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Column ビールは値上げ・値下げ?10月の酒税法改正でどう変わる?ビール・発泡酒・新ジャンルの違いをおさらい

2023/12/06

最終更新日:2023/09/12

物価が上がったり電気代が上がったりと、日常のなかで「出ていくお金が増えてる…」と感じることの多い2023年のはじめ。そんななか、2023年10月に酒税法改正によりビールの酒税が変わることを知っていますか?

それに伴い、ビールの値段は引き上がるのか、はたまた引き下がるのか。さらに、「新ジャンル」や「発泡酒」はどうなるのか。ビール好きのみなさんが気になる酒税や値段についてまとめました!


そもそもビール・発泡酒・新ジャンルの違いって?


ビール、発泡酒、新ジャンル。

グラスに注いだら一見違いがわからないかもしれないこれらのビール系飲料。

店頭で値段を眺めてみるとそれぞれ相場が異なるため、「今日は特別な日だからちょっと高めのビールにしよう」「今月はピンチだから手ごろな新ジャンル」など、シチュエーションによって買うものを変えていた人も少なくないはず。

でも、具体的には何がどう違うのかあまり知らない…という方へ、まずは「ビール」と「発泡酒」、「新ジャンル」の違いをさくっとおさらい!


■「ビール」の定義


「ビール」はご存知のとおり麦芽、ホップ・水を原料として発酵させたもののことをいいます。

そのうえで、麦芽の使用割合が100%の場合はもちろん「ビール」。さらに、麦芽の割合が50%以上、かつ定められた副原料が5%におさめられているものが「ビール」と定められています。

ビールで使用できる特定の副原料はこちら。
  • 【ビールに使用できる副原料】
    ①麦、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、デンプン、糖類、または苦味料もしくは着色料
    ②果実・果汁や香味料
    ③コリアンダー・コリアンダーシード
    ③香辛料(胡椒、山椒、シナモンなど)
    ④ハーブ(カモミール、バジル、レモングラスなど)
    ⑤野菜(かんしょ、かぼちゃなど)
    ⑥そば、ごま
    ⑦含糖質物(はちみつ、黒蜜など)、食塩、みそ
    ⑧花または茶、コーヒー、ココア(これらの調整品を含む)
    ⑨牡蠣、こんぶ、わかめ、かつお節


■「発泡酒」の定義


麦芽の割合が50%以上でも、上記に定められた副原料以外のものを使った場合は「発泡酒」に。また、麦芽の使用割合が50%未満のものも「発泡酒」に該当します。

さらに、「発泡酒」は麦芽の含有割合によって税率も3つにわけられていて、「50%以上」「25%以上50%未満」「25%未満」で税金も変わり、「50%以上」になると、ビールと同じ酒税がかかります。

…ここまででも十分ややこしいですね。嗜好品であるからこその使命なのだろうかとも思ったりしますが、「ビール」「発泡酒」だけでもこれだけの違いがあります。


■「新ジャンル」の定義


そして「新ジャンル」はというと、麦芽ではなく大豆やえんどうを発酵させたり、「発泡酒」に、大麦や小麦を発酵させたスピリッツを加えたもの。そのため、「ビール」「発泡酒」「新ジャンル」のなかでは、酒税がこれまで一番低く設定されていました。

“麦芽”がどれだけ含まれているか、副原料は何が入っているのかで決まっていたビール系飲料の酒税。では、来る2023年10月に「ビール」の酒税はどのように変わるのでしょうか。

2023年10月の酒税法改正で、ビールは値上げ?値下げ?


2023年10月の酒税法改正によって、「ビール」の酒税が変わります。

では「ビール」の酒税は、引き上がるのか、引き下がるのか。答えは…

2023年酒税法改正で、ビールの酒税は引き下がる!
2020年10月から70円(350ml換算)になったビールの酒税ですが、2023年10月には63.35円となり、2023年2月現在と比べると6.65円の引き下げに! これによって、ビールの価格は下がる見込みです。

では、「発泡酒」と「新ジャンル」はどうなるのか。

2023年10月の時点で、「発泡酒」の酒税はこれまでと同じ46.99円で変わらず

では「新ジャンル」はというと、2023年10月に、これまで「新ジャンル」として定義されていたものが「発泡酒」の品目に取り込まれることに。

つまり、これまで通り「新ジャンル」の製法でつくり続けた場合、「新ジャンル」の酒税37.8円→「発泡酒」の酒税46.99円となり、実質酒税が上がることになります。

「発泡酒」は引き上がり、「新ジャンル」という呼称はなくなって、「ビール」のみ引き下がる。でも、2026年にはさらなる続報があるんです。

今後はビール系飲料類の値段が統一されていく


酒税の上げ下げについて、ここ最近よく聞くという人もいるのではないでしょうか。

じつは、酒税改正は2020年10月から2026年10月にかけて、段階的に行われているのです。

その理由としては、似ている酒類、今回取り上げている部分でいうとビール系飲料の「ビール」「発泡酒」「新ジャンル」の税率格差があることで、商品開発や販売数量に影響を与えているという考えではじまったそう。

