岩手県一関市で、「第21回全国地ビールフェスティバル in 一関」が、2018年8月24日(金)から26日(日)に開催されました。国内外の85社のビールが飲めるだけでなく、地元・一関市の食材をつかった美味しいおつまみを一緒に味わうことができるイベントです。
どれを飲もうか、食べようか、いろいろ目移りしてしまいます。そこで、皆さんのおススメビールを飲んでみよう!ということで、ビールリレーを開催してきました。その模様を会場の様子とともにご紹介します!
歴史ある地ビールイベント
「全国地ビールフェスティバル in 一関」は、平成9年から始まり、今年で21回目の開催という、とても歴史のある日本最大級の地ビールフェスです。昨年の来場者数は約3万2,000人!今回は北海道から沖縄までの40都道府県とドイツから85社が出店し、約200種類以上のクラフトビールが楽しめます。地元産食材を使ったおいしい料理は29団体が出店します。
JR一ノ関駅から徒歩5分の距離に、会場となる一関文化センター前広場があります。
駅から会場へ続く道には立て看板が置いてあるので、初めての方でも、お久しぶりの方でも、迷う心配はありません。
それでは、ビールリレー開催!
もうお馴染みになってきましたが、ビールリレーのルールをおさらいしておきましょう。
ビールリレーのルール
(1)最初は会場で楽しんでいるビール女子のオススメビールを飲む!
(2)以降は、紹介されたブルワリーさんのオススメビールを飲む!
グラス付き前売りチケット(3,000円)で、6杯分のビールと引き替えられますので、最初の1杯は乾杯用としていただき、残りの5杯をリレーしていきます。
まずは乾杯しなきゃ!
10時45分、副市長さんの音頭で乾杯!私も喉を潤し、ビール女子との出会いを求めて会場をさまよいます。
超ビール女子&ビール男子に聞いた!
すると突然、「麦酒女子」、「麦酒会長」の言葉が目に飛び込んできました。ステキなTシャツ!これは声をかけずにはいられません。
一関市内からお越しの約20名の団体さんです。全員分のおススメビールを飲むことはできませんので、一つだけおススメしてもらいました。
「早速ですがオススメビールを教えてください!」
1杯目:鳴子温泉ブルワリー 「高原ラガー」
1杯目としてオススメしてくださったのは、宮城県、温泉とこけしで有名な鳴子温泉郷のひとつ鬼首温泉(おにこうべおんせん)にある醸造所、鳴子温泉ブルワリーです。
定番ラインナップは、麦芽のコクを引き出した正統派の「高原ラガー」、鬼首産のお米ゆきむすびを使った和風シャンパンタイプの「ゆきむすび」、山ぶどうの色合いと甘みがそのまま感じられるビアカクテルタイプ「山ぶどう」の3種類です。毎年、地域の他企業との限定コラボ発泡酒などを開発している地域密着型の醸造所です。
醸造長 小野岳志さん
では、ビールリレー1杯目「高原ラガー」をいただきます!
きのこ
<テイスティングメモ>
透明できれいな黄金色。ビアスタイルはライトラガー。麦の甘みがあり、苦みは控えめです。炭酸が程よく、すっきりした味わいです。2004年のインターナショナルビアコンペティション(フリースタイル、ライトラガー部門)で、“金賞”を受賞したそうです。
続いて、醸造長・小野さんのおススメビールを飲みに行きます!
2杯目:仙南クラフト 「ヴァイツェン」
宮城県角田市に位置するドイツ南部の古い町並みをイメージして作られた施設「仙南シンケンファクトリー」内の地ビール工場が「仙南クラフト」です。本場ヨーロッパの麦芽、酵母、ホップなどの原料と、蔵王山麓の雪解け水を使い、ドイツ伝統の製法で醸造しています。長期熟成スッキリタイプの「ピルスナー」、小麦と米粉を使った「ヴァイツェン」、ササニシキを使った「ササニシキIPA」など、素材にこだわったビールを提供しています。
醸造長 岡恭平さん
*撮影のため、規定の量より多く注いでいただきました。通常は9オンスでの提供となります。
では、2杯目「ヴァイツェン」をいただきます!
きのこ
<テイスティングメモ>
濁りのある薄い黄色。ビアスタイルはウィートペールエール。なめらかな白い泡が豊かで、飲む前からおいしいそうです。グラスに鼻を近付けると、バナナのようなフルーティーな香りがします。一口飲むと、ほのかな酸味が心地よく、苦みはほとんど感じません。クローブのようなスパイシーな後口で、さわやかな味わいです。2014年からインターナショナルビアコンペティションで4年連続受賞中とのこと。
続いて、岡さんおススメのビールへ。
3杯目:あくらビール 「ショートサマーセッション」
秋田県、秋田旧市街中央部に位置する地ビール醸造所です。「自然と人間の調和」を理念に、口においしく、身体にもいい、ドイツ・ミュンヘンのバイエルンスタイルのビールを醸造しています。ホップのポリフェノールを残した女性に嬉しい「秋田美人のビール」、あくら発祥の地名(旧川反一丁目)を冠した「川反ラガー」、キィウィ産ホップ使用の「なまはげボック(旧名:キィウィIPA)」など、地元に因んだ名前のビールが有名です。
醸造長 長谷川信さん
*撮影のため、規定の量より多く注いでいただきました。通常は9オンスでの提供となります。
では、3杯目「ショートサマーセッション」をいただきます!
