Release 新店舗に潜入!キリンビールのクラフトビール事業の今後の展開明らかに

2015/03/18

クラフトビール事業として SPRING VALLEY プロジェクトを手がけるキリンビール株式会社が、代官山に工事中の新店舗『 SPRING VALLEY BREWERY TOKYO 』の内覧会と新事業についての今後の展開発表をするとのことで、新店舗に潜入してきました。同施設は代官山の東横線跡地エリア ログロードに 4 月 17 日(金)オープン予定。エリア自体はまだ工事中の中、初めて多くの報道陣のカメラが入る機会となりました。

キリンビール

全ての工程を飲みながらにして見ることができる施設内で、
シニアマスターブルワーの田山智広氏


 

 

ビールコミュニティ創造の場、SPRING VALLEY BREWERY


昨年 7 月にクラフトビール事業に着手することと新商品を発表しビール業界を驚かせたキリンビールは、今年に入り新事業を会社化。3 月 25 日と 4 月 17 日に SPRING VALLEY BREWERY TOKYO  (代官山) と SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA  (横浜 生麦)  をオープンさせることを発表しており、その準備も佳境に入っているよう。

キリンビール

今後の事業展開について説明するスプリングバレーブルワリー株式会社 代表取締役社長の和田徹氏


代官山と横浜のどちらの店舗も、その場で醸造されたビールが飲めるブルワリーレストランであるだけでなく、「永遠に完成することのない“開かれたブルワリー”」「未だかつてない“ビールエクスペリエンス”の体験の場」、飲み手同士や造り手と飲み手の新しいコミュニティ創造の場としたいとしている SPRING VALLEY BREWERY 。 CLUB SVB というリアルとオンラインを融合した造り手と飲み手のコミュニケーションプラットホームも作るとのこと。自社のみならず、他社クラフトブルワリーとコラボレーションしながら未来のビールを創造していきたいと語る代表取締役社長の和田氏*。合わせてキリンビールの EC サイト DRINX でも瓶詰め商品を毎月 1  種類ずつ展開予定。

和田氏は今後オープン後も飲み手とのコミュニケーションを大切にしながらも、「現状全体のビール市場の 1 %に満たないクラフトビールのシェアを 3 〜 5 %まで伸ばして行く、それを牽引していきたい」としています。

*SPRING VALLEY BREWERY はキリンビール社の事業会社  スプリングバレーブルワリー株式会社として設立している。

 

 

飲みながらにしてできる工場見学。丸裸のプロの仕事!


代官山にて工事中の SPRING VALLEY BREWERY TOKYO の内覧会も合わせて行なわれた、今日。

店内には全てガラス張りで囲われたビール釜や醸造タンクやがずらり。製造側の人からすればまさに丸裸状態。キリンビール シニアマスターブルワーの田山氏によれば、「醸造家としても楽しい反面、お客様から全て見えてしまうので、怖い」とも。さらには釜自体も透明にできていて、まさに麦汁を煮ている最中の釜の中まで見える構造は圧巻です。銅などの金属ででできていることが多いビール釜を、煮ている最中に真横から見られる経験をしたことのある人は実はビール業界でも少ないかもしれません。

クラフトビール

業界的にも珍しい、クリアに仲間で見えるビール仕込み用釜


そんな、臨場感溢れる製造工程の全てを見ながらグラスを傾けることのできる店内はまさにビールファンにはたまりません。さらにはガラス囲みの製造設備の中に入り、タンクのより近くで醸造家自ら説明するブルワリーツアーも今後開催予定とのこと。

クラフトビール

 


生命からの無限の可能性、自由でクリエイティブで楽しい飲み物、それがビール


田山氏はここで考えるビールを、「生命からつくられる無限の可能性」をもつと位置づけ、"Beer is made of life, Beer is free, creative,and fun" というコンセプトを掲げます。

キリンビール 田山

ビール愛に熱い、田山 智広氏


 

これまでビールが苦手だった人も新しいビールとの出逢いに感動するような、ダイナミックに均衡する究極のバランスを突き詰めたいとのこと。今後醸造予定の数あるビールの中から、必ずお気に入りが見つかるような提案をしていきたいとしており、ビールの中味そのものと店舗などを含め、様々な工夫を用意しているようです。ビール造りのサイズ感も 250L とこれまでキリンビールが造ってきたタンクの量から考えるとぐっと小さくなりながらも、店舗で展開するためには適度な大きさで様々なビールにチャレンジしていきたいとしています。

ビアインフューザー

円柱上のクリアのフィルターの中にホップを詰め、
ビールを通してグラスに注ぐことができるビアインフューザー


 

また、キリンビール独自の開発による、店舗でグラスに注ぐ瞬間に、ホップやフルーツなどの香りを付与する仕上げを施すことができるビアインフューザーという設備や、すごい泡でグラスに注げる“すご泡タップ”なるものも導入し、様々な体験を期待することができそうです。

クラフトビール

“すご泡Tap”から注がれる泡がすごいらしいビール


 

 

朝ビー、昼ビーもあり!?


今回、店舗で提供されるメニューや営業時間についても発表されました。お料理は Farm to Table の精神で、野菜を中心にしたメニューが多く、SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA では神奈川県産の野菜を、SPRING VALLEY BREWERY TOKYO でも東京近郊の野菜を使って地産地消をコンセプトとしているのだとか。ビールと言えば枝豆や唐揚げという 1 パターンの提案ではなく、バリエーション豊かなペアリング体験やテイスティングセットを提供するとのこと。

キリン

店舗ではビアアンバサダーやビアバリスタがおすすめを教えてくれる


 

SPRING VALLEYBREWERY TOKYO の営業時間は朝8時〜夜 24 時まで年中無休途中休憩無しで営業されるオールデイダイニング。Tap数は44Tap 。ビールの種類はもとより、ビールを楽しむシーンの多様性も生み出す SPRING VALLEY BREWERY 、モーニングで朝からビール(朝ビー)、ランチに昼からビール(昼ビー)も夢ではありません。

スプリングバレー

スプリングバレーブルワリー株式会社 マーケティングマネージャーの 吉野 桜子 氏


 

SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA の営業時間は朝11時〜22時までビアタバーンとして営業。Tap 数は 22 Tap 。これまで工場併設のレストランとして営業していた店舗を改装、メニューもリニューアルされます。

店舗では 380ml グラスで 680 円程度を設定、また DRINX では 330ml 瓶で 400 円台を想定しているとのこと。

 

 

SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA は来週 3 月 25 日(水)オープン、SPRING VALLEY BREWERY TOKYO は来月 4 月 17 日(金)オープンとのことですが、SPRING VALLEY BREWERY TOKYO オープン前の東京ビアウィーク( 4 月 3 日(金)〜 4 月 12 日(日))期間中の 4 月 10 日(金)には「クラフトブルワーズ・トークイベント at SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」(仮称)も行なわれる予定。

本日のサッポロビールの発表でクラフトビール事業に本格的に大手ビールメーカー 4 社が参入した今年、昨年からいち早く着手しているキリンビールの SPRING VALLEY BREWERY のオープン後の盛り上がりが楽しみです。

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yucco/ 瀬尾 裕樹子 アドバイザー

某ブルワリーでの勤務経験をきっかけにビール女子を創刊。ビールの多様性を楽しむビール文化を日本に根付かせるため日々奮闘中。

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