酒類間の税負担の公平性を回復するなどの観点から、税収中立(減収分を増税による増収分で補う必要があるという考え方)のもと、2026年10月の税率一本化に向け、6年かけて酒税が変更されているのです。



2020年9月時点での「ビール」「発泡酒」「新ジャンル」を比べると、ビールと発泡酒では30.01円もビールが高く、ビールと新ジャンルについては49円も酒税に差がありました。

しかし、2026年には酒税格差がなくなり、一律の54.25円となります。

手ごろで手に取りやすいと言われていた「発泡酒」や「新ジャンル」の税率は段階的に引き上がり「ビール」は2020年9月以前と比べると22.75円も税率が引き下がるのです。


これまでは「安いから」という理由で「発泡酒」や「新ジャンル」を手にしていた人も、税率の違いによる販売価格の差を気にすることなく、「味わい」に注目して手に取ることができるのは、飲み手にとっては嬉しい限りです


ビール大手4社の10月1日以降の対応発表

2023年10月1日に施行される、酒税改正に伴う各社の対応が発表されたので、まとめました!

ビール大手4社はこぞって、「ビール」350ml換算で6.65円の減税。「新ジャンル」は350ml換算で9.19円の増税を発表しました

また、世界的な経済情勢により、原材料や容器包装資材、物流費などのコスト上昇を鑑みた価格改定も同日に実施。酒税改正により増減税となるカテゴリーも含まれるため、一部商品については双方の改定が反映されます。

  • 【アサヒビール株式会社】4月25日発表
    『アサヒスーパードライ』『アサヒ生ビール』などの「ビール」350mlあたり6.65円の減税。『クリアアサヒ』『アサヒ ザ・リッチ』などの「新ジャンル」は9.19円の増税となります。
    参照)https://www.asahibeer.co.jp/news/2023/0425_4.html

    また、価格改定は以下の通り。

    「ビール」は『アサヒスーパードライ』(びん・樽・生ジョッキ缶)、ギフトセットなど。「発泡酒」は『アサヒスタイルフリー<生>』 など。「新ジャンル」は『クリアアサヒ』(樽)。
    参照)https://www.asahibeer.co.jp/news/2023/0425_3.html
  • 【キリンビール株式会社】5月24日発表
    『キリン一番搾り生ビール」(缶)などの「ビール」350mlあたり6.65円の減税。『本麒麟』『キリン のどごし<生>』などの「新ジャンル」は9.19円の増税となります。
    参照)https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2023/0524_01.pdf

    また、価格改定は以下の通り。

    「ビール」は『キリン一番搾り生ビール』(びん・樽・PET)、ギフトセットなど。「発泡酒」は『淡麗グリーンラベル』(缶)、『淡麗極上<生>』(缶・樽)など。「新ジャンル」は『キリン のどごし<生>』(樽)。
    参照)https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2023/0524_02.pdf
  • 【サントリービール株式会社】5月25日発表
    『ザ・プレミアム・モルツ』『サントリー生ビール』『パーフェクトサントリービール』などの「ビール」350mlあたり6.65円の減税。『金麦』『金麦〈糖質75%オフ〉』『金麦〈ザ・ラガー〉』などの「新ジャンル」は9.19円の増税となります。
    参照)https://www.suntory.co.jp/news/article/14384.html

    また、価格改定は以下の通り。

    ビールは『ザ・プレミアム・モルツ』(瓶、樽)など。
    参照)https://www.suntory.co.jp/news/article/14385.html
  • 【サッポロビール株式会社】5月31日発表
    『サッポロ生ビール黒ラベル』『ヱビスビール』などの「ビール」350mlあたり6.65円の減税。『サッポロ GOLD STAR』『サッポロ 麦とホップ』などの「新ジャンル」は9.19円の増税となります。
    参照)https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000015980/

    また、価格改定は以下の通り。

    「ビール」は「サッポロ生ビール黒ラベル」「ヱビスビール」(びん・樽・タンク) など。「発泡酒」は『サッポロ 極ZERO』『サッポロ 北海道生搾り』。「新ジャンル」は「サッポロ 麦とホップ」(樽詰)。
    参照)https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000015981/


10月以降、続々と新商品ビールが登場!

