クラフトビールやクラフトサイダーに興味がある、詳しくなりたい、飲んでみたいと思う方に、ぜひ訪れてほしい酒屋が下北沢にあります。お店の名は「北沢小西」。このお店を紹介するには、「有料試飲」「クラフトビール」「クラフトサイダー」「スター・ウォーズ」という4つの単語が外せません。
今回は、4つのキーワードを使い「北沢小西」の魅力をたっぷりと紹介します!
昭和6年創業の老舗酒屋をリニューアル
下北沢駅から南口商店街を抜け約6分の位置にあり、ボトルが描かれた赤い看板が目印です。看板には「Le petit L’ouest」と書かれ、意味は「小さな西」で「小西」のこと。「北沢小西」は1931年(昭和6年)創業の老舗酒屋で、2012年11月25日にリニューアルオープンしました。リニューアル後、クラフトビールとクラフトサイダーは取り扱っていなかったそう。はじめはワイン、次は地サイダー(ソフトドリンク)と、紆余曲折を経てクラフトビールを取り扱うように。
店内正面と右手に冷蔵庫があり、クラフトビールとクラフトサイダー(りんごのお酒)が整然と並べられています。取り扱いの種類は、クラフトビールは約160種、クラフトサイダーは多いときで約60種類。これら全てが有料試飲の対象です。
クラフトビールやクラフトサイダーと向き合う「有料試飲」
冷蔵庫の反対側のテーブルやカウンターでは、お酒代のみで「有料試飲」をすることができます。冷蔵庫からお酒を取り出し、会計時に「有料試飲」をすることを店長さんに伝えてください。
こちらのお店で「有料試飲」を利用するとき、次のような注意事項があります。
・1人か2人での利用のみ。3名以上のグループはごめんなさい。
・2人のときは利用時間が30分まで(開店〜18:00の間のみ)。
・飲食店ではありません。友人同士のおしゃべり目的での利用は控えてください。
・すでに酔っぱらっている方、ルールが守れない方は退店していただくこともあります。
・グラスの店外への持ち出しは禁止。
・トイレは有料試飲イベント開催時のみ利用可能。
長い間、酒屋を営んできたこともあり、日本らしい“角打ち”の文化を伝えていきたいと考え、「有料試飲」を始めたそう。あえて“角打ち”と言わない理由は、“角打ち”という言葉が流行ってしまい、中でお酒が飲める、飲食店みたいなイメージが付いてしまっているから。
店長・倉嶋さんによると、“角打ち”はお客さんとお店との間にある信頼関係、お互いのリスペクトが成立したとき、本当に素晴らしい空間になるのだそう。そんな空間を堪能するには、1人での利用がおすすめです。このお店に来るお客さんは、クラフトビールやクラフトサイダーを大好きな方が多いそう。クラフトビールやクラフトサイダーという共通の好きなものがあるおかげで、その場に居合わせた他のお客さんと情報交換したり、大瓶のビールを割り勘でシェアしたり、お互いに飲んでいるビールを交換してみたりと、飲食店ではできないことが体験できます。
そう聞くと「ビールに詳しくないと利用できないんじゃないか?」と不安になるかもしれませんが、そんな心配はいりません。店長さんだけでなく、ビールに詳しい常連さんが説明してくれるのがいいところ。クラフトビールに興味があって知りたいという方がいたら、常連のみなさんがいろいろなことを教えてくれます。
「有料試飲」を行う一番の目的は、日本初上陸のものや最新のものを仕入れたとき、そのお酒を目的に買いに来たお客さんに、少しでも早く飲んでもらうこと。そんな要望に応えるために、仕入れるクラフトビールは、新しいものが多めになってしまうそう。
実はビールが苦手な店長さん
店長さんが仕入れるクラフトビールを全て決め、ほとんどのクラフトビールについて説明できるそうですが、驚くことに実はビールが苦手!特にホップが効いたビールが苦手なんだそう。仕事柄、味をお客さんに伝えなくてはならないため、全てのクラフトビールを最低一口はテイスティングしているのだとか。そうやって経験を重ねた店長さん、今では香りをかいだだけで、だいたい苦さが分かるように。
そんな店長さんにおすすめのクラフトビールを選んでもらいました。
