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お酒は二十歳になってから。

Bar 昭和レトロなブリューパブ。東京から1時間、実家のように居心地のよい「シンキチ醸造所」

2021/10/02

今や全国各地にクラフトビール専門店が次々とオープンし、マイクロブルワリーの数も着々と増加。若い世代にもクラフトビールブームが広がっており、少しずつ裾野が広がっているような気がしています。


そんなクラフトビールブームの中、メインストリームから少し離れたところで、独自の世界観と味を追求するブルワリーがあります。

群馬県高崎市にある「シンキチ醸造所(以下、シンキチ)」は、"最高の食中酒"を追い求め、日々ビールを造っています。旬の果物や野菜をふんだんに使った微炭酸のビールは、まるで果実酒のよう。全国から熱心なファンも集まるその魅力について、ご紹介します。


東京から約1時間、昭和レトロなブリューパブ


東京駅から北陸新幹線に乗車すること約1時間。群馬県最大のハブ駅となっている高崎駅に到着し、10分ほど街を歩くと、レトロな出で立ちの醸造所が見えてきます。グリーンのカーテンが涼しげです。

シンキチ醸造所は、醸造所とパブが一緒の空間にあるブリューパブ。こちらで醸造も行い、樽生や瓶でクラフトビールの販売をしています。現在はコロナ禍の影響でテイクアウト中心で販売をしており、グラス一杯からはもちろん、グラウラーでも量り売りで購入できます。


元々は長屋だった家屋の一角を改装して作られたシンキチ。木の引き戸を引いて足を踏み入れると、暖かくてホッとするような店内に、どんなビールがあるんだろうとワクワクが募ります。

ちなみに筆者は以前にも何度か訪れていたのですが、いつ行っても地元の方や遠方からのお客様で賑わっていました。シンキチに集うお客さんはみんな気さくで優しく、なんだか実家の親戚の集まりを思い出させるような雰囲気なんです。

“舌で飲むビールを造りたい”がはじまり


オーナーでありブルワーの堀澤さんは和食の板前でもあり、元々は日本食割烹のお店を経営されていたことも。現在高崎市内でも、寿司と日本酒、ワインを楽しめる「ザブン」を経営されています。

そんな堀澤さんはある日、「ビールは最初の一杯にはなるけれど、炭酸も強いし食事と共に最後まで味わうことは難しい。喉で飲むのではなく、舌で飲めるようなビールは造れないのだろうか」と思ったそう。ワインや日本酒が食中酒の主流でしたが、食中酒としてのビールを造れないかと考えたのがシンキチの始まりです。

料理の経験はあっても、ビールの醸造は全くの未経験だった堀澤さんは、宇都宮の栃木マイクロブルワリーで醸造の基礎を学ぶべく修行をしたり、海外に行ってクラフトビールを学んだりと知識や経験を深め、シンキチ醸造所を開業させました。



元々は群馬県伊勢崎市出身の堀澤さんでしたが、高崎に住む同世代の人々と価値観が合い、8年前に移住。その後は暖かくも繊細な仲間に刺激を受けながら、日々ビールを造っています。

実家のような居心地の良い空間


店内の様子をご紹介。入り口に置いてある本棚に目を向けると、お料理の本や群馬県にまつわる本がたくさん並べられています。和食の板前さんでもあるというブルワー堀澤さんならではのラインナップです。


カウンター席の奥は台所スペースになっており、通常営業時には割烹着を着た優しいお姉さんが美味しい料理を振舞ってくれます。


色とりどりの可愛いお皿が並ぶカウンター。いつもはここに仲良く並んで、ビールや料理を頂きます。


シンキチビールは料理に合うような“最高の食中酒”を目指しているので、料理も抜群に美味しい。和食を中心に、ビールに合うメニューを取り揃えています。

まるで果実酒のようなシンキチビールの魅力


シンキチビールは「微炭酸」「果実酒のような味わい」が大きな特徴のビールです。

海外のクラフトビールとは違って、ホップやアロマの香りがガツンとくるタイプではなく、ビールによって違う素材の繊細な味や香りが楽しめます。

季節によって変わる旬の果物や野菜を使用したビールが得意で、ブルワーの堀澤さんいわく「料理に合うようなビールのレシピを考えていたら自然とこうなった」とのことで、あえて変わり種ビールに挑戦しているわけでもありません。