酒税法改正を10月に控え、再びビールへの注目が集まるなか、各社から続々と新商品が発売されます。ビールの味わいそのままに体を気遣った糖質オフや低アルコール、こだわりの素材を使用した商品などが揃います。


■サッポロビール株式会社


『サッポロ生ビール ナナマル』


日本初(注1)となる糖質(注2)・プリン体(注3)70%オフの生ビール。糖質オフでありながら、良質な素材が生み出すビールならではの飲みごたえが特徴です。

糖質とプリン体2つのオフを同時に実現。厳選された複数の麦芽と一部に最高級のファインアロマホップを使用することで、ビールらしさを失うことなく仕上がりました。

(注1)糖質・プリン体2つのオフを訴求する日本初のビール(Mintel GNPDを用いた当社調べ)
(注2)日本食品標準成分表2020年版(八訂)による
(注3)通年販売している当社缶ビールブランド平均値比(2023年4月時点)


※公式HP:https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000016180/


ヱビス オランジェ


ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」の第2弾商品。酸味が少なくほろ苦さのあるオレンジピールは、ヱビスのコクと相性がよく、徹底的に吟味したものを使用。さらにオレンジピールに合うホップを選抜し、濃厚かつ上質な美味しさを実現しました。オレンジの風味をふんだんに感じられるヱビスビールです。

■公式HP:https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000016109/


■アサヒビール株式会社


『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』


アルコール分3.5%の「スーパードライ」が登場!ドイツ産ホップのポラリスを一部使用することで、冷涼感を実現しています。透明感のある味わいと本格的な飲みごたえに仕上げるため、通常の「スーパードライ」よりも発酵度を上げた制作方法です。

パッケージの特徴は、「スーパードライ」のデザインを継承しつつ白を基調として、八角枠とプルタブには赤色が採用されています。

公式HP:https://www.asahibeer.co.jp/news/2023/0823.html
【関連記事】アルコール分3.5%『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』どんな味わい?



■サントリー株式会社


『パーフェクトサントリービール〈黒〉』



日本初(※1)の糖質ゼロ(※2)の黒ビール。上質で深いコクで人気の「ダイヤモンド麦芽」を一部使用。さらに、上品な香ばしさが特長の黒麦芽を厳選して一部使用し、ホップの配合比率と発酵条件を調整することで、力強く、黒ビールらしい香りと味わいに仕上がっています

7月に行われたテスト販売でも「黒ビールは重たいイメージがあったが、スッキリと飲みやすい」「とても飲みやすく、食事に合わせやすい」と味わいを高く評価する声が上がりました。

※1 黒ビールで糖質ゼロを実現した国内で初めての缶商品(2023年7月Mintel GNPDを用いたサッポロ調べ)
※2 食品表示基準に基づき、100mlあたり0.5g未満を「糖質ゼロ」としています

公式HP:https://www.suntory.co.jp/beer/perfectsuntorybeer/

『ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール』

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉」は、日本人の嗜好に合わせた“フルーティな味わいと爽やかな香り”が特長。サントリー独自の上面発酵酵母と醸造家の秀でた技術、こだわりの素材を掛け合わせて実現させました。

今回限定発売される“ゴールデンエール”は、アロマホップを数種類ブレンドし、果実のようなやわらかい香りと豊かに広がる余韻が楽しめます。朱色と金色の華やかなパッケージには、ジャパニーズエールが、世界観空に浮かぶ雲や木などで表現されています。

公式HP:https://www.suntory.co.jp/news/article/14432.html
【関連記事】この夏飲みたい、2本のプレモル。日本人の繊細な嗜好に合わせた“ジャパニーズエール”とは?


『ザ・プレミアム・モルツ 限定デザイン缶』『同 〈ジャパニーズエール〉香るエール 限定デザイン缶』



“定番のプレモル”から限定パッケージが登場!「ザ・プレミアム・モルツ 限定デザイン缶」は、ブランドを象徴するカラーでもある金一色に。「同 〈ジャパニーズエール〉香るエール 限定デザイン缶」は、「同 〈ジャパニーズエール〉香るエール」の爽やかな世界観を青空に浮かぶ雲や鳥などのコラージュで表現しています。

公式HP:https://www.suntory.co.jp/beer/thepremiummalts/


■キリンビール株式会社
『キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)』


麦のおいしいところだけを搾る「一番搾り製法」はそのままに、小麦麦芽を使うことで「やわらかなうまみとかろやかな後味」を実現。後口がかろやかで、これまでビールをあまり飲んでこなかった人にも飲みやすい味わいに仕上がっています。

爽やかなパッケージのベースカラーは、やわらかで飲みやすいおいしさと心地よさを感じる色合い。さらに、KIRIN BEERの帯が風になびいているように描かれ、かろやかな心地よさを表現しています。

公式HP:https://www.kirin.co.jp/
【関連記事】一足お先に飲んでみた!一番搾りシリーズの新商品『キリン一番搾り やわらか仕立て』


「より安いもの」から「より好きなもの」を選べる時代に


これまでコンビニやスーパーでビール系飲料を買おうと思ったとき、「安いものを買おう」という第一思考があったとしたら、これからは「(値段が同じなら)おいしいもの・好きなものを買おう」という思考に変わっていくのではないでしょうか。

ビールも発泡酒も新ジャンルも、メーカーや醸造家が試行錯誤しよりよいものをという思いで開発されたもの。今後はさらにさまざまな味わいのものが生まれ、新しいものが世に放たれていくのだろうかと考えると、楽しみな気持ちが止まりません。

2023年10月の動きはもちろん、2026年10月の税率一本化も要注目しておきたいところです。値段ももちろんですが、どんな味わいのものが展開されていくのか、今後が見逃せません。

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