※記事の最終更新日:2022年3月25日
こんにちは。イラストレーターの楠木雪野(くすききよの)です。これから5回に渡り、「ビール女子のためのビール入門ガイド」をご紹介していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
ビールのこと、もっと知って、もっと美味しく!
「ビールを飲むのは好きだけど、実は詳しいことはよく知らない」、「いろんな種類の説明を聞いても、なかなか覚えられない」、「大手の缶ビール以外も挑戦してみたいけど、よくわからない」 そういう方はけっこう多いのではないでしょうか。私もそんなタイプでした。
「だけどビールのことは大好き!」、「NO BEER, NO LIFE といっても過言ではない!」、「ビールのことをもっと知って、もっと美味しく楽しく飲みたい!」 そんな方々のために、この連載ではビールの基礎知識を紹介していきます。 今まであまりビールのことを知らずに飲んでいたビール女子読者の皆さんに、ビールのことをより好きになっていただければ幸いです。 ビールの魅力を知って、よりおいしく楽しいビールライフを送りましょう!
とりあえず4つだけ覚えよう!ビールの原料
さっそくですが、私たちの喉と心を潤してくれるビール、何からできているのでしょうか。 いろいろあるのですが、ひとまず4大原料はこれ!
「モルト」「ホップ」「酵母」「水」です。
モルト:「麦芽」とも言い、発芽させた大麦のこと。
ホップ:ハーブの一種で、ビールに苦味や香りを付けます。
酵母:簡単に言うと、生きている菌類。糖質をアルコールと炭酸ガスに分解して分裂、成長します。(この働きが、よく聞く「発酵」です。)
今日はこれだけ覚えてもらえればOK!…なのですが、この4つ以外にも原料はあります。
4つ以外にもいろいろある!「副原料」
この4大原料の他に使われることがある原料は「副原料」といわれています。 日本では酒税法によりビールに使える副原料を以下のように定め、これ以外の原料を使うとそれは「ビール」ではなく「発泡酒」とされています。
しかし「副原料」以外の様々な原料も、味や香りや色に豊かな特徴を与え、ユニークなビール造りに多用されています。 日本ではそれらを使うとビールに見えても「発泡酒」になるんですね。ちょっとややこしいですね。海外ではそのような決まりはない場合が多いです。 ※「ビール」と「発泡酒」の違いについて、さらに詳しい記事はこちら! →「ビール」と「発泡酒」って何が違うの?今さら聞けない、ビールのはなし。
ところで、「クラフトビール」って何??
さて、ところで「クラフトビール」という言葉、よく耳にするけれど、一体どんなビールを「クラフトビール」というのでしょうか? 実はこれ、簡単に説明するのがちょっとむずかしいのです。
まず、日本では今のところ明確な定義はありません。 アメリカでは、「ブルワーズ・アソシエーション」という協会によって「クラフト・ブルワリー」の条件が定められています。その条件は、「小規模であること」「独立していること」「伝統的な原料や製法で造っていること」。
そんなアメリカでの定義がそっくりそのまま日本にも当てはまるわけではないのですが、その流れをくんで、日本でもクラフトビールとは「いわゆる大手ビールメーカー以外の、地域密着型の小規模な醸造所で造られるビール」と説明されることが多いです。
特徴としては、品質が重視されていること、大手のビールに比べはるかに種類が豊富で、多様な個性あふれるビールが楽しめること、などがあります。
しかし最近では、大手ビールメーカーがクラフトビール市場に参入したり、伝統的な様式を踏襲したものもあればユニークな副原料を使った独創的なものもあったりと、規模や地域性、原料・製法だけでクラフトビールを定義するのは窮屈になってきています。
個人的には、クラフトビールとは、そのビールを飲んだ時に、より良い品質を目指しより美味しいビールを造ろうとする造り手の存在感が感じられるようなビールだと思っています。 そしてさらに「何がクラフトビールで何がそうではないか」という定義づけは、もしかすると今後不要になっていくのかもしれない、とも思います。
けれど、「クラフトビールとは何か」と自分なりに考えてみることは、よりビールの知識を深め、その歴史を知り、全国各地の醸造所やそこで造られるビールを知ることにつながります。それはビールの楽しさや多様さを実感するきっかけにもなる、意義深いことではないでしょうか。