皆さんはビール醸造所が併設されたレストランに行ったことはありますか?醸造所併設レストランには、直営店とはまた異なる魅力がたくさんあります。
醸造設備を眺めながら飲めたり、醸造作業が見られたり、出来たてや無ろ過のビールが飲めたりなど。さらには、そこでしか飲めないレアなビールに出会うことも!
そんな魅力いっぱいの醸造所併設レストランは、全国的に少しずつ増えてきています。そして、またひとつ、埼玉県川越にグランドオープンしたと聞きつけ行ってきました。
クラフトビール好きの方ならピンと来た方もいらっしゃると思いますが、川越といえば「コエドビール」です。
今回ご紹介するのは、コエドビールを手がけるCOEDO BREWERY(以下、コエドブルワリー)の醸造所併設レストラン「COEDO BREWERY THE RESTAURANT」。コンセプトとして「ブルワリーのある街づくりの共創」を掲げています。
川越だからこそ誕生したブルワリー
1996年に埼玉県川越市で生まれたコエドブルワリー。はじめは土づくりのために、畑にすき込まれていた麦でビール造りをできないか?という発想からビール造りに挑戦しました。試行錯誤の末、川越の麦を麦芽にすることは断念しましたが、規格外品の川越産さつま芋を用いてビールを醸造することに成功。これが現在の『紅赤 -Beniaka-』とつながります。
“Beer Beautiful(ビア ビューティフル)”をコンセプトとし、ビール本来の豊かな味わいと「ビールを自由に選ぶ」楽しみ方を提案しています。
色彩豊かなラベルや「毬花の紋」のロゴが特徴で、定番ビールとしてさつま芋から造る『紅赤 -Beniaka-』をはじめ、日本の色を冠した『瑠璃 -Ruri-』『白 -Shiro-』『伽羅 -Kyara-』『漆黒 -Shikkoku-』、香り高いホップの魅力を引き出した『毬花 -Marihana-』を造っています。
シックな雰囲気、でもカジュアルな雰囲気を持つレストラン
「COEDO BREWERY THE RESTAURANT(以下、ザ・レストラン)」は、いろいろなビールの楽しみ方を提案する場として2020年7月22日に新規開店しました。コエドブルワリーとしては初めての都市立地型の拠点となります。埼玉県川越は、江戸時代に川越藩の城下町として繁栄したことによって、“江戸のように栄えた町”として小江戸と呼ばれています。蔵造り商家が立ち並び食べ歩きスポットとしても人気の「一番外街通り」、ランドマークの「時の鐘」、縁結びの神様として人気の「川越氷川神社」など見所が多く、年間600万人の観光客が訪れる地。都心からのアクセスもよく、池袋駅からは東武東上線で約30分(急行)、新宿駅からJRで約55分(快速)の距離で、ちょっとしたお出かけにも最適。
川越駅西口から徒歩2分の場所にある複合施設「U_PLACE」1階の奥まった場所に、ザ・レストランがあります。
レストランの外観は黒を基調とし、ゆるやかな流線を描きおしゃれな雰囲気。エントランスの上には“毬花の紋”と「COEDO BREWERY THE RESTAURANT」の文字が白く輝いています。
ガラス越しに醸造設備が見え、お店に入る前からわくわくします。
全面ガラス張りで心地よい店内。座席は全部で60席あり、ソファ席、テーブル席の用意があります。座席が、瑠璃色、紅赤色、毬花色と、コエドビールと同じ色になっているものコエドファンには嬉しいポイントです。
瑠璃色の座席越しに見えるのは発酵タンク。醸造設備は川越市福田にあった「COEDO Craft Beer 1000 Labo」から移設してきました。新しいレストランの中に歴史あるタンクが馴染むようすは、伝統的な製法をもとに新しい解釈で造られるクラフトビールの世界観を表しているよう。
野菜にこだわるシェフがつくるアジアンフレンチ
タップ数は8個。コエドビールの樽生「白」「毬花」「瑠璃」「伽羅」「漆黒」「紅赤」の定番の6種類に加え、限定醸造やシーズナルビールの2種類が提供されます。提供サイズはS(250ml)、M(300ml)、L(500ml)の3種類、液種に合わせたグラスが用意されています。
さっそく併設ブルワリーで初めて醸造したという『FRESH HOP(Mサイズ、税別700円)』をいただきます。山梨県北杜市のホップを栽培している小林農園の2種類のホップ(かいこがね、信州早生)を使用したフレッシュホップエール。コエドの社員さん達もホップの収穫を手伝い、その翌日に小林さんと一緒に仕込んだビールです。
料理は「KIHACHI CHINA」出身のシェフ・長瀬和雄さんによる中華料理をベースにしたアジアンフレンチと手づくり点心などが楽しめます。『四川風 よだれ鶏』などのタパスは500円、『青ザーサイのナムル』などの小皿は380円、シェフ自慢の『ザ・ハウスサラダ(850円)』、餃子や焼売などは380円~、2~3名でシェアできる『土鍋仕立ての麻婆豆腐』『あべ鶏の唐揚げ』などのメインも980円から、とリーズナブルな価格設定(全て税別)。
