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お酒は二十歳になってから。

Column 中の人が語る、クラフトビールの”裏側”。クラフトビールはこうして造られる!<企画会議編>

2022/05/11

sponsored by REVO BREWING

皆さんは、ビールがどのように造られるかご存じでしょうか?まず麦汁を作って……という「ビールの造り方」の話だけではありません。1つの「商品」ができる過程そのものを見たことはありますか?

今回、商品企画から、実際のクラフトビールが完成するまでの工程を皆さんに知ってもらうべく、神奈川県横浜市にあるREVO BREWINGのコミュニティマネージャー・佐藤 翔平さんに、その裏側を綴っていただく連載がスタートします!

商品の企画会議」「醸造」「デザイン」と3つのテーマを軸にお話いただきます。本記事は、1回目のテーマ「商品の企画会議」。どんなふうに商品が開発されていくのか、早速見ていきましょう!


コミュニティマネージャー

佐藤 翔平


1989年、宮城県出身。岩手大学卒業。「酸っぱいビール」に衝撃を受け、5,000種以上のビールをティスティング。10以上の酒類関連資格と調理経験を活かし、フードペアリングに関する執筆や「ビアジャーナリストアカデミー」「アカデミー・デュ・ヴァン」等のセミナー講師を務める。日本地ビール協会公認「シニア・ビアジャッジ」として国際ビアコンペでの審査も行う。さらに「クラフトビールの魅力をもっと多くの方に知っていただくためにも、醸造の現場を経験したい!」との想いで、現在はREVO BREWINGでも活動中。さらに、3月より自書本「うまいビールが飲みたい!最高の一杯を見つけるためのメソッド」も発売するなど、活動の幅を広げている。

ビール女子読者の皆さま、こんにちは。REVO BREWINGのコミュニティマネージャー「佐藤 翔平」です。

普段何気なく飲んでいるビールのブランドが、どれくらいの歳月をかけて、どのように出来上がっていくか…イメージできる方は意外と少ないのではないでしょうか?(私もその一人でした!)

そんな工程を皆さんにも知ってもらうべく、今回は、2022年3月1日(火)に発売されてから人気を博している、REVO BREWING初の缶ビール『ONE』が出来上がる過程について一緒に覗いていきます。


【STEP1】“REVO BREWING”らしさについて考える


水沼さん

1つのブランドとしてのアイテムやコンセプトが全くなかった。まずは“REVO BREWING”ってどんなブルワリーだろう?と考えるところからスタートしなければなりませんでした。



当時をしみじみ思い出すように語ってくださるのは、REVO BREWINGのヘッドブルワー「水沼 泰樹(みずぬま やすき)」さん。

ヘッドブルワー

水沼 泰樹


1990年、神奈川県出身。学生時代に酒造りに興味を持ち、地元神奈川の熊澤酒造(湘南ビール)でのアルバイトを経てコエドブルワリーに入社。海外ブルワリーとのコラボレーションや定番商品のレシピ改善などの経験をもとに、現在はREVO BREWINGの醸造を担当している。

そもそもなぜ「ONE」を発売しようと思ったのでしょうか?


REVO BREWING は2019年9月にOPEN。観光地区でもある横浜・みなとみらい地区最大のブルワリーレストランとして産声を上げました。「アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉」のテナントとしての位置づけもあり、開店当初は 200席ある店内もホテル利用や外国の方を含めた観光客の活気で溢れていたそう。

REVO BREWINGの公式サイトを見る!

■関連記事:名物は“アパ社長ビール”!横浜の地からアメリカのクラフトビール文化を発信するブルワリーレストランに行ってきた

しかし、その後すぐに「コロナ禍」が直撃。レストランの休業・短縮営業はもちろん、ホテルも稼働していない中でどう存続を図るか考えた結果、本商品の開発がスタートしました。

完成までに約1.5年……一大プロジェクトだったんです!

水沼さん

そうなんです。製品は私たちの価値観やブランドを伝えていくものでもあるのですが、そもそも「REVO BREWINGとは?」と聞かれた時に明確に答えられるイメージがなかったんです。「Hazy IPAが有名」 といったくらいで…。



ちなみに、Hazy IPAはジューシーと例えられるような強いアロマと、大量にホップを投入することによる濁った外観(Hazy=濁った)が特徴的なビアスタイル(ビールの種類)。同社は『I am “THE” president』(現在は生産終了)や フラッグシップの『横浜家系 IPA(写真)』をはじめ、これまで数々のHazy IPAをリリースしています。

そこで、商品企画をする際、まずは「会社」を深堀りするところからスタート。

水沼さん

REVO BREWINGの母体である「株式会社トリプルアール」は、六本木・大手町エリアにて赤ワインとステーキをテーマとした飲食店を運営し、「ワクワクするような上質な時間」をお客様にご提供しています。

