こんにちは! ビール女子リポーターのなな瀬です。東京もだいぶ肌寒い季節になってきましたね。この季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあります。なんだか疲れが取れにくい、乾燥していてお肌の調子が……などなど、悩みを抱えているビール女子も多いのでは?
そこで今回は、“現役薬剤師に聞く! 「漢方の知恵」を応用した健康管理”についてご紹介します。これで秋の夜長も元気に思いっきりビールを楽しめるはず! ぜひ、ビアライフの中に取り入れてみてくださいね。
そもそも“漢方”って?
今回インタビューに協力してくれたのは、現役薬剤師として様々な講演やセミナーにも立たれている松田 惇さんです。前編ではまず、漢方の基本について深堀していきます。
漢方と言えば、真っ先に思いつくのは葛根湯くらいで、漢方=漢方薬と思っている方が多いのではないでしょうか? でも実は、漢方とは中国から伝わったものをベースに日本で独自に発展した「医学」のことを言います。漢方薬はそのうちの治療法のひとつ。なので漢方と言えば本来、鍼灸やあんま、気功などの治療法も含んでいます。
漢方の基本は5つの要素
それでは、漢方の考え方とはどんなものなのでしょうか? なんだか体に良さそうというイメージはありますが、実際に詳しいことはなかなか学ぶ機会がないですよね。
漢方を考えるとき、ベースになるのは「陰陽五行説」。世界は5つの要素でバランスを保っているという思想です。例えば、体の健康を保つために体温のバランスについて重要視されます。
漢方の考え方を食に応用したものが「薬膳」ですが、薬膳には食材の性質を表す指標として「五性(ごせい)」と「五味(ごみ)」があります。
「五性」は“熱・温・平・涼・寒”の5つを指し、体を温める食材なのか、体を冷ます食材なのかを表しています。料理のメニューを考えるときは平性の食材を中心に、温めるものと冷やすものを偏りなく組み合わせる事が理想です。その上で、体が冷えがちの時は温める食材を増やすなど、季節や体調に合わせてバランスを整えていきます。
また、味わいについても「五味(ごみ)」という“酸・甘・苦・辛・鹹(しおからい)”の5つの要素を考えます。ちなみに、“鹹”とは単なる食塩の塩分を指すのではなく、海水のように自然の中にあるちょっと複雑なしょっぱい味を指しています。
ちなみに、具体的に自然の中に存在する要素というのは、“木→火→土→金→水(→木)”の5つ。木は火を生み、火から土(灰)が生まれるみたいに、それぞれに相対になる要素の力を強めたり、弱めたりという影響を与えながらバランスを保っています。
この(写真にある図の)5つの要素の関係性に重なるように、“五臓(肝・心・脾・肺・腎)”や“色(青・赤・黄・白・黒)”、“季節(春・夏・土用・秋・冬)”の分野がそれぞれ大きく影響し合っているのです。
前編では、漢方の考え方をざっくりとご紹介しました。それでは、この考え方を応用して、どのように体調が崩れやすい時期にもビールを美味しく飲めるかを、後編では考えていこうと思います。
【プロフィール】
松田 惇(まつだ じゅん)
薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウセリングに携わる。その経験の中で、健康で心地良い生活を送るには自分に合ったものを知り、自然に寄り添って過ごすことが大切だと実感する。現在は薬局業務に従事するかたわら、「私らしく。を東洋思考で」を合言葉に心とカラダに合ったライフスタイルを提案するセミナーや個別レッスン、コラム執筆などを行っている。
▼過去実績
食の振り返り&カンタン薬膳講座、いつもの食材で出来る! あったか薬膳セミナー、仲良し農家をつくろう! 、コラム掲載「BeDiet ビーダイエット」・「女性のためのポータルサイト −DD−」