ビール女子のみなさま、こんにちは! ポートランド在住の東リカです。
今回は、ポートランドの人気ブルワリー「カルミネーション・ブルーイング(Culmination Brewing)」に、初の日本人女性インターンが入ったと聞き付けて、さっそくお会いしてきました。
開店当初からビール好きに愛されるブルワリー
「カルミネーション・ブルーイング(以下、カルミネーション)」は、ポートランドの北東地区にあるブルワリー。
日本でのイベント参加や複数の日本のブルワリーとコラボビールを作ったりしているため、日本でもその名前を聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。
このブルワリーは、1種類のビールが得意というよりも、自在に作り出す様々なスタイルのビール全てのレベルが高く、独創的なことで知られています。2015年にオープンすると、2016年度の「オレゴン・ビール・アワード」で「ベスト新規ブルワリー(Best New Brewery)」に選ばれるなど、開店当初からクラフトビール好きに愛されてきました。
このブルワリーでインターンを務めたのは、元ヤッホーブルーイング社員の家住弘子(いえずみ・ひろこ)さん。帰国当日の昼間、カルミネーションでインターン体験やブルワリーの魅力について語ってくれました。
ビールを通して知り合った人たちの優しさに感動
家住さんは、就職活動中にたまたま口にした『インドの青鬼』の味に感動し、興味を持ったヤッホーブルーイングに大学院卒業後、新卒で就職。7年間、その急成長を目の当たりにしながらビールの品質管理などを担当していました。地元京都への引越しのため、ヤッホーブルーイングを退職してからは商社でも働いたそうですが、一度クラフトビールから離れたことで改めて「この業界が好きで、クラフトビールの造り手として仕事をしたい」と感じたそうです。そして、そのためにはまず英語力を高めようとクラフトビールも身近なポートランドへ語学留学にやってきました。
そんな家住さんがカルミネーションでインターンを務めるきっかけをつくったのは、ホームステイ先のホストマザー。クラフトビールの仕事をしたいと夢を語る家住さんのために友人に声をかけ、インターン口を探してくれたそうです。
「カルミネーションが、英語も拙く、経験面や力仕事でもほとんど戦力にならない私を受け入れてくれたことに正直、驚きました」と家住さん。約1ヶ月半に渡り、語学の授業の後インターンとして毎日数時間、その時々の仕事を見学したり、できる作業を手伝ったり、ダイアセチル(オフフレイバー)の検出法を教えてもらったりと広く浅くブルワリーでの仕事を学びました。
安全に働くための徹底した教育や新しいビールに挑戦するフットワークの軽さ、また味への厳しさには特に感銘を受けたそうです。「知っているつもりになっていたけれど、まだまだ知らないことがたくさんあることが分かった」ことも大きな収穫だったとか。
インターン中は「質問をすると、みんなの作業を中断してしまうから、毎回とても緊張した」そうですが、ブルーマスターのコンラッドさん(写真左)をはじめ、カルミネーションの面々が「寂しくなるよ。いつでも戻っておいで」と彼女に声をかける様子から、熱心に学ぼうとする彼女がみんなに好かれていたことが伝わってきました。
家住さんにビールの魅力を尋ねると「クラフトビールの味はもちろんですが、その周囲にいる人が好きなんです。ビールを通して新しい人と知り合うことにワクワクします。カルミネーションもそうですが、嫌々仕事をしている人は一人もいなくて、誰もがビール作りに情熱と誇りを抱いていると思うんです。そして業界全体のために、助け合う精神があります」と、丁寧に語ってくれました。
彼女がモットーとする「諦めないで飛び込んでみる」ことで、周りにも勇気を与え、これからも道を切り開いて行ってほしいです!
年間80種類のバラエティ
家住さんが、ずらりと並ぶタップリストを見ながら「追いつけないほど頻繁に新しいビールがタップ入りするのにどれも美味しい」と話してくれましたが、20種類から1つを選ぶのは至難の技!せっかくなので、今回は家住さんのオススメをフライト(5種類:$15)で試してみました。
選ばれたのは、カルミネーションのシグニチャービール『Phaedras IPA』、セカンドシグニチャーの『Sour Flower』に加えて、『A West Coast Story IPA』、『Additive Synthesis Czech Dark Lager w/Coffee』、『2019 Kriek Mythology - Barrel Aged Cherry Sour』とバラエティ豊かです。さらに、スタッフの方が「ヘイジーが入っていないじゃない!これも飲んでみて」と『Electric Daydream Hazy IPA』を追加してくれました。
評判通り、どれも本当に美味しくて大満足です。IPA好きとしては、シグニチャービールの『Phaedras IPA』はもちろん、『A West Coast Story IPA - Simcoe & El dorado』が特に気に入りました。
セカンドシグニチャーだという『Sour Flower』は、毎回フレイバーが変わるサワービールで、今回は爽やかなブルーベリー&ラベンダーを使ったものでした。色も美しく、青空に映えます!
ビールとの相性も抜群なフード
また、カルミネーションはフードのクオリティの高さも知られています。家住さんのお気に入りは、ちょっと甘めのベーコンが入ったCandy Bacon BLT($12)。新鮮な野菜と甘くてカリカリのベーコンがビールに合う!
また一番人気のHouse Pretzel ($5)もビールの当てにぴったりでした。熱々のプリッツェルに$1でビアチーズのディップを追加するのがおすすめです。
親日家を公言している上に、おいしいビールを年間なんと80種類、多いときは100種類も造るというカルミネーション・ブルーイング。ポートランドに来たら、ぜひ訪れてみてくださいね!
Culmination Brewing
◯住所:2117 NE Oregon St, Portland Oregon 97232◯電話番号:(971) 254-9114
◯HP:http://culminationbrewing.com/