Interview 渋谷ヒカリエに女性向けビアカフェを実現!-アイビー株式会社 荻原 明子さん-

2014/09/17

女性にとってビールを”もっと身近に感じてもらう”をテーマに、ビールに関わる女性、ビールが大好きな女性にお話を伺う「ビール女子インタビュー」。 第7回目は、今年の7月、「Girls,Beers,Ambitious.ビールで上げよう、世の中を!」をコンセプトに渋谷ヒカリエに「iBeer LE SUN PALM(アイビアー・ルサンパーム)」をオープンしたアイビー株式会社の荻原 明子さんに、オープンに際してお店に込めた想いなどをお伺いしました。

渋谷ヒカリエ女性向けにビアカフェiBeer LE SUN PALMを実現!-アイビー株式会社 荻原 明子さん-

 

7月7日に渋谷ヒカリエ7階の「TABLE7」にオープンしたラッキー7だらけの、まさにハッピーになれそうなお店『iBeer LE SUN PALM(アイビアー・ルサンパーム)』は、コンセプトにある通り、ビールで日本の女の子を元気にしたいというテーマを掲げています。元々、「KIHACHI」や「Afternoon Tea TEAROOM」を手掛けるアイビー株式会社が展開するビールのお店はまるでカフェのような居心地の良さ。こだわりのクラフトビールと、季節ごとの鮮やかな料理が楽しめるビアカフェです。

 

〇実はクラフトビール初心者からの猛勉強


――荻原さんはもともとビール業界に携わっていなかったとお伺いしてますが、普段はどのようなお仕事をされているんですか?

荻原:「LE SUN PALM(ルサンパーム)」というブランドを担当しています。主に商品の企画開発をしています。商品構成やレシピ、店舗でのオペレーションまでを考えています。

 渋谷ヒカリエ女性向けビアカフェiBeer LE SUN PALM仕掛け人-アイビー株式会社 荻原 明子さん-

――ビールに対してはどのようなイメージを持っていましたか?以前からご自身も親しんでいたのですか?

荻原:実は私自身、ビールは全く飲みませんでした。元々ワイン党で・・・(笑)。でも、勉強はかなりしましたよ。まず、ビールは何からできているのか、どうやって造られているのかというところから徹底的に学びました。今は知識を付けたことでビールに対して面白みを感じています。学んで気が付いたことは、クラフトビールにもワインと同じ様に料理との組み合わせを考える楽しみがあるということです。今までは、料理に合わせてビールを選んだりはしませんでしたからね。

 

――ではなぜ今、クラフトビールを主役のお店を展開しようと考えたのですか?

荻原:タイミングは、たまたま今になっただけで、ずっと以前から個人的にクラフトビールをお店に導入したいという考えはあったんです。あるお店でタップが並んでいる光景を見て、ピンと感じるものがありました。普段からトレンドや様々な感度は高くしようと心がけていて、今回は直感ですね。それで、その景色があるお店を自分でも作ってみたかった。そして、ちょうどヒカリエに新店舗を構えるとなったときに、同じフロアにビールのお店もなかったし、そのアイデアを提案したんです。「LE SUN PALM」は立地特性や時代の変化に自由に対応して、前向きな日常を届ける新しいブランドとしてたちあげました。そうした時、クラフトビールは提案として面白いと思ったんです。

ブランドを「LE SUN PALM」に選んだ理由は、アイビーのなかでクラフトビールを取り込むことができるお店はどれかと考えた時に、自然とこの店に決まりました。

渋谷ヒカリエ女性向けビアカフェiBeer LE SUN PALM仕掛け人-アイビー株式会社 荻原 明子さん-

――“ビール×女性”という意外(ビール女子編集部が言うのもなんですが・・・)な組合せを選んだのはなぜですか?

