ビール女子のみなさま、こんにちは! ポートランド在住の東リカです。
先月開催された女子ブルワーのビールフェス「SheBrew」に向けて、ポートランドの女子ブルワーをリレー形式で紹介してきましたが、「もっといろんな声を聞きたい!」という嬉しいご要望を受けて、イベント後も継続することとなりました!
早速、「SheBrew」会場で出会った「モダンタイムス(Modern Times Beer)」で働くアンジー(Angie Watkins)さんにお話を伺いました。
ワインからビールの道へ
アンジーさん、こんにちは!まずは、ビールに興味を持ったきっかけから教えてください。
アンジーさん
私の場合、ワインから入ったの。二十歳の時、イタリアに語学留学していたんだけど、そこで将来この業界で働きたいと思うほどすっかりワインにハマっちゃった。
最初はワインだったんですね。
アンジーさん
でも、アメリカで飲酒可能な年齢になって、「色々飲むぞ!」って意気込んで戻ってきたのに、イタリアでは普通に飲めてたワインが、アメリカでは学生には手が届かないほど高かった!
それで、当時増え始めていたクラフトビールを代わりに飲みだしたら、これが美味しくて(笑)。スタウトとか、アンバービールに夢中になったの。
それで、当時増え始めていたクラフトビールを代わりに飲みだしたら、これが美味しくて(笑)。スタウトとか、アンバービールに夢中になったの。
それから、ビール業界へ方向転換したのですか?
アンジーさん
当時暮らしていたワシントン州のオリンピアにはクラフトビールのブルワリーもあって、真剣にビールの道を考えたんだけど、今ほど情報もなくて。どうすればブルワーになれるか分からなかった。
今とは情報の量が違いますもんね。
アンジーさん
ネットで検索してみたら「発酵の学位を取るべき」って出てきたけど、それだとまだ何年も学校に通わなきゃいけない。
だから一旦ビールは諦めて、ワイン業界に就職したの。ソムリエからはじめて、ポートランドに引っ越してからは、ワインメーカーとして働いた。そして、ワイナリーにいる時に誘われて、ハードサイダーをつくるようになった。
だから一旦ビールは諦めて、ワイン業界に就職したの。ソムリエからはじめて、ポートランドに引っ越してからは、ワインメーカーとして働いた。そして、ワイナリーにいる時に誘われて、ハードサイダーをつくるようになった。
でも、ビールを諦められなかった?
アンジーさん
そう。ビール、大好きだから。それに、出来上がるまでのプロセスが面白い。
サイダーづくりも楽しかったけど、もっと完成までの時間が短くて、いろんな種類を次々に生み出せるビールに惹かれてた。ビールづくりでは常に刺激を受けて、どんどん新しいことを学べる気がする。
サイダーづくりも楽しかったけど、もっと完成までの時間が短くて、いろんな種類を次々に生み出せるビールに惹かれてた。ビールづくりでは常に刺激を受けて、どんどん新しいことを学べる気がする。
ワインとビールでは業界もかなり違ったそうですが、ハードサイダーとビールは業界が割と近く、ブルワーの募集も耳に入ってきたのだとか。
そんなとき、周りにも勧められ「モダンタイムス」に応募したのだそう。
気の合う仲間に囲まれて学ぶ日々
見事「モダンタイムス」へ入ることができ、念願のビール業界に足を踏み入れたアンジーさん。
「モダンタイムス」のブルワー募集の競争率はかなり高かったと思うのですが、発酵学の学位もビールづくりの経験もあまりない状態で採用されたのはなぜなのでしょうか。
アンジーさん
発酵の学位は要らなかったけど、10年以上もの間、いろんなもの発酵させてたからね(笑)!
ここでのビールづくりの75%くらいはこれまで経験してきたことを応用できて、25%が新しく学んでいるって感じかな。
私が採用されたのは、「モダンタイムス」の文化に合ったからみたい。一緒に働いて楽しいって思える人を探していたんだって。
ここでのビールづくりの75%くらいはこれまで経験してきたことを応用できて、25%が新しく学んでいるって感じかな。
私が採用されたのは、「モダンタイムス」の文化に合ったからみたい。一緒に働いて楽しいって思える人を探していたんだって。
職場はどうですか?女性だということで、違いなど感じますか?
アンジーさん
「モダンタイムス」は社員を大切にする社風だから、とても働きやすい。ポートランドはもちろん、モダンタイムスが生まれたサンディエゴのブルワリーで働く人たちも、みんな仲間意識がすごく強い。サンディエゴへ出張に行ったら、初めて会った社員たちが、「うちのアパートに泊まる?」とか「これ電話番号だから、連絡して。遊ぼう!」とか誘ってくれて驚いた。
とっても気さくですね!
アンジーさん
女性だからって意識することはあまりないかな。なんせ、サンディエゴ本社の事業企画戦略室のトップが女性だからね。それに、私は体も大きいし、力仕事もできる感じでしょ(笑)。体格的には変わらない。強いていうならコミュニケーションのスタイルが違うかな。でも、もし何か差別的な扱いを受けたら、「それは違うよね」ってはっきり言うよ。
とっても頼もしいアンジーさん。今後やってみたいことや将来の夢について聞いてみました。
アンジーさん
今、ここで働き始めて1年3ヶ月ほどなんだけど、毎日が充実している。このブルワリーが大好きだし、もっとビールづくりを学びたい。そしていずれ、自分のレシピのビールもつくりたいかな。
「SheBrew」に参加したビールはアンジーさんのレシピなんですよね?どのように思いついたんですか?
アンジーさん
昨年はサイダリーで働いていたから、サイダーで参加したんだけど、それが「マンハッタン」カクテルに発想を得たものだった。だから今年もそのカクテル繋がりで、ジンのボタニカルとグレープフルーツゼストを加えたビールにした。「モダンタイムス」は、1年前くらいからブルースケジュールを決めるから、最初からつくるのは間に合わなくって、ドライホップ前のペールエール『Fortunate Islands』をアレンジしたの。
自分の好きなビールに自信を持って
アンジーさんが好きなビールのスタイルを聞いてみました。
アンジーさん
爽やかで美味しいラガーかな。伝統的なドイツやチェコのビールが好き。アルコール分もそんなに高くないから、安心して何杯かは飲める。
日本のビール女子へのメッセージをお願いします。
アンジーさん
自分が美味しいと思えるビールが好きでいいってことかな。クラフトビールっていうと、IPAが好きじゃなきゃいけないって思う女性も多いみたいだけど、そんなことはない。
たくさん飲めば、いろんな味が分かるようになるし、何と言っても大事なのは、楽しい時を過ごすことだから!
たくさん飲めば、いろんな味が分かるようになるし、何と言っても大事なのは、楽しい時を過ごすことだから!
ありがとうございました!
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