キリン株式会社(以下、キリン)の健康技術研究所は、ホップを熟成させることでできる「熟成ホップ由来苦味酸」に、体脂肪低減効果があることを世界で初めて確認しました。当社はこの研究開発成果を、2017年5月開催の「第36回ヨーロッパ醸造学会」にて発表しました。
熟成ホップが脂肪燃焼を手伝ってくれる!
ホップといえば、ビールに華やかな香りと爽やかな苦味をもたらすもの。ビールの原料として1,000年以上使われ続けています。キリンはこれまでにも、ホップ成分の様々な効果を解明してきました。アルツハイマー病予防効果、発がん抑制効果、骨密度低下抑制効果などです。
そして今回、ホップの熟成(酸化)過程で作られる「熟成ホップ由来苦味酸」が、脂肪を燃焼させる褐色脂肪組織を活性化させる、ということが明らかになりました。「熟成ホップ由来苦味酸」によって体脂肪が減るということが確認されたのは、世界で初めてです。
体脂肪低減効果、どうやって試験したの?
【方法】
成人男女200名を2群に分けて、それぞれ下記飲料を12週間毎日飲む。
・A群:熟成ホップエキスを含む飲料
・B群:プラセボ飲料
摂取開始前、摂取期間中、摂取終了後に、内臓脂肪面積と体脂肪率を測定。
【結果】
A群(熟成ホップエキス飲料摂取)では、B群(プラセボ飲料摂取)と比較して、内臓脂肪面積と体脂肪率が低下。(図①②)→熟成ホップエキスの体脂肪低減効果をヒトで確認。
図①:内臓脂肪のCTスキャン画像(左)と内臓脂肪面積測定結果(右)
(左図)第36回ヨーロッパ醸造学会 2017
(右図)引用文献:Nutrition Journal 2016, Volume 15, No.25
図②:体脂肪率測定結果
引用文献:Nutrition Journal 2016, Volume 15, No.25
ほどよい苦味の熟成ホップエキス
キリンはさらに、この「熟成ホップ由来苦味酸」を含む熟成ホップエキスを開発し、さらにその熟成ホップエキスを量産できる仕組みを確立しました。熟成ホップエキスは、ビール以外にも様々な飲料に使うことができます。
一般的に、ホップの熟成が進むとチーズや樹脂のような好ましくないにおいが生じるのですが、この熟成ホップエキスからはそんなにおいは生じません。そのため熟成ホップエキスは、ビールやその他の飲料に穏やかで厚みのある苦味をプラスできるんです。
ますますビールが飲みたくなる~!
熟成ホップエキスが脂肪燃焼を助けてくれるなんて、ビール大好きだけど体のことも気になる私たち女子にとって、うれしい報告ですね。ますますビールが好きになってしまいそうです!日々進化しているビール研究に注目しつつ、今夜もプシュッと1杯いかがですか?
■情報参照元:http://www.kirin.co.jp/company/news/2017/0524_01.html