女性にとってビールを”もっと身近に感じてもらう”をテーマに、ビールに関わる女性、ビールが大好きな女性にお話を伺う「ビール女子インタビュー」。
第3回目は、常陸野ネストビールを醸造している茨城県の木内酒造で、一般の人でもビール造りを体験できる「手造りビール工房」を担当する鈴木ひとみさんにお話を伺いました。
◯未経験から新卒で入社して10ヶ月、勉強の日々。茨城の良さをもっと伝えたい。
ーー木内酒造で働くようになって何年目ですか?
鈴木 昨年の3月に大学を卒業し、新卒で働き始めたので勤務期間は10か月ほどです。
ーー大学ではどういった勉強をされていたのですか?
鈴木 大学では醸造などは全然関係なく、映画を作っていました。
ーーそこから木内酒造で働こうと思ったきっかけはなんですか?
鈴木 地元が木内酒造のある茨城県那珂市なんです。もともとビールがすごい好きだったので、学生時代はずっとビールを飲んでいて。
大学は東京だったのですが、東京に出てみて、やっぱり茨城はいいところだなと思うようになりました。
茨城をもっと知ってもらいたい、茨城っていいところじゃんと思ってもらいたいなと思っていて。
東京とのつながりからも離れたくはないので、茨城から外に発信している企業はどこだろう、という観点で探していたところ、ちょうど自分の大好きなビールを造っていて、海外を含め外に発信している企業が地元にあったので入社しました。
ーーそれまでは、地元の企業として木内酒造や常陸野ネストビールの認識はありましたか?
鈴木 海外旅行が好きだったので、海外に行った時に全然地元とは関係のないイギリス人が常陸野ネストビールを知っていたり、
あとは東京にでてからお店でビールを飲むようになって、好きなお店が出していたので知るようになりました。
それまで地元にいた時は、全然認識はなかったです。
ーー醸造がしたいという気持ちで入社されたのですか?
鈴木 大学で映画を作っていたのもあって、もの作りがしたい気持ちはありました。なので、醸造もしたいと思っていました。
でも、木内酒造は規模も大きくて、たくさんの重いものを運んだりとか、やはり男性じゃないと体力的に難しいのではないかなと言われて。
手造りビール工房ならビール造りにも関われるし、なにより人とも関われることが魅力的で、それで手造りビール工房希望で入社しました。
ーー大学では全然別の勉強をしていましたが、大変なことは?
鈴木 実際、まわりは農大を出てきたような人たちばかりなので、入るまではハンデだなと思っていました。
でも、入ってみて、今からでも勉強すれば全然あきらめることはないなと思いました。
今はもう、やりながら勉強して、わからないことがあればブルワーに聞いて日々勉強して。
最初は知らない用語とかもあってすごい大変でしたが、やはり自分の好きなことなので、楽しみながら勉強できています。
こちらは手造りビール工房の「糖化」の工程の様子。
粉砕されたモルトの粉がよく溶け込むように混ぜる作業。
ーー実際に就職して、イメージとのギャップなどはありますか?
鈴木 ギャップというか、想像以上に体力勝負だということは感じます。
あと、あたりまえのことですが、ビールの管理が本当に繊細で、みなさんが手造りビール工房で体験されるのは仕込みの段階までなのですが
そこから先の発酵、熟成はものすごく管理が厳密でこれも想像以上です。
◯手造り工房でビールを身近に感じて、もっと楽しんでもらいたい。
ーーそういえばテレビで取り上げられていましたね、影響はありますか?
鈴木 お問い合わせはとても増えています。ありがたいです。
ーーテレビを抜きにして、最近クラフトビールブームなんて言われていますが、その影響は感じますか?
鈴木 ブームの影響は確実にあると思います。
お客様はとても増えていますし、お客様のビールの知識もすごくて、それこそこちらがついていくのが大変で(笑)
ーービール造りが体験できる施設は他にはあまりないですが、どういった思いでやっているのですか?