『YUZU koji rice lager』税込990円
オーストラリアのブルワリー「Edge Brewing Project」がつくるオーストラリアのゆずを使ったビール。とにかく香りが印象的で、和食に合う一本とのこと。
おもしろいのは缶のフタが丸く取れること。通常の缶ビールより口が広く、香りをダイレクトに感じることができます。缶の縁は平らに加工されているので、このまま飲んでも唇が切れる心配はありません。これを持って散歩するとよさそう。
クラフトサイダーも豊富
「北沢小西」では多い時は60種類のクラフトサイダーを取り扱い、他のお店では手に入らないものも。
サイダーとは、りんごを発酵させてつくられる発泡性のアルコール飲料のこと。イギリスでは“サイダー”、フランスでは“シードル”、アメリカでは“ハードサイダー”と呼ばれています。サイダーというと甘いものを想像しがちですが、味わいの幅が広いお酒です。甘いものからドライなもの、りんご以外の果実を使うものなど、多様な銘柄があるのも特徴。
ビールが苦手な店長さん、初めてクラフトサイダー『シアトルサイダー』をテイスティングしたとき、あまりのおいしさに感動し、そこからクラフトサイダーに夢中になってしまったそう。それから少しずつ取扱数を増やし、今や冷蔵庫の扉2つ分を占めるように。クラフトビールと同様に、仕入れたものは全てテイスティングして、値段と味が見合うものがあれば、引き続き仕入れることで、おいしくてお求めやすい価格のサイダーが揃っていきます。
店内では樽生サイダーがプラカップ(500cc)で提供されています。この日の樽生サイダーを飲んでみます。
『オリジナルシン ブラックウィドウ ブラックベリー』税込900円
ニューヨークのサイダリー「Original Sin Cider」。商品名の「ブラックウィドウ」は缶のラベルに描かれている「クロゴケグモ」のこと。ブラックベリーとニューヨークのりんごでつくられ、甘すぎず、もう一口飲みたくなる味わいとのこと。
「STAR WARS」と「START BEERS」
土日祝日のみ店頭に立つ“にわか店員さん”こと、店長のだんなさまは、“大ファン”という言葉では表せないほどスター・ウォーズの大ファン。
店内は“にわか店員さん”の私物で飾られています。ファンはもちろん、ファンならずとも、いるだけで楽しくなる空間。
スター・ウォーズをオマージュしたオリジナルグッズも作られています。Tシャツには、マスターヨーダならぬ、マスターホップがいたりと、強いこだわりで作られたグッズを求めて来店する人も多いのだそう。
クラフトビールとクラフトサイダーに興味がある人、いらっしゃい!
クラフトビール、クラフトサイダー、スター・ウォーズのファンが通う酒屋「北沢小西」。有料試飲ができたり、おもしろい常連さんがいたり、ビールやサイダーの情報交換ができたりなど、いろいろな魅力がある酒屋です。「私の仕事は、お客さんに喜ばれるアイテムを、日夜アンテナを張って仕入れることだなと思っています」と話す店長さん。そんな心配りがあるからこそ、たくさんの人が通い、常連さんになっていくんですね。
クラフトビール、クラフトサイダーに興味を持ち始めた方にこそ訪れてほしいお店です。何を選んでいいのか、少し不安に思われる方は店長さんに「ビール女子を見て来ました!」と伝えてください。店長さんが丁寧に説明して一緒に選んでくれます。運がよければ常連さんのサポートも。ここでしか味わえない、素敵な体験ができるはず!
北沢小西
〇住所:東京都世田谷区代沢5-28-16
〇営業時間
[月・水~金]14:00~22:00
[土]11:00~22:00
[日・祝]11:00~21:00
〇定休日:毎週火曜/水曜は不定休で月2休み
※来店前に当日のSNSで確認してください
〇支払い形式:現金、クレジットカード、電子マネー
〇喫煙・禁煙:禁煙
〇公式ホームページ:https://kitazawakonishi.com
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