの才能に触れるのがとても楽しくて、私自身も第一回目からほぼ全てのPOPUPに通うほどハマっています。
2025年8月開催「Haruka Custom Rug POPUP SHOP」
POPUPの最新情報は、公式Instagramで毎回お知らせされます。週末は出展者が在廊していることもあれば、地方から作家さんが来ることもあるので作家さんとビールを楽しみながらお話ができる貴重な機会になることも。気になる方は要チェックです!

こどもにとっても憩いの場

お子さんも楽しめる要素もいっぱいのリビンラージは、子連れで来ても安心して楽しめます。


店内の雑貨は、子供の小さな背丈でも見えるような床に近い場所にも置いてあります。


子供の目線に入る場所に置かれた雑貨は、特に子供が喜ぶものばかり。

口を近づけて声を出すと宇宙人の声に変わるメガホンや、おならやブーイングの声など16種類の音が出るイタズラにぴったりなポータブルサウンドメーカー、匂いつきリップクリームなどがあり、みんな釘付けになって遊びます。


また、店内のテレビでゲームもできちゃいます。順番待ちしている人がいなければ、やりたい放題!お子さんが夢中になっている間が、大人が1杯ビールを楽しむチャンスです。


遊べるゲームは、アメリカで80〜90年代に流行った、5種類のゲームが内蔵されているジョイスティック(コントローラー)。今の子供達はやったことない子が大半なのに、説明なしでコントローラーを動かし始める子が多いこと!子供は飲み込みが早い。


もう1つは、UFOキャッチャー。中にはおもちゃが入っていて、取れたら実際に貰ってOKという童心をくすぐるシステムですが、「ハマりすぎて、中身全部取れるようになっちゃった子とかもいるんで、持ち帰るのは1つまででお願いします(笑)」とのこと。


そして、子供も飲めるドリンクがあるのも嬉しいポイント。ビー玉が入った懐かしい「ラムネ」や、「こどもびぃる」も。親子でカウンターに座って乾杯できるって最高です。

そして何より今井さんが子供に寛大であることが、子連れで入りやすい最大の理由。

今井さん「僕の娘は現在小学生ですが、娘の友達が学校の帰りに寄ってくれたりするんです。そこで学校の話をしてくれたり、ラムネを飲んでいってくれたり。とあるお客さんのお子さんも、最初は親と一緒に来ていましたが、いつの間にかお小遣いを握りしめて1人で来るようになって。店内のお菓子を買って食べながらゲームしたり、カウンターでお話をしたりしてくれます。子供の拠り所になれているのも嬉しいです。

お菓子やゲームを楽しめる場所として子供たちが集まり、さらに“大人が見守る子どもの居場所”が形成されている様子は、まるで昭和の駄菓子屋のよう。そんな温かさがリビンラージにはあります。



サブカルへの敬愛が詰まった“僕の趣味部屋”

最後に、リビンラージが誕生した経緯について、詳しく話を聞いてみました。


遡ること、1990年頃。

当時は、渋谷系やHIPHOP、ロック系のバンド……など、音楽やファッションのカルチャーに強い店主の、こだわりを詰めに詰めたようなセレクトショップが、街の雑居ビルの中にたくさんありました。


今井さん「コアすぎて、原宿や渋谷のような場所ではなく、雑居ビルの何階かでひっそり営んでいるみたいな。意を決して鉄の扉を開けないと、中の様子がわかんないようなディープな店。当時は円も強かったから、店主が海外から雑貨やらスニーカーやら買ってきては『日本で買えるのはここだけ!』と掘り出し物を売っていて。店主自ら現地に足を運んで吟味して仕入れに行ったり、それらを見ながらちょっと癖の強い店主とお話して知らない世界を教わったり。それが楽しい時代でした。だけど大手の雑貨店がどんどん増えてきて、小さなセレクトショップがどんどん潰れてしまった。

そんな文化を敬愛していた今井さんは、好きなことを仕事にしたいという気持ちから、アメリカのスケートボードブランド「DC SHOES(ディーシーシューズ)」の輸入代理店に2年、さらにアメリカのアウトドアシューズブランド「MERRELL」の輸入代理店に18年在籍し、アメリカの文化に携わってきました


その後お子さんを授かったことを機に「より子供との時間を確保できる仕事にしたい」と思った今井さん。これまでの経験を活かしつつも、さらに趣味を追求した物を自分のペースで取り扱えるように、輸入代理店兼店舗「Livin'Large」をご自身で立ち上げて独立

令和のセレクトショップといえば洗練された雰囲気が思い浮かびますが、それとは真逆のぐちゃっとした店内で、宝探しのように漁りながら掘り出し物を見つけて、どこで仕入れたのか店主に話を聞いたり…と、今井さんが1990年代に憧れていたセレクトショップにインスパイアされた形態に行きついたと言います。


