Bar 4つのビールを7種類の注ぎ分けで提供する専門店が大船にオープン！28種類の味わいからお気に入りを探してみて

「同じビールなのに、味が違う！」という体験をしたことはありますか？
じつは、その違いを生み出す秘密は“ビールの注ぎ方”にあります。

ビールを注ぐ人を「注ぎ手」、注ぐ方法を変えることを「注ぎ分け」と呼びますが、優れた注ぎ手が在籍するお店や注ぎ分けをしているお店には、その技術や味に魅了されたファンが集います。


今回、神奈川県大船に“昭和の復刻ビールサーバー”を使って大手ビールメーカーの“4銘柄のビール”を“7種類の注ぎ分け”で提供する生ビール専門店「BEER STAND MINATO（ビールスタンドミナト）」が新規オープンしたという一報が入りました。しかも、これまでビールサーバーを作っていた方が、注ぎ手へと転身したというのです。「これはとっても気になる！」ということで、さっそく行ってきました！

駅から徒歩3分で注ぎ分け体験へ

ビールスタンドミナトは、JRと湘南モノレール「大船」駅より徒歩3分の商店街の中にある、居酒屋やラーメン屋などが入るビルの1階にあります。


サングラスをかけてグラスを手にする女性の白い看板が目印。


元はチケットショップだった場所を改装したお店。ガラス越しに店内の様子が伺えます。


白を基調としたこじんまりとした店内は、明るくて清潔感があり居心地のよい雰囲気。カウンター7席のみで、下には荷物掛け、壁側には上着掛けがあります。感染症対策のためのアクリル板も設置。

注ぎ分けるのは国内大手メーカーのビール

素敵な笑顔で出迎えてくださったのはオーナーの木村明宏さん。前職はビールサーバーを作っていた職人さんでした。


ビールスタンドミナトでは、昭和のビールサーバー「スイングカラン」（復刻版）を使います。「カラン」とはビールの注ぎ口のことで、蛇口のようにハンドルを回すとビールが出たり、止まったりします。このハンドルが左右にスイングするので「スイングカラン」と呼びます。


スイングカランは昭和初期～40年代のビアホールで主流となった設備ですが、ビールホースが太く、ビールの流れの勢いも強いため、注ぎ手の技術が問われていたそうです。その後、泡出し機能付きのビールサーバーの登場し、誰が注いでも一定のクオリティでビールを注ぐことができるようになりました。そのため、技術が求められるスイングカランは自然淘汰されることに。今では、スイングカランが稼働しているお店は全国に40店舗もないそうです。

そんな貴重なスイングカランで注ぎ分けるビールは、『アサヒ樽生（マルエフ）』『キリンラガー』『サッポロ黒ラベル』『サントリー　ザ・モルツ』の4銘柄。

注ぎ分けることで伝えるスタンダードビールの魅力

ビールスタンドミナトでは、4銘柄のビールを7種類の注ぎ方で提供します。

『一度つぎ（税込590円）』：はじける泡と爽快なのどごしがたのしめる、キリッとした一杯。
『二度つぎ（税込590円）』：味わいの深さとキレのバランスが絶妙な、麦の香りが引き立つ一杯。
『三度つぎ（税込590円）』：炭酸と苦みが抑えられ、ビールの優しい甘みが感じられる一杯。
『ミルコ（税込390円）』：グラスをクリーミーな泡で満たす、チェコ特有の飲み方。牛乳のような口当たりの新感覚の体験ができる一杯。

こちらの4種類が基本の注ぎ方で、「一度つぎ」「二度つぎ」「三度つぎ」の泡をクリーミーな泡に入れ替えた注ぎ方もあります。その名前が順番に『OFUNAつぎ（税込590円）』『MINATOつぎ（税込590円）』『マイルド（税込590円）』。