荻原:女性をターゲットにしたのは、ただ単純に女性を応援したいという思いからです。女性が元気だと世の中も元気になると思いませんか?それと女の子は好奇心が旺盛だから、色んな味や香り、ジャケットや色が楽しめるクラフトビールは女子にウケると思いました。なんだかんだ言って、女子もビール好きが多いですしね。

 

〇iBeerで荻原さんの伝えたいメッセージとは?


――“Girls,Beers,Ambitious. ビールで上げよう、世の中を!”と“Beer is Love, Beer is Social”は、女性として大変魅力を感じるコンセプトですが、どういった経緯で決まったのですか?

渋谷ヒカリエ女性向けビアカフェiBeer LE SUN PALM仕掛け人-アイビー株式会社 荻原 明子さん-

 

荻原:コンセプトは、当店舗オープンのプロジェクトに加わったメンバーみんなと話合いで決めました。原案を出したのは、プロジェクトリーダーです。どうしたら女性に響くだろうと、かなり時間をかけて話し合って、このコンセプトと店名はプロジェクトの一番最後に決定しました。コンセプトというより、これは私たちのメッセージですね。

――“ビールで上げよう、世の中を”ということですが、ビールは世の中にどのように関わることができると考えたのですか?

荻原:ビールの中でも特にクラフトビールは、種類が豊富で、造られている国も様々、それぞれ個性的なものが多いです。この特徴はお友達と飲みに来ていただいたときの話題性だったり、楽しみの一つにもなりうると思いました。クラフトビールの話題をきっかけに会話を広めてもらって、お客様同士の交流を活性化できるのではないかと思うんです。会話が弾めば楽しくなって、楽しくなれば世の中は自然と上がってくるんじゃないかと。

 

次のページでは新しいブランド展開でのこだわりやその先についてお伺いしています。



〇新しいブランドを展開することについて。


――アイビー株式会社は今までたくさんの飲食店ブランドを展開してきましたが、このようなコンセプトでのブランド作りは初めてかと思います。他社を見てもここまで”クラフトビール×女性”にテーマを絞ったお店は他に類を見ませんが、特にこわだった点を教えてください。

荻原:そうですね、こだわった点は、とにかく居心地の良さ、気取り過ぎないこと、そして甘くなり過ぎないことです。女性をターゲットにしているので、可愛らしさや親しみやすさ、わかりやすさなどは確かに必要ですが、かといってそれだけに注力せず、ビールに詳しい愛好家の方たちにも十分満足していただけるように、クラフトビールに対するこだわりは捨てませんでした。そのために実際にブリュワリーを訪問したり、ビールについてかなり勉強をしましたし、店舗のスタッフも日々勉強しています。

渋谷ヒカリエ女性向けビアカフェiBeer LE SUN PALM仕掛け人-アイビー株式会社 荻原 明子さん- 渋谷ヒカリエ女性向けビアカフェiBeer LE SUN PALM仕掛け人-アイビー株式会社 荻原 明子さん-

 

――とても可愛らしくおしゃれな店内ですが、参考にされたお店やイメージした国などはあるんですか?

荻原:特に参考にしたお店や、意識した国はありません。ただ以前この場所がカリフォルニアのハンバーガーショップだったので、その影響は若干残っているかもしれないですね。選んだインテリアや女性のイラストレーターさんに描いてもらった壁の絵は、居心地の良い店内の演出としてとても良かったと思います。

 

 

〇女性をターゲットとしながらも、様々なシーンを考えて細部にこだわる。



――ビールも含めとても魅力的なメニューが豊富ですが、女性をターゲットにする上で工夫した点はありますか?

