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Column みんな大好きフライドチキン!部位ごとにぴったりなビアスタイルを探してみた

2020/12/25


たくさんの人に愛されるフライドチキン。みなさんは部位ごとに食べ比べてみたことはありますか?

部位によって脂がのっていたりさっぱりしていたり…お気に入りの部位がある方も多いかと思います。しかし、部位ごとにビールとのペアリングをしたことがある方は、なかなかいないのではないでしょうか?「もしかしたら同じチキンでも部位によって合うビールのスタイル(種類)が違うのかも…?!」と思い、追究してみました!



チキンの部位って何があるの?

「チキンの部位」と聞いて、何種類思い浮かびますか?皆さんがよく食べるあのフライドチキンは、なんと「5部位」あるそうです。
にわとりの体の中をのぞいてみると、こんな感じです!


実は上半身と下半身にも名前があり、上半身は「ホワイトミート」下半身は「ダークミート」と呼ばれています。

ホワイトミートは3つに分かれています。
・キール(胸)
・ウイング(手羽)
・リブ(あばら)

そして、ダークミートは2つに分かれています。

・サイ(腰)
 ・ドラム(脚)

こうして見てみると、奥深い世界が待っていそうな予感がしてワクワクしてきました!


実食してみよう!

それでは実際のフライドチキンを見てみましょう。



すごい存在感!見ているだけで食欲をかき立ててくれる、揚げ物の王道たる美しいビジュアル…まさに眼福です。上段がホワイトミートで、左からキール、リブ、ウイング。そして下段がダークミートで、左からサイ、ドラムです。

そして、肝心なビールとの組み合わせですが、ペアリングの方法はたくさんあります。例えば、下記の通りです。

同じ発祥国で合わせる
同じ色で合わせる
同じ風味で合わせる
などがあります。

▽詳しくはこちら!
入門ガイド【イラスト解説】3つのコツでビールがもっと楽しくなる!ビールと料理の「ペアリング」って何?

フライドチキンは、すべて調理方法は同じで色も同じ…ということで、③の「同じ風味で合わせる」で試してみました!
用意したビールは7種類。全て違うビアスタイルで用意し、写真左側にスッキリした味わい、右側にコクがあるビールを並べています。


想定として、サッパリしているホワイトミートが左側のビール、脂身があり濃厚な味のダークミートが右側のビールに合うんじゃないかな?とシンプルに考え、こちらのラインナップを準備。どんな結果が待っているかな…わくわくします!

それではさっそく、ペアリングスタート!
まずはホワイトミートから。



その1:キール(胸)


一口食べると…柔らかい!でも肉厚でかみごたえがあり、肉質はサッパリしていて飽きのこない印象。ずっともぐもぐしていたい。鶏胸肉は多くのご家庭でも親しみのある部位なので、味の想像ができる方も多いかもしれません。

ジューシーさ:★★★☆☆
味の濃さ:★★☆☆☆

ということで、キールに合うビールはこちら!

【水曜日のネコ】
ブルワリー:ヤッホーブルーイング
ビアスタイル:ベルジャン・ホワイトエール


ベルジャン・ホワイトエールは小麦やコリアンダー、オレンジピールを使用したビールで、柑橘を思わせる味わいがあります。よく白身魚やサラダを合わせることが多いですが、 チキンでも同じように、主張の強くないシンプルなタイプがしっくりきました!


その2:ウイング(手羽先)


お肉の繊維がしっかりしていて、ほろほろほぐれやすい。脂が多くなく少しボソッとした感触もあって、キールよりもあっさりした印象でした。手羽先は、運動量が多い分脂肪が少なめなのかもしれません。

ジューシーさ:★★☆☆☆
味の濃さ:★★☆☆☆

ウイングに合うビールはこちら。

【パンクIPA】
ブルワリー:BrewDog
ビアスタイル:IPA




パンチのある苦みと、ホップのフルーティな香りが特徴的なIPA。脂が少なくほぐれやすい肉質には、その苦みがプラスにはたらいて絡みつき、相性がとてもよかったです。IPAは肉汁たっぷりジューシーなお肉の方があうかな〜という印象が強く、 ホワイトミートで想定していなかったので、とても興味深い組み合わせでした。


その3:リブ(あばら)


リブは、ホワイトミートの中でも一番脂っこい!とっても柔らかいのですが、肉本来の柔らかさというよりも「脂由来の柔らかさ」といったような食感。ホワイトミールは全部あっさりしているのだろうと思い込んでいただけあって、こんなにジューシーだとは驚きです。この後紹介するダークミートも含め、一番濃厚に感じました。

ジューシーさ:★★★★
味の濃さ:★★★★

リブに合うビールはこちら!