このように注ぎ分けは全部で7種類あり、ビールは4銘柄あるので、全部で28通りの味わいを体験することができます。

泡をたっぷり溢れさせて注ぐビール！

私もさっそく体験します。ビールは「マルエフ」を選び、メニューに“恐らくここでしか味わえない一杯”と紹介されていた「MINATOつぎ」をオーダー。


「MINATOつぎ」は「二度つぎ」で自然にできた泡を、クリーミーな泡で入れ替えるというもの。ぜひ注いでいる最中に注目していただきたいです。氷水で4度に冷やしたグラスに、まず二度つぎを行います。そして、いよいよ泡を入れ替えますが、このとき「そんなに溢れさせていいんですか！？」というくらい、グラスから泡が溢れていきます。


そうして完成したのがこちらです。

きれいに洗浄されたグラスに注がれたビールは、とってもきれいな黄金色で、白い泡はきめ細かくクリーミー。飲んでみると、泡のなめらかさに驚きます。続いて、泡の温度とビールの温度の違いを感じます。麦の味わいと炭酸によるキレのバランスが絶妙で、飲み込んだ後の麦の香りが引き立ちますね。

まるで牛乳！クリーミーな泡を心ゆくまで

続いて、見た目が気になる「ミルコ」をオーダー。同じ「マルエフ」にしました。


このグラスいっぱいの泡を見てください！「泡が液体に戻る前に楽しんでください」とのことなので、急いでグラスを手に取りいただきます。

泡がとってもクリーミーで甘い！ほんのりはちみつを感じます。牛乳のようにゴクゴクと泡を飲むのはおもしろい感覚。他の銘柄でも頼んで、飲み比べたくなります。

28種類の組み合わせがあるとなると、いろいろと探求したくなりますが、1日では難しいですよね。また訪れて試したいと思います。

メニューには味の違いが分かりやすい『つぎ分け体験セット（税込890円）』もあります。「一度つぎ」と「マイルド」の2種類を小さめのグラスで提供されるセットで、おひとり様1セット限定。初めて来店された方は、まずこちらのセットを頼む方が多いそうです。

主役のビールを邪魔しないフードメニュー

ビールを飲んでいるとお腹も空いてきましたので、看板メニューだという『豚肉のビール煮込み（税込600円）』をお願いしました。使用するビールはその時によって変わるとのこと。

豚肉がとても柔らかく、口の中でほろほろと溶けるよう。ソースはスパイシーでコクがあり、優しい甘み。ビールがすすみます。


ビールといえば枝豆ですよね。ということで、『枝豆のビール漬け（税込300円）』もお願いしました。

ビール漬けということもあり、より一層ビールと合います。使用したビールと一緒に合わせるのも楽しそうですね。

その他に『合鴨の味噌漬け（税込400円）』『カラフルピクルス（税込300円）』『たこわさび（税込300円）』『ナッツ＆プレッツェル（税込300円）』など、ビールに寄り添うようなメニューが手頃なお値段で用意されています。

多くの人がビールを求めて立ち寄る「港」のようなお店に

真剣な眼差しでビールを注ぎ分ける姿が印象的な木村さんに、いろいろとお話を伺いました。

ー以前はビールサーバーを作られていたそうですが、どうしてビールを注ぎ分けるお店を出そうと思われたのですか？

ーそれは一大決心ですね！ところで、なぜ出店場所に大船を選ばれたのですか？
ー店名も大船に関係しているそうですね。
ー素敵ですね。ちょっと疲れたときや仕事終わりに、おいしいビールを飲むと「よし！次も頑張ろう！」という気になりますよね。続いて、ビールについて教えてください。なぜ1つの銘柄ではなく4つの銘柄にされたのですか？
ーでは、BEER STAND MINATOで、どのような楽しみ方をしてほしいとお考えですか？
ーありがとうございます。最後に読者の方へメッセージをお願いいたします。



ビールは日々の疲れを癒やすものであり、明日の活力の源にもなりますよね。気楽に立ち寄れて、ほっとできて、おいしいビールが飲めるお店。そんなお店があれば、ついつい通ってしまいそうです。

スイングカランで大手メーカーのスタンダードビールを注ぎ分けるBEER STAND MINATOで、あなた好みの味わいを見つけてみませんか？素敵な笑顔の木村さんがいつでもあなたが「港」に帰ってくるのを待っていますよ。