大のビール好きという長瀬シェフは、ビールと料理のペアリングを考えるとき、まず野菜との相性から考えるほど、野菜にこだわりをもっているそう。ぜひ野菜とビールの相性も確認したいですね。
期間限定のおすすめのメニュー『クラフトビーフ 上カルビ 黒コショウ炒め(税別1,800円)』をご用意いただきました。
クラフトビーフとは、ビールの仕込み工程で出てくる麦芽カスを食べて育った「国分牧場」の牛肉のこと。付け合わせは日によって変わるそうですが、この時はクレソン、青ナス、ズッキーニ、パプリカ、マッシュルーム、エリンギ、しいたけなど、色とりどりの野菜ときのこが添えられています。
クラフトビーフと合わせるのは「漆黒 -SHikkoku-(Mサイズ、税別600円)」。漆黒のビアスタイルは「ブラックラガー」で、重たすぎないスムーズな軽やかさ、旨味のある黒ビールです。アルコール度数は5%。
平日のランチタイムには、『あんかけご飯』、『あんかけ焼きそば』、『ベジ麺』、『担々麺』(全てランチサラダ付き)などの週替りセット(税別900円)や、サラダと水餃子にメイン(中華粥、ベジ麺、担々麺から選択)がセットになった飲茶セット(税別1,500円)もありおすすめです。
小規模ブルワリーならではのクラフトビール造り
コエドブルワリー発祥の地でもある川越市福田から移設した醸造設備。1回に1,000L仕込むことができます。
発酵タンクがずらりと並ぶ発酵室。東松山にあるブルワリーでは、工程ごとに担当が決まっているそうです。しかし、こちらのブルワリーでは、レシピを造ったブルワーが仕込みから発酵まで、全ての作業を一人で担当し、東松山の工場とはまた違った緊張感で作業を進めているそう。
小さな窓口でお手軽にテイクアウト
ブルワリー側にある「COEDOKIOSK」の看板が掲げられた小窓は直売所です。瓶や缶の販売はもちろん、定番ビールや限定ビールの量り売りも行っています。「COEDOKIOSK」は12時から20時までの営業で、レストランとは時間が異なりますのでご注意ください。
量り売りでは、ビール専用ペットボトル(450ml)やグロウラー(ビールが持ち運びできる専用の水筒)に充填してもらえます。充填する機械「クラフタップ3」は、充填前にペットボトルやグロウラーの中を炭酸ガスに置き換えてくれるので、ビールの酸化を最小限に抑えられるという優れもの。オリジナルグロウラーは冬頃の販売予定です。
ちょっと散歩しながらビール飲みたいな、なんて時に便利なプラカップでのテイクアウト販売もあります。直売所からレストランの入口を超え、そのままお店沿いに進んでください。コエドの看板の近くのテイクアウト窓口から、定番6種類のビールが全て税込500円で販売しています。
小江戸川越観光の目的地にいかが?
コエドブルワリーは、これまでCOEDOが生まれた場所やそこに住む地域の人々との繋がりを大切にしてきました。ザ・レストランは、COEDO BREWERYとしては初めての都市にあるブルワリーとなり、ザ・レストランを通じて、地元の方や、川越を訪れた人と共にブルワリーがある街づくりを創ろうとしています。
これまでの店舗とは違い、交通手段を気にせずにコエドビールをたのしむことができます。そして、ブルワリー併設のレストランならではの魅力も堪能できます。小江戸川越観光の目的地の一つとしてザ・レストランを訪れてみるのはいかがでしょうか。コエドビールを飲んで、おいしい食事をすれば、この街のよさを知ることができそうです。
COEDO BREWERY THE RESTAURANT(コエドブルワリー・ザ・レストラン)
〇住所:埼玉県川越市脇田本町8番地1 U_PLACE 1F
〇TEL:0492-65-7857
〇営業時間
【平日】ランチ 11:30〜15:30(L.O 15:00)、ディナー 17:00〜22:00(L.O 21:00)
【土日祝】11:30〜22:00(L.O 21:00)
〇定休日:無休
〇座席数:60席
※新型コロナ感染予防対策のため、席は余裕を持ってご利用いただいています。
〇支払い形式:レジ会計
〇COEDO BREWERY 公式ホームページ:https://www.coedobrewery.com/jp/
〇Facebook:COEDO Brewery The Restaurant
〇Instagram:coedo_brewery_the_restaurant
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