また、明確な定番ビールというものは設けておらず、季節ごとによって造られるビールも様々。今の時期は『柚子のばかたれ』『みかん番茶』がおすすめだそうです。


今回は樽に繋がっていた2種類のビールを味わってみました。こちらは切り干し大根を使ったエール『切干』。豚肉料理に合う味わいだそう。

どんな香りなのだろうとドキドキしながら鼻を近づけてみると、意外にもエールのすっきりとした香り。一口飲むと、本当に大根の風味が感じられるような味が!びっくりしてゴクゴク飲むと、後味はまさに切り干し大根。


続いて2杯目はふきの山菜エール『山芳る(やまかおる)』。芳しい山菜の香りが立ち込めていました。山菜のビールなんて初めてだなと、神妙な面持ちで頂くと、ふきの風味が口に広がり、少し酸味を感じるような爽やかな口当たり。こちらはこっくりした料理に合うそうで、納得の一杯でした。

最高の“食中酒”を造りたい


全国からコアなビール好きの方々が訪れるという「シンキチ醸造所」のオーナー兼ブルワーの堀澤さんに、もっと詳しくお話をお伺いしてみました!

ーシンキチビールの一番のこだわりや特徴はなんですか?

食中酒”であることです。正直、料理に合うようなお酒であれば、ビールの区分じゃなくてもいいと思っているくらいです。でも考えて造っているうちに、ビールに落ち着いたんですけどね(笑)

特徴としては、苦みが少なく微炭酸、また季節の果物や野菜を使ってレシピを考えています。女性の方でもすごく飲みやすいんじゃないでしょうか。もちろん食中酒じゃなく単品でも楽しむことができると思います。


ーお店がすごくレトロで可愛いですよね、立地にもこだわりましたか?

できるだけ自宅に近いところで、とは思いました。ここは元々長屋だったので、日本の伝統的な家屋という点でも気に入ってますし、醸造スペースもすごく良い環境なんです。ビール造りは温度と湿度がすごく重要なので、直射日光が当たらないような場所に設置できて満足しています。

ー今後の展望を教えてください!

今は「ザブン」の方でも週に4日、板前として立っているので、もう少しビールの面倒を見られるようにしていきたいですね。これからは食中酒としてだけでなく、クラフトビール単体でも楽しめるものを開発したいので、頑張ります。


最後に、ビール女子読者に向けてのことばとして「いつもクラフトビールを飲んでくれてありがとう」と伝えたいとお話しくださいました。ビールが好きな人たちが飲んでくれるおかげで、醸造家はビールを造ることができると。そんな温かいことばをいただいたら、また1つシンキチビールに行く理由ができてしまいますね…!

初めて訪れた人にも、どこか懐かしい故郷を感じさせるようなシンキチ。個性的で唯一無二なシンキチのクラフトビールを、是非一度味わってみてください!

 シンキチ醸造所

〇住所:〒370-0836 群馬県高崎市若松町2-11
〇営業時間:新型コロナウイルス感染対策防止により、営業時間が随時変動しております。詳細はFacebookをご覧ください。
〇Facebook:https://www.facebook.com/shinkichibrewery/

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ライターの紹介

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爪菱リオ ライター

ビールと映画をこよなく愛する陽気な関西人。真夏の野外フェスでキンキンに冷えたビールを飲んでからすっかり虜になりました。お気に入りの本を読みながら美味しいビールを飲むのが日々の至高の時間。国産クラフトビールを中心にサワーとフルーツビールが好き。

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