鈴木 「楽しんでもらいたい」という気持ちが一番です。
ビールをお好きな方はたくさんいらっしゃると思うのですが、どうやって造られるか詳しくご存知の方はまだ多くないかなと。
なので、実際にご自身で造っていただくことでもっと身近に感じてもらって、ふだん飲むビールがより楽しくなっていただきたいです。
ーー手造りビール工房の業務を担当されていて、やりがいを感じられる瞬間を教えてください。
鈴木 事前のお打ち合わせから長いやり取りをして、出来上がったビールをおいしかったと言っていただけることがやはり一番うれしいです。
結婚式用に造られたお客様で、式の写真なども併せて送ってきてくださる方もいて、そういうのを見るとやりがいを感じられます。
手造りビール工房のビール造りの工程を説明する鈴木さん。
ーー逆に大変なことがあれば教えてください。
鈴木 製造と接客をどちらもやらなくてはいけないのが大変ですね。
どちらかがおろそかになってしまってもいけないし、偏ってははいけないので、バランスが重要です。
ーー女性のお客様は多いですか?
鈴木 とても多いですね。
うちは副原料(フルーツやハーブなど風味付けに使用する材料)を自由に持ち込めるので、お料理のように楽しんでいただけます。
以前は男性のコアなファンが多かったようですが、最近は女子会のようにグループでいらっしゃる方も多いです。
ーー たしかに自由度は高いですね。今までで一番面白かった副材料はなにかありますか?
鈴木 「にんにく」を入れられていたお客様はいらっしゃいましたね。
ビール造りではビールのスタイルやホップ、副原料を自由に選ぶことで
オリジナルのビールを造ることができる。
◯ビールは大好き。女性にも飲みやすいものがあるということをもっと知ってほしい。
ーー鈴木さんご自身について、もう少し教えてください。そもそもビール好きになったきっかけはなんですか?
鈴木 もともと大手さんのビールも好きだったんですが、より面白さを知ったのは海外のものを飲むようになってからですね。
大学の時に女性の先輩に海外ビールが置いてあるパブに連れて行ってもらって、そこでさらに色んな種類を知って好きになりました。
一概に苦いから嫌いと思わず、女性にも飲みやすいものがあるということをもっと知ってほしいですね。
ーーどういった種類が好きですか?
鈴木 ベルギーとかのフルーツビールやホワイトビールですね。もともと好きになった入り口がそこなので。
ーーふだんはどんな感じで飲んでいますか?
鈴木 お休みの時などは、東京のビアパブまで遠征して飲んでますね。
お店に行って、その日のおすすめを聞いたりして楽しんでします。
自宅で飲む時はもちろん自社製品です(笑)
家に縁側があるんですが、そこに椅子を出してきて飲むのが好きです。
330mlを1、2本ですが、ほぼ毎日飲んでますね。
ーーやっぱりお強いんですか?
鈴木 そうですね、ビールだったらずっと飲んでいられますね。
最大で3Lくらいは飲めるんじゃないでしょうか・・・?
◯その土地で、その土地のものを楽しんでもらいたい。
ーー今後取り組んでいこうとされていること。特に女性向けになにかあれば教えてください。
鈴木 隣がお蕎麦屋さんですので、お食事とお酒を楽しんでいただく女子会プランといった案はあります。
女性はグループでいらっしゃるので、団体向けの企画を考えていきたいですね。
都心からのお客様が多いので、旅行気分で観光がてら温泉なども併せて楽しんでいただきたいです。
ーー常陸野ネストビールの、地元での認知度はいかがですか?
鈴木 日本酒の蔵元という認知はかなりあると思います。
でも、クラフトビールはまだまだですね。
どちらかと言えば県外や海外の方が認知されているので、地元でももっと認知されたいです。
個人的に土地と食事は密接に関わっていると思っているので、地元の空気の中で常陸野ネストビールを楽しんでいただきたいです。
ーー最後に、サイトを見ている「ビール女子」に一言お願いします。
鈴木 一度試してみたら、絶対にはまると思うので、ぜひ来てみてください!
常陸野ネストビール
木内酒造