渋谷ヒカリエ女性向けビアカフェiBeer LE SUN PALM仕掛け人-アイビー株式会社 荻原 明子さん-荻原:色の鮮やかさや、親しみ易さです。女の子って、小難しいことやうんちくが好きではないでしょう?なので、ビールメニューについては敢えて詳しいビールの紹介を書かなかったり、ビール初心者の方が選ぶときに「全くわからない」とならないように簡単な説明と、あとは見た目が可愛いとか美味しそうという簡単な選び方ができるようにしました。ドリンクメニューのカテゴリ分けは、スタイル別ではなく、その時の“気分”で選べるようにしてみたり、ラベルでお気に入りを選べるように、その絵を入れてみたりね。フードメニューについては、可愛いだけじゃなく、季節のものやスパイスを取り入れたり、野菜やフルーツを多く使用してヘルシーにしたり、でもボリュームもあって、一緒に来た彼氏や上司など、男性の方でも満足できようなものにしています。最近始めた、ビール付きランチはなかなか好評ですよ。

 

――渋谷をよく利用する女性というと、ビールを飲む世代にしては比較的若い印象がありますが、実際に一月運営されてみて傾向はいかがですか?

荻原:実際に来店される方は、30歳前後の女性が多いですね。そして予想以上に男性のお客様もいらっしゃいます。女性向けの内装にしているので抵抗をもたれるかと思ったのですが、男性同士でいらっしゃる方もいます。ターゲットを絞ったわりには、思いのほか幅広い方にご利用いただいて、リピーターの方もいらっしゃるのは嬉しいですね。

 

 

〇女性が様々なビールを楽しむ文化を創造する。


渋谷ヒカリエ女性向けビアカフェiBeer LE SUN PALM仕掛け人-アイビー株式会社 荻原 明子さん-――“クラフトビール×女性”の親和性についてどのような印象をお持ちですか?

荻原:当店のこだわりやコンセプトの部分と重なりますが、クラフトビールの特徴には、バラエティが豊かで、味が美味しい、香りが良い、そしてビジュアルとしてラベルが可愛い、色が豊富など、女性が興味を持ち易い要素が多いです。そのためクラフトビールという媒体を通して、女性のお客様同士が共通の話題を持てやすいと思うんです。そして会話が弾み、笑顔になって元気になれる、この形が私がビールに期待するところです。それと、お店をきっかけに、造り手(醸造者)側のこだわりや想いにも興味をもってもらえたらとても嬉しいですね。

 

――お店として営業されていくその先には、“女性がビールを楽しめる文化”を作りたいと伺ってますが、手ごたえは感じますか?

荻原:はい、パイントグラスで女性のお客様がぐびぐびと元気にビールを飲んでいる姿を見たときはそう感じます。クラフトビールを介して、女性が元気になってくれればと思っていたので、それを見たときは「あ~、よかったな」と思いますね!

 

お話を聞けば聞くほど、“女性の味方”といった印象のクールで頼もしい荻原さん。そんな荻原さんが手がけたお店だから、可愛さのなかにもスパイスが効いた個性的なお店が誕生した気がします。内装も、メニューも、信念に従って妥協なくこだわり抜いた形跡がいたるところに表れています。

例えば、座り心地の良い、ついつい長居してしまうようなインテリア。清潔感があってきちっとしているけど、カジュアルで気取らないスタッフさんの制服や接客。居心地が良く、親しみやすいけれど、可愛すぎず媚びないお店、そんなかっこカワイイ空間がありました。それは、まさにビール女子にとっても嬉しいお店ではないでしょうか。

 

なんだか疲れて元気が出ない、あの子とたくさんおしゃべりをして盛り上がりたい、なんていう時には絶対におすすめの場所、『iBeer LE SUNPALM』。このお店の細部には“荻原さんの仕事”を垣間見ることができますよ。

 

今回荻原さんを取材したお店はこちら


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『iBeer LE SUNPALM』

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なな瀬 専属リポーター

『ビールがあるところに笑顔あり!』 北海道旭川市出身/ビアソムリエ/ビアジャーナリストアカデミー5期生/過去出演:マガジンハウス『Hanako』、JTBパブリッシング『mani mani 伊豆』/過去執筆:ワイン王国『ビール王国』、KKベストセラーズ『おとなの流儀』

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