キリン株式会社(以下、キリン)の健康技術研究所が、ビールの苦味成分である「イソα酸」に関する新発見をしました。
ホップの成分が認知症予防に?!
ビールの苦味成分であるホップ。そのホップに含まれる「イソα酸」が、肥満に伴って生じる認知機能低下を改善するということが、キリンによって世界で初めて明らかにされました。
日本を含む先進諸国で進む高齢化。2012年時点で日本では約462万人、世界では約3,560万人以上の人が認知症とされています。しかし、認知症の治療法は十分に開発されていません。ただ、最近の研究によって、肥満や生活習慣病が認知症の発症リスクを高めるということがわかりました。つまり、肥満や生活習慣病の改善が、認知症予防に役立つかもしれないのです。
そして今回キリンが発見したのは、「ホップに含まれるイソα酸が、肥満に伴う認知機能低下を改善する」ということ。ホップが認知症予防に役立つかも!ということですね。
ホップ=薬用植物!
ビールの原料として1,000年以上にわたって使用されているホップは、実は薬用植物としても知られているんです。キリンはこれまでも、ホップに含まれるイソα酸のアルツハイマー病予防効果や生活習慣病改善効果について独自に研究してきました。
今回キリンは非臨床試験によって、肥満に伴って生じる認知機能低下に対するイソα酸の効果を評価。その結果、イソα酸は次のような働きを示しました。
・肥満抑制作用
・肥満に伴って生じる脳内炎症の抑制作用
・肥満に伴って生じる海馬委縮の抑制作用
・認知機能改善効果
つまり、「イソα酸は肥満に伴って生じる認知機能低下を改善する」ということが明らかになったのです。キリンはこの研究成果を、2017年7月にロンドンで開催された「国際アルツハイマー病学会2017年度大会」にて発表しました。
ビールの健康効果も知りたい!
現在はまだ十分な治療法が見つけられていない認知症。その予防に、ビールの魂であるホップの成分が役立つかもしれないなんて、ビール女子としてなんだかうれしい気がしますね。ビールやビール原料の有用性については、ビール会社の研究機関など様々なところで研究されています。ビールを飲むだけももちろん楽しいのですが、たまにはこういった研究にも目を向けつつ、ビールの奥深さをもっと知っていきたいですね!