【ベルエアサワー】
ブルワリー:ブルックリン・ブルワリー
ビアスタイル:サワーエール


軽やかな酸味がしびれるほどおいしいサワーエール。こってりしているお肉はおいしいけれど、少し食べ進めていくと脂が重たく感じてきてしまう。そんな時にサワーエールの酸味が口の中をリセットしてくれました。サワーエールは比較的さっぱりお肉が比較的合うのでは?と想像していたので、いい意味で期待を裏切るベストコンビ!


【アンバーエール】
ブルワリー:常陸野ネストビール
ビアスタイル:アメリカンアンバーエール



凝縮されたモルトの旨味を感じる赤褐色のアンバーエール。先に紹介したサワーエールは、酸味がチキンのこってり感を引き算してちょうど良いバランスを整えてくれた一方、アンバーエールはチキンの旨味に足し算をして、より味わい深くしてくれて包容力がある感じ。真逆なタイプのはずが、どちらも良い反応がおきていて、とても感動しました!


続いてダークミートを食べ比べてみましょう!


その4:サイ(腰)


サイはとにかく大きい!一番大きくて、食べ応えは抜群。肉そのものは肉厚で引き締まり、あっさりした印象もありましたが、こちらはとにかく面積が広いためかどこをかじっても、味付けしっかりな衣が一緒についてくるので、かなり脂身のインパクトが強めです。


ジューシーさ:★★★★☆
味の濃さ:★★★★☆

サイに合うビールはこちら!

【瑠璃 -Ruri-】
ブルワリー:COEDO BREWERY
ビアスタイル:ピルスナー



ボディが比較的軽めで爽やかな喉越しが特徴のピルスナー。バランスがよく、食事を引き立たせてくれるのでよく食事中にも楽しまれるスタイルです。今回の瑠璃はチキンと組み合わせると普段よりもほのかに甘く感じて存在感がアップし、とても良いコンビネーションでした。


【ベルエアサワー】
ブルワリー:ブルックリン・ブルワリー
ビアスタイル:サワーエール



ベルエアサワーはリブに続いて二度目の登場ですが、やはりジューシーなものにぴったり。 濃厚な脂を口にした後にきちんとお口直しをしてくれる、最高の組み合わせに思わず舌鼓を打ってしまいます。



その5:ドラム(脚)


最後は脚の部分です。ウイングと同様、運動量の多い部位であるドラムはかなり筋肉質で引き締まっていますが、ウイングと違う点はお肉がほろほろというよりも、プリッとしているところ。そして肉の質量が他よりも多くない分、どこを食べても衣の味をがっつりと感じるような印象。そして、骨の付近にコラーゲンも発見しました!特有のぷるっとしたゼラチンがまたたまりません…

ジューシーさ:★★
味の濃さ:★★★

ドラムにあうビールはこちら!

【ライジングサン ペールエール】
ブルワリー:ベアードビール
ビアスタイル:ペールエール



ペールエールの香り高いモルティな味わいはいろんなチキンに合いました。そんな中でも、ピンポイントですが、個人的にはコラーゲンのプリッとした食感との出会いが最高でした。フライドチキンを食べて、まさかコラーゲンとのペアリングに感動するとは食べ比べる前は想像もつかなかったです!

【スタウト】
ブルワリー:箕面ビール
ビアスタイル:スタウト



よく鍛えられたであろう筋肉質でモリっとした厚いお肉を食べたあとに、すぐにコクがあり香ばしいスタウトを口に含むと、素晴らしい調和が生み出されました…!黒ビールの中でも、アルコール感や甘みがしっかりしたものより、苦みや香ばしさがしっかりしたものを合わせるのが◎。

みなさんもぜひ、お試しあれ!


各部位で全く違う顔を見せるフライドチキン。組み合わせるビールも「いいね!」と思うものは様々で、とても奥深い世界でした。
今回試してみたペアリングはもちろんおすすめですが、ぜひ皆さんも自分のベストコンビを見つけてみて、楽しんでみてください!

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ライターの紹介

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sakko 編集長

「ビール女子」編集長。記事の企画・編集やイベントの運営を担当。小さい頃から、両親が毎日ひたすらビールを楽しそうに飲む姿を見てきたため、「私もきっとビール好きなのだろう」という根拠のない自信と、「大人になったらおいしく楽しくビールを飲みたい」という夢を抱いて育つ。そして、20歳の誕生日を迎えてすぐベルギービールの店で働きはじめたところ、案の定魅了されてビールの世界にどっぷり浸かり、今に至る。

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