きのこ
<テイスティングメモ>
向こうが見えないほど濁っています。ビアスタイルは、New England Session IPA。鼻を近付けると、フレッシュなホップの青々とした香りがします。飲んでみると、「ホップのジュースですよ!」と、隣の方に伝えたくなるような感動がありました。苦みはほとんどありません。アルコール度数が3.5%と低めなので、一気に飲み干してしまいそうになる、あぶないビールですね。
*New England IPAとは、ホップを大量に使い、フレッシュでジューシーな感じが楽しめるスタイル。ホップを使うタイミングを工夫することで、苦みが抑えめにつくられていて、人気上昇中のビアスタイルです。
この「ショートサマーセッション」は、ノースアイランド麦酒(北海道)、遠野麦酒ズモナ(岩手)、仙南クラフトビール(宮城)、鳴子温泉ブルワリー(宮城)、あくらビール(秋田)の共同醸造ビールです。短い夏にゴクゴク飲めるセッションビールをつくったとのことです。
続いて、長谷川さんおススメのビールへ。
4杯目:ロコビア 「小麦セゾン」
千葉県佐倉市にて、女性ブルワー鍵谷百代さんが1998年より醸造を始めたという10坪程度の小さな醸造所です。「ロコビア」は”local beer” の略。フルーツのような爽快感があるケルシュ・タイプの「佐倉香りの生」、麦芽の風味が豊かで強めの味わいがあるバルチック・ポーターの「平八郎」、爽やかなベルギー風「ライ麦セゾン」など、他にはあまりないビアスタイルのビールを限定でつくっています。
業務執行社員 日塔光一さん
*撮影のため、規定の量より多く注いでいただきました。通常は9オンスでの提供となります。
では、4杯目「小麦セゾン」をいただきます!
きのこ
<テイスティングメモ>
透明できれいな茶色です。ビアスタイルは、ファームハウスエール(グリセッテ)という、ベルギーの炭坑夫が飲んでいたと言われているビールとのこと。ヨーグルトのようなすっきりとした香りがします。飲んでみると、小麦のフワッとした軽い酸味があり、とてもおいしい!ジメジメした暑さを吹き飛ばしてくれそうな爽やかなビールです。
いよいよ最後です。日塔さんおススメのビールへ。
5杯目:BLUE MAGIC 「ユズリーナ・ヴァイツェン」
栃木県宇都宮市でクラフトビールを醸造、販売しているビアパブです。栃木県産の果物や野菜・スパイスを使い、多種多様で完全限定なクラフトビールを醸造し、提供しています。宇都宮でよく見かける「かえる」とビールの概念を「変える」をかけた「アオイカエル」がイメージキャラクターになっていて、ブースを探す時の目印になります。
店長・醸造家 中尾真仁さん
では、ラスト「ユズリーナ・ヴァイツェン」をいただきます!
きのこ
<テイスティングメモ>
少し濁りのある麦わら色。スタイルは、ベルリーナ・ヴァイセ。グラスを受け取ると、さわやかな「花柚子」の香りがします。飲んでみると、細かい泡がシュワシュワとして、酸っぱすぎず、後口はまろやか。酸っぱいビールが得意でない方にも、おススメできる飲みやすいビールだと感じました。ラストにふさわしいすっきりした味わいです。
*ベルリーナ・ヴァイセとは、ドイツの首都ベルリンで造られているビールのこと。「ベルリンの白ビール」という意味で、大麦麦芽以外に小麦麦芽も使われます。また、ビール酵母の他に、乳酸菌で発酵させることもあるため、酸味が特徴的なビアスタイルです。
テーブル席はお早めに
約3万人もの来場者があるイベントですので、ゆっくり座って楽しむことができるか、心配な方もいらっしゃると思います。テーブルがある席は2ヶ所ありましたが、開始早々に席が埋まっていきました。
ステージ前に設けられた大きなテントの下のテント席。ステージでは1時間おきに乾杯があります。何度か乾杯を重ねてくると、周りの方とお話しするようになり、とても楽しい時間を過ごすことができました。
同じ敷地内にある一関図書館下に設けられた長テーブル席は、屋根があるので涼しさを感じます。ステージの声が届かないので、テント席のような一体感がないのが残念です。
ステージイベントは盛り沢山!
メインステージでは、1時間おきに乾杯があります。乾杯と乾杯の間には、三味線の演奏やフラダンスの披露など、さまざまな催しがあります。
時の太鼓の演奏とGBポップジャズオーケストラの演奏
ブルワリー秘蔵のジョッキや非売品のTシャツ、ホップを使ったシャンプーセット、このビアフェスのオリジナルグッズなどのオークションもありました。皆さん、ビールを片手に参加し、大きな気持ちでエントリーをしていました。
また訪れたくなる、楽しいビールイベントでした!
以上、日本最大級の「全国地ビールフェスティバルin 一関」で、ビールリレーをやってきました。訪れた8月25日は最高気温35度という猛暑日でした。そのためか、酸味のあるサワーやすっきりとした味わいのビールが多かったです。
このイベントに参加して、お子様からお年寄りの方まで家族みんなで来ている地元の方が多く、地元のお祭りとして根付いているイベントなんだなと感じました。もちろん地元の方だけでなく、海外も含め、全国各地から参加する人も大勢います。中には、青春18切符で関西から来たという強者も。
毎年、このイベントに合わせて一関を訪れるというビールファンが多いということが、納得できる楽しいイベントでした。オリジナルグラスとTシャツも買ったので、また来年も参加しようと思います!
第21回 全国地ビールフェスティバル in 一関
(2018.08.24~26)
○日時
24日(金)<前夜祭>16時~20時
25日(土)<10時45分・開会式>11時~20時
26日(日)11時~18時
○会場:一関文化センター前広場(岩手県一関市大手町2−16)
○Facebook:https://www.facebook.com/ichinosekibeer/