代表取締役である「樫埜 由昭(かしの よしあき)」の実家は酒屋を営んでおり、「お酒が身近にある環境」で育ったという背景が REVO BREWINGの立ち上げにも深くかかわっていて、ここを起点として「REVO BREWING」のブルワリーイメージを固めていきました。
同社HPより転載:https://www.rrr-inc.com/about-us

このタイミングで加入したのが私、ビアジャーナリストでもある「佐藤 翔平(さとう しょうへい)」でした。クラフトビールの魅力をもっと多くの方に知っていただくためにも、醸造の現場を経験したい! と水沼に相談したのがきっかけです。

Commiunity Manager 「佐藤 翔平」(本記事の語り手)

私が加入して改めて、水沼の思う“REVO BREWING”、佐藤が外部から見ていて感じていた“REVO BREWING”、そして今後ブルワリーがどうありたいかを擦り合わせ。

REVO BREWINGのビールは実に個性的。濃厚な果実感と苦味の「横浜家系 IPA」をはじめ、飲む信玄餅のような黒ビール『KINACO』、ピンクグレープフルーツのような味わい『Aloalo IPA』など…。口をつけるたびに「わぉ!」と驚きを感じるようなビールを得意としています。

それらを起点として、何度も思い返すような「強い印象を残すビール造り」を表現し続けていくことが 「REVOらしさ」だと方針が決まりました。おぉー!!
こちらは、「REVO BREWING」のブランドコンセプト決定に使用した資料(細かい!)。各意見や要素を論理的にまとめて導いていく。


REVO BREWINGの公式サイトを見る!

【STEP2】商品のコンセプトを考える


ブランドコンセプトが決まったら、いよいよ「ONE」のコンセプトに取り掛かります。

商品にはどんな思いを乗せたいのか、どんな方にお手に取ってほしいのか、ひらすらブレーンストーミング…
【ブレーンストーミングのメモ】
・REVO では香りや味わいがより「強い印象を残す」ビールを造っている。「Hazy IPA」をはじめ、多くの IPAをリリースしてきた

・IPAをはじめ、味わいの強いクラフトビールをお手軽に楽しむには価格面などでのハードルが高い

・自分の両親がお酒を楽しんでいる光景が印象的だった。ビールを造ろうと思った理由の一つにもなっている(水沼)

・自分のおじいちゃんやおばあちゃん含め、日々の食卓でも飲んでいただけるようになったらクラフトビールが浸透したと言えるのでは?(佐藤)

たどり着いた結論は「“ONE”を通してクラフトビールをもっと身近に楽しんでほしい」というものでした。


【STEP3】商品の「味わい」を考える


ブランドコンセプトが決まったら、REVO BREWINGのブランドコンセプトも踏まえて、「ONE」の味わいを決めていきます。

水沼さん

「ONE」の味わいはド真ん中の「ウェストコースト IPA(以下、WC IPA)」を表現しました。私たちの醸造哲学や技術を凝縮しつつ、ホップの上質な香りや苦み、ドライでシャープな飲み口に仕上げています。

WC IPAとは、IPA(インディア・ペールエール)の細かな分類の一つで、サンディエゴなどを代表とするようなアメリカ西海岸が発祥。カラッとした気候に適したような爽快なのど越しと、それによって際立ったホップの香りや強い苦みを特徴としています。

でも、なぜフラッグシップの「Hazy IPA」でなく、「WC IPA」に?

理由はいくつかあります。

まずは「REVO= Hazy IPA」だけでなく、様々なビールの「おいしい」が作れると知って欲しいと思ったのが一点。

水沼さん

クオリティの高さを見極めていただくためにも、多くの方が口にしたことが多いであろう広く皆が飲んでいるスタイルにしました。また、今回の「上質なものをもっと身近に楽しんでほしい」という方向性から、ビールのライトユーザーにもなじみやすいビールの種類で、弊社らしい豊かな香りや味わいを実現させたかったんです。


REVO BREWINGとしての在り方と醸造家の思いが細部に宿った「ONE」。

ビールの味わいの骨格も決まったところで、さらに「REVOらしさ」のある特徴を出すために、具体的なレシピに落とし込んでいきます。

初期工程からの多段的なホップの投入、煮沸後半におけるホップバースティング技術の採用、ドライホ ッピング時の綿密な温度設定により、タンジェリン、トロピカルフルーツにライムのような強烈かつ気品あるアロマ、シャープな苦味とキレのある味わいを実現しました。(同社リリースより抜粋)

ん、なんだって?ホップバースティング?ドライホッピングって?

…さあ、次回は「ビール醸造編」。醸造の観点から「ONE」を一緒に覗いていきましょう!


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