店内に置いてあるビデオテープは売り物ではなく、今井さんの私物。スチャダラパーや90年代の映画、ライブビデオ、スケートボードの映像など、ファンが唸るレアで懐かしいVHSが宝の山のように積み重なっています。店内にある2台のテレビデオで、ビールを飲みながら視聴することも可能です。

今井さん「こういうものもお客さんと一緒に楽しめたらいいなと思って置いてます。平日は音楽や映画を流して、土日は親子で来てくれる人も結構いるんで、子供が興味を持ってくれるようなキャラクターのアニメや映画を流してます。初めて知る方に魅力を伝えたいのはもちろん、詳しいお客さんと会話してもっと深い話を教えてもらったり。 例えばそこで趣味があったりすると、延々とそういう話をしてビールが進んじゃう。

ただビールを楽しむだけではない、サブカルを介した楽しい環境がそこにはあります。


今井さん「ちなみに僕の自宅は、家族みんな自分の部屋があるんですが僕だけ持ってなくて、その代わりにこの店が僕の部屋になってます(笑)なので、自分の部屋の延長線上みたいなところがあって、私物もたくさん置いています。

友達の家に遊びに行くような感覚で、今井さんの人生が詰まった趣味部屋に遊びにいってみてください。

「東長崎を盛り上げたい」


東長崎という街、そして現在お店のある「長崎十字会商店街」に対する思いもひとしおな今井さん。

今井さん「以前も同じ東長崎内に店舗がありましたが、その時から現在の店舗がある「長崎十字会商店街」への憧れが強くあって。十字会では毎年夏に納涼祭りが開催されるんですが、賑わい方が尋常じゃないんです。十字会に所属されている皆さんが、街を盛り上げようとしている感じを肌身で感じていたので、『あの中に混じって一緒に街を盛り上げたいな』とずっと思っていたんです。そう思い始めてから2年ほど経った頃、ようやく空き店舗を見つけて、すぐに申し込んで。こちらに移転することができました。

今後は、長崎十字会商店街の一員として、商店街内でのイベントを企画したり、同じ商店街の中にある老舗とコラボして外部のイベントに出店もしてみたい。近所のお店の方々と手を組んで一緒に東長崎を盛り上げ、東長崎を知らなかった人にも街を気に入ってもらい、住んでくれる人が増えたら嬉しいと、アツい想いを聞かせてくれました。


お店としては、街のインフォメーションセンターや、コミュニティスペース的な存在になりたいとのこと。

今井さん「駅から近くて、ちょうど視認性のいい角地にお店があるので、長年東長崎に住んでいるおじさんおばさんだったり、『春からこの街に住み始めました』という人だったり、あとはインバウンドの人や、他のお店をきっかけにたまたまこの町を訪れた人だったり。とにかく誰でも気軽に来てもらえる店にしていきたいです。ここがハブになってお客さん同士がお知り合いになったり、他の素敵なお店の情報をシェアしたりと、街のインフォメーション・コミュニティスペース的な存在になれたら。

実際、東長崎の美味しいグルメがたくさん頭に入っている今井さん。「この後何か美味しいもの食べて帰りたいけど、何かおすすめありますか?」と聞くと、「どんなもの食べたい気分なの?」とコンシェルジュのように導いてくれます。


ちなみに、今回の記事でかなりアングラな印象を受け、もしかしたら入りづらい店なのかな?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、心配ご無用です。お店に来るとホッとするほど、今井さんはものすごくおおらかで優しい方です。

僕は根が人見知りだから、常にカウンターでお酒を飲んでないと、「いらっしゃいませ」とか「どこ行ってきたんですか?」とかシラフではとても言えない性格なんで(笑)ビールをきっかけに、初めての人とか趣味の合う人ともお話したいなあ」と照れながら話し、そうしている間もカウンターの中でお酒を飲んでいる今井さん。


ビールを飲まずに雑貨を観に行くだけでも、ビールを飲みに行くだけでもOK!

リビンラージ、そして東長崎で、チルな時間を過ごしましょう。

 Livin'Large Beer & Gallery

〇住所:〒171-0051 東京都豊島区長崎4丁目4-8(Googleマップ
〇アクセス:
・西武池袋線「東長崎駅」から徒歩2分、大江戸線「落合南長崎駅」から徒歩15分
〇営業時間:
[火〜金]15:00〜22:00
[土曜]12:00〜22:00
[日曜]12:00〜20:00
〇定休日:月曜(月曜が祝日の場合は火曜休み)
〇決済方法:現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード
〇公式HP:https://livinlarge.jp/
〇Instagram:https://www.instagram.com/livinlarge_beer_gallery/

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さっこ 編集長

「ビール女子」編集長。記事の企画・編集やイベントの運営を担当。小さい頃から、両親が毎日ひたすらビールを楽しそうに飲む姿を見てきたため、「私もきっとビール好きなのだろう」という根拠のない自信と、「大人になったらおいしく楽しくビールを飲みたい」という夢を抱いて育つ。そして、20歳の誕生日を迎えてすぐベルギービールの店で働きはじめたところ、案の定魅了されてビールの世界に溺れ、今に至る。

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