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Column 【衝撃】人気のビアスタイル“ヘイジーIPA”専用のグラスが爆誕。その味わいを体験してみた

2023/05/08

ビール用の新しいグラスが欲しいなあ

そう思いながら、ぼんやりInstagramを眺めていたある日。衝撃的な投稿が目に入りました。





……………え?

え、え、え〜〜〜〜!?
なんじゃこりゃ〜〜〜〜〜!!!!?

魔法のランプのような、こすったらジーニーが出てきそうな、エキゾチックな形状インパクトしかない


よく読んでみると、これはヘイジーIPAのために造られたグラスで、販売するのは日本初のクラフトビール専門グラスブランドGeek Glass Tokyo」とのこと。

これは、ぜひビール好きの皆さんにシェアしたい…!と、職業病で体がうずいた私たち。

ということで、この謎多きグラス「Geek Glass Tokyo」について深堀りしてみました!ビールのグラスにこだわったことがない人にも親しみやすく、そしてちょっとディープな内容をお届けします。




Geek Glass Tokyoの正体は…


日本初のクラフトビール専門グラスブランドである「Geek Glass Tokyo」。グラスのブランドは数多く存在しますが、「クラフトビール」に特化したグラスのブランドって、珍しいですよね。


具体的にどんな活動をしているブランドなのか気になり、「Geek Glass Tokyo」を運営する髙橋 八聖さんに話を聞いてみたところ、このようなお返事が。

Geek Glass Tokyo 髙橋さん

「Geek Glass Tokyo」は、ビアギーク(※)向けにグラスウェアとコンテンツを提供するブランドです。


グラスウェアは、クラフトビールを味わう体験において欠かせない役割を果たしています。ビアギークの皆様がこのグラスを使うことで、ビールをより一層美味しく愉しめるようにという想いで販売しています。

そして、ブランドとして最も重視しているのは、クラフトビールの楽しさを伝えること。私たちのグラスウェアやコンテンツを通して、クラフトビールへの興味が深まり、ビール愛好家のコミュニティが拡大することに貢献できるよう日々精進しています。

※ビアギークとは:ビールについての知識が豊富なビール愛好家・オタクを指す用語。


クラフトビールに興味を持ち始めた当初、主にアメリカのクラフトビール文化に注目している中で、特にグラスウェアの文化が面白いと感じ、アメリカでしか手に入らないユニークなグラスを輸入していたという髙橋さん。

小規模生産者がプロデュースするようなニッチなグラスも人気を集め、ビールのグラス文化がしっかり根付いているアメリカを見ていて、「日本でもグラスに対する関心を高めていきたい」という想いがだんだん強まり、ブランドを立ち上げたのだそう。


さらに、近年人気のビアスタイル「ヘイジーIPA」に着目し、ヘイジーIPAを最もおいしく飲める形状を研究。こうして、映えある第一弾としてこの個性的なグラスが爆誕しました!

ちなみに、グラスはすべて日本の熟練した硝子職人の手で作っています。現状クラフトビール文化は海外から日本に輸入されることが多いなか、日本も独自のトレンドや製品を生み出し、世界に発信する機会を増やしたいとも考え、海外にアピールできる“日本らしさ”として日本の硝子職人の技術力を取り入れのだそう。


なぜ「ヘイジーIPA」のグラスなの?


グラスにこだわっている人は既に知っていると思いますが、ビアスタイル(ビールの種類)ごとに、それらの個性を最も引き出す専用グラスは数多く存在します。

ワイングラスのように丸い形のグラスは、丸の中に香りが充満するのでホップのアロマ感を楽しめたり、ストレートなグラスはまっすぐビールが口に運ばれてくるので喉越し良く感じたり。グラスは味覚に影響するので、そのビールがもつ個性を最大に引き出すことができるんです。

逆に言えば、グラスが合っていないとそのビールのおいしいポイントを損なってしまうことも。ちと勿体ない、、


\「ビアスタイルに合ったグラス選び」参考/




そんななか、ヘイジーIPAに特化したグラスとはなんとも珍しい。どうして作ろうと思ったのでしょうか?

Geek Glass Tokyo 髙橋さん

クラフトビール業界は過去10年ほどで著しく発展し、トレンドや主要なスタイルは大きく変化してきました。しかしグラスウェアに関してはそれほど進化していません。

特に近年、ヘイジーIPAが非常に人気のあるスタイルとして定着していますが、多くの場合、ヘイジーIPAが広まる前にデザインされたグラスが使われています。そこで、ヘイジーIPAファンとして、そのスタイルにふさわしいグラスを創りたいと思いました。


なるほど!

ちなみに「ヘイジーIPA」とは、ざっくり説明するとこんな特徴を持つビアスタイルです。

ヘイジーIPAってなに?

IPA(インディア・ペールエール)から派生したスタイルのひとつ。2010年代半ば頃からアメリカで人気に火が着き始めた。アメリカ北東部のニューイングランド地方発祥のため「ニューイングランドIPA」とも呼ばれる。

「Hazy」という単語が示すとおり濁っていて、色味はオレンジ色や黄色の見た目。飲み口はフルーティーで超ジューシー!ホップの品種や使用量等によって異なるが、柑橘系の果実やパッションフルーツ、マンゴー、パイナップルなどのトロピカルフルーツを彷彿とさせる香り。通常のIPAよりも苦さが控えめであるため、幅広いビール好きに好んで飲まれる。

■詳細記事
Hazy IPAってどんなビール?世界中で大ブーム!その味わいやおすすめの楽しみ方を徹底解説

髙橋さんも言うように、ヘイジーIPAは近年莫大な人気を博しているビアスタイルの1つ。苦みが少なく、びっくりするほどジューシーなので、もともとビールが苦手な人が「ヘイジーIPAを飲んでビールを好きになった」という嬉しい話もよく耳にします。

※ドイツのグラスブランド「シュピゲラウ」のIPAグラス(左)

しかし、前身である「IPA」に特化したIPAグラスは世に出ているものの(※画像参照)、ヘイジーIPAのグラスはない。

最も有名なシュピゲラウのIPAグラスも、めちゃくちゃ細かく分類すると「ウエストコーストIPA」というまた別のビアスタイルに合わせてデザインされたグラスなのだとか。ウエストコーストIPAは、ヘイジーIPAとは違って爽快な苦みが特徴。もちろん、このIPAグラスでもヘイジーをおいしく飲めますが、もっとマッチする形状があるのではないかと、Geek Glass Tokyoは考えたのだそう。



…かなりマニアックな話になってきました。

仮に、2つの異なる形のグラスを用意して同じビールを注ぎ、あまり気にせずにグッと飲めば、どっちのグラスで飲んでも同じ味わいに感じるかもしれない。そんな少しの差かもしれないけど、その少しの差にも徹底的にこだわり抜く。だから「ギークグラス(Geek Glass)」なんですね。


グラスにこだわらなくても、そりゃおいしいビールはおいしい。でも、少しこだわってみて、新しい食の世界を探求するのも楽しいですよね。


ということで、どんな特徴があるのか体験するため、実際に使ってみました!


実際に使ってみた!


実際に手にしてみると、思っていたよりもコンパクト!手のひらサイズです。


グラスに注いでみると…


かわえええ〜〜〜!!!

お花を挿したり、金魚を泳がせたりしたいくらい可愛いが、それは我慢。


実際に使ってみて、まず深く印象に残ったのが「泡持ち」。泡持ちが本当によくて、通常のグラスに比べてなかなか泡が消えません。

おそらく、口先がかなり狭いので空気が閉じ込められていて、泡が弾けるのが抑えられているようでした。


次に印象に残ったのは、最大限に引き出された「香り」。

丸い形によりグラスの中に香りがみっちり充満していますが、それに加え口先が狭いことも作用し、しっかり中に閉じ込められた香りが一気に狭い経口に集中して向かってくるので、香りが強調されることに。

香水のように、ホップがムワ〜ッ!と香ります


さらにグラスの直径が、鼻先から口にかけての距離とほぼ同じ(わかりやすいように青い線を入れてみました)。

なので、縁に口をつけると、グラスの中に鼻がスポッと入ります。舌で味わいながら、同時に鼻から香りの印象を受け取る感じ。

風邪をこじらせて鼻が詰まると、味がしなくなることってありますよね。それからわかるように、嗅覚は味覚に大きな影響があります。そのため、華やかなホップの香りが活きているヘイジーIPAは、舌だけでなく鼻からも情報をしっかり受け取ることで、最大限の魅力に浸ることができるのかなと思いました。


そして最後に「味わい」。内側から口先にかけて、ゆったりとしたカーブ描かれているので、グラスを傾けた時に一直線にビールが口の中に入ってくることがなく、ゆっくりと運び込まれてきます。ビールが一度に口に入る量が適量になることで、口当たりが滑らかになります。


ちなみに、グラスの形状についてはこんな理由あるのだとか。

Geek Glass Tokyo 髙橋さん

舌の味覚受容器は、エリアによって感じやすい味が異なると言われています。

グラスのリムの形状が工夫されており、ビールが適量に口に流れ込むようになっています。ビールがゆっくりと口に入ることで、甘味を感じやすい舌先から広く舌に触れ、フルーティな味わいを引き立てます。さらに、舌の奥が苦味を感じやすいため、ビールの苦味も緩和される効果があります。


緻密で計算高く、おもしろいぞギークグラス………


あとは、グラスを洗うハードルが高いような気もしましたが、取手がついたスポンジで洗えばしっかり隅々まで洗浄できるので、心配いりません。


ギークの世界を楽しんでみよう


ビールのもつ魅力を最大限に引き出し、より輝かしい一滴を口に運ぶお手伝いをする「Geek Glass」。3種のヘイジーIPAを用意して楽しんでみましたが、それぞれの特徴を十分に堪能することができました。


そして今回話した「ビールとグラス」のお話。少し難しく思う人もいるかもしれませんが、まずはあまり難しく考えすぎずに、Geek Glassに限らずいろんなグラスでビールを楽しんでみてほしいです!「おいしい」の世界が広がると思います。

それから、ヘイジーIPAを愛してやまない皆さんは、ぜひ「Geek Glass」を試してみてくださいね。その沼から、もっと抜け出せなくなるかも。


ちなみに、このグラスは第一弾商品であり、今後も様々なデザインを検討するかもとのこと!今後の「Geek Glass Tokyo」からも目が離せません。

 『Geek Glass』

  • 〇販売方法:受注生産
  • 〇価格:7,000円(税込)
  • 〇URL:https://geekglasstokyo.com/
  • 〇Instagram:https://www.instagram.com/geekglass_tokyo/
  • 〇販売元:Geek Glass Tokyo

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sakko 編集長

「ビール女子」編集長。記事の企画・編集やイベントの運営を担当。小さい頃から、両親が毎日ひたすらビールを楽しそうに飲む姿を見てきたため、「私もきっとビール好きなのだろう」という根拠のない自信と、「大人になったらおいしく楽しくビールを飲みたい」という夢を抱いて育つ。そして、20歳の誕生日を迎えてすぐベルギービールの店で働きはじめたところ、案の定魅了されてビールの世界にどっぷり浸かり、今に至る。

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